・・・1月30日・文句さんとの特別対談・・・
072
幸いにして、熱烈な恋もできました。
相手の男性も
レジェンドを、まっすぐに愛してくれました。


幸せな恋でした。


でも…相手は20歳も若くて…。
年齢に引け目を感じたレジェンド
自ら身を引きました。


それと引き換えに、借りていた家は
自分のモノになりました。


男性の実家が
地方の、ちょっとした地主であり
レジェンドが借りていた家を
買い取ってくれたのです。


自ら身を引いたレジェンドに対する
それが、男性の両親からの手切れ金でした。


いつしか時代も変わっていて
カミナリ族は、暴走族と呼ばれるようになり
その程度や質の悪化劣化は
目を覆わんばかりです。


ハシにも棒にも引っ掛からない
劣悪な若者達が急増する中で
心機一転、自分の将来に目を向けて
希望を持って社会に飛び込む心ある若者も
少なからず、いました。


そういう若者達が、社会に受け入れられず
自分の本意とは違う世界に、どっぷり浸かってゆき
身を破滅させてゆくのを、何度も見てきました。


暴走族上がりとて、心ある若者は、大勢います。
いえいえむしろ、優等生よりも上下関係を弁え
良い子ちゃんよりも、気骨があります。


曲がらない折れない根性の少年達。
むしろ却って真の優しさを備える少女達。


そんな有望な若者達が
世間に相手にされないで自滅してゆくのを
これ以上、放置できません。


自分と同じ苦労は、自分だけで充分なのです。


自宅を開放し
そんな心ある若者達を住み込ませ
衣食住すべての面倒を見ました。


その瞬間から
レジェンドは、おばちゃんになりました。
親兄弟から見捨てられた心ある若者達の
【もう1人の母親】として生きると決めました。


タバコ屋として働かせ、ノウハウを教え込み
社会人としての力をつけさせて
何人もの心ある若者達を
立派な社会人として独立させていきました。


しかし、そんな崇高な理想論など
現実には、いつまでも続くはずもなく
独立した若者達も、援助してはくれるのですが
経済的な困窮に
生活もままならなくなってゆきます。


援助に名を借りて
独立した若者達の負担になっているという
滑稽な本末転倒にふと気づいた時
自分の愚かさに涙が出ました。


もう、何もかも、諦めて、自宅も売却して
ホームレスとして生きる以外
道は、ないのでしょうか。


大きな借金地獄にどっぷり浸かり
悲嘆に暮れていた時
住み込みさせている、とある若者が
以前担任してくれたという
若い女性教師を連れてきました。


【かみなり】を、奇跡の学校と称賛し
何としてもおばちゃんに会って
話を聞きたかったというその女性教師
まるで、アイドルに憧れる女子高生のように
キラキラした眼差しで
おばちゃんを抱きしめたそうです。


おいそれと人に聞かせても
詮無いコトと知りつつも
女性教師の人柄に魅かれて
おばちゃんは、窮状を話しました。


女性教師は、泣いていました。
高場から教えを放り投げるのではなく
ともに泣いて、ともに笑って導ける
人生の先輩になりたくて
教師を目指したと言っていました。


ずっと捜し求めていた教育を
ようやく【かみなり】に見つけたと思ったのに
そんな状態になってるなんて…と言って
女性教師は、たくさん泣きました。


理想論は理想論でしかなかったと
おばちゃんは、寂しく笑いました。


その理想論を現実論に変えさせて下さいと
女性教師は、熱く手を握りました。


あまりに膨大だった【かみなり】の借金は
その翌日に、すべてきれいに
女性教師が完済したのです。


女性教師の家は
親の代からの資産家でした。


女性教師自身も、資産の運用に長けていて
親から受け継いだ財産を、何倍にもしていました。


私のお金は、この為にある。


女性教師がしたのは
借金の完済だけではありませんでした。


周囲の建物を買い足して棟続きにし
【かみなり】を、大きくしてくれました。
住み込む若者達の生活環境が大きく向上しました。


女性教師は、教え子を頼って
独立した若者達の進路も
大きく広げてくれました。


そのまま、タバコ屋になるも良し…。
居酒屋に勤めるも良し…。
コンビニのオーナーになるも良し…。
フィットネスセンターに勤めるも良し…。


【かみなり】に住み込む若者の中には
稀に、高い教養を目指す者もいます。
そういう若者には、大学受験の道を示し
予備校などの学費や
受験に関する費用の一切合切を
女性教師が負担してくれました。


その果てに教師になった子もいます。
実は、奈緒子先生も、暴走族上がりです。


とある総合病院で
千里ちゃん清くんの面倒を見てくれた
優しい看護婦さん達も、暴走族上がりです。


資産家には資産家の作法があるそうです。
そんな作法、大嫌いだと女性教師は言います。


自分はまるで
鳥カゴの中から一生出られない
憐れな小鳥だと言いました。


でも、それで
自由になるお金に事欠くコトがないならば…と
明日ある若者達の
いろんなお手伝いができるのならば…と
女性教師は、自ら進んで
鳥カゴの中の生活に、甘んじています。


だから【かみなり】に顔を出せるのも
1ヶ月に1度、あるかないか、なのだそうです。


それでも
おばちゃん女性教師を慕って
【かみなり】
いつもたくさんの若者達で、賑わっています。


おばちゃん女性教師
結局、結婚していません。
だから、子供も産んでいません。
でも、【かみなり】に集まるたくさんの若者達が
2人にとってかけがえのない
可愛い子供達なのです。


・・・・・


あれ?文句さん
ツッコんで下さいと言ったのに…。


(だってよぉ。
 あまりにマジメで良い話だったもんでな。
 ツッコみそびれたよ。)


我慢してたんじゃないのなら良いのですが…。
長かったでしょ?


(我慢なんか、してねえよ。
 立派だな、おばちゃんって。
 それに、女性教師とやらも、凄ぇじゃねえか。)


ホントですね。


奈緒子先生も、看護婦さん達
 まさかソコで、そんなふうに、繋がるだなんて
 思ってもみなかったぜ。)


確かに驚きですが
実は、もっと驚くコトがあるんです。


(何だよ?)


『そして実は、その女性教師こそが
 【ある方】の正体でした。』(千里)


『ええ~っ!?』(全員)


『そんな凄い方だったなんて…。』(淳美)


(さすがの俺様も…唖然…。)


『でも、どうして【ある方】
 千里さんと清くん
 救おうとなさるのかしら?』(淳美)


・・・・・


如何に自分には過失がなかったとはいえ
【車道全裸交通事故もどき】
憐れな全裸の母子を
轢いてしまいそうになったコトについて
【ある方】は、深く心を痛めました。


そして、千里ちゃん清くんについて
強く関心を寄せたそうです。


千里ちゃん清くんの家庭環境や
どうして道の真ん中にいたのか
その経緯まで、徹底的に詳しく調べたそうです。


そして【ある方】【かみなり】の協力を得て
千里ちゃんを救おうと決めたそうです。


他の若者達と同様に
【かみなり】に住み込ませるコトも考えましたが
千里ちゃん
暴走族でも非行少女でもありませんので
そんな方法は適切じゃないと
おばちゃんからの助言がありました。


【あたりまえの家族を作ってあげるコト】
まず、何より、重要なコトと、助言がありました。


それには
自由になれない自分に代わって
2人の家族になって
2人を守り、包み、導く、代理人が必要でした。


おばちゃんに相談したら
さとみちゃんを勧められたそうです。


(なるほど。
 それで、さとみちゃんの出番だったのか。)


そんな中【商店街事件】が起きて
状況は急展開します。


【ある方】は、さとみちゃん
千里ちゃん清くんの保護を依頼しました。


その一方で【ある方】は考えました。
借り物の家族は、期間限定でしかないので
千里ちゃんが、本当に幸せになるには
どうしたら良いのか、考えました。


【過去のしがらみ】を、スッパリと断ち切って
キチンと清算してしまうコト。


自分の足で、しっかり歩いてゆく人生の
スタートラインに堂々と立つ為には
それが何より不可欠なコトだと
【ある方】おばちゃんの意見が一致しました。


さとみちゃん
千里ちゃん清くんの保護を始めたのと同時に
【千里計画】が発動しました。


(凄いな、その名前…。)


正式には
千里ちゃんが過去のしがらみを清算する為
 諸般の環境を整えて応援する計画】
と、いいます。


(略して正解だな。)


さとみちゃん千里ちゃん清くん
仲良く暮らしているのも
実は【千里計画】の一環だったのです。


(ただ、だらだらと
 家族ごっこさせてた訳じゃなかったんだな。)


それ、言い過ぎじゃないですか?


【千里計画】は、11のセクションに別れ
たくさんの若者達が動き始めました。


(また、大仰だな~。)


セクション01~10は
元商店街の人達10人の救済です。


(何でまた?
 さとみちゃんを襲った連中だろ?)


元商店街の人達10人は
さとみちゃんに婦女暴行で訴えられ
商売が破綻し、家族が離散して
大きな代償を背負いました。


(自業自得だ。)


既に社会的な罰は充分だから、救いあげてほしいと
さとみちゃんが、一生懸命頼んだのです。


(人がいいな。)


確かに
元商店街の人達10人の没落を、このまま放置すれば
千里ちゃん清くんの明るい未来に
暗い影がつきまとうに違いありません。


千里ちゃん清くんの健全な未来の為には
この10人の救済が不可欠と判断されました。


(判らんでもねえがな。)


セクション11は
元亭主を救済して、完全に正式に
千里ちゃんと、離婚させるコトです。


(ちょっと待て。
 離婚は正論だが、救済とはナニゴトだ?)


【清算】【切り捨て】
同義ではないのだそうです。


(キレイゴトだ!
 ゴミムシくんは、敵だぞ!?)


ソコから一歩進んだ考えが
デキるか、デキないかが
大物なのか、木っ端なのかの
違いなのでしょうね。


(悪かったな!木っ端で。)


計画は、まず
消息不明となっていた
11人を捜し出すトコロから始めました。


(遊園地の迷子捜しと訳が違うんだぞ。)


はい。
どうやら、11人は
日本各地に散らばってしまったらしく
捜索は難儀しました。


(そんなコトは想像に難くないだろが。)


いくら【かみなり】の若者達でも
日本全国ともなると、手も足も出ません。


(そうだろうな…(;´д`))


そんな時【ある方】の調査によって
全国には、おばちゃんと同様の志の人がいて
【かみなり】と同様の家が
いくつか存在するコトが判りました。


(へえ~。物好きは余所にもいたか。)


【かみなり】から独立した若者2~3人を連れて
【ある方】が、そのひとつひとつを実際に訪問し
【教育】【擁護】
の熱意を伝え
堅い絆を結んでゆきました。

そうして、いろんな地方との連携が
できてゆきました。


(行動力あるじゃねえか。さすがだな。)


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