空を見上げて

焼山寺山へ

四国八十八箇所霊場。L1000663
平安時代の僧侶、弘法大師空海上人ゆかりの札所を巡る旅である。
この、いわゆる『お遍路』に来る人たちの動機はさまざまで、目的もスタイルも人それぞれだと思う。中には壮大な犬の散歩のつもりで来ている私達も含まれている。実際にお遍路やってみて、良く出来ているなぁ、と思う事の一つにそのスケールと構造がある。全長1,200kmあまりの道のりは2ヶ月弱でまわれてしまうし、適度な間隔で現れる札所は小さな目的地となって、次々と進んで行く楽しさがある。ちょっと、山登り、と言う気軽さは無いものの、何かのターニングポイント、人生の節目で深く何かを刻みたい。と思うところがあるのなら、意を決して四国に来ませんか?というメッセージが少しある。しかし、お遍路の世界ではこんな、一遍路が勧めるのはおこがましい事となっていて、『お大師さんに呼ばれないと来れない。』と言われたりする。まぁ、ふ〜ん。なるほどね。ぐらいの感想を持っていただければ、との思いと自分たちの記録的な意味合いでこのレポートを書いている。
L1000672実際に歩くためにはザックや水筒などの装備や札所にお参りするためのグッズは?と言った準備が必要になるけど、自分はBE-PAL編集部編の四国お遍路バックパッキングを買って楽しく読んだ。残念ながらこの本は絶版になっているようなので、今となっては本家のBE-PALや山岳系の本などを参考にするのがいいだろう。
2周目に入った今では、背負う荷物は出来るだけ軽くと考えていて、ちなみにどんなものかと言えば、

◎巡拝用品
納経帳、お数珠、経本、消耗品〜納め札、ロウソク、線香。
装備〜金剛杖、菅笠、白衣、輪袈裟。
お杖さんは絶対に必要。白衣や輪袈裟はお好みで、途中でも買える。
◎歩く
へんろ地図〜コレは無いと厳しい。きっとぼろぼろになる事だろう。
靴〜防水性能、軽さ、滑りにくさを考えた。
初めはナイキのスニーカーだったけど、雨の山で滑りまくるので、ライトトレッキング系のシューズに変えた。舗装路がほとんどなので登山靴は必要ないと思っている。
ちなみに履きつぶすどころか、途中で寿命を迎えるくらいなので、1番〜36番ぐらいまではスニーカーでもいいと思うけど、峠が連続する36番〜は底が凸凹のが良いと思った。ビーサンも持って行った。
雨対策は超軽量レインウェアを買ったけど、台風でない限りはポンチョの方がいいと思う。
◎寝る
エアマットとシュラフはあってもいいと思う。個人的には大きなタオルは必携。蚊の来襲の事を考えるとテントは欲しいけど、設営撤収の手間もある。
◎食事
コンビニやスーパーを活用する。本当に困る所と言ったら、室戸岬に至る区間ぐらいしか思いつかない。
それでも旅館がぽつぽつとあるので利用できる。お風呂やおいしい食事は本当にありがたい。
こだわりとして自分用のカトラリーやMy箸を持って行った。

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藤井寺の境内から出発して600mちょっとで225mまで登る。
まずはそこにある端山休憩所を目指して、藤井寺から3.2kmの長戸庵まで頑張ろう。

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初め来たときはえらいキツかったけど、今回は楽しく歩けた。やっぱり背中の荷物が印象を左右するのかなと思う。何を持って行き、何を持って行かないか。後者が重要だな。

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どんどん行きます。

小物類では、虫除け、薬も必要で、最初のうちは足のまめ対策用品をよく使ってどんどん減る。マキロン、滅菌ガーゼ、バンドエイドなどは歩くうちに使用頻度が下がってきた。ミニマグライトかヘッドランプ、ワイヤー錠、小刀、ライターなどけっこう必要なものも多い。デジカメやiPadなんかも持って行った。

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『歩き遍路にとって、何がうれしいか。』

①温泉〜特に夏の暑い時期はこれが一番。馴れてくると公園の水道で身体を拭き川で泳いだりもする。
②自販機〜喉が渇く頃を見計らって、絶妙なタイミングで出現する。特に高知では『ひやしあめ』なんて、普段では絶対に選択しない飲み物でさえ飲んでる自分がいる。今までに飲んだ事が無いものを飲んでみる楽しみが、お遍路には存在する。
③100Vのソケット〜携帯にiPad、デジカメなど、電池残量には気を使う。なので、出来るだけ電池デバイスは持たないようにしたい。勝手に差し込んでトラブルになる事もしばしば。たかが少量の電気のために盗人呼ばわりされるので、コインランドリーなどの施設では絶対に差し込むのはやめよう。予備の電池を持って、旅館など許される場所で充電すればいいのだ。ライカのバッテリーすぐなくなるくせに高いんだけど…。


 

L1000704長戸庵から柳水庵へ

藤井寺から3.2km、標高440mの場所に最初のチェックポイント、長戸庵がある。
焼山寺までの1/4ほどの地点で、ここまで来るのに90分ほどかかった。
犬は付近をフンフンにおいを嗅いではオシッコしたりしている。
写真を撮ったり、少し休憩して出発した。

L1000714少し歩くと見晴らしの良い場所があって、長椅子のような腰掛ける場所があったので、犬と一緒に少し眺めた。
よく見ると、犬の鼻に砂粒がついている。払っても落ちない。
眉間にしわをよせて、爪で軽く引っ掻いてみると6本ほどの足でしっかりとこらえている感じ。

はぁ〜、山にはダニはつきものだから仕方ないとは思い、よく見ると速攻鼻の頭に5、6匹付いていた。
全身にも1mm程度の小さな粒があちこちに…。まぁ、フロントラインつけて来たので、すぐどうなるものでもないと思いながらも鼻の頭の奴を注意深く取った。
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長戸庵を過ぎると緩やかな上りが続いて、H540を経由してH500の柳水庵に向かう。距離にして3.4km。この辺りはとっとことっとこと軽快に歩ける。やっぱり荷物が軽い事はいい事だ。

この辺りは尾根筋のようになっていて明るい光が差し込んで気持ちよい風がとおる。自転車の場合は少し東の梨ノ木峠を越える県道31号線を走ると思うけど、これだって梨ノ木峠でH410あって、荷物をくくり付けた自転車を押すのもしんどいと思う。どっちにしろ、焼山寺さんは試練のステージなのでここが何ともなかったら、ちょっとつまんないとさえ思う。
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歩き遍路にとって、やっぱりここは体験共有の場所の様で、狭い山道を一生懸命登ったという記憶はお互いの距離を縮めて、『ご苦労様です〜。』なんて話が盛り上がって、休憩場所の庵ではお互いに親近感が増す。普段の生活の中ではすれ違って気にも留めない間柄であっても、山道の心細さからか人恋しさ極まって、ここにいる経緯なんかちょこちょこ話しながら、ゆっくりとご一緒させていただくお遍路さんも何人かいた。
犬もしっぽを振っては追い越して行き、足許をうろちょろしてご迷惑だけれど、どの方も好意的に接していただき、ありがたかった。L1000721今日はダニにも好意的に接していただいているが、こちらは全然ありがたくなかった。


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長戸庵から約1時間でいきなり下り坂が現れる感じ。二度目だからわかるのだけど、柳水庵に着いたらしい。

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犬も軽快に下りて行って、「ゴー」というと時折振り返りながらもすたすた下りて行った。ここまで頑張れば美味しい水が飲めるので、夏の暑い時期は辛いと思うけれど、頑張っただけ美味しさが増すという仕組みになっている。
犬も喉が渇いていたようで、場所を取り合って清水を頂いた。


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柳水庵〜浄蓮庵(一本杉庵)


柳水庵から1.3km。緩やかに登って行くと壁のような斜面が現れる。
いわゆる『へんろころがし。』
900mの距離で160m登る。
足を前に運ぶと言うより、足を掛けてグイグイ上がると言う感じ。
双肩にかかる荷物がケツ筋をいじめる。


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 木漏れ日の遍路みちを行く。
少し薄暗くなってみちは上へ上へと続いている。


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穏やかな日々が急に終わりを告げても、それは絶望のどん底なのだろうか…、いな。ただ道が続いている、それだけの事。急な坂も、穏やかな道も、人生の遍路みち。 頑張れる気力があって、一歩一歩歩いて行く事ができる。

ありがたいな。唯々、ありがたいな。
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着いた。

犬はのぼったり、下りたり。 



L1000745焼山寺へ
浄蓮庵から左右内谷までいっきに下る。
標高400mの左右内谷川からは再びH700の焼山寺までが登りとなり、12kmあまりの焼山寺への道がフィナーレとなる。
最後のへんろころがしを越えると砂利のアプローチウェイを抜けて、激しく痛めつけた身体に嵐気が心地よい。静寂の焼山寺へ。



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マツコさんに見えた。

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集落があって、どんどん下る。

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春の桜…ではなく、梅だった。
ちなみに今日は3月25日です。)

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左右内谷川まで来た。
真夏だったら泳ぎたい。



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最後の登り。もうひと頑張り!

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来た道が遥かに…。
自分があちらの世界に帰って行くときも、
こんなふうに振り返りながら、往くのだろうか。


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どれほどこの瞬間を…。
嬉しい気持ちがあふれて来ます。
ご本尊は虚空蔵さん。感謝の気持ちで納経しました。 


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第11札所 藤井寺へのみち

これまで吉野川に沿って河岸段丘の上を歩いて来たけれど、次の藤井寺さんは川の対岸にある。
今度は下りだから、とっとことっとこ歩き出して、高圧電線が近づいて来て、国道に出くわす。
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真新しいヘンロ小屋が出来ていた。
この辺りは野宿しにくいので、途方に暮れたら使えるかもしれない。


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札所に看板が出ていたり道中にも看板が立っている旅館八幡。
初めて来た時はちょうど台風が接近していて、だんだん風が強くなって来ていた。雨宿りもかねてうどんを食べていると、どうぞ、泊まって行ってくださいと店のひとに声をかけてもらった。それからのご縁だけれど、いつも親切にもてなして頂いている。お遍路に来て、徳島のひとが本当に親切に接してくれるのには初めはびっくりするかもしれない。都会に暮らすものとしては、まわりの人は圧倒的に関係ない存在で、邪魔で仕方ないと思う事も良くある。もちろん人それぞれであって、俺らの品性によるものだろうけど、遍路として四国を歩いていると他人とのかかわりに於ける自分の思いについても深く考える事になるだろう。
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道を歩いていると、犬が一斉に反応して吠えかかって来た。中にはボーダー・コリーが混じっていた。ちょっと構ってみたけど、自分ん所とは犬の飼い方が違うな、と感じた。


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商店が点在する路地をくねくねと歩いて、畑の広がる道を歩いて行く。
切幡寺から1時間ぐらい歩いただろうか。
この時点で15時をまわっていると焦る。


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藤井寺まであと4kmちょっと。景色がだんだんと変って、川を渡る。
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吉野川。
初めて来た時は台風接近で、この橋を渡る事が出来なかった。すでに濁流になった川の堤防の反対側では田畑が水をかぶり、冠水した道路に水没した乗用車が何台も放置されていた。赤色灯を回した消防車の横で消防団のひとや地域の人達が心配顔で様子を見ていて、時折なま暖かい風が吹き抜ける。
そこに生活の場があり、そこに住む人達がいた。遍路だけがどこか場違いのような気がして、俯きがちにその横を通り過ぎた。
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今はすっかり落ち着いた川面を眺めながらのんびり歩く。広い川面にそよそよと気持ちよい風が渡って行く。

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徳島線をわたる遍路みち。ここは非電化区間なので、ディーゼル車がグヮーと走って行くけれど、電車が走る予讃線などはやたらと飛ばす振子式特急列車が音もなく接近するので、本当に注意しなくてはいけない。
この先が「学」駅である。入学にひっかけた入場券で有名な学駅はこんな所だった。
L1000661頑張って歩くうちに、トイレに行きたくなった。この辺にそれらしいトイレは見当たらず、だんだんとどうしても我慢できなくなってきて、さすがに抵抗があったけれど背に腹は代えられないと思い、あるお宅のチャイムを鳴らしてトイレを貸してくださいとお願いした。玄関を開けたら遍路が立っていてしかも犬まで連れて、ご主人は怪訝な顔つきでしばし沈黙してたけども、帰り際に正露丸のような薬とポカリスエットをくれて、本当に申し訳なく思った。一人で歩いているのではない。地域の人には感謝しなくてはいけないと思った。


もう少し。

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藤井寺の山門。
17時までは、まだ少し時間があった。
山の懐の、こじんまりした境内が落ち着く。

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藤井寺の境内から焼山寺への道が続く。
ここからが正念場で、気持ちが引き締まる思いがする。 
明日、早い時間に 改めてここに立とう。
 


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第10番札所 切幡寺へのみち

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法輪寺さんを後にして、長閑な田園付き住宅地を歩く。
距離は約3km進んで、1km弱、登る。

L1000636 歩くうちに情報がまわってくるのでここがキツいと言う声も耳に届くかもしれないが、200m程度の上りはよくある事で、そのうちに馴れる。
ちなみにこの先、焼山寺、鶴林寺、太龍寺が山寺で、少し辛い思いをしたら、圧倒的に平地が続く予定である。発心の道場としての徳島県は言わばお遍路のお試し区間で、比較的短い距離で次々と札所が現れて、馴れた頃に焼山寺でガツンと来る事になっている。重い足を引きずって20kmあまりの田舎道で、もう懲りたと思ったら、13番大日寺〜17番の井戸寺まで短い区間を頑張って、徳島駅から帰る事が出来る。
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自信がなくなったらここでよく考え、続く山寺を打ち終えて、23番の薬王寺までに決めれば良い。おどすのは良くないけれど、ここを過ぎると土佐、修行の道場になって、約75kmの寂寥の遍路道が続いている。
しかし、みんな頑張って歩いている。だれでもやれば出来る。自分の可能性を信じて歩いて行こう。 それだけに、この区間で無理をするのは禁物なのである。
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門前の商店では遍路グッズが沢山購入できる。時間があったらお寺にお参りする前にちらっと見ておこう。 

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がんばって。 

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到着。ペット禁止って書いてあったと思ったら…。

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この住職がその理由。
ちらっとこちらを見て、また寝てしまった。 


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第9番札所 法輪寺へのみち

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来る時、横から入ってしまったので、改めて山門を通る。



次の9番さんまでは2.4km。吉野川の方に緩く下ってゆく。道も見通しの良い舗装路で、早足でどんどん歩いてゆくとお寺の敷地らしきものが見えてくる。時間にして30分ほどなので、快調に予定を消化して行く感じの区間。
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着いた。整然とした感じのお寺。 


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ゆっくりと境内を見て回る。最初の頃はペースが巧く作れないかも知れないが、
後になって、思い出深い札所と言うのはそこでゆっくりしたお寺が多い事に気づく。
讃岐に入って、なんだかもう終わりかな…なんて寂しく思うひとが多いと聞く。
確かに、志度の町から大窪寺に至るころは山の頂を見て、いよいよ終わるのかと、杖を握る手に力がこもったけれど、阿波の国のこのあたりは先へ先へと気持ちが逸るとしても無理はない。
何と言っても1200kmという自分にとって前人未踏の(おかしな表現だけど)途方もない旅のはじまりで、力も漲っていると思うけれど、どうか無理して急がないでほしい。
 


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第8番札所 熊谷寺へのみち

十楽寺さんの次は熊谷寺さんである。距離にして4.2km、概ね1時間ちょいと見積もる。へんろみち保存協力会編の地図には札所の標高が簡単に列記されていて、十楽寺はH40。次の熊谷寺はH120となっている。そのほか、地図表面の着色が標高別に薄みどり、黄色、薄茶と色分けされていて、99ページの石鎚山などは薄茶の部分だけで8種類の「ちゃいろ」に別れている。この石鎚山は西日本最高峰で1982mと表記されている。(※最新版の地図では立体的に表示されていて、見比べると、ちょいと違和感を覚えた。)
一番さんから11番の藤井寺までは吉野川のほとりを歩くので、どの札所も比較的標高が低く、ずっと薄みどりの地帯を歩いている。この辺りで標高が高いのはどの辺りかと思ってみて見ると、10番さんの切幡寺でH150となっている。お寺のすぐ後ろは黄色になていて、200m位の山の懐のお寺なのだとわかる。
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吉野川方向を望む。長閑なお散歩って感じ。
 

 もちろん緑色だって起伏はあるので、のんきに構えていると思わず汗をかく事になるけど、濃い黄色に着色された県道139号線を通って、天然温泉御所の郷を過ぎたあたりからの道は、小高い丘をぐいぐい登ってまたくだるので、自転車のお遍路は素直に御所大橋を渡って行った方がいい。この地図は推奨ルートというべき道が赤の実線や点線で描かれているので、道の選択を迷う事なく遍路みちを歩けるようになっている。それも一本だけでないので、要所要所でどっちのルートを行こうかと考える事がまた、楽しい。
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山門がH85、本堂がH120となっているので、山の懐を登ってゆく。


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初めて来たときはなんか印象深かった。
好きな札所の一つになった。


今回の旅ではここで17時を迎える。だいたいこの時期は朝7時から夕方17時までが営業時間(笑)なので、納経所が駐車場の脇にあって、本堂が奥にあるこのタイプの札所では納経してのんびり余韻に浸っていると、納経帳にサインがもらえない。17時といったら、ぴしゃっと戸が締まる事があるので、余裕を持たないといけないのだけれど、何人かの客があわてて納経所に駆け込んで来て時間を過ぎると、ご納経の筆の進みがぞんざいになるばかりでなく、一言二言苦言を呈される事も覚悟しなければならない。
急いで来たのにちょっとぐらいいいじゃないか!と思いたい気持ちもあるかもしれないが、年中無休で朝から誰かが対応しなくてはならないので、時間が来たら終わりにしたいだろう。
とにかくこの件に関してはルールとして厳格に時刻を守りたい。

本当はだめなのだけれど、ゆっくりお経を上げたいとお願いして先にご朱印をいただいた。
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本堂に到着。長かった一日が終わり、
夕日で木々が照らされていた。

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大師堂はさらに上。
懐の深い、静かなお寺。
 


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第7番札所 十楽寺へのみち

1番さんから17.3km、安楽寺からは1.2km。
この辺りが第1日目の目的地となるだろうか。
野宿派にとっては何処で一夜を明かすかが主要な関心事だけれど、地蔵寺を出てしばらく歩いたたしか、泉谷橋の所の東屋で初めての一夜を過ごした気がした。近くのスーパーでレトルトのカレーを買って、ゼリーやビールなんかも買い込んで、豪勢な夕食となった。クッカーやバーナーなど、キャンプ用品を買い込んで来たのでとても楽しいお遍路だけど、ちょっと荷物が重い。日頃から海でトレーニングを積んで来たので何とか行けると思っているが、12番には焼山寺山が控えている。ここはお遍路道中、『最初にして最大の難関。』というタイトルがついている。
もし、順調に打ってゆけたら、(札所に着いて納経を済ます事を打つという。)8番さんの手前に天然温泉御所の郷と言う施設がある。比較的遅くまでやっている温浴施設なので野宿は厳しいけど、お風呂で汗を流せるのはとてもありがたい。



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十楽寺に着いた。
初めて来たときは台風接近の土砂降りで、レインウエアの中も汗と熱で蒸していた。 


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第6番札所 安楽寺へのみち

5番さんの地蔵寺を後にすると、さらに西へ西へと歩いてゆく。
この辺りは上板町という町で、右手に小高い山が見え、徳島道が見える。
1番さんを出て、すぐ右手に見えていた高速道は高松自動車道で、
これは3番さんの金泉寺を出たあたりで高徳線とともに右にぐいぐいとまわり、
香川県に入って、引田、三本松、志度を通って高松に向かう。
大坂峠を抜ける、俗に言う大坂越えのルートである。
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高徳線から

        ↑見にくいのでクリックして開いてください。
大日寺さんへの途中で横切っているのが徳島の町から来る徳島道で、
これから10番さんの切幡寺をかすめてJR徳島線とともに吉野川をずっとさかのぼり、
山あいのふところに出来たような阿波池田の町を越えて川之江で高松道と合流する。
阿波池田〜川之江といえば、
雲辺寺、三角寺のあたりである。

L1000586L1000587ここは徳島郊外の市街地で、
住宅地の道を通る。へんろステッカーを見逃さないようにね。
今日は自転車遍路です。


写真左)真新しいへんろ小屋。
住宅地のど真ん中なので、是非マナーを守って利用させて頂こう。


 
途中、県道を横切って、生活道路を進んでゆく。
やがて少し視界がひらけて山が 見渡せるようになって、1kmほど行くと、安楽寺に着いた。
前回は雨の振る中、安楽寺がわからずに、間違った道を歩いた。
お遍路初心者の方は地図を見るポイントが難しいと思う。
だんだんと歩くことに馴れて来たかもしれないが、失敗しながら歩いてゆこう。
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門前にカフェがあった。
お参りしてから冷たいものを頂いた。



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犬墓と書いてある。
大窪寺からの道の途中にある犬墓大師堂の事だろうか。

 


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第5番札所 地蔵寺へのみち

大日寺からは来た道を戻って、東屋の所からはそのまま車道を下ってゆくと、地蔵寺にぶち当たる。と言った感じで、境内の裏手の方から五百羅漢をちらっと見て、本堂に着いた気がする。
今回の旅では表の車道から正面にまわりこんで、わずか2.0kmだから、あっという間に着いた。
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第4番札所 大日寺へのみち

さて、次の大日寺への道は、生活道路のような道を30分ほど歩いてから細い遍路みちに分け入って、だんだんと小高い山の方に上りながら歩くと真っ直ぐな車道に出くわして、やがてお寺が見えてくる。
 そんな感じだったと思う。
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途中、愛染院という小さなお堂があって、吹き出す汗に目眩がしそうだったので、お昼休憩にした。
犬は一足早くお堂の縁の下に潜り込んで、もうすでにクモの巣だらけになっていて、飼い主はタンクトップを脱いで水道で洗濯をして、木に引っ掛けた。
四国、徳島の田舎道の風景に馴染むほどに、都会の喧噪が少し懐かしく感じられて だんだんと記憶の下の方に積もっていった。
強い日差しとからりとした空気感。なんだか嬉しくて、そこでしばらくゆっくりしていた。
やがて柿渋の遍路笠の若者が歩いて来て、片手で合掌するとすたすたと通り過ぎて行った。 
小さなリュックを背負い、えらい早足で過ぎてゆき、すぐそこの右カーブで薮に消えた。
急行の通過待ちをする気分でのろのろと支度をすると、彼の行った道を犬と一緒に歩き出す。
やがて、うどんの看板が出ている民家があって、さっきコンビニのそばを食べたんだけれど、また休憩してしまう。
たたきの店内?に入ると、さっきの彼が座っていた。
冷たいおうどんをすすりながら話していると、彼は2巡目なんだという。 なるほど速いわけだと感心して、2巡目の景色はどんなふうなのだろうかと、少し思った。

と、ここまでは前回の話で、今回は訳あってこの道を通らず、あすたむらんどのほうを経由した。

L1000575 道路脇にお地蔵さんが…。 
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 田んぼの脇を通って、山の方に曲がりながら行くと、東屋がある。
 テントも張れるスペースあり。是非、マナーを守って利用しよう。 

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山門に到着!金泉寺からは5.0kmの距離。1時間30分ぐらい。


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先を急ぎたくなるけど
、ゆっくり見てゆこう。二度と出会えないかもしれないから。


 


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第3番札所 金泉寺への道

車が頻繁に通る県道から分岐して生活道路が右に見える。L1000567
諏訪神社、伊田八幡神社をかすめて
板野ICから出てきた道をくぐり、
次の金泉寺までは2.6kmとなっている。

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ここが、初めてのへんろみちかも知れない。
田んぼや畑の脇をかすめる、昔からの道。狭い意味でのへんろみち。


ここは、なんで金泉寺という名前なのかといえば、やはりお大師さんが絡んでいて、水不足で苦しんでいる人達のために井戸を掘った。と、ある。
このような逸話は各地にあって、海水浴場でもあるまいし、適当に掘ってすぐ水が出る訳でないのに、すごい事だなぁと、思う。



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こんな事言ったらけしからんけど、新人の歩き遍路にとって、お寺の景色はそんなに興味がない。無い訳でないけど、バチバチ写真取ってはへ〜とかほ〜とか言ってる時間はない。なので、後々どんなお寺だっけ、ってことになるのだけれど、2巡目ともなると、あぁ、こんなお寺だっけ。と、じわじわ思い出してきたりする。



へんろはお寺でお経をあげるのももちろん大切なイベントL1000570なんだけど、やっぱり次の札所まで何km、何分と言うのが頭の片隅を占拠している。
特にここら辺りの様に次々札所が出てくるエリアでは、どこかやっつけ仕事みたいになってはいないだろうか。
貸切バスの団体が着いて、納経所で沢山の納経帳やら掛け軸やらが持ち込まれて、『歩きの方、先どうぞ〜』なんて順番が割り込んで急かされたまでは良いけれど、ばばば〜っ、と書かれてぽん、と投げておかれた日には、『ぉおい!なんだそれは。』って言った事もあった。

しかし、おばさんたちがガヤガヤやって来て、朱色の杖のお先達が学校の先生みたくなっている脇では、一刻も早くお経を済ませて先に寺を出ようと、思ったりもする。

今回は札所の時間を大切にしようと、思っている。
次にくるときは 、この先ずいぶんと旅をした後だから。


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第2番札所 極楽寺への道

L1000554一番さんを出ると、わずか1400mで次の札所に着いてしまう。
なので、正直境内の印象が薄かったんだけど、だんだんと思い出してきた。


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 徳島の郊外を走る。
 高松道が遠くに見える。


ここではお弁当が売っていたけど、買いそびれたので今度こそ買おう。
お豆が入った炊き込み御飯を買う事にして、売店を後にした。
ここにもお遍路グッズが売られている。


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 駐車場が見えてきて、山門を入ると砂利の境内が広がっている。大きな杉の木があって、階段を登ると高い位置に本堂がある。


つい急いでしまうけれど、境内でゆっくりする時間も大切だ。

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のんびり過ごしていると、ふとお地蔵さんが目に入る。


春の遍路はのどかでいいかも。






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第1番札所 霊山寺から

L10005421番さんは賑やかな札所だという印象がある。
高知なんかまで行くとひっそりしていて、あんだけいた人はここまで来ないのか、って思ったりするけど、春の桜の頃とあってか、ここは引っ切りなしにお遍路がお参りしている。

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駐車場横の売店で西洋人らしき2人が納経帳をあれこれ手に取っているので、あっ、ノートに使うのか、なるほどね。と、勝手に思った事を口走ると、『ちがうよぅ、ちゃんとマワルよう』と。

失礼しました。
聞くと海部あたりの学校の先生らしい。 


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犬とへんろ道

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山寺への道や峠越えの道を歩いていると、
メッセージが書かれた札が目にはいる。

どこにでもありそうな山道が、修行のへんろ道になる。

 


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岩手に日帰り

ご無沙汰しております。

ブログの趣旨に沿った出来事が無くて申し訳なく思っております。

お遍路との関係が希薄な出来事は日々あるのですが…。
先日は岩手まで、大学の時の先輩の所に行ってきました。

行きは…。
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東京まで(快速)アクティーに乗って。
前の日に長野の小布施で買った、栗強飯を食べて…。

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はやて23号で、仙台まで。

この列車は上半分が緑色で、赤紫の帯が巻いてある奴です。
何と言う車両かは知りません。
2号車のデッキから1号車が見えました。
Glan Classと書いてあります。

あっちにすれば良かったな……。

前日に予約したので、特急券が思うように取れなかったから、今回はいいや。

2号車に連結されているグリーン車はビジネス客が半分、旅行客が半分ぐらい。
通路側の席しかなかったので、外が見えない。
新幹線の窓はだんだん小さくなってまるで航空機のようで、
無理して眺めようとすると、
隣の女性の顔が視界を遮る。
両手を窓枠に付いて窓外の景色をみてるなら可愛らしい。が、

さっきから週刊現代だかなんだかをペラペラめくって読んでいる。
いなかのおやじみたいだ…。

車内が良い温度なので、アイスコーヒーをもらう。
この車両はサービスなのだそう。お金をお支払いしても大した金額ではないけれど、
無理言って、もう一杯、水をくださいと言った。
なんとかさんだったか紹介があったが、2号車担当の人は下の方からペットボトルを取り出し、
カリカリって蓋を開けると、氷とともに
グリーン車のマークの入ったコップに注いだ。
(ふたは要らないんだけどな…。)

犬のバッグのあみを開けて顔を出すと、ちゃっちゃっと音を立てて水を飲んだ。
その音が車内には場違いで、それぐらい21世紀の新幹線は静かだった。

景色が野山になって、雪を頂いた山々が見えてくると、那須塩原の駅を通過した。
…早く仙台についてほしかった。

座席の間隔は余裕があったけれど、足もとに犬を置いてひざの上にザックを置いておまけにずり落ちないように手で押さえている。
網棚はと言えば…(昔、飯田線で乗った国電のお古は本当に網の棚だったんだよね。)
今はおそらく、お座席の上の棚ともいうべき、棚はと言えば、
隣の客が無造作に置いたであろうトートバッグが載っていて、間隔がたりない。
ちょっと良いですかって、脇に退かしてザックを置くほどの時間、この車両には乗らない。
隣の客とはすなわち、出張なのだろうか、
わりと無愛想にお弁当を食べている、おまえだっ。

ちまたでは新幹線の最高速度があがったとか何とか言っているけれど、
やっぱりそんなことどうでも良い。とにかく世界でいちばんつまんない列車から早く降りたかった。

強風で減速運転をした『はやて』は7分ほど遅れて仙台に着き、ヘビに飲み込まれたカモノハシのような新型車両は北に向けてするすると走って行った。

お向かいにはこれから乗るべき『やまびこ』が待っていた。
コーヒーが飲みたいと思ったけれど、こっちの車両には車販がなかなか来なくて、
小田急のロマンスカーみたいに頻繁に来るのかと期待したのが間違っていた。

景色はさらに田舎びてきて、くりこま高原、
一ノ関と停まって水沢江刺の駅に着いて、
一歩ホームに降り立つと、車内の暖かさとは対照的に風は冷たかった。
車掌に手を挙げて見送る駅員は防寒服を着て、
帽子のつばの上に畳んでおくはずの紐をあごに掛けていた。

それから用事を済ませて、夕方になる前に東北道に乗った。
久しぶりの自家用車に戸惑いながら、眠気と格闘していた。

どこかのサービスエリアからヒッチハイクの学生をのせて、走った。
北海道からシュラフ背負って南に向かうと…、寒かったと思うぞ。

旅をするなら、お遍路が良いよって言って、仙台で別れた。

若いときは目的なんかなくて、得る物なんてなくても良いと思うけれど、
だんだん経験すると、お遍路は本当に良く出来た旅だと思うのだ。
徳島、高知、愛媛、香川と歩くうちに旅の性格が変わって、
自分も変ってゆく。2ヶ月という期間はちょうど現実を離れ、旅が終わりに近づく頃に、
出発した場所に戻って自分を客観視する。

ここを歩き始めた頃の自分が、目の前を通り過ぎてゆく。

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本当はゆっくりと走って来たかったけれど、
後ろで寝るスペースもないので、今回は無心になって走り続け、深夜遅くに藤沢に着いた。

































 

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冬の海に

今年の秋はさしたる動きもなく、旅にも出ずに終わりを告げている。
こんな時があっても良いのだけれど、ブログもろくに更新せずに月日が経った。

L1000105 七里ケ浜にて

秋の海というものは、実はリッチである。

お昼間の数時間をのんびりと過ごすには一番良いかもしれない。
日差しは暖かく、水温はさらに暖かい。

穏やかな割には少しだけうねりがあって、
のんびりと海に入る事のできる日が幾度かあった。

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伊豆の白浜
 
休みの度にどこかの海に入っていた。
そして、砂浜で待機の犬は時々フリスビーを投げてもらう。

L1000217 またまた七里ケ浜

12月になると、さすがに水温も気温も下がって来て、夏用のウエットスーツだと、
長時間水に浸かっているのはキツい。
しかし、新しいボードが欲しくなってしまっているので、
肩の辺りが解(ほつ)れて、穴のあいているのを気にしながら、我慢して海に浸かっている。

最近では女性のサーファーが増えて、彼女らの中には日焼け対策なのか、ブーツに手袋など完全防備で海に入っている人もいる。

そんな中スプリングとよばれる、膝上に半袖のウエットはさすがに違和感ありで、
まるで、免疫システムがウイルスを攻撃するような視線をあびている。

中には心臓の心配までしてくれる方もいらして、心苦しい限りだけれど、
当人は身体が冷えきった後のコンビニのあんまんがけっこう気に入っているのだ。

L1000235 カメラの話。

先日、レンズの中に綿毛が入っているのを見つけたので、
以前分解清掃とグリスアップしてもらった店に行って取ってもらった。
お代は良いです。と言われ、
なんだかわるい気がしたのでレンズの先端にとりつける
フードを買った。
これは、12585という名のフードで、本来このレンズにはIROOAというメガホンのような
先の広がったタイプが年代的にマッチするのだけれど、これに比べ、
二倍近くする値段はちょっとキツいし、飾ってあったのはコレクターズアイテムだった為かほとんど傷がなかったので、良しとした。
まだ、昭和の時代にPENTAXの一眼レフに標準レンズを付けて写真を撮っていた頃、
スーパーマルチコートのお陰か付けていたレンズフードの必要性を全く感じなかった。

しかし、40年以上も前に作られたライカのレンズは、
コーティング技術がそれほど進んでいないせいか、
斜めに入る光によってフレアが出てしまう。なので、フードはあってしかるべきなのである。
聖徳太子様が一人いなくなってしまったけれど、
MADE IN GERMANYと彫ってある金属製のフードを眺めていると
なんだか、あるべき所に収まったような感じでちょっと嬉しかった。










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