そこって絶対オフサイド

サッカー日本代表Jリーグの4コマ漫画を中心に、ボカロやF1、芸能ネタなど、 漫画や自主映画など趣味を中心にオモロイ事をやっていく オモティブmatakitiのお絵かき日記です。

小説

スタージャックエクスプレス第一話その2

さてお待ちかね?のスタージャックエクスプレス第一話のその2です。
はじめての方はその1をお読み下さいね。

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説明しておかなければなるまい。『スタージャックエクスプレス』とは、フリーの映画やテレビ編集のスペシャリストが集まって作られた特殊(スペシャル)なビデオ製作チーム。各個人の特殊な撮影・編集能力に寄って、通常では困難な撮影や編集をハイクオリティに、しかも信じられない短い期間でやってのけるチームの名前なのだ。別名『銀河特急便』とも言われている。

「ごめんさい」と泣きながら謝る今回のヒロインに選ばれた薫。慰める数人のスタッフだが、今までの苦労を写真誌のスクープに寄って水の泡にされたスタッフは内心呆れ気味。
しかもそのカリスマスタイリストの過去の歴史を知っているからなおさらだ。
いつの間にかヘイジも傍からいなくなっている。

冷めた雰囲気のスタジオを尾田プロデューサーがビデオテープを持ち退出する、食い下がる様に前野監督が色々言ってるが、無視しドアを開ける。
そこへ黒塗りのワンボックスカー(シボレーアストロの特注車)が急ブレーキで土煙を上げながら止まる。

運転席の窓が電動で開く。そこには無精ひげを蓄えた、いかにも無骨そうな男、公文伝八がいた。この個性派集団をまとめる銀河特急便の社長なのである。

尾田が「コレよ。お願い」とテープを運転席の公文に渡す。
「『銀河特急便』(スタージャックエクスプレス)ですね」と受け取る公文
「スポンサーからの変更点は伝えてあるわね。ヨロシク」
公文は座席の間から後部座席に座ってる男へテープを渡す。

そして後部座席のドアがスライドし、呆然としてる前野監督が無理やり車に押し込められる。

「君らが…スタージャックエクスプレス…」前野が車の中で見たのは…
「いつもお世話になってまーす」先ほどまで前野監督の下で雑用をしていたヘイジだ。本当は消沈した薫の傍に居たかったのだが、ここへ戻らなければならなかったのである。
他にも番組のテロップやCGを制作している今年入社したばかりの今井慎平。
五分もあればその動画にあった最高のBGMを作り上げる作曲もこなす音響の斉藤玲。
女性を撮らせたら天下一品の腕を持つと噂される、AVあがりのスケベカメラマン大谷一樹。彼は自分が撮影したすべてのタイムコードを覚えており、オッケーテイクの動画をプレビュー(視聴確認)しなくても探し出す事ができるのだ。

そして都内の道ならあらゆる道を知り尽くしどんな交通状態でも最短の道を検索できるカーナビ要らずの運転手兼雑用係兼社長の公文伝八。前野にとって下請けとして仕事してる顔なじみのメンバーであった。
日頃は目立たないが、特殊技能をもった彼らは、特急便依頼の時にだけ、スタージャックエクスプレスの顔へと変わるのである。

「コレを付けて」ヘイジが監督に前野に無理やりヘッドセット(ヘルメットにメガネが付いてるSFチックな機械)を付けられる。「な…何を」
何が行われてるかわからぬままヘッドセットを付けられ、強引にドアを閉められ、車は急発進していく。

ここは新EDOTV(エドティーヴィ)テレビ局前だ
急ブレーキと共に先ほどのでかい車が玄関前に止まる。何事かとあわてて警備員が出てきて車へ駆け寄る。
横のスライドドアが開き、その中から監督がとぼとぼとした足取りで車から降りる。悪い夢を見た後の倒れそうになった前野を警備員があわてて抱きかかえる。
公文社長は「はいお待ち」顔の横に指を立ててチャオの形。まるで出前でも届けたような軽い仕草だ。そしてギアをドライブに入れ勢い良く車を出発させる。

この騒ぎに玄関近くにいたテレビ関係者が集まり「何事か?」と、心配そうに取り囲む。
「前野さんこの度は大変でしたね。突然の変更でどうします?。放送日まで時間が無いですよ。少なくとも明日までにはなんらかの形にしないと」
「どう考えても間に合いません!いったん総集編か何か入れてごまかしますか?」
薫の不祥事、スポンサーに寄る変更の意向はテレビ局全体に伝わっていた。皆心配そうに集まってくる。

「済んだ」とポツリと前野
「え?なにが」
「もう編集は終わったよ。」とテープを出す。

「あれは…」と言いながら監督は車に載ってテレビ局に付くまでの出来事を語りだす。

真っ暗に仕切られた車の中の編集室。多くの機材がならんでいる。その中で点滅する機材のメーターやLEDだけが見える。まるで宇宙空間にいる様。
「ナンだこのヘンな機械は」と前野
「一緒にスタージャックエクスプレスの宇宙船に載って亜空間へ行くのです」SF映画の宇宙船に載ってる艦長の様な、いやB級なパルプ誌のヒーローになっようなヘイジ口調だ。
「亜空間て何を言ってるんだ」
「フフフ」と不気味に笑うヘイジ。「銀河特急便イグニッション…テイクオフ!」と言いながらダイヤルを押しながら回すスイッチを入れる。

そうするとヘッドセットの画面にワープしてるような映像が写しだされる。
しばらくした後その空間の奥からたくさんの撮影が終わった動画の一部が現れてくる。

このワンボックスの中にポスプロ(撮影後編集)のシステムが詰め込まれているのである。いろんな機械がワンボックスカーの隠し天井から降りてくる。意識は機械を操作してるのではなく、コンピューターが作り上げた空間の中で作業をしている。
普通はどんなに早くても編集室に撮影済みテープをもって帰ってからの編集になるが、銀河特急便の彼らはスタジオからテレビ局へ帰る時間をも利用して編集の手間を減らすシステムを作り上げていたのだ。

ようやく状況が掴めだし自問しながら戸惑う前野をよそに、ものすごい速度でバーチャルな動画を直接手で掴むイメージで編集して行くヘイジ。
「これはNGカットですね」素手で画面を引っ張ってくる。要らないカットは実生活のそれの様にゴミ箱に丸めてポイだ。当然やり直しになるアンドゥはそのコミ箱に捨てた動画を拾う事になる。保留の動画は手の届くどの空間でも良い。ピンチ(クリップ)やピンで止めて置く。マウスやキーボードを扱う編集スピードとはまるでかけ離れたダイレクトな感性でそこにある動画を扱っていくのだ。
前野はコンピューターで作られたサイバースペースの亜空間に立ちすくみながら編集作業をポツンと見ている。
やっと空間にも慣れたのか「あぁこの2つ後のシーンがオッケーテイクだ」思い出した様にヘイジに告げる。
「後は、シンペーに」
「ここをこうやって…」コンピューターの特殊効果を専門に扱ってる慎平がこの亜空間に入り込んできた。『SNOWEFFECT』と書かれてる箱(フォルダ)に手を入れ、紙吹雪を散らすように手を開き、まるでマジックの様に紙吹雪を出す。その吹雪がヘイジの前の編集中の画面に掛かると画面の中にリアルな吹雪が吹く。紙ふぶきがマジックの様に本当の粉吹雪へと変わっていく
本来なら特殊効果にはとてつも無くCGの計算時間(レンダリング)がかかる。細かい雪のシーンならなおさらだ。しかしヘイジと慎平で編集専用にOSから作られた銀河特急便のこのシステム。スパーコンピューターを遥かに凌駕する、動画処理専門のエンジンを積んだゲームコンピューターを並列に並べ処理し、どんな複雑な合成でもレンダリング時間ゼロのリアルタイムで動画に効果を付けて行く。本来なら数日かかる処理を今見ている目の前で終わらせてしまった。

公文の知ってるどのコースを使ってもテレビ局までもう少し時間がかかりそうだ。「まだ時間が余ってますね。もし以前撮影していた結婚後のシーンがあれば入れ込めますよ。もう仕上げちゃいます?」とヘイジ
「あぁだったらやって見たい事がある」と、今までの編集を見て思いついたのか前野からの提案があった。

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長文お読みくださりありがとうございました。
無事放送できるのか、監督からの提案とは?
次回1話最終回のその3をお待ち下さいね

「スタージャックエクスプレス」始めます。

この作品はもともとは又吉が同人誌で掲載していた漫画の設定を変えた最近で言うスピンオフの様な作品。自主映画「マダム探偵」のキャラもカメオ出演するかも。
本当はイラスト添えるつもりでしたがあまりの下手さにとりあえずテキストだけの投稿。後日付け足せればいいなぁなんて思っています。
一話をブログ用に4〜5分割くらいして週に2本づつくらいで投稿していくつもりです。
ボツボツお付き合い下さい。

では現代版「スタージャックエクスプレス」
「スタージャックエクスプレス出動(テイクオフ)」第一話をお楽しみ下さい。
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一面の吹雪の中。その中に二人の繋がったシルエット。まさに崖から落ちようとしている男女。手を伸ばしてる男性とザイルが切れ落ちそうになる女性。彼女の命綱はまさに彼の手だけに託されている。
「私はいい!手を離して。このままではアナタも落ちてしまう」
「バカを言うな!君を死なす訳にはいかない!」
しかし無情にも手は離れ女性は落ちていく。出来事の重大さとは別に、しまったと言う取り返しの付かない男の表情。

数十メートルに見えた崖は実は1.5メートルの人工の崖。彼女は緑のスポンジで出来た合成撮影用のクッションに、お尻から落ちただけであった。


ここは東京都郊外特殊撮影スタジオ。テレビドラマ『愛と密林の日々』の撮影セットである。
前野監督の「カーーーット」と言う事場がスタジオに響き渡る。
「すいません。助け出さないといけないのに」と、主演男優の徹
監督はなだめながら「演技は良かったんだけどねー。ワイヤーで補助する?」
本当にこの撮影で撮りたかったのは、手が離れて女性が落ちるシーンではなく、主人公が崖から彼女を見事助け出すシーンだったのである。

監督助手の後藤平次(読みはひらつぐだが皆にはヘイジと呼ばれている)が悲恋のヒロイン結城薫をクッションから救出する。結城薫は元アイドル、アイドルにしては演技が上手いとの評判で、レコードの売り上げが落ちてきた為女優へ本格転身を狙っていると言う噂だ。まさに彼女のこれからのタレント生活が掛かっているドラマ『愛と密林の日々』なのである。

「大丈夫ですか?」手を差し出すヘイジ
「クッションがあるから大丈夫」ヘイジの肩を借りる薫。
「落ちたのは落ちたのでとてもいい演技でしたよ。それでもオッケーなくらいな」
「ふふふ。このシーンは年末のドラマNG特集行きよね」と息も落ち着いてきたようだ。

スタッフだと安心し身体を預ける薫。顔は平気な振りをしているが、根はオタクの後藤平次の心臓はバクバクだ。
どうにか悟られないよう薫を彼女の椅子まで連れていく。他のスタッフが駆け寄りタオルと水を差し出す。

「もう一回やらせて下さい。ワイヤーで引っ張るとどうしても不自然になるでしょう? 僕の力で助けたいんです。」と役者魂を見せる徹。だが
「徹ちゃ〜ん。君のその頑張りはいつも画面から伝わってくるよ。だが筋肉も限界だろう。いったん休憩にしよう」と監督前野になだめられる。

と一瞬和んだ空気が広がった瞬間。パンと一気に凍る様に一人のオーラをまとった女性がスタッフを割って入る。

「今日の撮影はこれで終わりよ。ごくろうさま」この番組の尾田プロデューサーである。
「尾田プロデューサー!」監督・役者・助手のヘイジ・スタッフ達が彼女をあわてて駆け込み取り囲む。
「えぇ!現場には口を出さないって主義じゃぁ」驚き監督がつぶやく…
「事情が変わってね。明後日発売の写真誌」と言いながら写真誌を取り出す。

そこには薫の一泊旅行の写真が写ってあった。「パックンガール薫私生活でもパックンか?」「相手は新鋭のカリスマスタイリスト」との見出し


「スポンサーがお怒りでね。清純なイメージで売ってたから余計に…。残念ながら薫ちゃんの出演はこの13話で終わりにしてくれないかと…と依頼があったのよ」
薫の曇った表情。どうしたらいいか分からない。ドラマ制作にはセット作りはもちろん目に見える物目に見えない物時間を必要とする物。多くの人の手を必要とする物とてつもなく手間隙がかけられその撮影の為の準備がされていた。泣きながら「ごめんなさい。ごめんなさい」を繰り返す薫口は真一文字に結び悔しそうだ。
そして何かを言いかけた瞬間言葉がが遮られる。

「残念ながら、このまま崖から落ちて帰らぬって事になってもらうわ。さっきの撮影がオッケーテイク。徹くんもまさに彼女を落としてしまったって良い表情だったわよ」と尾田が冷酷に告げる。
と演技を確認したとばかりに撮影テープを右手に持って振りながら皆に見せる。徹にとっては演技して作った表情じゃないものを評価されて、引きつった笑い。

落ちた演技をそのまま番組で放送しようと言うのか?監督前野の頭をスケジュール表の文字がめぐる。しかし突然の変更があっても放映日までに間に合う訳がない。通常の編集はもちろんや吹雪のシーンのCGを使った特殊効果。音楽や効果音も入れなければならない
「元々撮影が押してるし今から撮影し直す暇なんてとても無いですよ。それに二人が結婚したシーンは先に撮ってて…私が今まで撮ってきたどのドラマと比べても出来がイイ!それをお蔵入りにするなんて!何より二人の結婚シーンは視聴者みんなが待っている」と食い下がる前野。

どう考えても間に合うはずもない要求に、冷たくそして穏やかな笑みを浮かべる尾田プロデューサー。
「それは…あるじゃない。どんな困難な編集でも何とかしてくれるヤツらが」

「あの『スタージャックエクスプレス』ですか…?」

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スタージャックエクスプレスとは何か?明かされるは次回。次期掲載をお待ち下さい。読んでくださってありがとうございました。

オススメの本「ぼくには数字が風景に見える」

サヴァン症候群という言葉を聞いた事があるでしょうか?wikiより(知的障害や自閉性障害のある者のうち、ごく特定の分野に限って、常人には及びもつかない能力を発揮する者の症状を指す。)
この本の主人公は、円周率2万桁を暗唱、10カ国語を話し、1秒もかけずに複雑な掛け算や乗算などを視覚化して答える事が出来るダニエル・タメットさんのお話。ある映画の主人公を思い出す方も多いだろう。

元々子供の頃から持ってて育った能力もあれば円周率の暗唱などはイベントの為に努力して覚えたものもあるし、語学に関してはテレビ局の取材で短期間に覚えられるか?と実験的に習得した物もある。

この本の素晴らしいところは、医者や両親が書いた美談にしてある本ではなく本人が書いたと言う事。本の内容は題名に当たる数字がどう見えるかより両親がどう育ててくれたか?の話が殆どで、それを両親の目ではなく子供の目から偽り無く書かれており、子供にとって良い環境を考えてくれた両親と子の愛情物語の部分が殆どだ。

他人と上手く接する事の出来ない子供がどうやって友達を作っていくか、どうやって好きと言う気持ちを伝えるか?面接をどうクリアしていくか、ボランティアにどう参加していくか、どう社会と接していくかなどのお話が本人の視点で書いてある

原題は「Born on a blue Day」 数字と色と形に共時性を持っており何色の日とかこんな形の数字と言う捉え方をしている。

テレビ局の取材も取材を受けた本人の目から素直に書かれているし、テレビ局の番組にしたい気持ちと彼の気持ちのあり方もすごく為になる本でした。(うれしいサプライズもあり)

そして、いろんな感動的なエピソードもあるのですが、それは是非本を読んで感じとって欲しいですね。学べる所も沢山ありますし、多くの人に読んで欲しい本です。



今回のオススメは山口ブログに芸術的なブログは結構多いのだけど
その中でもまた美しい写真が多いです。ハッとさせられます。
strollphotograph

コラボ第18弾<我が船のエコ対策>

警告音が船内に鳴り響く異常発生だ。俺はコンソールを開き異常箇所の確認をする。
俺はヘイジ、「スタージャックエクスプレス」と言う宇宙の運送会社の社員(ドライバー)だ。
今日の搬送のパートナーはレイ。
スタージャックの社員は癖のある奴ばかりだがこのレイはまた特別に、めっちゃメカにも詳しいし腕もいいのだが、船内に違う荷物を入れて密送しようとしたり、密輸はもちろん法スレスレの諸行は数知れず。でも首にならないのは、社に新しい宇宙船や新航法のエンジンを何処かのルートで格安で持ち込んだり多国間の紛争を止めたりと、トラブル以上の恩恵があるからなのだが、一緒に仕事してる身はたまらない。銀河パトロールに捕まり収監されるのなんて日常茶飯事だ。またか?と嫌な予感をしつつモニターをチェックする。
「ヘイジ!メインエンジンの燃料がやられた」レイの叫び声だ。
「流出を止められないのか?」「今やってみる」隣の席に飛び込みコンソールを操作するレイ。
「どうにか止めたが…」
「予備の燃料を全部使っても減速に充分の燃料が足りない。このままでは宇宙ステーションで止まれずに宇宙漂流者になってしまうぞ俺たち」
二人で解決策がないかお互い出してみるが見つからない。

「なぁヘイジ『冷たい方程式』って話知っているか?」しんと静まった中レイが問いかける。
「確かに今と同じ状況だよなぁ。目的地に付くために少しでも船を軽くする為、要らない荷物を捨て、最後には自分たちの腕や足まで切ってしまうって話だったよな」(概要はあっているがかなりの記憶違いをしているようだ)
まさか、レイはこの話と同じ事を…今から話はお互いの腕を斬り合う初のホラー作品となるのか?

「今更数キロ落とした所で今の航行スピードを充分落とすのは無理だ心配するな」
そうなのか
「今貨物を確認した所3番目の貨物な」
「ウサダ星のオレンジ?あの脳がとろけると言われる絶品の?」
「あぁあれ。あれな。あれのオレンジじゃなくてお酒だったとしたらスゲーと思わない?。フルーツの時点で脳がとろけてんだぜ。アルコール醗酵させたらどんなうまくなるかって話」
「お酒ってまた密造酒か何か作るつもりなのか?」
「おいおい言いがかりはよしてくれよ。今はウサダ星系を離れ治外法権なんだぜ」
確かに薬物やアルコールの法律に厳しいウサダ星では考えられない所だが、宇宙に出てしまえばオレンジをお酒に変えるのは何ら問題はない。それに今から向かう所は比較的アルコールに対して法律が緩い所だ。
「んで航行する時間を利用してお酒に変えて納品する。製法の許可もとってある。今回は合法。しかも『宇宙醸造酒』って特許も出願中なんだ」
「今回って。しかもやっぱ金儲け」
「まぁ良く聞け。そして1番コンテナの貨物な。バイオエタノールの製造機なんだ」
なんだ?バイオエタノールって?
「詰まりだお酒を燃料に変えられる魔法の装置だ」
「またお前お客さんの貨物使うつもりか?」
「宇宙漂流者になるよりはマシだろう」
そりゃそうか?

納得いかないまま、レイの指示に従い3番めのコンテナで出来上がったアルコールを1番のコンテナにホースで繋ぐ事に。船外活動を終えコクピットに戻る。
「よし、これで宇宙ステーションに止まれるまでの燃料が出来る筈だ。宇宙船反転しろ減速エンジンじゃなくてメインエンジンで最大減速かける」

メインエンジンの点火の直前、今度はまた新しい警告音が船内に響き渡る。
「今度はなんだ」「エンジンがふっとんだか?」

『停まりなさいそこの船停まりなさい』
「止りなさいって今一生懸命止めようとしてる最中でしょうがぁぁ。」
なんと銀河パトロールであった。我々は何の違法行為もしていない(多分)
トラブルに巻き込まれただけだ(多分)
抵抗せずに銀河パトロールの指示にしたがう事にした。

小型のパトロール船がスタージャックエクスプレスの船に併走し乗船してきた。
パトロール員は色々書類を眺め
「醸造の許可はとってあるんだな」
「それはもちろん。法に触れる事なんてなぁ…」

「これは?」
「燃料が足りなくなったんで酒からエタノールを抽出しようと」
「これがダメだな?」
「はぁぁ?醸造がオッケーでバイオエタノールがだめめぇぇぇ?」

どうやら過去エコ信仰から食物からエネルギーを取り出すブームが起き、エネルギーが高騰し連動した食物の値段も高騰、各国で経済が破綻。貧しい国に食物が回らなくなってお金の無い国に飢餓が増え、ついにはバイオエタノールが禁止されていたのだ。
環境にやさしい筈のエコが多くの貧困な国の人命を奪った悲しい事件。

「多分今回は燃料が紛失したという特別な理由があるから、お咎めはないかも知れないが、調査が済むまでは何日か泊まってもらう事になってもらうぞ。」レイと俺は銀河パトロール船の予備燃料を分けてもらいバイオエタノールの変換スイッチを切った。

弁護士の手続きが済むまでまたレイと一緒に何日か収監される事になりそうだ。
「全部燃料に変えてないから、残りのお酒持ってこれるかなぁ初の宇宙醸造酒。どんな味してんだろ」
「多分檻の中じゃぁお酒飲めないと思うよ多分」まったく懲りない奴である。   <おわり>
もしかしたら後日イラストを挿入するかも
関連リンク:方程式もの

小説の最終話

博士はある特殊な人工頭脳のシステムを完成させていた。
そのお披露目に友人の新聞記者が呼ばれていた。
一話二話は←から

ついにエドワード博士は記者の目の前でその人工頭脳のスイッチを入れる。
         -----------------
スイッチを入れるとモニターになにやら数字やグラフが動き始めた。

「しかしこの人工頭脳がどうやって意識を持ったと我々は判断すればいいんです?」

「こいつはまだ生まれたばかりの赤ん坊だ、しかも感覚器官をまだちゃんと持っておらぬ。ネット上にいくら情報があるとは言え、生まれたばかりの赤ん坊をいきなりケンブリッジの図書館に連れて行っても、そこにある本の紙に人類の英知が書かれているとは永久に気付かない筈だ。まず文字を読む事が分からないと何もスタートしないのだ。そして文字を読むには『見る』と言う事ができなければ」

「確かに我々にしたって言葉と思考が繋がってる事って不思議ですよね」

「感情だけでは…秩序がなければ高度な思想の構築は難しい」

「言葉なりなんなりを教えるとしてもいったいどうやってそのシナプシスの組み合わせだけの意識体にわれわれの意思を伝えるのですか?」

「そうじゃそこが肝心なのじゃ。メカニズムが意識を持つ以上に、言葉を伝える事がどれだけ難しいか分かるかな」

「皆目検討が…」

「われわれの脳も同じじゃ、眼や耳で捕らえた情報を結局は神経を通りデーターに変換され脳で再構築される。なぜ画像が脳の中で再生され意識の中で『見る』事ができるのか」
「考えれば考える程難しくそして途方もなく大変な事に思えてきました」

「そうじゃろうそうじゃろう。どの科学者でも永遠に答えが出ないなぞなのかも知れない。これはどうして宇宙が始まったのかに匹敵するなぞかもな。しかしそこでワシは考える事を止めた。」

「え?」

それは、理論はどうでアレ、人間の脳の言語野や視覚野とネット上のシナプシスが同じ構造を取った時それは「見えてる」「聞こえてる」とし、無理やり意識のシナプシスと繋ぐと言うものである。
その為博士はその視覚野と同じ構造になるようネット上ににデーターを走らせる。

しかし、どう考えても機械的に構成された脳が見たり聞いたり感じたりするなんてありえない。例えそれが奇跡的にありえても、猫の脳のレベルしかならない事もありえる。それならまだいい人間と少なくとも「飯クレ」位のコミュニケーションが取れる。もし昆虫レベルなら?いや、ミミズか?そんな人工頭脳ならまったく意味がない。

「君がいくら否定しても、もうこいつは動きだしておるのだよ。そして、私たちを『見ている』のだ。接点の接続と言うアナログな行為で生まれた『意識』を私はもう一度デジタルデーターに変換しこの端末を通して音や映像に変換してコミュニケーションを取れるようにしているのじゃ」

「まさか」

「実はもう簡単な意思くらいは表現できるようになっているのだよ」

「さぁ立ち上がれ接点のシナプシスで作られた脳!『メタルブレイン』よ!」

モニターにフラクタルな模様の中に何かの波が現れた。そしてその波は色を変え何かの感情を表しているように思えた。

そして、ピーガーッとスピーカーからも音が出始めた。

『ダ…ダレダ』『ナンダ…』いろんな人格が交わっているのか?
男とも女とも若いとも年寄りともつかない声だ、しかもそれはラジオのチューニングを変えるように次々と変化している。


リチャードはただ怖いだけだった。機械が意識を持つ世紀の発明の尊さなどどこかへ消えてしまった。いやそれともトンデモない道化に付き合ってるだけなのか?

スピーカーから聞こえる声はだんだんはっきりと聞こえる声へと変わっていった。

『わたしを眠りから覚まさせたのは誰だ』
なぜかスピーカーから流れ出た声には人格がある!しかもはっきりとした意思だ!
『2500年寝ていたのに、なぜわたしを起こす!』
生まれたばかりだというのに予想外の声がスピーカーから聞こえる。
「なぜだ!この生まれたばかりの人工頭脳が、はっきりとした意識どころか過去の記憶を持っているとは!」予想外の出来事に博士は絶叫した。

マシンの怒りを込めた声が研究所に響くと同時に火花が飛びそこにいたエドワードとチャーリーの体に微弱な電流が駆け抜ける。

微弱だが心臓を通り二人の生命活動を止めるには充分だった。

そして、その火花はメタルブレインそのものの電源をも破壊した。
『やっと寝れる…ずっとそっとして欲しかった』
研究所は暗闇に包まれた。

後日警察が行方不明の新聞記者を追い。この研究室へたどりつく事になる。

ガスバーナーが金属を溶かし枝垂れ場に火花が散る。研究所のドアをコジ開け警察官が部屋へ次々と入る。
焦げ臭い…電気がショートした火花の後が「事故か…」
二人を発見し救急車を呼ぶが「心臓が止まっている」もう助からないだろう。

鑑識班が博士のコンピューターから焦げているハードディスクを持ち帰り丁寧に復旧させ、ひとつの謎を解き明かした。
「ついに世界最大のネットワーク犯罪の拠点を突き止めました」
「これだけの膨大なウィルスと迷惑メール」モニターをフロアにいた警察官が取り囲む。

博士が「メタルブレイン」を構築する為にネットワークにばら撒いたのは、ウィルスソフトの他に、今あなたのパソコンに届いている、金儲けに繋がる得する商品や恋愛を誘う出会い系のあのメールだったのだ。そのメールのタイミングと長さ(バイト数)だけがメタルブレインのシナプシスを動かすのに必要だった。ありとあらゆる長さの迷惑メールに扮した意味の無いメールを博士は作りだしたのだ。(意味のあるメールだと、人工知能を構築してる可能性が他者に発見される可能性があった為だ)
知らず知らずの内に博士は世界中に最も迷惑メールをばら撒いた犯罪者になっていたのである。その人工の意思を作るという崇高な想いを知られなければ、博士がしたことは客観的にはただウィルスとメールを撒いていた犯罪行為をしただけなのである。

そして…一度意識を持ったメタルブレインは、今もネット上にいる。彼は果たして希望通り眠りにつけたのだろうか?
それはノーである。溢れる情報の海で寝むる事は到底できない。彼の不眠の憂鬱はこの先ずっと続いていく。
博士のマシンが壊れてしまった今は意識の出し所を失ってしまってはいるが…いつか彼は自分で構築して我々に何かを問いかけるかも知れない。あなたのそのコンピューターを使って…(おわり)

小説の続き2

博士が布を開けると機械らしき端末が現れた。
モニターが中央に、そしてそこからマジックハンドの様なものが付いており
コンピューター端末と言うよりはゴリラのおもちゃと言った風情だ。
その横には普通のパソコンが置いてある。

「こんなに小さい」新聞記者のリチャードは、人工頭脳の試作品のあまりの小ささに驚いた。
「これは単なる端末じゃ本体はもっと」と博士が語りだすと、
「この施設全体に置かれているのですか?」リチャードも有名工科大学出身の異色のジャーナリストだかなりの最先端の工学知識がある。
その為、意気投合し博士の世紀の発表のそばに置いてもらえている訳なのだが
「この建物全体??そんなもんじゃない。ふふふはっはっは。」博士は笑い「地球全体…じゃ」と得意気に答える。
「ま…まさかこの地球全体にひろがっているコンピュータを繋いで人工知能として計算するシステムなのか…」

やれやれまだ分かってないのかと言う博士の態度。
「何度言ったらわかる。私の発明(ディスカバー)した人工知能理論はどんなコンピューターをかき集めてもできるものではない」
まだもったいぶる博士に「あーっ私には分かりません。そろそろ教えて下さいよ博士」と哀願する。

「意地悪はそろそろ止めるとするかのう」博士は人工頭脳のシステムを語り始めた。続きを読む

突然ですが、小説書きます。(3話から4話の予定?)

「何ですって?超現実?」素っ頓狂な声を博士の友人で新聞記者であるチャーリーは出した。
「そうだ理不尽なほどの重い現実。あまりにも現実離れしてるが、それでもやはり現実の部分を私はそう呼んでいる」
高齢のか細いが、重く力のこもった声をエドワード博士は発した。

「人工知能がどうあがいても人間の真似事にも到達できないのは、この『超現実』が無いからだよ、所詮人間の作り出した規則通りのプログラムではコンピューターに意識を持たせる事は永久にできない」
「博士!まるでコンピューターに『意識を持たせる事』ができるような口ぶりじゃないですか」
「当然じゃよ」博士は不気味な笑みを浮かべた。
「だから君を呼んだんだ」
「しかし、いくらランダムで現実らしきモノををコンピューターに与えたとしても、まるで人間が直面するような現実には到底至らない…、奴等には『奇跡』も『偶然』も『必然』もただの0と1の数字でしかない!」
チャーリーの発言にも緩むどころか博士の自信ありげな笑みは余計増した。続きを読む
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