090812
ななななんと、今朝もまた子牛が産まれた。
朝牛舎に牛を入れていると、
もうすぐ産まれる牛を入れておくエリアで倒れていきんでいる牛がいた。
「あれ、産まれるな」
おおー!また出産シーンですか!

すでに足が少し出ている状態だった。
でも出ている足は片方で、もう一つの足は折り曲げて入っているので
うまいこと出られないようだった。
息子さんのSくんが、お母さん牛の産道に手をつっこんで、
「ここに頭があるな。手がこっちだから・・」
と、手探りで子牛の向きを正していた。
うーん、プロフェッショナルな技だ。
「こいつ、大きいな、もう歯が生えてる」
と、触った感触で言っていた。

そして、どうにかもう片方の足も外に出すことができたので、
両足に紐をくくりつけて、引っ張って出すことになった。
この綱引きのような引っ張りは、一緒にさせてもらって、
4人でよいしょ、と引っ張った。
意外と力が要る作業だ。

そのうち、頭がぽこん、と出てきて、
更に引っ張ると、ずるん、と全身が出てきた。
けっこう大きい子のようだった。
男の子だった。

産み終わったお母さん牛を立たせて、産まれた子牛を舐めさせた。
こうして舐めてもらうと、器官がよく通るようになるそうだ。

この子牛はほんとに大きくて、
朝の仕事が終わった後に、小屋に見に行ったら、
並んで小屋に入っていた、先に産まれた子牛達よりも大きいので
どれが今日のだか一瞬わからなかった。

産んだばかりのお母さん牛は、直後に胎盤をひきずったまま搾乳場に入れて、
乳を搾った。けど、産みたての乳は成分が違うようなので、
これは出荷しないで別のタンクに入れておく。
子牛には直接飲ませないで、後で哺乳瓶で飲ませるのだ。

さて、この牧場にやってきて1週間であるが、
なんといままで酒を飲んでいないのでした。
どうも家族もそんなに飲んでいない様子であるし。
お父さんが食後に日本酒を多少飲んでる日もあったが
息子のSくんやお母さん、おばあちゃんは飲んでるところを見たことない。
しかし、帰省中のお兄さんは飲むようで、
毎晩ビールの6缶パックを空けているようだが、
このお兄さんは乳搾り作業はしないので、遅寝遅起きでも構わないということも
あるのであろう。

私も特にすすめられることもなかったので、ずっと飲まずにいた。
でもご飯をしっかり食べてるし、早寝早起きのせいか、
けっこう飲まなくても平気だったのは、意外であった。
意外と「あー、飲みたい!」とそんなに思わないのは、
やはりストレスフリーな生活だからだろうか?

とはいえ、すすめられたら、やはり飲むのである。
今日は北海道のお盆で、お坊さんが来たり、親戚が来たりしていた。
それで、今まで飲んでいなかったので飲めないのかと思っていた息子のSくんが
親戚が持ってきたワインを空けて飲もうとし出して、
私にも飲む?と聞いてきたら、お母さんがすかさす
「飲むよねえ。すごく。わからなくならないようにねー。
ほんとは、ご飯いらずにおかずだけでいいんだよね。」
と、正体を知っているかのような野生の勘を働かせた発言を。
私は、えへへ、と否定もせず、
水を飲むようなコップになみなみと注いでもらったワインを飲ませていただいた。

もしかしたら一ヶ月間禁酒ができるかもしれない、と思っていたのに
早くもめでたくも、破られてしまった。
何か一種の合格が出されたとでもいうことであろうか。