090817
牧場のお仕事もだいぶ慣れてきて、
けっこうスムーズにできるようにはなってきたのだが。
しかし、いまだに上手にできないのが、手搾りだ。
1回の搾乳で10〜20リットルも出る乳搾り作業は
もちろん機械をつけて行うのであるが、
つける前に、前搾りとして5搾りくらい、手で搾るという作業を行う。
これは、乳頭を刺激して、お乳を出やすくすると共に
乳頭内に残っていた最近の多い菌を捨て、
そして乳房炎にかかっていないかを、
出てきた乳の状態や触りごこちなどによってチェックする。
というような役割がある。

さらに、牛の乳房は基本4つなのであるが、
固体によって3本だったり4本だったりするので、
それに応じて機械をつける必要がある。
これが、見た目からしてすごく小さいとか、明らかに固いという場合はいいのだが、
見た目は普通だけど、出ないものの判断が難しい。

牛も、乳が張っていて良く乳の出る牛の場合はいいのだけれど、
最初からふにゃふにゃ気味で、出の悪い牛などの場合は、
がんばって搾ってみてもなかなか出なかったりするので、
「これは3本しか出ないかな」と思って1本はずしていたりしても
時間が立つと出てきたりするのだ。

みんなはさすがにプロなので、出にくい牛でも、けっこうな勢いで手で搾れるのだけど
私は、どーもダメで、ちょろちょろしか出ない。

このせいで、判断がうまいことできないことがあって、
つけてはいけない乳房につけてしまったり、
つけるべき乳房につけなかったり、ということをしてしまう。

一体何が違うのかなあ、、と思い、
ネットで、乳搾りのコツを調べてみた。
そうしたら、出てくるのは、子供向けに書かれたような説明ばかりであったが
いくら見ても、
「ちょっとしたコツさえつかめば、誰でも簡単にできます。
親指と人差し指でしっかりと輪を作って根元をしぼり、
次いで中指、薬指、小指を順番に握っていくだけ」
ということ意外に、どこを見ても書いていない。
そのくらい、やってると思うんだけどなあ。他のコツは無いのか?。
部屋にあった専門書を見てみても、他の手順は詳しく書いてあるのに
基本すぎて手搾りの方法には全く触れられていない。
うーむ。

ともかく、夕方の作業では、その書かれていた基本的なコツを意識して搾ってみた。
すると。
なんと、スムーズに出るのである!。
出やすかった牛は、より出やすく。
出ずらかった牛は、少しでもちゃんと出るので、判断に迷わない。
おかげで、「どっちかなあ」という判断が迷わずできるようになったし、
前搾りも効果的に出すことができるようになった。
意外に、やってるつもりだったけど、基本的なところをやっていなかったのかもしれない。

壁に突き当たった時の解決法は、
いくら先に進んだ後であっても、やはり基本に立ち返ることが大事なんだなあ
と改めて思った。

日々是勉強。


しっかし、手搾りって、けっこう指が疲れるのだけど、
昔の人は、全て手で搾って出していたというのだから、すごいなあ。