2005年11月09日

B000B8QF00 The Collection
Alanis Morissette
Maverick
2005/11/15発売


デビューから早10年、1200万枚を売り上げた1stから現在までの足跡を追ったベスト盤が発売される。
女としてどうか?といわれると、う〜ん趣味ではない、と答えてしまうが、歌詞とメロディ、そしてなんといっても独特の声には何度聴いても打ちのめされる。彼女がポップミュージック上で作り出したまったく新しい世界観は、のちにアラニスもどきが山ほど現れたことでも、その衝撃の大きさが測れる。
アラニス・モリセットは歴史に時々現れる真性の天才アーティストだ。もう死んじまったほうがいいんじゃないか?などと不謹慎なことを夢想させるほどに、その才能はエッジの立った激しい感性の中で生み出されている。
女性シンガーのマスターピースとして、キャロル・キングの『つづれ織り』が音楽ファンから永遠の命を授かったように、アラニス・モリセットの『ジャグド・リトル・ピル』も後世に語り継がれていくことになるのだろう。
アラニスはベスト盤というパッケージに最も似つかわしくないタイプのアーティストだが、並べられた曲を持ってるCDで再聴してみると、聴いていた頃の空気の質感や日差しまでも克明に脳裏に甦ってくる。海外を長旅していた頃、一番よく聴いたのがアラニスとピンク・フロイドだった。もちろんビーチでは一日中レゲエなんかを聴きながらボケ〜としてるわけだが、コテージに帰って1人で真夜中に聴きたくなるのは、なぜか内省的な音楽が多かった。旅に合う音楽というモノがあるとすれば、それはどこの国のどの風景の中でも、自分という存在を見つめ直させてくれる真摯なメッセージ性が感じられるかどうか、ということが重要なのだろうと思う。
不世出のシンガーが世に送り出したヒット曲をこのベスト盤でまとめて聴いてみるというのも、たまにはいい刺激になるのではないだろうか。ちょっと疲れてしまうかもしれないが・・・。







B000BC8TBY #1's
Destiny's Child




B000BC8TBO Rockin' the Joint
Aerosmith


ガールズヴォーカルユニットとして破格の成功を収めたデスチャが遂に解散。このベスト盤がラストアルバムになる。ビヨンセだけが突出して可愛いという状況で、解散は時間の問題だったような気もするが、最後のエントリーナンバー『Stand Up for Love』は3人のコンビネーションが素晴らしいバラードとなった。




ほおっておいても売れるんだから、なにもここで褒めることもないんだよね。『LiveBootleg』を一つの頂点として、以降のエアロスミスは単なるビジネスロックを繰り返してるだけなんだけれど、早くもオリコンチャート上位に食い込んでくるあたり、パワーだけは衰えないもんだね。よっ商売人!






B000ANVQ64 PCD
The Pussycat Dolls




B000AU1O6O State of Mind
Raul Midon

こんな名前で問題はないのかアメリカ?!って感じのお色気7人組ダンス・ユニットの日本デビュー盤。本場ラスベガスなどで行われてるキャバレーショーは売り切れ続出で、全米で大ブレイク中だ。エントリナンバーの『Don't Cha』はカッコいい重めのファンクナンバーで、思ってたよりかなり本格的。




ノラ・ジョーンズを発掘したプロデュースチームが送り出した盲目のアーティスト。世の中にはまだまだ凄いヤツがいるもんだ。アルバム名と同タイトルのエントリーナンバーでは超絶ギターバッキングとウォーミーなヴォーカルが聴ける。絶賛渦巻く素晴らしいパフォーマンスで長々とチャートイン中!



B0008JH41Q Get Behind Me Satan
The White Stripes
V2レコーズジャパン
2005/12/21発売

2005年6月に発売された新作を来日記念盤として再リリース。
今回はビデオ・クリップなどが収録されたDVD付きのボーナス盤になる。
姉弟2人組、格安の制作費、古いんだか新しいんだかよく分からないサウンド、ロック・レジェンド連中の絶賛、膨大なゴシップ記事など、近年のロックバンドとしては桁外れに話題の多いThe White Stripesの5作目である。
前作『ELEPHANT』がグラミー賞で最優秀オルタナティブ・アルバム&ロック・ソングの2部門を受賞し、人気・実力とも現在最強の彼らであるが、その音楽性を一言で言い表すのはなかなか難しい。轟音ギターに乗せてブルースエッセンス溢れるリフを刻むというスタイルはLed Zeppelinそのものだが、素朴な雰囲気やファンクを感じさせるリズム構成、ゴスペル的なヴォーカルアプローチなど、多種多様な要素が絡み合って独特の音像表現を獲得している。
そうした彼らの多様性をつなぎ止めている太い軸が、今作の録音地でもあるミシガン、デトロイト、メンフィスあたりに根付くアメリカのルーツミュージックである。奇抜な衣装や派手な言動に注目が集まるが、表現しようとしてることは意外と保守的なのだ。こういうところが人気の間口の広さを支えているのだろう。
注意深く聞き込めばまだまだ荒削りで、先人達の技術力や創作性には及ばないことも多いが、それはThe White Stripesに限らず、現代のロックバンド全てに共通する大きなジレンマだ。それほどロックミュージックはすでに開発し尽くされ、おいしいところは全部やり尽くされているジャンルである。芸術性もテクニックももはやピークをとっくに越えてしまっているのだ。
その意味において『Get Behind Me Satan』とは、模倣と拡大再生産を主とする現代の音楽状況から必然的に生み出された傑作アルバムだ。これはロックミュージックが続く限り、時代背景に沿った傑作は必ず現れるという証明になるのかもしれない。出来上がった完成度より、時代の空気がどこまでピュアにパッケージされてるか、ということが評価の大きなファクターなのだ。ロックミュージックとはそういうものなのである。



(23:42)

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