もう旧聞に属することかもしれませんが、このところ体調不良で世の中で何が起こってるかまったく知らないもので、大リーグで敬遠四球のルールが変更されるとつい昨日知りました。理由は「試合時間短縮のために」って…。しかも日本のプロ野球も来年から追随するとか。

私は絶対に反対です。

クロマティや新庄が敬遠のボールを打ってサヨナラになった逸話はあまりにも有名ですし、暴投でサヨナラなんて例もあります。


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つまりは、いくら四球を前提にしていても、ピッチャーはしっかり投げないといけないんですよね。暴投にもならず、打たれもしないはっきりしたボール球。しかも敬遠ということはランナーがいるわけですから山なりのボールを投げたりしたら盗塁されるし、結構神経使うわけです。

それを「試合時間短縮」なんて理由で申告制にしちゃっていいの? と思うわけです。

このたびのルール改変には、単に「敬遠のボールを打ってサヨナラ打になる面白さが失われる」という興味本位のこと以上に、野球というスポーツを根底から覆す大改悪になると思われます。

なぜなら、「ボールインプレー」と「ボールデッド」ということをまったく考慮していないからです。


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ボールインプレーとは主審がプレーボールを宣告してからボールデッドになるまでの「プレー続行期間」のことです。

ボールデッドとは何かというと、ファウルやホームランなどでプレー続行不能になった場合のことです。

知らない人がたくさんいますが、ホームランというのは「フェアの外野席に直接ボールが入った時点で1点入る」のではないんです。

「フェアの外野席に直接ボールが入ってボールデッドになったらバッター、ランナーともに4つ進塁できる」とルールブックに書かれており、だから1塁、2塁、3塁、本塁の順番でダイヤモンドを一周しないと点が入らないんです。

長嶋が昔、ホームランを打ったのにファーストベースを踏み忘れてアウトになった事件がありましたが、あれはそういう事情によるのです。

他に、バウンドしてからフェアの外野席に入ってボールデッドになったらバッター、ランナーともに2つ進塁できる(エンタイトルツーベース)とか、主審のマスクにボールが挟まってボールデッドになったらランナーは3つ進塁できるとか珍しいルールもあります。

敬遠だろうと何だろうと、これまではピッチャーがボールを4球投げて(このときはボールインプレー)主審が「フォアボール」を宣告してボールデッドになり初めてバッターの1塁への進塁が認められます。それを申告制に変えるということはそのボールインプレーを監督の一声でボールデッドに変えられるということです。

これまではピッチャー交替でしか認められなかった監督によるボールデッドが、敬遠でも認められるということになると、もしかすると、ホームランもダイヤモンド一周しなくても点が入るというふうに変わるかもしれません。

それでいいんですか?

あくまでも、1塁、2塁、3塁、本塁の順番でベースを踏んで初めて得点が認められるスポーツだという「野球というスポーツの根幹」が失われてしまいます。

本当にそれでいいんですか? 

私は少しも熱心な野球ファンではありませんが、かつて少年野球をやっていたこともあり、これは他人事ではないと筆を執りました。

「ベースボール崩壊の序曲」のような気がします。
正岡子規が知ったら泣きますね。