2006年02月24日

Tiara Rock Fes.“WORDS” 〜CHABO BAND〜/ 2月17日(金)ティアラこうとう 大ホール

WORDS2月17日(金)ティアラこうとう 大ホール 19:00開演
Tiara Rock Fes.『“WORDS”〜言葉は歌うことから生まれた、と言ったらあなたは信じるだろうか』
CHABO BAND(仲井戸“CHABO”麗市Vo.G、早川岳晴B、河村“カースケ”智康Ds、たつのすけKey)
SION fea.松田文
三代目魚武濱田成夫。
料金 \3,800


あれから一週間も経っちゃった。この一週間は目が回るくらい忙しくて…。でも、この週末は長野の栂池高原の隠れ家に行くんで、頑張って今日のうちにCHABO BANDのことを書いておかなくちゃ。

このイベントは、タイトルどおりに“言葉”をキーにした3組を集めたイベントだ。とは言っても、ベースは音楽なわけだから、CHABOとSIONはともかく、三代目魚武濱田成夫は思いっきり浮きまくるんじゃないかと思ったりもしてたんだよ、僕は(苦笑)。ところが、全然そんなことなかった。3組が3組とも持ち味を十分に発揮し、大人のロックファンを満足させるような濃厚な3時間になっていたと思う。

トップバッターはSION。やられましたよ、マジで!ガツン!と一発見舞われた。スゲエや…。言葉の鋭さでは3組中間違いなく一番だったろう。何年か前にバンドでのSIONを野音で観たことがあるが、この日のSIONの吸引力はそれ以上だった。松田文さんとの二人だけでのセットは、SION独特の“あの声”がいっそう冴えわたり、なんだか心臓に直接手をかけられて激しく揺さぶられような迫力があった。
たっぷり1時間。「TONIGHT」からはじまり、アルバムでCHABOが客演した「夜しか泳げない」や福山雅治のカバーでも有名な「sorry baby」、SIONのホームタウン新宿が匂い立つ「午前3時の街角で」など、どの曲もとにかく聴き応えがあった。
80年代と違い、このところのSIONはトム・ウェイツ風というかトーキングブルース調というか、独特の節回しのボーカルスタイルを確立している。それがこのデュオみたいなシンプルな形だとますます冴えるのだ。バンドだと時としてフラットに聞こえてしまいがちなSIONの声が、この日はホールの隅から隅まで、まるでこだまのように響いていた。
松田文さんのギターがまたすごいんだ。ほんとイイ、文さん。アコギでもエレキでも、ものすごくエモーショナルなギター。SIONと文さんは去年からこのスタイルをやり始めたと言うが、これはもう是非フルサイズでライブを観てみたいと思った。
モノトーンで男臭い世界。だけど、最後の「がんばれがんばれ」がじんわりとあったかくて…。とにかく、心の深いところがじんじんする、静かで激しいステージだった。

続いては三代目魚武濱田成夫。派手にペイントされたコートを引っ掛けて片手を挙げてステージに登場してきた時は、“ああ、こりゃあ痛そうだなあ…”と思っちゃったんだけど(苦笑)、始まったらこれがなかなかだったのですよ。
この人、ポエトリーリーディングをやるんだけど、叫ぶように詩を読んで、終わると読んでた詩集を次々と客席に投げ込むのね(笑)。なかなか演劇的な要素もあって見せられた。最初はどっちかというと引き気味だった観客も、そのあっけらかんとしたユーモラスな詩にだんだん笑いを誘われるようになっていた。
僕は彼が子供向けに書いたっていう詩がけっこう好きだな。あと、一年が一月からじゃなくて、ばらばらにあればいい!っていう詩は、なんか笑いが止まんなくなっちゃって、一人客席で悶絶してました、私(笑)。こういう人のパフォーマンスって野音とかで観たら面白そうだ。

さて、いよいよCHABO BAND。2002年8月大阪でのイベント以来、4年ぶりの登場。こっちも緊張しちゃうぜ…。
オープニングSEはシナトラの「夜のストレンジャー」。その中を先頭を切って出てきた人物は、なんか長い髪を立てて顎鬚とサングラスの見慣れない人物。“誰だ、この人?”と思ったら、そのままキーボードのポジションへ。たつのすけさんでした(笑)。いやあ、痩せたね、たつのすけさん。前に見たのが2003年11月のAXだったけど、その時と比べれば別人のようにスリムにカッコよくなっていた。

オープニングは意外なところで「lainのテーマ」。いきなり重たいやつを持ってきたぞ、CHABO。でも、このシュールなタッチはCHABO BANDならでは。つづいて2曲目が「プリテンダー」。この2曲の対比がすごく良かった。それと、やっぱり「lain…」にしろ「プリテンダー」にしろ、“My R&R”リリースの頃の曲は、やっぱりソロより麗蘭よりCHABO BANDで演るのが一番しっくりくるんだなあ、という気がすごくした。

続いては「花園神社」。これは照明もシュールなタッチでまるでドアーズというかピンクフロイド。でもね、CHABOはそんなヘビーな曲なのに、すごく気持ちよさそうにギターを弾いてるように見えたんだな…。やっぱり、久々にカースケのドラムの上でギターを弾くのは快感だったんだろうと思うのだ。事実、後半のインスト部分は、普段よりもかなり長めにやってたように感じた。
「打破」もすごかった。最近これを聴くのは、ソロかセッションバンドの時だけだったわけで、やっぱりレギュラーバンドでこいつを演るのを観るのは嬉しい。嬉しいってこんなヘビーな曲に言うのはおかしいかもしれないけどさ…(苦笑)。
それから、やっぱり話すだろうと思ったSIONとの共通項=新宿の話をひとしきりした後、去年の梅津さんのプチ大仕事で初披露した、ポエトリーリーディングと音楽のミックスみたいな「太陽に唄って」。そうだよ、CHABO。麗蘭の2ndで思いっきりギターロックに行っちゃったけど、こういうタッチは新境地なんだから、この手の曲も是非今年はやって欲しいなあ…。ともあれ、忘れずにCHABO BANDでこの曲が復活したのは嬉しい。

そして、間髪入れずに証明もパッと明るくなって「悲しみをぶっとばせ!」
これは個人的にはこの日のハイライト。これ、考えてみたらバンドスタイルでライブで演奏されるのは初めてなんだよね。っていうか、この曲はソロでも、アルバム「TIME」リリース時のツアーでしか演奏してないはずだ。いやあ、CHABO BAND、さすがの熱い演奏。特にカースケのドラム!やっぱりイイなあ。すっごいタイト。締まってる。すごくロックしてたと思う。CHABOもステージ前面に出てきて、それこそ僕の目の前でギターソロをキメてくれた。

ラストは「ガルシアの風」。前半はアコギ弾き語り、途中からバンドが入ってレゲエタッチになっていくというアレンジ。

アンコールはなく、最後はシオンと魚武も呼んでのカーテンコール。CHABO BANDは約1時間、トータルで3時間のイベントであった。うーん、欲をいえばCHABOとSIONでなんか1曲やって欲しかったなあ…。魚武氏に遠慮したのかね?CHABO…(笑)。

このステージ、人によっていろんな感想を持ってると思う。
僕はライブ終了後、数人の仲間と近くの焼肉屋に入ってこの日の感想をいろいろ話してたんだけど、人によって感じたことは様々だったみたい。
僕自身の感想を正直に書く。まずはCHABO BAND、僕はすごくよかったと思うよ。それは馴れ合いで言ってるんでも何でもないぜ。本当に素晴らしい演奏だったと思うし、セットリストもCHABOがCHABO BANDでがやりたい感じの曲がはっきり見えるものだったと思う。最近のCHABOのライブでは久々に“ROCK”を感じた。はっきり言って、年末の麗蘭よりも“ロック度”は僕の中では高かった。演奏も“ぶっ飛ばしてくれる”感覚を久々に感たんだよな。
ただね、終わってから、この感じは昔の麗蘭で味わった感覚とよく似てるなあ、と思っちゃったんだよ。つまり、いつの間にか麗蘭とCHABO BANDの位置づけが逆になってしまったのだ。昔はCHABO BANDが今のCHABOの歌をのせるフォーマットであり、麗蘭はスペシャルな場として、1stやDADA的な世界観を一期一会でやってく場だったと思うのだ。それが今逆になったというのは、果たしてCHABOの意思によるものなのか、周りの状況からこうせざるを得ないのか…。
この日はCHABO BANDの演奏そのものには大満足だったんだけど、それによって自分が今の麗蘭にちょっと“飽き始めている”という事実に気付かされ、ちょっと複雑な気分になった夜でもあった。

【SION fea.松田文】
1.TONIGHT
2.夜しか泳げない
3.sorry baby
4.午前3時の街角で
5.ガード下
6.曇り空、ふたりで
7.一瞬
8.ハードレイン
9.ちょっとでいいんだ
10.がんばれがんばれ

【CHABO BAND】
1.lainのテーマ
2.プリテンダー
3.花園神社
4.メンバー紹介BLUES
5.打破
6.太陽に唄って
7.悲しみをぶっとばせ!
8.ガルシアの風


トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by ayako   2006年02月25日 19:14
私はSIONは初めてだったんですが、実は「狂気じみたTom Waitsみたい」と思いながら聴いてたので、HAGAさんのエントリー読んでちょっと嬉しかったです。
にしてもこの人すごいですね…。一週間経ったけど、まだあの声とギターが頭から離れません。
全然曲知らないけど、ワンマンライヴ、今年中にあれば行きたいと思ってます。

CHABO BAND、私も良かったと思いますよ。昔を知らないからCHABOさんの中での位置づけの変化とかはよくわかりませんが、私は今の麗蘭も大好きだし満足してます。でも、どんなに好きでも飽きる時期がくるのは仕方ないと思います。彼らだって常にホームランばかり飛ばしてるわけではないし、同じ聴き手でも、状況によって感想って変わるものだし。またそのうち「麗蘭すげー、最高!!」と思える時が来れば、それでいいんじゃないかな、と。うまく言えませんが…。
2. Posted by Y.HAGA   2006年02月27日 15:38
>ayakoさん
CHABO BANDに関しては、CHABOが続ける意思があることを確認できただけでも良かったなと思います。それで、あれだけすっごい演奏ができちゃうわけだからね…。セットに関して“もっといい曲があるのに…”云々と言ってる方もいるみたいですが、僕はむしろ逆だなあ。あれはいかにもCHABO BANDらしいセットだったと思います。「悲しみをぶっとばせ!」なんかでは、麗蘭とはまた違ったタッチでロックしてるCHABOが見られたと思います。
麗蘭は僕、このところちょっと聴き過ぎてるのかもしれない(笑)。2ndとか散々聴いたし、去年はライブもいっぱい見たからなあ。昔は麗蘭を観るってのはけっこうレアな体験だったんで、それが僕の記憶に残ってるせいかもなあ…。
3. Posted by d   2006年02月27日 17:40
HAGA様
掲示板にもっといい曲があるのに…と書いてしまったものです。
ファン掲示板では「今回のやつは良くなかった」の発言を削除したり、
攻撃したりする掲示板もあるので、この掲示板は違うんだと
思い思わず書き込みしてしまいました。

どうやら、場違いだったようですね、皆さんのご気分を害されたら
すみません。

自分で削除ができない掲示板でしたので、お手数ですが管理者権限で
削除してください。こちらの発言も削除していただいて結構です。

公の場での発言はこれから気をつけます。
4. Posted by Y.HAGA   2006年02月28日 11:55
>dさん
人にはいろんな意見があって当然だと思います。現に僕も今の麗蘭をちょっと物足りなく思ったりもしてるわけだし、「風と月のcafe」の過去ログを読んでいただいても、ファンの間でいろんな意見が出てるのがおわかりいただけるかと思います。
僕はそれが当然だと思うんですよね。批判的な意見でも、それは音楽を聴く上での幅を広げることになるというのが僕の基本的なスタンスです。八つ当たり的な意見はNGですが、建設的なものであれば批判的なものでも僕はむしろ歓迎したい。だから、過去もそうだったように、僕はdさんの意見を削除したりしません。
批判的な意見を削除したり、攻撃したりする掲示板があるとのことですが、そういった掲示板とこのブログや「風と月のcafe」は違うということをご理解ください。管理人として、画一的な意見で埋め尽くされたような掲示板やブログにはしたくないと思ってますから…。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
プロフィール
Y.HAGA
1965年生まれ。高校時代にROCKに目覚めて以来、いまだに思春期が終わらない。相も変わらずライブハウスに通い続ける日々。妻1子2。仲井戸“CHABO”麗市ファンサイトcafe HENDRIXの管理人。
最新コメント
最新トラックバック
20世紀少年 (Blueの雑記帳(2nd edition))
【映画】 「20世紀少年」
今は・・・ (奥行きの深い日々)
役立たずの神様へ