2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)
「村上春樹×阿部和重」と同根の「梅田望夫×ひろゆき」という対立軸をみつけて、はたしてGutsは何処へゆく・・・
内容紹介
1999年に開設した『2ちゃんねる』。閉鎖やドメイン差し押さえに関する、噂や報道が幾度となくありました。2006年頃からは書き込みに関する裁判問題で、報道されることが増えています。しかし、インターネットの構造を考えると、“潰すほうが大変”であると管理人のひろゆき氏は説明します。本書では、2ちゃんねるの管理運営を通じ、ひろゆき氏が考えるインターネット論を展開。数多のインターネット賞賛本とは異なる、技術者であり、“ネ申”であるひろゆき氏が考えるインターネット“進化論”となっております。また、IT系ジャーナリズムの第一人者・佐々木俊尚氏、カリスマプログラマー・小飼弾氏との対談も圧巻です。
 本当は、この本、読むべきではなかったのかと思います。読み終わってからそう感じました。というのも、私、「2ちゃんねる」というものの実体を何も知らないのです。ですから、この本編において、ひたすらWeb2.0やGoogleや梅田望夫的ディスクールに対する不信感・反感が綴られていくのを、どっちに傾くにしろ、実感をもってうけとめることができませんでした。どちらかというと、これまで、Web2.0やGoogleや梅田望夫的ディスクールに興奮・感激した記憶が新しく、かつ、自分でも貴重な学習であったことを思っている分、弱者の精一杯の抵抗みたいに感じる方がやや強かったようには思うのですが、やっぱりそういう感想はアンフェアなのです。
 しかしながら、私もかつてとりあげた『ネット未来地図−ポスト・グーグル時代 20の論点』の著者であるIT関係ジャーナリスト・佐々木俊尚との対談が収録されており、そのなかで佐々木さんが言うこんな言葉には、「!」と「?」が交錯しました。
佐々木 お会いしたことはないですけど、梅田さんは常に理想論を言いすぎて反論できないから、そこで話が終わってしまう。一方で西村さんは、あまりにも現実的でベタな話をしすぎて話が終わってしまう。2人は両極端なんじゃないかなと。行きたいけど行けない夢や理想みたいなものがあって、それら向かって地道に邁進するというのが人間の本来の姿であるという道徳的な考えをすると、「そんなの行けないんだよ」で終わっちゃうのが西村さん。「今のところはどうでもいいんだ。とにかく理想を目指すんだ」と突っ走ってしまうのが梅田さん。理想と現実のせめぎ合いに生きている我々の気持ちを、2人とも理解していないな、という感じはするかもな。(p.119)
 この対立軸は、私の永遠のテーである「村上春樹的なもの VS 阿部和重的なもの」という葛藤図式に相当近いものがあるのでは! という発見が、まずは、ありました。私が、何となく、梅田>ひろゆき という感じでこの本を読んだというのも、だから、ある意味「なるほど」でし た。ただ、この中で語られている梅田望夫像にはちょっと違和感? を感じずにはおれませんでした。『ウェブ人間論』で見えてきたような梅田望夫像って、世間で言われているほどあっけらかんとした陽性の人物ではないとにらんでいます。何かWASP的価値観の持ち主というか。
 『ウェブ進化論』の梅田さんに対して、カリスマプログラマーである小飼弾さんが、ブログ上で、「それで、梅田さんは、『はてな』でどんなコードを書いたの?」という反論をしていました。僕もそれだと思うのです。
 技術者でない人間が技術を評価するというのは、医者ではない人間が下した「この医者の技術はすごい」という評価があまり納得できないのに似ています。医者同士で、その技術について語り合ったら、いったいどうなの? ということと同じです。本当に技術を理解して褒めているのであれば、それがどこなのかを教えてほしい。もし、理解もしていないのに褒めているのであれば、それは手品師を見てすごいと言っているのと、あまり変わらない。(p.38-39)
 でも、こういうタイプの反論は、やはり、訴えるものがありません。生粋の技術者しかITについて語れないという論理で言うのなら、教育について、あなたがたド素人さま方のご意見を一切黙殺いたします! 安川、テリー、和田、江川、重松、渡邉美、藤原(これはまずいか)、渡海(調子乗りすぎっ)、ド素人のくせに勝手に教育についてしゃべってんじゃねえぞっ、こらっ・・・なんて、シュールすぎますものね。シビリアンコートントロールの原則にしたって、オンブズマン制度にしたって、なんにしたって、その道のプロ任せにしておくとろくなことがないという世の真実について考えてみましょう。
 こういう感じの反論をしてくるタイプの人、いますよね。私の完全な苦手タイプです。一番納得したくないようなことを言ってきているのに、なんだかその論戦に勝てない。最近はいい年になってきたからわかってきましたよ、そのタイプの人って、「自分の主張したいこと」を言っているのでなくて「主張に勝つためのこと」を言っているんですね。だから、ムナクソ悪いし、勝てないんです。もうそういう人とは戦わないことにしています。
 ということで、「村上春樹×阿部和重」の印象も、ずいぶん違った方向に流れてきて、まったく収拾がつかなくなってきましたので、こういうときは、ぶちっ

「さあ、ポチポチッ 行こうか」フェア 実施中
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ