身体から革命を起こす (新潮文庫)
著者:甲野 善紀
販売元:新潮社
(2007-08)
販売元:Amazon.co.jp
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捻らない、タメない、うねらない。
自分の歩き方を見なおしてみる、それはそうなんだと思いつつ、でも、結構途方もないことのようにも思え、また、観念まみれというか頭でっかちというか脳化した現実を生きているというか、そんな私たち(ここでいう「私たち」とは、私たちの遠い祖先のことでしょう)が身体を取り戻すことは、決して簡単なことじゃありません。その方法論こそがここに詰まっているわけでしょうが、そんなふうにアプローチをイメージしている段階で、私はまた一つの檻の中に閉じ込められていると言わざるを得ないのでしょう。あ〜あ。
著者:甲野 善紀
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捻らない、タメない、うねらない。
内容(「BOOK」データベースより)最後のところで聞き役・まとめ役の田中聡さんからこんなことばがありました。
「捻らない、タメない、うねらない」これまでの常識を覆すその身体技法は、まさに革命である。武術家・甲野善紀が、武術、スポーツのみならず、音楽演奏や介護にまで変革をもたらしたのは何故か?古武術の探求をはじめとする甲野の現在とは?「ナンバ」に代表される日本人古来の身体の使い方など、西洋的身体観では説明できないその術理は、もはや我々の思考方法にまで転換を迫る。
甲野の武術に影響を受けたさまざまな人たちの話を聞いてきたが、彼らは、みずからのうちに技的な身体の可能性を見出し、生きているものとして人生を歩む覚悟と喜びを選んだ、と言ってもいいのかもしれない。たしかにそういう事例がたくさん載っていました。
生きている身体は、他の身体の可能性と響きあいながら、その響きや動きを留めようとする観念の檻を破壊してゆくだろう。スローガンはいらない。ただ生きている身体があれば、そうなるはずだ。
これから、きっと日本は危機的な時代を迎えるのだろうが、だからこそ、理念を掲げて制度の延命をはかったりすることより、まず自分の歩き方を見なおしてみたりすることのほうが重要なのだと思う。(pp.279-280)
自分の歩き方を見なおしてみる、それはそうなんだと思いつつ、でも、結構途方もないことのようにも思え、また、観念まみれというか頭でっかちというか脳化した現実を生きているというか、そんな私たち(ここでいう「私たち」とは、私たちの遠い祖先のことでしょう)が身体を取り戻すことは、決して簡単なことじゃありません。その方法論こそがここに詰まっているわけでしょうが、そんなふうにアプローチをイメージしている段階で、私はまた一つの檻の中に閉じ込められていると言わざるを得ないのでしょう。あ〜あ。