・・・スピンオフ特別篇・・・
110
あ、あれ?

あそこに居るの、パパじゃないかしら?

回転木馬の
溢れるような光の揺らめきを背にして
優しい微笑みで、私を見ているの。

そうだわ。パパだ…。
大好きなパパだ。

迎えにきてくれたの?

でも、どうして?

私がココに居るコト、どうして判ったの?

お父さんの腕から離れて
パパに向かって走ろうとした、その時…。

!!!!

パパに寄り添う
綺麗な女性に、気づいたの。

たゆたゆとした
淡いピンクのノースリーブタンク…。
細い長い脚のラインが、とっても綺麗な
ピッタリタイプのデニム…。

パパよりも、頭ひとつ分、背が高くて
とってもスリムなスレンダー美人さんが
パパと同じように
優しい微笑みで私を見ているの。

ま…まさか…

私の目から、涙が溢れ出るの。
自然に、勝手に、溢れ出るの。

そんな…まさか…

何度も、何度も、目を擦ってみるの。
何度も、何度も、瞬きしてみるの。

「ま…………
 …………
 …ママ…?…」(薫)

どうして?
どうして、ママが、いるの?

私、いつの間にか、寝てしまったの?
これは夢なの?

全体に流れるBGMが消えて
たくさんの見知らぬ人達の喧騒が消えて
その瞬間からソコは
光の海の中の、静かな世界…。

私とパパママだけの世界…。

距離は、だいたい、20mくらい…?
私、水泳部だから、距離感はあるのよ。

少し離れているから
見間違いってコトも、あり得るわよね。

ううん。
見間違いじゃなくちゃ、おかしいもの。

だけど

どんなに瞬きしても
どんなに目をこすっても
パパの横で微笑んでいるのは
色白の素肌が、とっても綺麗な
私の大好きなママだ。

背が高いトコロも
スレンダー美人なトコロも
ママとそっくり…。

見間違う訳がないわ。
私のママだ。

どうして?どうしてなの?
私、頭が、おかしくなってしまったの?

嬉しい気持ちと
怖い気持ちと…。

走り出したい気持ちと
走り出したら
何もかもが消えてしまいそうな不安と…。

理屈に合わない不信感と
目の前の現実を否定できない狼狽えと…。

いろんな心が、ぐちゃまぜになって
涙が、止まらないよぉ~。

私、目を凝らすの。
よおく、よおく、目を凝らすの。

涙でボヤける光の海は
流れて、滲んで、膨れて…。
パパママを、包み隠してしまいそう。

だから私
両手をびしょびしょにしながら
幼子が泣くように、忙しく涙を拭うの。

パパママを、隠さないで…。
私のパパママを、消さないで…。

自由になるのは両手だけ。
あまりのコトに、全身が固まって
足が前に進まないの。

それでも一歩…。
どうにかこうにか、また一歩…。

私、一生懸命
パパママに向かって歩くの。

ママは死んだの。
交通事故で、確かに死んだの。

それじゃあ目の前にいるママは?
交通事故は夢だったの?

だって、どう見ても、ママだ。
パパの隣で、私を見て微笑んでいるのは
間違いなく、ママだもん。

でも、どうして?
ママは、死んだのよ。
私が5年生の時に、亡くなったのよ。

どんどん強まる不安は
益々、足の自由を奪ってゆくの。

ああ、もつれて…歩けないわ。

「…あ。」(薫)

とうとう私、膝をついてしまった…。
そして、地面にペッタリと
座り込んでしまったの。

転んだ訳じゃないから
ドコもケガしてないけれど
力が入らないよ、立てないよ。

「大丈夫か?」(パパ)

わ。

「ケガしてない?」(ママ)

わわ。

2人とも、走ってきたの?
駆けつけてくれたの?

見上げると
パパママが、目の前で、しゃがんでいて
私を心配そうに見つめていたの。

…?…」(薫)

「立てなくなったか?
 おんぶしてやろうか?」(パパ)

「あら。
 おんぶなら、パパよりも
 ママの方が良いわよね?」(ママ)

このオンナノヒト
自分を、ママって、言った…?…

やっぱりママなの?

「ママ…?…」(薫)

「そんなに私、似てるかしら?
 はじめまして。
 谷口たまみ、25歳です。」(ママ)

別人…?…( ゚Д゚)

そ、そうよね。

でも…何て偶然なの?
たまみって、ママと同じ名前よ。

そ、そうよね。

ママは、交通事故で死んだの。
それは事実なの。

私、地面にペッタリ座ったまま
ママの顔を見つめるの。

確かに、よくよく見れば
ママとは少し違うわ。

とっても、そっくりなんだけど
ママよりも、目鼻立ちが整っていて
ビックリ小顔の美人さん…。

それに、ママが生きてたら
今、35歳だわ。
10歳も若いのね。

別人と判って、ガッカリしたとか
そんな気持ちはないの。
むしろ、安心しちゃった。

「良かったら今日から
 パパの、奥さん
 薫ちゃんの、ママにして下さい。
 よろしくお願いします。」(ママ)

Σ(・□・;)
さ、再婚して、くれるの!?
( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)

こんなに若くて、こんなに綺麗なのに
パパと、夫婦さん、してくれるの!? 

こんな私のママに、なってくれるの!?

「私、パパの、奥さん
 薫ちゃんの、ママに、なりたいの。
 お願い。」(ママ)

ファッション雑誌の
モデルさんみたいなのに…。

「あ、ダメよ…。」(薫)

「え?」(ママ)

「だって、パパ…13歳も年上さん。」(薫)

「大丈夫よ。
 パパ、とっても若いもの。」(ママ)

さては…(,,¬ω¬)
パパったら、早速、幼稚園児並みに
甘えちゃったりしてたのね。

「…………。」(パパ)

あ…。
やだわ、パパったら。
オッパイ欲しい顔してる~。( ゚Д゚)

「あ…その顔は…。
 んもう、仕方ないわね。
 ノーブラで良かったわ。」(ママ)

わ…。
ママったら、たゆたゆとしたタンクを
大胆に捲りあげて、パパの頭を
タンクの中に入れちゃった。( ゚Д゚)

2人とも、忘れちゃった?
ここ、遊園地なのよ?

こんなトコロまで
ママとそっくりだなんて…。

「あ…は…。(*´д`*)ハァハァ
 オッパイ吸うの、上手ね。」(ママ)

パパママが、それほどまでに
心を許し合っているのなら
再婚に反対する理由なんか
何もないけれど…。

「ママ、私のコト、知らないでしょ?
 汚い女の子よ?それでも良いの?」(薫)

…とはいうものの
もう、すっかり、清められちゃったけどね。

「山崎さんから、全部聞いたわ。」(ママ)

…げ。( ゚Д゚)

「私の家族は
 パパと薫ちゃん以外、考えられないの。
 もしも、この再婚が叶わなかったら
 私、永久に、再婚しない。
 だって私、パパ
 思いっきり、恋しちゃったの。
 パパの為なら
 目でも、腕でも、脚でも
 何でも、あげられちゃうの。」(ママ)

と、と、とっても熱烈ね。
どうしよう、困ったわ。
私、こういう時、何て言ったら…。

「ぷはぁ~。充電完了。\(^o^)/
 ママ、ありがとう。(^^)v」(パパ)

な、何て無邪気な笑顔…。( ゚д゚)

「うふふっ…。
 また、いつでも言ってね。」(ママ)

言葉、出ろ。
涙、止まれ。

「やっぱり、ダメかしら?
 私なんか、薫ちゃんのママには
 なれないかしら?」(ママ)

困った笑顔も、ママそっくり…。( ゚Д゚)

「…………。」(薫)

やっぱり、言葉が出なくて
私、一生懸命、首を横に振ったの。

おねえちゃん
 どうして、ないてるの?」(?)

…へ…?…

この男の子…誰?

、おまえの弟だ。
 可愛がってやってくれ。」(パパ)

「Σ(・□・;)
 え~~~っっ!?( ゚Д゚)」(薫)

きゃ~。
何て可愛い男の子なのかしら。

可愛い、可愛い、可愛い、可愛い
可愛い、可愛い、可愛い~っ。

「お名前は?」(薫)

「けんたぁ~。\(^o^)/」(健太)

声まで可愛いだなんて…。(´∀`*)ポッ

「おいくつ?」(薫)

「こんだけぇ~。\(^o^)/」(健太)

小さな手を突き出して
小さな指を3つ立てて
元気な笑顔の,天使のような男の子…。

「可愛いわね。賢いわね。」(薫)

私、健太を抱きしめたの。

おねえちゃん、どうして、ないてるの?
 ママぁ、おねえちゃん、ないてるから
 おんぶして、あげてぇ。」(健太)

何て優しいの?
何て聡明なの?
大事な大事なママ
私に貸してくれるの?

「……たまみ…さん。
 パパと私
 よろしくお願いします。」(薫)

「わ。きゃ~。嬉しいっ。
 それじゃあ、ママが
 おんぶしてあげるね。」(ママ)

「……私…重いから…。」(薫)

…とは言ったものの
歩けそうに、ないかも…。

「うふふっ…大丈夫よ。
 さっき、パパ
 30分も抱っこしたんだから。」(ママ)

…うそ…( ゚Д゚)
こんなに細い腕なのに…。

パパったら
やっぱり、どっぷり、甘えてたのね。

「ママ、強いのよ。(^^)v」(ママ)

そんな細い腕に
力コブなんて、デキないわよ。
そんな仕草も微笑みも
ママそっくり…。( ゚Д゚)

「薫ちゃんに認めてもらえて良かったぁ。
 山崎さんに感謝しなくちゃ。」(ママ)

「本当だね。僕らの恩人だね。」(パパ)

あ!

もしかして、これが
昨夜、お母さんが言ってた
【取って置きの魔法】なのかしら?

何て凄い魔法なの。( ゚Д゚)
ママを返してくれただけじゃなくて
ずっと欲しかったまで…。

「さあて。御飯を食べに行こう。
 健太、おいで。
 パパが抱っこしてあげる。」(パパ)

「わあい。」(健太)

「わわ。( ゚Д゚)」(薫)

「きゃ~。薫ちゃんって
 とっても軽いのね。」(ママ)

ママに、おんぶされた…。( ゚Д゚)
ママに、おんぶされた…。( ゚Д゚)
ママに、おんぶされた…。( ゚Д゚)

小学校3年生の時、熱が出ちゃって
お医者さんまで行った時に
おんぶされて以来、久しぶりぃ~。

あ…。

あの時のママは、死んじゃったママ
このママは、新しいママ…。

何だか、ややこしい…。

もういいや。
この人がママなんだ。

私を産んで育ててくれたママ
天国から帰ってきて、10歳も若くなって
もう一度、私のママを続けてくれるんだ。
だって、匂いまで、ママそっくり…。( ゚Д゚)

「…ママ。」(薫)

「なあに?」(ママ)

ママだ。ママだ。ママだ。ママだ。

別人だというコトは、理解したわ。
でも…それでも、ね。
髪の匂い、温もり、背中…。

「あ~ん。(´;ω;`)」(ママ)

「どうしたの?
 私、やっぱり、重い?」(薫)

「逆よぉ。
 この軽さ、この温もり、この柔らかさ…。
 私、娘が欲しかったの。
 毎日毎日、お祈りしてたの。
 私の願い、叶っちゃった。
 だって、薫ちゃん
 私の理想にピッタリなんだもの。」(ママ)

何という奇跡なのかしら。
私は夢を見てるのかしら?

パパが、ママの顔に
そっとハンカチをあてるの。

ママ、泣いてるの?
涙が止まらなくて困ってるの
私だけじゃないんだね。

何か…可笑しい…。

可笑しくて、涙が止まらないわ。

ああ…。
夢なら、どうか、覚めないで…。

あ!

もしもお母さんの魔法が成功したら
その時に純潔になっていないと
ちょっと恥ずかしいぞ。

お父さんが言ってたのって
こういうコトだったのね。
確かに、今、清められてなかったら
こんなにも幸せに、なれなかったわね…。

お父さんと、お母さん
淳美姉さんに、お礼を…
あら、居ないわ。

ドコに行ったの?消えちゃったの?

もしかしたら3人は
本物の神様と女神様だったのかも…。

(綾乃ちゃん騒動誕生秘話392へ)


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