2008年11月12日

monthly CHABO vol.5 「Late Summer」 仲井戸“CHABO”麗市 with 駒沢裕城 / 2008年11月12日(水)南青山MANDALA

今年の春から始まった南青山MANDALAでのCHABOのマンスリーライブ。
途中で「野郎共の競宴」とか「観る・聴く・読む」とかはあったけど、マンスリーライブ自体は10月はお休みだったので、MANDALAでCHABOを観るのはけっこう久しぶりな気がします。

今回CHABOと共演するのは、元はちみつぱいで日本のペダルスティール・ギターの第一人者とされる駒沢裕城さん。
2人が一緒のステージに立つのは、2005年10月8日のCHABO GO! GO![THE Duet]以来。約3年ぶり。
俺、駒沢さんとやるときのCHABOはなんだかとてもリラックスして見えるんですよ、いつも。新谷さんとか翠川さんなんかとやる時とは全然違った感じ。タイプは違っても、同じギタリスト同士ってだけで通じ合えちゃう部分があるのかもしれません。
この日のCHABOも、駒沢さんをリスペクトする姿勢を見せていたのはもちろんですけど、駒沢さんをぐいぐい引っ張っていくタッチもあり、その辺のニュアンスは、他のmonthlyの時とはちょっと違った感じがあって面白かったです。

実はこの日って、南青山のすぐ近くで爆発事故があったんです。CHABOはこういう事をすごく気にしてしまう人。案の定、CHABOはステージに出てきてのっけからこの話をしました。オープニングが「GOOD DAY」だったのは、なんとなくこの不安な状況を跳ね飛ばそうとしたのかもしれないと思います。
でも、CHABOはとてもリラックスしてました。それは確か。まったり始まったオープニングに、最初客席はためらいがちに手拍子してましたが、そこに「お前ら、手叩くのかどうなのかはっきりしろー」なんて軽く突っ込んだりしてましたから(笑)。

駒沢さんは二曲目の「風景」から登場。ステージ右手に据えられたペダルスティールに腰掛けて黙々と演奏を始めました。
駒沢さんのペダルスチール、イイんだよなあ〜。目を閉じて聴いてると意識が宇宙まで飛んでいってしまいそう…。ロックファンにとってのペダルスティールって、カントリータッチだったりスワンプロックで使われてたり、割と南部っぽいイメージがあるじゃないですか。駒沢さんのペダルスティールはもっと独創的なんですよね。ジャンル分けできない自由なタッチをすごく感じます。音色もとても幻想的。スペイシーなタッチは、タイプは違うけどロウエル・ジョージのスライドギターと同じ匂いを僕は感じます。

ロウエル・ジョージといえば、この日は全体的に70年代っぽいっていうか、在りし日のヒッピームーブメントやフラワームーブメントへの憧憬を感じさせるような選曲が多かったような気がします。
前半に演奏された「ホーボーへ」は、駒沢さんのペダルスティールでいつも以上にノスタルジックなアレンジになっていたし、「ホームタウン」の最初と最後はSEでジェファーソン・エアプレインの「サムバディ・トゥ・ラヴ」が流れたのが、とても心に残りました。
びっくりしたのは、中盤で飛び出した「花のサンフランシスコ」のカバー。ベタといえばベタな選曲なんだけど、この日は比較的じっくり聞かせる曲が多かったので、ライブ全体に軽快な味付けを加えていたと僕は感じました。

ポエトリー・リーディングは、この日のライブテーマでもあった夏の残り香と過ぎ去った時代への郷愁が漂っていました。
「サマーホリデイ」はすごく良かった!駒沢さんのペダルスティールは、聴いてる僕をあっという間に少年時代の夏休みに連れ戻してくれました。赤ワインの心地よい酔いも手伝って、僕の頭はすっかり“あの頃の夏”(笑)。

アンコールでは、駒沢さんがいきなりの「ホワイト・クリスマス」のフレーズを。おいおい、まだ早いんじゃないの?まさか「メリークリスマス・ベイビー」でもやるのかな?と思ったら、いきなり「魔法を信じるかい?」が始まりました。
これはかな〜り意表を突かれた思いでした。個人的にはものすごく久々に聴いたような気がするなあ、この曲。
そして、演奏が終わると、清志郎の子供たち、タッペイくんとモモちゃんのコーラスが大音量で会場に流れたんです。これは観客にいろんなことを考えさせる演出でした。

そうか、町はもうクリスマスか…。清志郎、どうしてんのかなあ…。

この後、CHABOは、駒沢さんのアルバム「静かな時」を“お気に入りのアルバム”として紹介し、ライナーノーツの駒沢さんの詩をリーディング。続けて駒沢さんに向けた手紙を読むという展開に。
その間、駒沢さんはずっとペダルスティールを弾き続けてたんですが、僕が思うに、CHABOが手紙を読む段取りは、駒沢さんには知らされてなかったんじゃないかと思うんです。仮に知っていたとしても、その内容までは絶対知らなかったと思うんだよね。手紙の内容は、CHABOが同じ時代を生きてきた戦友として駒沢さんへ宛てた、限りなく慈しみに溢れた文面でした。これは駒沢さん、かなりぐっときてたみたい。

ラストは久々の「いいぜBABY」、そして「ホーボーズ・ララバイ」と「家路」。CHABOのレパートリーの中でも、“ほのぼの率”の高い3曲で長い夜は終わりました。
なんだかすごく幸せな気分にさせられた3時間半。いつにもまして一期一会的なタッチが濃厚な夜でした。
この二人は、これからもいろんな節目で同じステージに立つことになるんでしょう。こんな関係、羨ましいよなあ、ほんと。自分がCHABOの歳になった時、今日のステージでCHABOが読んだような手紙を書ける相手が、果たして何人いるんだろう…。ついそんなことを思ってしまった夜でした。

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プロフィール
Y.HAGA
1965年生まれ。高校時代にROCKに目覚めて以来、いまだに思春期が終わらない。相も変わらずライブハウスに通い続ける日々。妻1子2。仲井戸“CHABO”麗市ファンサイトcafe HENDRIXの管理人。
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