2008年06月20日

かえってきた・・・・オトコ・・・・

5f33cb66.jpegボクは、くだらない人間です。 くだらないハナシも好きです。 笑っていたい人間です。  でも・・・苦しいことだって、やっぱりいっぱいです。  苦しいから、くだらないハナシを書くのです。 そうです・・・くだらない・・・ハナシです。

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長編小説 その1

たった一人でも読んでくれる人がいるのならば、短編小説を書こうと思った。

私は今、苦しみの真っ只中にいる、ドン底だと感じている。 しかし、それは私の “人間としての器” が小さいだけで、世の中ではもっともっと何倍かの苦しみに耐えているのだろう。 毎回、女々しいことばかり書いてしまっているような気もする。 楽しい、感動の文を書いてみよう、そう思った。


たとえば “水谷一郎” という名前の、人間が登場したりする。  この感動の長編小説の主人公は、この名前なのだが、もちろんフィクションであり、実名でない。

正直言って、私も、もう少し品のある、感動小説に似合った名前にしようと思ったのだが、変わった名前にして、万が一この近くに同姓同名の人がいて “気” を悪くされるといけないので、あえてどこにでもいそうな、どこにでもころがっている名前をつけた。

「つけた」のは、いいのだが、つけた私が、キムタクのような性格のよい、いい男が頭に浮かばないのは何故だろうか。  意識をよい方向に持っていこうとしても、浮かんでこない。   私の頭に悪魔のように、覆いかぶさってくるのは、「むっつり助平で、うわばみのように酒をくらうのに、平気でいて、たまに人のジョークに助平そうに “にそっ” と笑う」  人物である。
感動小説には似合わない典型の人物像が、浮かび上がってしまう。   架空の人物なのだから、どうにでもなりそうなものなのだが、誰かの呪いなのだろうか。  あるいは、私の前世でひどい目にあわされたのだろうか。

仕方ない。  この悪夢のような人物像の中で、苦しみながら、この感動の短編を仕上ていくのも私の試練なのだろう。

それにしても、「おまえ、暇やのう。もっとすることないんけ」 と言う声が、今にも聞こえてきそうである。  架空の人物のくせして、文句を言ってくる、いやなタイプのやつである。

舞台は、とある、奉仕団体での会話である。  奉仕団体といっても、よく電話がかかってきて 「わしゃあ、北方領土の返還を考えておる、●●の役をしちょるもんじゃがのう。のう社長さん、なんか困ったことがあったら、わしに相談しちぇくれればのう、なんでも解決しちゃるがのう、そんかわり、ちと出版物を・・・」 というような、いかがわしい、いやいや立派な団体ではない。 (まあ、こんな団体は私のホームページを見ないだろうという前提で書いている。 でも、もし、万が一、そんな立派な、お方がご覧になっても、笑って見過ごしてくださいね。  フィクションであり、ジョークの世界ですので。)

では、まったくいかがわしくないかというと、それほどの自信もない。  私や水谷一郎(仮名)が入っているのだから、いかがわしい人物もいるような気もする。   どっちにしても、たいしたことはないのである。 ライオンクラブという名である。  余談ではあるが、水谷一郎は同じような、●●クラブという名の秘密SMクラブに所属しているという噂も聞く。  さらに余談ではあるが、彼はそこでは “いじめる役” でなく、 “いじめられる役” をつとめているようだ。

さて、この奉仕団体の中での私の役は、PR委員であり、彼の役はIT委員長であり、あと二人登場する、藤田さんは、YE委員長 (交換留学生) であり、常昭君は青少年育成委員長である。   この4人が岐阜の高山での会議にでかけたのである。   むろん温泉でコンパニオン相手にどんちゃんさわぎするような、いかがわしい会議ではなく、世界に慈善事業の輪をどうやって広げていくかという清らかな会議である。

以下次号へ。    ただし、いろいろ文句などがでたりすると、次号以降は “没” になる可能性もあります。  どうか軽いジョークとしてお読みください。特に全国にごまんとみえるだろう、 “水谷一郎” さんには心よりお詫びいたします。  と、いいながら “とある、ひげずらの顔”を思い浮かべているのは何故だろう。でも彼なら大丈夫だ、尊敬できる神様のような温厚な人だから。

注 この物語はフィクションであり、登場する人物、団体は実在??しません。  ということにしておきましょう。


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長編小説 その2

 物語の始まりは、いつも雨だった。

愛の物語には、何故か雨がよく似合うものだ。  日本人なのだろう。  雨はすべてを流し消し去ってくれるもののようでもあり、涙のように、いくら流しても心の中からは永遠に消し去れないようでもある。

雨の中を、無言の二人を乗せた車は音もなく、すべるように走っていく。   晴れていたならいい景色なのだろう。   明日は雨の高山の街を、二人で歩いてみよう。  もう・・・・誰に見られようといいじゃないか・・・・・・愛など世間や理屈などに縛られるものではないよ・・・・ふっと、目を閉じたときに浮かぶ陽炎のようなものだ。    所詮形などなく、形などを追いかけるものでもない、そう思う。

雨の高山。   私たち二人にとっては、この墨絵のような、うすぼんやりとした、世界のほうが似合っているのかもしれないよ。   世の中の美しいものだけを、追いかけるように愛する。   世の中から逃げるように生きる。   そんな君と僕なのだから。   それでいいじゃないか。 「ね、君もそう感じてくれているだろう?」 私はサイドシートに聞いてみた。

つぶやくように言ったから、聞こえなかったのだろう。 「なんや?」 と、彼女は聞きなおした。   しかし “なんや” は君には似合わない。   関西弁は愛の物語には似合わないだろう、こんなときは  「なにっ?」 (この “なにっ” という発音を言葉で表現するのは難しいのだが、優しさのすべてを包み込んだような、少し甘えたような優しい優しい声を、浮かべてほしい。)って優しい声で答えてね。 愛とはそういうところに、その深さがあるのだからね。

「なんや?お前ぼけとらへんか?」 品のないダミ声で再びサイドシートは言った。・・・・・水谷一郎だ。

ボクは、その声で現実にかえってしまった。

そういえば、今日はライオンズで、会議で高山へきとるんやった。 ゲンジツにもどると、よけい侘しくなる。・・・ああ、せっかく失楽園の世界に入っとったのになあ。  雨の飛騨路は失楽園の世界やのになあ 。

ねとってくれればええのに、こいつら起きていやがったのか。後悔した。

会議はあいかわらず、つまらない形だけのものだった。私たちはゲストで呼ばれたのであるが、自分の役割であった挨拶で、品のないジョークを言って笑わせ、この団体の程度の低さの “いやみ” を言ったあと、不覚にも、私は前の席で寝てしまい、よだれをたらし、それを集まった人が見て笑っていたそうである。   まあ、この程度の連中になら笑われようが罵倒されようが、どうでもよいことである。

さて、これからが恐ろしい体験の始まりだったのである。

余談であるが、私は絵を描くときもそうなのだが、出来上がりは、時の運みたいなもんであって、途中から昼の風景が夜になったりする。 (これこれ、そこの水谷一郎、「それは絵が下手やからごまかしとるんやろ!」などと言ってはいけませぬ。  芸術家とは感性のかたまりやから、時には夜の感性になるのだよ)これと、おなじように、小説も純愛小説から、官能小説に変わっていったりする。

さて、帰り道も雨上がりの美しい夕暮れの中、風景には似ても似つかぬ、むせこい男ばかりの4人旅となった。3人をほっぽりだして “失楽園” したい雰囲気だった。。   不幸中の幸いは、くだらない話をするでもなく、ほかの3人は眠っていたことだった。  この上・・・・下品な話題では、もったところがない、こんな夕暮れの、美しい世界は自分ひとりきりの世界に入っていくのが一番だ。

東山魁夷の風景画のようだ。   雲が沸き立ち、その緑の中に、溶け込んでいる。   蒼の世界が広がる。私は詩人のような感性につつまれ、その美しい世界に入っていった。

失楽園の二人の世界である。

「こんな山水画のような世界の中を、走るのはやっぱ失楽園の凛子さんみたいな、寂しげな横顔が似合う、少し翳りがある・・・・穏やかな女性(ひと)がええわなあ。   はしゃぐ歳をすぎたようななあ」 と、独り言を言ってしまった。

あとから思えばこれが、恐ろしい物語のはじまりだったのです。

寝ていると思っていたやつらは、これ以後、うるさくしゃべりだしたのです。 運転は年少の私に決まっていて、ほかは暇をもてあましているようでした。

常昭君  「おうおう、みんな所帯じみてくけど、たまに綺麗なままの人おるもんなあ」

私  「そうそう、30過ぎると、女は生まれ持った我がでてきて、身も心も醜くなってくのに、その頃からさらに綺麗になってく女性なあ。  着飾らんし、どぎつい化粧などせんのにきれいな女性なあ・・・・。」

水谷  「・・・・・・・・・・・・・・・・」

しばらく無言の時間が続く。 藤田さん (藤田さんはおん歳60才くらいなため、色気の話題は卒業されている)以外は、それぞれに体の線のか細い、寂しげな女性を思い浮かべていると思われる。

私  「おんなじ失楽園でも、川島●●●では、品がないわなあ。やっぱり黒木瞳やなけら、あかんわなあ。  歳をとればとるほど、優しさがにじみでてくるような人がええわなあ」

常昭君「 おれは・・・・やっぱ、鈴木京香がええなあ・・・・」

水谷  「・・・・・・」

こういう話題のとき、人一倍、すけべいな、くせして、意見を述べず “にやける” ところが、やつは助平くさいと私は思うのである。  “クククッ”と笑っているようにもみえた。

以下次号へ


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長編小説 その3

少しの沈黙ののちである。

藤田さん 「そういえば、私のライオンズの知り合いの●●さんの彼女が、そんな女性でなあ、それは品があって、相手のことを思いやってばかりいる人でなあ。  日本舞踊のきれいなことはなあ。  美しいとは、あんな女性の事を言うんやなあ。  詩の朗読を、聞かせてもらったことがあるが、透き通るような声でなあ。  それでいてひかえめやったなあ。そういえば何かの楽器の演奏もされるって、おっしゃってたなあ。ああ・・・・・」

他の一同 「・・・・・・・・」(たぶん、それぞれが、そのさぞかし美しい女性を、どんな顔立ちなのか理想像を頭の中で浮かべていたと、思われる。)

藤田さん 「みんなから、好かれる女性でなあ・・・・店を閉めるって話になったときも、まわりのみんなが、お金をだしあうからと言って、引き止めて、別のところで続けたらしいわなあ・・・・人は美しいだけやなく、心やなあ・・・・。」

沈黙の時間。・・・・・・・外は山雲たなびく、山並みが続く。(このへんから、他の3人はわびしい思いにかられるのであった。)

3人(思い)  「ああ、わびしいのう、俺は他よりえらい思いしとんのに、なんでや。あんな●●みたいな、じじいに、・・・そんな綺麗な彼女がおんのや。俺にはなんでおらんのや・・・・くそお、侘しいなあ・・・・」

沈黙の時間 
他の3人は、その女性 (“ひと”と読んでいただきたい。)の年齢を想像している。  藤田さんに聞きたいのであるが、聞いてしまって・・・・30才などと言われたりするのが恐ろしい。  もう・・・・たち直れない。  そんなうら若き、かよわい女性を、じじいが独り占めしていやがる。

いけないことではあったが、ボクは、いけないことをしている・・・・二人の姿を思い浮かべてしまった。  そういう時に限って、かよわい女性は、さらに卑猥な体位をとらされてしまっている。・・・・ああ、神様。世の中は不条理だ!神はいないのか! ボクは心の中でそう叫んだのである。  (あとで、考えると神の名を呼びながら、卑猥なことも同時に考えているのは、若干問題があるようにも思うのだが、そのときは、女性のそんな姿が頭の中を駆け巡っていた・・・・)

さらなる沈黙の時間  各自がおのれの哀れを呪い、なんで俺のような、ひたすら真面目な生き方の者に、幸せの時間がこないのかと、そのライオンズの●●さんを呪うのであった。ああ、あのじじいに災いあれえ!

ああ、神よ、そうして神よ、私をお救いください!

(なんのことはない。勝手なお願いである。要は私にも美しい女性をください。と、祈っているのである。)

突然再び藤田さん  「あのこと●●さんは、もう20年近くの関係やなあ。  あんな女性と20年。うらまやしいなあ・・・・・・」

沈黙にある。  心の中で3人  「なっ、なにい!20年やとお!・・・・ちゅうことは、今35やとしても、15の時にてっ、テゴメにしやがったのかあ!・・・・な・・・なんという鬼や!くっそお!ばかやろう!」

想像は頂点に達していた。  15の生娘を無理やり、自分のものにして、20年、嫁にもいかせず、自分のものにしているのだ。

おっ鬼や!心の中で叫んだ。

こんな話を聞かなければよかった。  無理やりの行為の終わったあとの、その女性の涙を思い浮かべる3人であった。
ああ、あわれ。なんという悲劇だ。  そんなやつのいるライオンズなんかやめよう、そう思った。  。なにが奉仕団体や、強姦クラブやないか!ああ、・・・・・俺もやってみた・・。   いやいや、違う。そんなことはあってはならない。   そのときの映像が頭を駆け巡り、大きな憤りと、少しのうらやましさがこの善良な青年 (私) の心をかきむしったのである・・・・・・

以下次号へ。

もう、やめろという意見もございましょうが、私に起こった、この悲劇をもう少し書かせてください。


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長編小説 その4

前おき

しばらく間をおくと、この上ない馬鹿な話は、書いている本人が、余計・・・この上なく、馬鹿になってくるものである。  しかし、私はこの、登場人物の水谷一郎という架空の人物を、いじめなければならない。  人間とは、馬鹿な話であれば、あるほど、そこに出てくる奴が、たとえ架空のやつであっても、憎たらしくなるものである。   ええい、今度・・・・あの、緑の車のタイヤに穴をあけてやろうわい。いひひひ。

そんな前置きなど言っている場合でない。  本筋に戻ろう。



みなの沈黙のあとには、いつも藤田さんが突然にとんでもない話を言い出すのである。

藤田  「ああ、アノ子は●●さんより、たしか・・・3つ年上やったなあ。ああ、まだまだ若いなあ・・・」

このあたりから、話は俄然・・・・・判別が急につかない、ややこしいものとなる。

他の3人「・・・・??・・・・?。。ま・さ・か・・」(頭の悪い3人は・・・事実が頭の中で、整理できず、駆け巡っているのだった。)

しばしの沈黙だったが、私には悪い予感の中、長い時間に感じた。

なっ、・・なにい?   今なんて言うたあ?  ●●さんて、もう、ええ年したじじいやんけ。  ほっと・・ほれより、3つも年上て・・どういうことやえ?

追い討ちするように・・・藤田さんは言い放った。

「今年でまだ・・・・65かあ・・・とても見えんなあ。これからが華やなあ。  かわいいなあ。ああ・・・」

3人・・・・頭の中がこんがらがって、判断ができない。  若い娘の・・・・あらわな姿を、たった今まで浮かべていたのだ。  そっ、・・そっれが、ろっ・・・ろくじゅうご!
ろくじゅうごて、あの・・・老人会入会規定の・・・・65のことかあ?

誰ともなく、ほとんど同時に3人は言った

「ふっ・・・・藤田さん!・・アノコって、ろっ、ろくじゅうごさいなんすかあ?」

藤田  「そうよ。65才よ。ちみたち、どうしたの?  顔色悪いよ。  65才になっても、綺麗な人は綺麗なんやわなあ。・・わはははーああ、●●さんがうらやましいなあ・・」

沈黙の時間・・・・ふたたび3人は・・・頭の中の整理中であった。・・・・・そう・・して

3人各自  「ククククッ・・・ヒヒヒヒッ・・・イヒヒッ・・ケケケケ・・」

藤田  「ナッ、なんですか、あなたたち?  そろって気持ちの悪い笑い。  どっか悪いの?」

3人  「けけけ、わっはっはっはー!」(あまりの大笑いで、みんなは涙がで、力の抜けた一郎君は放屁した)

まるで・・・世・・・界が救われたような3人であった。

私  「なんや、藤田はん、そのこ・・・65のばばあでっか!  わっはっは、65のばああやったら、日本舞踊しようが、ハダカ踊りしようがええわなあ!  おらあ、また若い、べっぴんさんやと思って、自分を責めてましたがなあ!   あー、よかったぁ!  そのこに85才まで末永く、ナカヨク元気で、おつきあいするようお伝えください!みんなで末永い幸せな二人を祈ろうなあ!なあ、みんなぁ!」

あとの2人 「ぅおぉう!」

二人は言葉にならないような、カチドキの声をあげたのであったぁ。  ああめでたしめでたし

話はパッピーエンドに終わらななあ!  みんなで大笑いをして、この話は終わったのでる。   ああいい話だったぁ。・・・・・・3人は “ねたみ” から開放されて、自己満足で喜んだだけであった。

・・・・なんか侘しい空気が流れていった・・・ほんとは笑い話ではない。  彼女がおらん自分たちにとって 「よかった結末」 だけだったのだ。



しばらくの無言の時が過ぎていった。・・・・

ボクには再び “サミシサ” がおとずれた。・・・けっきょく、・・・結局オレは、なんにも変わってないじゃないか。・・・悩む心のない人間にセイチョウはない。ここらへんが、他の2人と、ちと違うところである。  他の2人は、とりあえず●●の相手が “ばばあ ”であったことに満足しただけである。

まっ、イイカタを変えるととりあえず “他人の不幸” を喜んだだけなのである。  わびしいやつらである。

オレだけは違う。オレは・・・“他人の幸せを素直に喜んであげれる” そんな・・・・りっぱなオトナになろう・・・・私はそう心に誓った。・・・・・(勝手な言い分である

屁理屈を言うやつに限って、こういう考え方をするのである。

夕暮れが訪れ、車内は薄暗くなり、運転の私を除いて、横に座る一郎君、後部座席のご両人とも、おつかれになったのだろう、やすんでおられるようだ。

室内には、先ほどの・・・水谷の放屁の、なまぐさい香りがただよっている。(こいつ、日頃なに食っていやがるんや?このような生臭さはじめてや。こんな空気の中でよう寝とるなあ。)
吐きそうになるが、必死で我慢し、助手席のほうの窓をあけた。(私のほうを空けると、寒いし、いったんでも、あの生臭さがこちらに来るのはごめんだ。)

後ろでくしゃみをするのが聞こえたが、こんな恐ろしい臭いの中におるくらいなら、他人が風邪をひくくらいは、まあええやろと思った。

しつらこい、醜い生臭さがやっとのことで消え、窓をしめ、やっとよい雰囲気になってきた。

静かな時間が流れる。・・・ひたすら静かだ。・・・・

ボクはまた、自分自身の孤独な “失楽園” の世界に入っていくのだった。・・・・・・そばにいるのは、いつの間にか凛子だ。・・・凛子(黒木瞳のほう)とわたし。・・・・二人だけの世界に・・・・心地よい音楽が流れる。・・・・

私と凛子は・・・・夕暮れの雨上がりの飛騨路を、今日の宿へと向かっている。  もしかすると・・・もう帰ることもないかも知れない旅。   二人とも無口になる・・・・もう・・・はしゃぐ歳でもない。   でも・・・悲観しているのでもない。      愛するこの女性(“ひと”と優しく読んでね。そんな雰囲気だから。)と二人でいられることに、互いに幸せを感じているから・・・だろう。 

だから・・・・だから、横を振り向かなくても、そこにこちらを見て微笑んでいる、君の優しい視線が感じられる。なにも語らずともよい。心の中で話しているから・・・


「こんなオレでいいにかい?」

「私はあなたとめぐり合うために生まれてきたのよ・・もう、悔いはなにもないわ。」

「ありが・・とう(涙がひとしずく、頬をつたう)、幸せな人生だったよ。君のおかげでね・・・」

「お礼を言うのは、私のほうよ・・・」

ああ・・・こんな幸せの気持ちのまま・・二人で次の世界へ行きたい・・。たとえ、世間では、それを死と呼ぼうが、心中と笑おうが、そんなこといいじゃないか。  しょせん、人の心など、理解できるものでない。

少しずつ夕闇の青の世界が・・わたしたち二人を包んでいった・・・・


私は左手で・・・そっと、凛子の手を握った。・・・・・それを・・・待っていたかのように・・・凛子も・・私の手を・・・・握り返して・・くれたのである・・・


・・・・・・・・・・・・・・

すこし大きな手で・・握り返してくれた・・・・




   
   
にぎりかえして・・く・・れ・・た・・少し大きな手で・・・・・・・・・あれぇ?

????      


以下悲劇の最終回へとくずつのであったぁ・・・


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