この本は、中国主導のアジア・インフラ投資銀行(AIIB)は、共産党指令銀行であり、人民元を国際通貨にして、軍拡を行い、中国が世界帝国目指す戦略の道具であるとしている本です。

具体的には、中国は、他国の為に、アジアインフラ投資銀行を使わず、自国のインフラ整備の為に使う為に、設置しているので、日本は、入る必要はないとしています。

なぜなら、中国は世界第一の借入国なので、虎の子の外貨準備(世界第一)を使うはずがないからとしている。

また、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)は、中国政府による「人民元の国際化」の一歩であり、人民元の国際化が進むと、中国の軍拡が進み、世界が混乱するかもしれないとしています。

そして、現在、アメリカの力が衰えているので、これは、米中通貨100年戦争の始りとしている。

以下、各章のまとめです。

第1章「膨張する人民元の脅威」と題して、人民銀行を金を刷って、軍備拡張しているので、世界中に脅威を与えているとしている。

また、新シルクロード計画は、ユーラシア大陸を覆うほどの計画であり、「大元帝国の再来」を中国政府は、狙っているとしている。

第2章「人民元帝国実現への長期戦略」と題して、香港という国際金融センターを獲得し、人民元の国際化を狙って、人民元帝国実現を1960年代から練ってきたとしている。

第3章「減速する中国の経済新情勢」と題して、人民元を操作して、外資を中国に呼び込み、モノマネで、世界にモノを売っていく中国のビジネスモデルは崩壊したとしている。

また、不動産バブルが崩壊するのも、時間の問題だとしている。

第4章「人民元の世界通貨への野望」と題して、人民元を国際化して、SDRと交換できるような国際通貨を目指しているとしている。

それに対して、日本の財務省は、アメリカに追随することしか頭になく、全く、対応が遅れているとしている。

日本政府は、もっと、財政政策をして、経済を立ち直らせべきとしている。

また、人民元の国際化は、中国の軍拡につながるので、危険だとしている。

第5章「中国VSアメリカの仁義なき戦い」と題して、基軸通貨のドルと13億の人口を持つ中国の100年に渡る通貨戦争が始まったとしている。

第6章「チャイナマネーが奪う日本の情報技術」と題して、中国は、2000人の工作員を日本に派遣して、日本の情報技術を盗み、コピーして、破壊しているとしている。

また、中国の軍人は、「日本人は、金に弱い」として、攻勢を強め、日本に「サイバー攻撃」をしかけ、日本を無力化しようとしているとしている。

第7章「人民元帝国にどう立ち向かうか」と題して、中国のアジア・インフラ投資銀行は、中国共産党の指令銀行であり、その野望は、人民元の国際化と、軍拡を狙い、中国が世界帝国を狙う戦略の一環であるとしている。

したがって、中国のアジア・インフラ投資銀行に参加する事は、ヒトラーに手を貸すのと一緒であるとしている。

最終章「日米中トライアングル」と題して、日米中の三角関係は、アメリカの時計の針がに中国に触れた時、対日関係はおろそかになり、アメリカの針が日本に触れた時に、アメリカの対中関係が冷えるとしている。

したがって、日本は、経済だけでなく、軍事でも新次元での日米同盟を構築するべきだとしている。



この本は、消費税が欠陥のある税金なので、増税の必要はないとしている本です!

具体的には、不況時における消費税増税は、景気をさらに、悪化させ、財政再建ができなくなるので、絶対に必要ではないとしている本です!

また、財政再建をする順番には、1:デフレ脱却、2:政府資産の圧縮、3:歳出削減、4:制度改革、5:増税で、最後に増税を持ってくるべきだとしています。

そして、消費税増税は、財務省の念願であり、景気を悪くしようが、自分達の省益と出世につながるので、不況時でも強引にあげようとしているしています。

以下、各章のまとめです。

序章「消費税増税の罠」と題して、日本は名目成長を4%達成できる国であり、政府資産も700兆円あり、消費税増税をする必要がないとしている。

また、納税者番号とインボイス(領収書で税金を払う)で数兆円の税収が見込まれるとしている。

第1章「官僚に制圧された民主党」と題して、民主党は、脱官僚をかかげたが、財務省の力を借りないと、他省庁の抑える力がないので、財務省に依存した政権になったことが問題だとしている。

具体的には、財務省の最大の強みは、「予算」と「査察権」の二つがあるからだとしている。

第2章「日本国に隠匿される巨額マネー」と題して、一般会計とは違い、国会の承認のいらない「特別会計」が兆単位が溜まっているので、問題であるとしている。

具体的には、空港整備特別会計には、1.7兆円の埋蔵金があるとしている。

また、満腹事業団によるグリーピアの失敗は、6兆円以上にもなり、深刻であるしている。

そして、外為特会は、110兆円も積み上げ、先進国では、ありえない状況なので、縮小し、為替介入は、金融政策に任せるべきだとしている。

最後に、借金をして、貯金をする「国債整理基金特会」は問題であり、赤字国債を返すために、減債制度を使い、二重に借金をしているのは、時代遅れであるとしている。

第3章「税制公平化で生じる巨額マネー」と題して、消費税増税を年金の積み立て不足の対策とするのは、大間違いで、大事な事は、所得税と法人税は、中央政府が担当し、消費税は、地方政府が担当するべきだとしている。

第4章「日本経済の膨大な潜在パワー」と題して、日銀がインフレ目標政策をとらないので、日本がデフレ経済となり、不況が深刻化しているとしている。

第5章「道州制で減る税金」と題して、道州制にすれば、一府12省庁から、一府6省庁になるので、職員は三分の一になり、税金は減るとしている。

あとがき「増税が不要になる三つの改革」と題して、「1:脱官僚、2:経済成長、3:税制の見直し」の三つを行うことが大事だとしている。



本書は、日本経済がデフレからまだ、脱却していないにも関わらず、「消費税増税」を強行した財務省の野望と権力の構造を暴く一冊になっています。

なぜ、財務省が官庁の中で、「異常なほどに権力をもっているのか」という構造を、財務省に勤めた著者の経験から、述べているので、とても説得力がありますね。

面白い点は、財務省は、「予算」を通して、「公正取引委員会、国税庁、内閣府」の三つの官庁を完全に、「植民地」にしているという点です。

特に、「植民地」の一つの「公正取引委員会」は、「出版物の再販売価格維持制度」で、出版物の価格を下げないで済むように、独占禁止法の適用外にしてもらっている事情から、「マスメディアが財務省を批判できない構造になっている!」と指摘しています。

以下、各章の簡単なまとめです。

第1章「こうして誰もかれも消費税増税に突き進んだ」と題して、5つの節に分けて書いています。

第1節「消費税増税をしないと日本破綻は本当か?成長率が上がればプライマリー収支は改善する」と題して、増税では財政再建ではできず、経済成長をすれば、プライマリー収支は改善して、再生再建につながるとしている。

また、経済成長するには、金融緩和をして、予想実質金利を下げ、設備投資を伸ばすことが大事としている。

第2節「財務省は本当に財政再建をしようとしているのか?関心があるのはただ、歳出権拡大のみ」と題して、財務省は、自らの権力の源泉である歳出権を強める為に、消費税を上げたとしている。

また、民主党の野田政権は、財務省によって、「消費税増税の使い捨て」にされたとしている。

第3節「消費税増税が経済にもたらす影響は 1997年の景気後退をめぐる詭弁」と題して、1997年に橋本政権が3%から5%への消費税増税によって、景気を腰折れさせたのは、明らかであるとしている。

財務省は、1997年に景気が悪くなったのは、「アジア通貨危機や国内外の金融危機」のせいであるとしているが、筆者は、アジア通貨危機の震源地だった「韓国」がアジア通貨危機の後に日本より経済成長をしていることから、消費税増税が景気を腰折れさせたとしている。

また、1989年の消費税導入は、バブル経済の時だったので、タイミングが良く、成功だったとしている。

第4節「増税翼賛会はこうして出来上がった 飼い慣らされた経済学者とマスコミ」と題して、経済学者が消費税増税に反論しないのは、財政関係には、「財務省」が、金融関係には、「日銀」が影響を与えている事情があるからとしている。

具体的には、財務省が財政関係の学者先生を飼い慣らすのは、簡単であるとしている。その理由として、学者先生は、「自分で経済分析ができるほどの知識がないから」としている。

また、学者先生は、「研究者として、社会に貢献したい」という意識がある為、金融の分野なら、日銀の審議員や日銀副総裁を目指すので、日銀に楯突くことはできない。

財政分野も同じで、「財政制度審議会や税制調査会のメンバーに入りたい」と思っているので、財務省に嫌われるような事は言わない。

東京大学教授も「学問の最高学府」と思われるが、国家公務員養成所が政府に批判的な事を言わないので、「幻想である」としている。

しかし、エール大学名誉教授の「浜田宏一氏」や学習院大学教授であった「岩田規久男氏」や日銀審議委員だった「中原伸之氏」などの「リフレ派」は、対抗勢力となっているとしている。そして、日銀には、岩田規久男氏が副総裁になってので、混乱しているとしている。

マスコミを飼い慣らすのは、簡単で、「1:出向く、2:内部資料といって、資料をもっていく、3:携帯電話、メールアドレスを教える。」の三つで出来るとしている。この三つで、不勉強な記者は、財務省に言われたまま記事を書くとしている。

その一方で、国税庁を使って、「税務調査」という恫喝を加えて、財務省に反抗的なキャスターの交際費を徹底的に調査するとしている。

そして、消費税増税に反抗的な新聞には、「軽減税率適用」というニンジンをちらつせたとしている。

第5節「社会保障のための消費税増税という方便 むしろ消費税は地方消費税化すべきだ」と題して、社会保障費の為に消費税増税をするべきだという主張は、増税の為の便宜的な方策にすぎないとしている。

また、消費税は、地方消費税にするべきだが、財務省は地方分権に反対なので、地方消費税に反対している。

第2章「かくも盤石な財務省支配」と題して、3つの節に分けて書いています。

第1節「霞が関から一顧だにされぬ歳入庁構想 国税庁を手放したくない理由とは。」と題して、社会保障と税を一体化する目的の為に、所得税と公的扶助制度をシームレスに一緒にした「給付付き税額控除制度」をツールとして、導入するべきだとしている。

給付付き税額控除制度の導入には、所得を把握するために、「共通番号(マイナンバー制度)」が必要であり、日本でも導入されたとしている。

しかし、「マイナンバー制度」だけでは、しっかりと税金と社会保険料が徴収できないので、財務省から国税庁を、厚労省から社会保険庁を切り離して、「歳入庁」を作るべきと筆者はしているが、財務省は、「国税庁の税務調査」という権力の一部なので、反対しているとしている。

第2節「経済財政諮問会議までもが財務省支配の道具に」と題して、経済財政諮問会議は、内閣府の下にあるが、内閣府は、財務省の植民地なので、経済財政諮問会議も財務省の支配の道具になっているとしている。

第3節「政権も牛耳る巨大パワーだが小泉政権・第一安倍政権では影響力が排除された」と題して、小泉政権では、竹中平蔵氏が大臣になり、「経済財政諮問会議特命室」を作り、メンバーを筆者と「岸博幸」の少数に絞り、財務省からの影響を受けないようにしたとしている。

第3章「日本の財政、本当に危ないの?」と題して、4つの節に分けて書いています。

第1節「日本はギリシャになってしまうのか!?デフォルト常習国とくらべても意味はない」と題して、過去2年に一度、財政破たんしているギリシャと200年に一度しか破綻していない日本では、比べる意味がないとしている。

また、財政破たんの数値化をしている「CDS」という商品が財政問題では、有効な数字となるとしている。

第2節「毎年40兆円の財政赤字、増税なしに減らせない?そもそも財政赤字の計算の仕方がおかしい」と題して、日本の政府の負債は1088兆円だが、その一方で、資産が629兆円もあるので、財政赤字ではないとしている。

また、629兆円のうち、428兆円が金融資産であるとしている。

そして、財政を「家計」に例えるのは間違いで、「企業の会計」に例えるのが正しいとしている。

第3節「財政再建は国際社会からの要請か?IMFが日本に増税を要求する理由」と題して、IMFは、実際には、「増税は急がず、日本は金融緩和をしなさい」と言っているのに、日本では、報道していないとしている。

その理由として、日本のマスコミが財務省に洗脳されていること、もう一つの理由がIMFそのものに、財務省の人間が出向しているからとしている。

第4節「国が保有する必要のない財産はいくらでもある 民でできるものは民でという原則を貫け」と題して、日本でも天下り法人を全廃して、民営化すれば、210兆円の資金が調達でき、国債にあてるべきとしている。

「公務員宿舎」も売却するべきで、民間に任せた方が有効活用されるが、財務省は、「組織の維持や宿舎の管理」という権力の温存を理由に反対しているとしている。

第4章「財務省支配はまだまだ続くか?」と題して、6つの節に分けて書いています。

第1節「天下りは永遠に不滅!?骨抜きにされた公務員制度改革」と題して、安倍政権で発案され、福田政権で法律化された国家公務員制度法は、麻生政権で止まり、民主党政権で後退し、第二次安倍政権になった今の行革大臣の稲田大臣は、素人なので、期待できないとしている。

また、そもそも、官僚に反官僚の法律を作らせる事が矛盾しており、無理があるとしている。

そして、先進国では、官僚制度は「政治任用」と生え抜きが半々であるので、日本でも「政治任用」のスタッフを登用するべきとしている。

第2節「竹中平蔵氏が永田町・霞が関で不人気な理由 役人たちと闘える稀有な人材だった」と題して、竹中平蔵大臣は、「市場」を重視した大臣であり、「戦略は細部に宿る」と言うことをモットーにしている人であり、大蔵省で役人を経験していたので、細部の部分で官僚に出し抜かれることがなかったとしている。

第3節「霞が関のいたるところに植民地 他省庁にも及ぶ財務省支配」と題して、財務省は、予算という権力を使って、「公正取引委員会、国税庁、内閣府」の三つを植民地にしているとしている。

具体的に、公正取引委員会の委員は「財務省出身者」で占められ、「公正取引員会の生え抜き出身者はいない」のが現実であるとしている。

その為、組織の長である委員が財務省出身の為、「公正取引委員会の競争政策は伝統的に財務省関係の業界に甘くなっている」という「弊害」が出ているとしている。

第4節「全省庁を敵に回した政策金融機関改革 わが財務省との闘争を振り返る1」と題して、きっかけは、財政投融資の改革の担当になり、その延長上で、政策金融改革に携わる事になったとしている。

また、政策金融機関の「日本政策投資銀行」や「国際協力銀行」は、財務省の有力な天下り先であり、警戒をされた。

しかし、小泉首相の一声で8つある政策金融機関を一つにする事が決まり、「政策金融改革準備室」で筆者一人で、改革案を作成し、小泉首相が選挙で大勝利をした為、政策金融機関の改革がなされ、財務省幹部に、筆者は「3度殺しても足りない」と言われる事になった。

ただ、民主党政権になった頃から統廃合された政策金融機関が復活し、「国際協力銀行」が復活したと憂いている。

第5節「埋蔵金をめぐる騒動 わが財務省との闘争を振り返る2」と題して、発端は、特別会計のバランスシートの見直しからであるとしている。

特別会計を企業が使う「キャッシュフロー分析」をしたら、余剰金が45兆円にもなり、そのうち、20兆円を5年間にわたり、財政再建化につなげるとした。

財務省は、埋蔵金はないと否定しているが、現在でも「不動産」や「公務員宿舎」を売却する事はできるとしている。

第6節「いよいよ決着か!上げ潮派VS増税派 わが財務省との闘争を振り返る3」と題して、上げ潮派とは、「経済成長なくして、財政再建なし」という考え方であり、中川秀直、竹中平蔵、筆者の三人が主張しているものとしている。

増税派は、与謝野馨氏で、上げ潮派を「悪魔的手法」と批判し、対立していた。

アベノミクスで、消費税増税が阻止できれば、上げ潮派の勝利で決着だったが、消費税増税が実施されれば、議論は続くとしている。

エピローグ「財務省支配は崩せるのか」と題して、政治の世界における財務省支配には弊害が多く、是正されるべきであるとしている。

また、法律も政府提案の法律が9割で、官僚が法律を作っている現状は問題であり、「国会」でしっかりと、法律を作ったり、修正するべきだとしている。

そして、「司法」の力も、行政が肥大化して、矮小化されていることが問題であるとしている。

最後に「地方分権」を進め、中央官庁の力をなくしていくことが大事としている。

「三権分立」と「地方分権」が進めば、自然と「財務省支配」は、消えていくとしている。

↑このページのトップヘ