皆様、先日のラリー記事の続編です。今回はチームリーダーを見事に勤め上げた○宮城先生が書いてくれた記事です。
 ○宮城先生はその珍しい苗字でわかるように沖縄生まれ、沖縄育ち。この春、同じく沖縄出身の奥さん、お子さんを連れて当センターに来てくれた青年外科医です。今まではフツーの消化器外科医だった彼ははじめての救急医、そして新しい職場に慣れる間もなくのラリー出場、しかもリーダーという大役でした。毎日のように居残ってのラリー練習、そして本番。優勝。本当によく頑張りました。
 この秋の三重ラリーは新専攻医2名に出場を譲って、今はOBとして彼らをサポートしてくれている○宮城先生。ではそんな彼のラリー記事をお送りします。ちょっと変わったタイトルです。
 
 以下、本文ママ↓

ラリーとラリー

 

                      救急部 ○宮城 陽栄
「ラリー」

その言葉を聞いて,みなさんは何を思い浮かべるでしょうか.

以前の私は車が好きだったので世界ラリー(スポーツカーが雪道や砂利道などの整備されていない道路でタイムを競う競技)を思い浮かべていました.しかし,ここHEMCに来てからは,みなさんご存知の様にラリーといえばメディカルラリーですね.そう,医師・看護師・救命士がチームを組んで,プレホスピタルの腕を競い合うあの競技です.

来る52627日 最後の?讃岐メディカルラリーに参加してきましたので,こちらで報告させて頂きます.讃岐休暇村の雄大な自然の中,天候にも恵まれ4つのシナリオに挑んできました.その中でも特に印象に残った(派手に失敗した?)シナリオは2つ目の自動車事故のシナリオでした,事故では1名の黒タグと2名の赤タグがいました.黒タグ(接触時心肺停止)は事故の衝撃で餅を喉に詰まらせたおじいちゃんを救うというシナリオでした.私たちは黒タグのおじいちゃんを蘇生不可能と判断しその他の人の傷病者にあたり,終了後にそのことを聞かされました.唯一,私たちがおじいちゃんに対し処置をしなかったようで,かなり落ち込みました.また,そのシナリオは最下位だったと聞いています.ただ,心の中ではまさに,「事実は小説より奇なり」ではなく,「ラリーは事実よりも奇なり」と心の中で毒を吐きました.その後はチームや,応援に来てくれたメンバーのおかげもあり,何とか後半の2シナリオは立て直すことができました.
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 その後,夜間の結果発表に移りましたが,2つ目のシナリオのこともあって,成績に関しては期待していませんでした.しかし,蓋を開けてみれば見事に優勝という結果を得ることができました.私自体,医者としての経歴は8年ですが,救急医としての経歴は2ヵ月で救急医としての経験がない状態での優勝でした.これには,普段から練習の支援をしていただいたHEMCスタッフや救命士の力が大きかったと思いました.

 話は車に戻ります,ラリーも代表的なモータースポーツですが,ご存知の様にF1も負けず劣らず代表的なモータースポーツです.ラリーは舗装されていない道を全速力で駆け抜け,時にはタイヤがパンクしながらも,崖下に転げ落ちながらも群衆の力を借りてなんとしてでもゴールを目指す,F11コンマ1秒を削るために多額の資金や最新設備を導入しながら,針の穴を通すようなボディーコントロールでゴールを目指す,これってプレホスピタルとインホスピタルに似ていませんか?救命士やドクターカー,時にはバイスタンダーの力を借りていち早く病院へ搬送するプレホスピタル,hybrid-ERECPRを駆使して少しでも早く確実に治療を行うインホスピタル(特にHEMC)の関係に.救急医としての経験が浅い私ですが,どちらも救命というゴールに向けて全力を尽くす姿には感動しっぱなしです.

 話は脱線ならぬ脱輪してしまいましたが,今回讃岐メディカルラリーで優勝できたのは,HEMCというスポンサー,練習や本番を応援してくれたピットスタッフ,そして長い時間もめげずに楽しく練習できたコドラ(わからない人はyoutubeでアメトーク WRCを見てください)の協力があってのことだと思います.本当にありがとうございました.

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