この本は、EU経済が悪くなったのは、ユーロ加盟の条件が各国のGDP3%以内に、財政政策を収める緊縮財政のルールにあった事を追及している本です。

具体的には、各国の自由な金融政策は、欧州中央銀行(ECB)に取られ、財政政策は、各国のGDP3%以内に抑えられているので、まともなマクロ経済政策(財政政策と金融政策)の拡大が行う事ができず、不況から、好況にすることができない構造的な問題を指摘しています。

したがって、ドイツによって、進められた緊縮財政はやめ、「安定の為の連帯基金」を積み立て、「自動安定化装置」(累進課税制度と失業保険制度)を、取り入れて、財政政策を不況の際に行う事が、EU経済を復活させるとしている。

また、各国に自由な財政政策の裁量をもたせるべきとしている。

特に、財政政策の使い道は、1:基礎研究、2:技術、3:教育の三つの分野に行うべきとしている。

以下、各章の目次です。

はじめに「ユーロという十字架に磔にされるヨーロッパ」

第一部「危ういヨーロッパ」

第1章「危ういユーロ」

第2章「ユーロを構築した経済学の誤り」

第3章「ヨーロッパのお粗末な成果」

第二部「誕生時からの欠落品」

第4章「単一通貨が機能する条件とは?」

第5章「不況を生み出す拡散型システム」

第6章「不平等を拡大した欧州中央銀行」

第三部「破滅を呼ぶ見当違いの政策」

第7章「いかにしてトロイカ政策は危機当事国を締あげて、不況へ落とし込んだのか」

第8章「失敗の上塗りをする構造改革」

第四部「世界経済が前へ進む道」

第9章「機能するユーロ圏の創設」

10章「円満な離婚は可能なのか?」

11章「柔軟なユーロをつくる」

12章「未来へ向けて」



この本は、世界基準の安全保障論を紹介し、日本の安保関連法案(アメリカとの集団的自衛権)は、正しい法案であるとしている本です。

 

具体的には、日本は、中国、北朝鮮など独裁主義国家が隣国にあり、このような戦争のリスクを下げる為には、世界標準の安保関連法案が必要であるとしています。

 

特に、今回の安保関連法案は、日米同盟を強めるものであり、費用対効果(コスト・パフォーマンス)からも、日本の防衛予算は低予算で、抑える事ができるので、得である法案としています。

 

図解25枚で説明しているので、素人でもわかりやすいです。

 

世界基準の安全保障論から、話を始めているので、安全保障について素人の人は、ぜひ、読んでみてください。

 

以下、各章の目次と簡単なまとめです。

 

01「戦後の基礎データは、日本周辺が世界の中でも戦争リスクが高い危険地帯であることを教えてくれる」と題して、

 

図1では、第二次大戦から2007年まで、38回の戦争があると説明している。

 

図2では、それぞれの戦争には、因果関係がないと説明している。

 

図3では、38の戦争のうち、15の戦争がアジアで行われているとしていると説明している。

 

図4では、第二次大戦後に発生したアジア地域の戦争と説明している。

 

図5では、第2次大戦後にアジア地域での戦争に関与した国の戦争関与年数を説明している。

 

図6では、第二次大戦後の戦争関与国に占めるアジア諸国の比率を解説して、アジアは世界の中でも近年戦争が多発してきた地域で、日本の周辺には戦争に関与する頻度が多いと説明している。

 

02「民主的平和論で考えると、民主主義国家ではない中国、北朝鮮、ベトナムなどは得に危ない」と題して、民主主義国家同士での戦争は滅多におきず、図7のカントの三角形を示して、民主的平和論を示している。

 

03「民主度が低く、現在も武力介入を続けるロシアには、油断は禁物。ただし、近年の行動をみると、日本にとっては中国のほうがずっと、危険になっている」と題して、

 

図8で、政治形態スコアを示して、アジア地域や中東地域、さらにアフリカ地域ではいまだ権威主義的な国が多く、民主化があまり進んでいないと説明している。

 

図9では、自衛隊のスクランブル回数とその内訳を示して、中国が尖閣諸島に圧力をかけていることを説明している。

 

10では、南シナ海は、すべて中国のものだと主張していると説明している。

 

11では、スプラトリー諸島やパラセル諸島に存在する岩礁を次々と埋め立てて、戦闘機も発信できる空港や、軍艦が寄港できる港湾設備を備えた巨大な人工島をいくつも建設していると説明している。

 

04「国際政治・関係論、ラセットとオニール平和5要件を理解すると、議論のフレームが理解できる」と題して、

 

図12では、1:友好的な同盟関係を結ぶこと、2:相対的な軍事力、3:民主主義の程度、4:経済的依存関係、5:国際的組織への加入の平和5要件を説明している。

 

05「安保関連法の成立による集団的自衛権の行使容認は、同盟関係の強化に資するため戦争のリスクを最大40%程度減らす」と題して、

 

図13で、中国と中国は、戦争のリスクが高まっている事を説明している。

 

06「国連軍への協力や米軍への基地提供により、日本はこれまでも集団的自衛権を事実上行使してきたと諸外国は考えている」と題して、図14で、米軍への基地提供を大々的に行っている日本は、立派に集団的自衛権を行使していると考えられている。

 

07「国の自衛権は個人の正当防衛と同じ。個別、集団的と分けて運用する外国はほとんどなく、憲法の不戦条項にも違反しないと考えられている」と題して、図15で、各国の憲法に存在する不戦条項と安全保障条約中の集団的自衛権に関する条項を説明している。

 

08「集団的自衛権を行使すると、アメリカの戦争に巻き込まれるという主張は過去の事例や自衛隊の能力から見ても誤っている」と題して、図16で第二次大戦後に発生したアメリカが関与した戦争を説明している。

 

09「南シナ海の状況を東シナ海に置き換えれば、同盟を弱体化させる危険と集団的自衛権の有効性がわかる」と題して、図17で南沙諸島における各国の実効支配状況を説明している。

 

10「集団的自衛権の行使を認めると徴兵制になるというのはデマ。海外の状況を比較すれば、むしろ個別的自衛権だけのほうが徴兵制につながりやすい」と題して、図18では、主要国の徴兵制の現状を説明している。図19では、欧米各国の徴兵制の現状を説明している。

 

11「日本は米軍駐留経費の約75%を負担しているが、それでも、個別的自衛権だけの自主防衛より防衛コストは格段に安い。」と題して、

 

20では、米軍の駐留経費における駐留先国の負担割合と負担額を説明している。

 

12「集団的自衛権で自衛隊のリスクが高まっても、全体ではリスクが低下して安全になる」と題して、

 

21では、集団的自衛権における不測の事態モデルを説明している。

 

13「日本の集団的自衛権行使に反対しているのは、中国、韓国と一部の平和ボケ日本人だけ!諸外国の多くがすでに、賛同の意向を表明している」と題して、

 

22では、日本の安保関連法案への諸外国の反応を説明している。

 

14「北朝鮮の核は、日米同盟の強化とミサイル防衛能力の拡張、さらには、潜在的核保有国政策で対応できる」と題して、

 

23では、各国の保有するプルトニウムの量を説明している。

 

15「長期的には、アジア版NATOの構築を目指すことで、地域全体の戦争リスクを低下させ、平和で繁栄する日本を実現できる!」と題して、

24では、日本が提唱するセキュリティ・ダイヤモンド構想とハブ・アンド・スポークス体制」を説明している。

 

25では、アジア各国の民主化度の推移を説明している。



この本は、日本の新聞やテレビが左翼すぎて、本来の「経済政策」や「外交・安全保障政策」を誤って伝えることが問題としている本です。

 

具体的には、「経済政策」は、マクロ経済政策(財政政策と金融政策)をしっかりとやることが正解であり、「外交・安全保障政策」は、日米同盟を拡大と深化をする集団的自衛権が必要であるとしています。

 

しがって、左翼系の新聞(おそらく、朝日新聞や毎日新聞)は、批判ばかりしていて、まともな経済政策と外交・安全保障政策の対案を示せていないので、安倍政権の国民の支持が集まっているとしている。

 

以下、各章のまとめで目次です。

 

  1. 世界経済の真相

 

01「トランブ大統領は怖くない」と題して、トランプ大統領になっても、トランプは、「Deal」という取引、交渉を大事にするので、それほど問題ではないとしている。クリントン大統領になったら、変化は起きないとしている。

 

02「パナマ文書が面白くないこれだけの理由と題して、日本人にとって、パナマ文書が面白くなかったのは、対象の日本人が200人であり、タックスヘイブン(租税回避)は、合法であるからであるとしている。

 

03「イギリスのEU離脱は必然だった」と題して、EUは、経済的に統合するには、「マンデルの最適通貨圏」に示されているように、各国の経済の格差が広いので、経済統合は無理であったとしている。

 

また、イギリスは官僚機構が強くないので、EUのブリュッセルの官僚の命令に従う事に不満があったとしている。

 

イギリスがEUを離脱する悪影響を考えれば、日本がとるべき対策としては、

 

1:消費増税は、現状の延期ではなく、凍結にするべき。

2:日銀の政策決定会合を臨時で開催して、量的緩和30兆円。

3:補正予算で、財政支出60兆円(20兆円×3年)。財源は、埋蔵金、財投債、

  国債。支出対象はインフラ整備、減税+給付金

4:事実上無制限の為替介入。そのために、今の介入枠を補正予算で引き上げ。

5:2と3と、2と4はセット。前者がヘリコプターマネー(ヘリコプターをまくように国民へ直接カネを配る政策)、後者は非不胎化介入(自国通貨の放出・吸収による流通効量への増加・減少を容認しつつ介入)となって効果が出る。

 

04「中国はもう経済成長はしていない」と題して、中国の経済は、マイナス成長であり、実際のGDPは三分の一であるとしている。

 

第二部「実は成功しているアベノミクス」

 

05「アベノミクスで正社員も急増する」と題して、フィリップス曲線にみられるように、インフレ率と失業率は、二律背反にあるが、安倍政権は、インフレ目標を2%にして、失業率を3.1%まで下げて、点数的には、74点としている。

 

特に、筆者の構造失業率は、2.7%なので、まだ、完全雇用には達していないので、賃金上昇にいたっていないので、政府も日銀も理解しないとしている。

 

06「増税すれば日本は崩壊する」と題して、増税すれば、GDPが減少して、増税によって、経済が悪化し、社会保障が全滅してしまうのが最悪のシナリオとしている。

 

07「消費税を社会目的税にするおかしさ」と題して、世界では、社会保障は「社会保険+所得税」が世界的なスタンダードであり、消費税は地方で行われているので、日本が消費税を社会目的化するのはおかしいとしている。

 

08「下流老人・日本の現実」と題して、下流老人と言われるように、日本人の格差は、老人と若者との差ではなく、老人と老人との差があるので、深刻であるので、政府は対策をするべきだとしている。

 

第三部「マスコミ報道はなぜ嘘八百になるのか」

 

09「既得権益に塗れたマスコミたち」と題して、日本には、日刊新聞紙法によって、新聞社の株式の譲渡は制限されていること。テレビ局は「放送法」によって、守られていること。新聞価格を守る再販売価格制度によって、マスコミは、守られすぎているとしている。

 

10「桝添騒動で分かったマスコミの無知」と題して、桝添知事は「違法ではないが、不適切」であったにも関わらず、追及したマスコミは、「政治資金法は、ザル法は、実際には罪に問われない」という事を知らないほどの無知だったとしている。

 

11「沖縄と安保問題―世界は感情で動かない」と題して、米軍の犯罪は低く、集団的自衛権は、コストは安いので、日本にとって得であるとしている。

 

12「左巻きいつも世界の常識を理解しない」と題して、日本の左翼は、オバマ大統領が広島に来て和解していつつもりなのに、「謝罪していない」と言って、世界が見えていないとしている。

 

第四部「数字を読めない左巻きの罪」

 

11「経済成長なくして幸せなんて大嘘だ」と題して、このまま経済成長せずに、財政再建主義(増税主義)を続けていくと、2050年度になると、先進国ではなくなるとしている。

 

また、人口減少で、マイナス成長するのは、間違いで、マネーをしっかりと、日銀が増やせば、しっかりと、経済成長ができるとしている。

 

12「原発反対なら倫理ではなく数字で訴えよ」と題して、廃炉などを含めて、原発のコストは、高いので、将来的には、やめていくべきだとしている。核武装は、商業原発を1基か2基をもてば済むとしている。

 

また、「人は倫理でなく、経済で動く」ので、反原発は、倫理でなく、経済で進むとしている。

 

13「左巻きの限界」と題して、都知事選の左翼の鳥越氏は、公約もしっかりとせず、スキャンダル対応が最悪だった。

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