090629
今回、どうしてバリに行くことに決めてしまったんだか
我ながらよく覚えていないのだ。
でも少なくとも、バリ行きの飛行機のチケットって
かなり安く手に入るんだ、と気がついたことが
きっかけであったことは確かである。
そんな格安チケットは、台北経由のエバー航空である。
経由するのはもちろんのこと、夜に台北着で朝に台北発の乗り継ぎなので
台北でどうしても一泊せざるを得ないのだ。
だから安いということもあろうけど
しかし、会社員の時には、金で時間の問題を解決していたところだが
晴れて学生のような自由の身である私は、
時間で金の問題を解決させることができるのだ。
そういう身であると、この台北一泊の必要が、かえって
「もう一国行けるじゃん。ラッキー」と思えてくる。

そんなわけで、20時10分に成田を飛び立ち、3時間半のフライトの後、
時差1時間にて現地22時50分に台北に到着。
フライト時間が少ないので、
乗ってからけっこうすぐに機内食が出てきた。
「シーフード」を選択。
味は、うーむ、魚に味が無くてイマイチというかんじですが。
ビールは台湾ビール。味はまあまあおいしい。
デザートのケーキは美味しかった。
おそばも出たのだけど、そばつゆの入ったチューブが取っ手付きのコップに入っていて
つゆをその中に入れて、おそばをつゆにつけて食べていたのだけど。
食後のコーヒータイムになったときに気がついたのだけど、
これは、そばちょこではなくて、コーヒー用のコップだったのだな。
もうひとつ、透明な小さいカップがあったので、きっとそっちがつゆ入れだったのだろう。
そんなかんじで、食後のコーヒーをじっと我慢する私。
せっかくケーキがおいしかったのになあ。

空港からエアポートバスに乗る。
切符売り場でチケットを買ったが「往復」と日本語で通じた。
台北駅前までバスで行く。
降り立つともう0時半頃で、めっきり夜中。

今夜のホテルは、ネットで予約しておいた。
かなーり激安宿で、ちょっと怪しげなかんじで
このレベルの宿はあんまりネットで予約なんてできないかんじなのだけど
この宿は唯一できるのだ。
口コミでもその様子は伺えて、
バックパッカーとかなら全然問題ないだろーけど
普通のホテルしかとまったことがない人には辛そうなかんじで
虫がいるとか掃除が甘いとかけっこう汚いとか。
けっこう覚悟はしておいた方がいいような意見も多かった。
なのだけど、誰もが口をそろえて
「おばちゃんたちの人柄がいい」
「笑いにできるなら、おもしろいと思う」
と言う。
どーもその辺が気になって、これは試してみなければ、
と、変な探究心がわき上がってしまったのでした。
ネットから予約したら、シングルで一泊1900円でした。安い。
その他この辺のドミトリーなどよりも安い。
いろいろネットで調べてみると、
台湾にはこういうかんじの安宿はけっこうあるようで
それを中心に泊まりあるいている人のサイトなどもあったりして
参考になったのだが、
昼間はラブホにも使っているような宿のようだ。
台湾ではその変の区切りがあんまりちゃんとしていない。

へなちょこ宿だろうがラブホだろうがいいんだけど、虫はちょっと嫌だなあ
とは思ったので、蚊取り線香は準備していく。
あまりにもひどくても、実質5時間くらいしかいないので、まあいいかと。
キャンプ、と思えばよかろう、と思って決めた。
帰りもトランジットで再度台北に泊まる必要があるのだけど、
それは今回泊まってみた感じによって決めて、
2回目は予約なしで突撃することにした。

台北駅から徒歩10分とのことだったけど
いきなり道を間違えて、かなーり迷って30分くらいかけてようやくホテルに到着。
途中で道を教えてくれてるんだか何だかわかんないおじさんにつかまったり
などもあったりしたので無駄に時間をつかった。
それに台北ってかなり暑い。
そーいや、沖縄と同じくらいの緯度だもんなあ。
スーツケース引っ張って知らない暑い街で歩き回ったので汗だく。
「獅城大飯店」という黄色い垂れ幕のかかったホテルを見つけたときは
ものすごく、嬉しかった。
もう、汚くてもいい!寝れるところがあればいい!
というかんじ。

ホテルの真ん前にはセブンイレブンがあるので、
そこでビールを買っていく。
ともかく飲んで、寝る!のだ。

エレベーターで3Fのホテルの受付にあがると
もう夜中の1時になっていたけど、おばさんが待っていてくれた。
チェックインして待っている間、ちょっとフロアを見渡す。
仏像が立ち並ぶフロアがちょっとあやしいけど。でも。
感覚的なことだけど、このとき、
「あ、ここ、いいな。」
と思ったのでした。
もうこれは本当に直感で感じる空気でしかないのだけど。

そしておばさんに部屋の鍵をもらう。
普通の家の鍵みたいな鍵に、これまた家の鍵のように
クローバーの形のキーホルダーがついていた。
「522」と書いてあるので、エレベーターで5階にあがる。
ちなみにここのホテルには縁起が悪いからと4階はなく、
5階は実質4階なのだ。
エレベーターに乗り込むと、おばさんは「バイバイ」と言って
手を振ってくれた。かわいい。

5階に着いて部屋を探す。
520、521、532・・
あれ??522は??。
どう見ても521と532の間に部屋は無い。
向かいの部屋も511とかだし。
うーむ。532の先も533と続いているし。
こんなことってあるのだろうか?
手書きの鍵の部屋番号の文字を再度見返すが、やはり522だ。
これも中国的には縁起が悪い数字だから
この部屋は実質523なのです、とかいうことは・・・ないか。
うーむ。どうしよう。
少々迷ったが、もう少し長い廊下を奥に進んでみる。
すると、なんと、かなり奥にいくと、
脈絡もなくいきなり522の部屋が現れた!
しかも521からの並びではなく、向かいの並びの部屋に。
なんかよくみるとけっこう数字の並びが適当である。
どういう基準で番号ふってるんだろう?

さて、いよいよ部屋へ。
「あれ。けっこう大丈夫じゃん」
と思った。
相当事前に覚悟していたせいもあるけど、
数時間寝るだけの時間を潰す分には全然OKのレベルだった。
まあ、寝るだけじゃない場合はちょっとキツイですが。
お風呂はそもそも使う気がなかったので問題外として
(使う気だったとすると、掃除が甘いので、ちょっとキツイかも。)
変な臭いも別にしないし
エアコンは超小さいおもちゃみたいなのだけど、ちゃんと効くし、
テレビもケーブルテレビが多チャンネル綺麗に映り、
中には日本の番組までやっていた。

しかしほんとに寝るだけ、と思わないと
細かいとこを見だすと、色々ダメではある。
床はほんと、ちゃんと掃除してなさそうでけっこう汚い。
一応ビーサンのようなスリッパが備え付けられているのだけど
使う気にはならず、自前のスリッパを使ったけど、
帰りには底がけっこう汚れてて捨てたくなった。

ともかく飲んで寝よう、と
テレビを見ながら台湾ビールを飲み切って、
AM2時頃に寝た。

翌朝は5時半起床。
乗り遅れてはならんという緊張か、途中で何度か目がさめてるので
熟睡感がないが、ともかく起きて6時に出発。

チェックアウトをしに3階へ行くと、
誰もいなかった。
カウンターにホワイトボードが置いてあって何か書いてある
(読めなかった)
見るとカウンターの上にいくつか鍵が置いてあるので、
きっと「チェックアウトする人は鍵を置いてってください」
とか書いてあるのであろう。
なので、カウンターに鍵を置きに行く。
各部屋のキーホルダーはそれぞれ違うようで、
全く違うものが付けられている。
ひとつは、なんと、テレビのリモコンが付いていた!!

おもしろくて、置かれているキーホルダーを眺めていると
カウンターの下から、かすかな声が。
下を見ると、おばさんが布団を敷いて寝ていた!!!

何て言ってるのかはわからなかったけど、
おばさんは眠そうに薄目を開けながら寝たままで
少し何か言って、バイバイと布団の中から手を振った。
なんだかやっぱり、いいな、ここ、と思った。

外に出ると、爽やかに晴れていた。
ゴミゴミした通りなのだけど
なんだかとても爽やかなかんじだった。

歩いて10分ほどでバス乗り場へ行く。
今朝もめちゃくちゃ暑くて、汗だくでバスに乗り込む。
バスはクーラーがガンガンに効いていたけど気持ちよかった。

40分ほどで空港に着く。
チェックインカウンターの場所を並び間違えていたら
係の人も一緒になって間違っていたようで
あやうく成田行きに乗らされてしまうところであったが、
なんとか無事にバリ行きのチケットをチェックインできた。

待ち時間の間に空港で朝ごはん。
「本場流」って書いてあるお店で
小籠包と酸辣湯(サンラータン)のセットを食べる。
酸辣湯は味がどうのっていうより、ぬるい!!
その点で台無しなので味はよくわかんなかった。
具は本場っぽく、レバーみたいな?謎のグロイかんじの具とか色々入っていた。
小籠包は注文後に包んで蒸している本格派ではあったが
味はイマイチだったなー。
フランクフルト空港のビールとソーセージとい、
やっぱ空港なんてこんなもんなのか?
まあ、こんなもんなんだろうな。確かに。

そんなかんじで、台北は数時間の滞在でありながらも
なかなかエキサイティングな時を過ごさせていただき、
10時10分発の飛行機でバリ島に向かいました。