
いよいよ牧場を旅立つ日。
朝の仕事はしなかったが、
いつものように早く目は覚めてしまった。
雨の予報があったにも関わらず、外はお日さまも出て良い天気で
空気は秋らしく澄んでいて、
なんだか、産まれたてのような、キラキラとした、清潔な空気を
自分の周りに感じた。
でも案外そんな感覚も間違ってはいないのかもしれなくて、
違う家に生まれて生活するなんてことは、
普通はもう一度人生をやり直さないとなかなかできないものだけど、
ここで1ヶ月間過ごした生活は、ひと人生を速習して送ったような感覚でもあった。
今日は、14時着の飛行機でやってくる次のバイトの子を稚内空港まで迎えに行く
というついでに、お母さんに車で稚内まで送ってもらった。
けっこう早く稚内に着いたので、
「宗谷岬行く?」と言って、日本最北端の地、宗谷岬まで連れて行ってくれた。
当初の予定では、今日このまま礼文に行って2泊した後に稚内で一泊して
宗谷岬を観光しようと思っていたのだけど、
ここで行くことができたら、その宿泊を省いて、
日程的に断念していた利尻に行くことができる。
ということで、急遽稚内で予約していた宿やレンタカーをキャンセルする。
ここのバスの時刻はあまりよくないのでそんな行程にしていたのだけど
これで一気に楽チンになった。
宗谷岬からは、なんと、サハリンを見ることができた。
お母さんは、何度か来てるけど、見えたのは初めてだと言っていた。
ほんと、天気には恵まれてるなあ。
春に与那国島に行って、日本最西端を制覇した時に、
一緒に日本で最後に沈む夕日を見に行ったアメリカ人に
「これで日本の最南端と最西端を制覇したから、
来年は宗谷岬に行って、最北端を制覇するんだ!」
と言われたのに触発されて、「それもいいかも。私も来年あたり行くか」
となんとなく思っていたのが、こんなに早く実現するとは思わなかった。
これで私も、あと残す端っこは、最東端の納沙布岬だ。
とはいえ、自由にいけるところ、という意味であるだけの制覇であって
実際にはそれぞれにもっと端っこが存在しているのだけど、
それもいつかなんとか制覇したいんだよなー。
お昼には、宗谷岬の上の小高い丘の上のレストランでウニ・イクラ丼を食べた。
生のネタは新鮮で美味しい!!
そうして、無事に日本の最北端を制覇したあと、
フェリーターミナルまで送ってもらって、お別れする。
ここから15時15分発のフェリーに乗って、礼文島へ渡る。
礼文島では、「歌って踊るユース」「日本3大キ●ガイユース」
と言われている桃岩荘に宿泊する予定。
噂には聞いていたのだけど、かなり個性的なスケジュール満載で
自分の時間もなさそうだし、どうしようかな、と迷ったのだけど、
こんなところまでまたいつ来れるのか来れないのかわからないし
ここは経験として行ってみるべきだ、と思って
思い切って2泊予約した。
17時05分に、礼文島に到着すると、
港では、これからお世話になるユースホステル「桃岩荘」の
お迎えの人たちが、旗を振って叫んでいる。
「おーい!ももいわそー!」
「おかえりなさーい!」
のっけから、ハイテンション。
その人たちのところへ行くと、元気よく迎えてくれた。
ブルーサンダーエース号、という青いトラックの荷台に乗って
桃岩荘に向かう。
迎えに来てくれたヘルパーさんの説明によると、この車には
「音声認識装置」がついている、とのことで、
みんなで大声で「発車、オーライ!」と叫ぶと、進むのだ。
最初、後ろを見ながら叫んだら、車がバックしてしまった。
「ああー、みなさん、前の方に向かって叫んでくださいね!
後ろに進んじゃいますから。」
と言われて、再び前に向かって「発車オーライ!」と叫ぶと、
無事に前に向かって走り出した・・。
途中に桃岩トンネルというトンネルとくぐるのだが、
そこでは「知性・教養・羞恥心」を置いてきてくださーい、
と言われる。
そしてここから先は30分の時差が生じて、
「桃岩時間」とされる通常よりも30分進んだ時間によって
全てが進められるのだ。
30分の時差って、、わけわかんなくて、これが混乱するのだー。
桃岩荘の前まで来ると、
海に面した断崖のギリギリで切り替えして、
桃岩荘の入り口にぴったりと車体の最後尾をくっつける。
ほんとにギリギリでの切り返しなので、
見ていると海に落ちそうで恐かった。
そしてブルーサンダーエース号の荷台に乗ったまま、
入り口にぴったりと荷台の出口?をくっつけられ、
「扉が開いたら、大声で、ただいまー!」と言ってください。
と言われる。
私は郷に入れば郷に従う主義だ。
扉が開かれて、大声で叫ぶ。
「ただいまー!」
「おかえりなさーい!!!」
どんどんどんどん。がしゃがしゃがしゃ。
宿のヘルパーさんもお客さんも総出で、
盛大に迎えてくれた。
そこへ、荷台から飛び込む。
一通りの説明のあと、部屋へ案内される。
ユースといえば相部屋だが、
この日は人も少なくなってきていて、
そして明日、8時間コースを歩く人用のお部屋「とど2」に通されたのだが、
それに参加する女子は私一人だったので、
一人で12畳くらいの部屋を貸切で使うことができた。
荷物を置いて、外に出てみると、
ちょうど8時間コースに参加していた人たちが帰ってきた。
帰ってきた人たちの姿が見えてくると、
屋根に人がわらわらと出てくる
「おかえりなさーい!」
ここでも盛大にお出迎えが行われた。
今夜は19時10分から「ミーティング」が行われるというので、
急いでお風呂と夕食を済ませに行く。
この宿はほんと、いろいろやることがあって、忙しいのだ。
二つあるお風呂は「女湯」と「混浴」と定義されていた。
うーむ。
お風呂はけっこう狭くて4人くらいで満杯なかんじ。
そこで、先ほど8時間コースから戻ってきた女の子たちと一緒になったので
どうだったか聞いたら、すごく良かったとのこと。
景色がものすごく良いから、疲れるとか大変とかは気にならないと絶賛だ。
他で聞いても、参加した人は必ずそう言うので、
少し迷っていたけど、やっぱり参加しようと思った。
夕食の時に一緒のテーブルで食べて話をした男の子たちは、
一人は会社を辞めて自転車で日本一周をしている最中で、
神奈川からここ北の端まで制覇したので、
これから南下して、今度は沖縄を目指すのだという。
もう一人は学生だけど休学して、いろいろ旅をしてまわっているところ。
ほんとはもう就職活動しなくちゃいけないんですけどね・・
と言っていた。
私もそんなに大層な旅はしていないけれども、
牧場バイトしつつ滞在していたというのは、こういう時の自己紹介としては
なかなか良いネタになるな、と思った。
桃岩時間19時10分頃より、ミーティングが始まった。
ここでは、礼文島の見所や、船で帰る人の荷物の出し方などの諸連絡
なども行われるのだけど、いちいちハイテンションな寸劇のようなものが
繰り広げられる奇妙なミーティングである。
そして、ギターにあわせて、歌をみんなで歌う。
歌詞の書いた布がそこらじゅうに貼られているし、ヘルパーさんが
歌詞を先導して叫んでくれるので歌詞はわかるけど
曲がわかならいのでついていくのが大変だけど、雰囲気で歌う。
全体的に70年代のフォークソングな曲なので
その世代の人にはツボのようだ。
そして、踊りがすごい。
懐かしいアニメソング中心のサビメドレーというかんじで
全てに歌詞に合わせた振りがついている。
これは全員で踊る。
といってももちろん初めて見る踊りなので、見ながら必死に合わせて踊る。
ここのすごいポイントは、禁酒で、ここまでのハイテンションなところである。
そして、経験者のブログなどで見た情報からして、
このいろいろ繰り広げられる方式は、過去から殆ど変わっていないようだ。
何度も何度も、同じようなことをずっと素面でこのテンションで繰り替えす。
だけど、やってみて思ったけど、
決まった型を、思い切り恥じらいを無くして思い切りやってみる、
ということは、けっこう気持ちが良いことなのかもしれない。
それはきっと、宗教なんかも一種そういう気持ちよさがあるんじゃないかなきっと
と思うのであった。
ミーティングは2時間ほど続けられ、
終わったあとは食堂で明日の8時間コースの説明を受ける。
朝は桃岩時間5時20分起きだー!
だけど、早起きはもうすっかり慣れてるので
全く問題ないもんね。
桃岩時間22時半の消灯で電気を消して寝るが、非常に寒い!
さすが最北端の島。9月初旬なのに、かなり寒い。
あまりにも寒くて寝られないので、
一人部屋なのをいいことに、羽毛布団をもう一枚かけて
ダブル羽毛布団掛けにして寝たら、ようやく温まって気持ちよく寝られた。
外で降りしきる雨の音が気になるが、天気は大丈夫だろうか。
空気は秋らしく澄んでいて、
なんだか、産まれたてのような、キラキラとした、清潔な空気を
自分の周りに感じた。
でも案外そんな感覚も間違ってはいないのかもしれなくて、
違う家に生まれて生活するなんてことは、
普通はもう一度人生をやり直さないとなかなかできないものだけど、
ここで1ヶ月間過ごした生活は、ひと人生を速習して送ったような感覚でもあった。
今日は、14時着の飛行機でやってくる次のバイトの子を稚内空港まで迎えに行く
というついでに、お母さんに車で稚内まで送ってもらった。
けっこう早く稚内に着いたので、
「宗谷岬行く?」と言って、日本最北端の地、宗谷岬まで連れて行ってくれた。
当初の予定では、今日このまま礼文に行って2泊した後に稚内で一泊して
宗谷岬を観光しようと思っていたのだけど、
ここで行くことができたら、その宿泊を省いて、
日程的に断念していた利尻に行くことができる。
ということで、急遽稚内で予約していた宿やレンタカーをキャンセルする。
ここのバスの時刻はあまりよくないのでそんな行程にしていたのだけど
これで一気に楽チンになった。
宗谷岬からは、なんと、サハリンを見ることができた。
お母さんは、何度か来てるけど、見えたのは初めてだと言っていた。
ほんと、天気には恵まれてるなあ。
春に与那国島に行って、日本最西端を制覇した時に、
一緒に日本で最後に沈む夕日を見に行ったアメリカ人に
「これで日本の最南端と最西端を制覇したから、
来年は宗谷岬に行って、最北端を制覇するんだ!」
と言われたのに触発されて、「それもいいかも。私も来年あたり行くか」
となんとなく思っていたのが、こんなに早く実現するとは思わなかった。
これで私も、あと残す端っこは、最東端の納沙布岬だ。
とはいえ、自由にいけるところ、という意味であるだけの制覇であって
実際にはそれぞれにもっと端っこが存在しているのだけど、
それもいつかなんとか制覇したいんだよなー。
お昼には、宗谷岬の上の小高い丘の上のレストランでウニ・イクラ丼を食べた。
生のネタは新鮮で美味しい!!
そうして、無事に日本の最北端を制覇したあと、
フェリーターミナルまで送ってもらって、お別れする。
ここから15時15分発のフェリーに乗って、礼文島へ渡る。
礼文島では、「歌って踊るユース」「日本3大キ●ガイユース」
と言われている桃岩荘に宿泊する予定。
噂には聞いていたのだけど、かなり個性的なスケジュール満載で
自分の時間もなさそうだし、どうしようかな、と迷ったのだけど、
こんなところまでまたいつ来れるのか来れないのかわからないし
ここは経験として行ってみるべきだ、と思って
思い切って2泊予約した。
17時05分に、礼文島に到着すると、
港では、これからお世話になるユースホステル「桃岩荘」の
お迎えの人たちが、旗を振って叫んでいる。
「おーい!ももいわそー!」
「おかえりなさーい!」
のっけから、ハイテンション。
その人たちのところへ行くと、元気よく迎えてくれた。
ブルーサンダーエース号、という青いトラックの荷台に乗って
桃岩荘に向かう。
迎えに来てくれたヘルパーさんの説明によると、この車には
「音声認識装置」がついている、とのことで、
みんなで大声で「発車、オーライ!」と叫ぶと、進むのだ。
最初、後ろを見ながら叫んだら、車がバックしてしまった。
「ああー、みなさん、前の方に向かって叫んでくださいね!
後ろに進んじゃいますから。」
と言われて、再び前に向かって「発車オーライ!」と叫ぶと、
無事に前に向かって走り出した・・。
途中に桃岩トンネルというトンネルとくぐるのだが、
そこでは「知性・教養・羞恥心」を置いてきてくださーい、
と言われる。
そしてここから先は30分の時差が生じて、
「桃岩時間」とされる通常よりも30分進んだ時間によって
全てが進められるのだ。
30分の時差って、、わけわかんなくて、これが混乱するのだー。
桃岩荘の前まで来ると、
海に面した断崖のギリギリで切り替えして、
桃岩荘の入り口にぴったりと車体の最後尾をくっつける。
ほんとにギリギリでの切り返しなので、
見ていると海に落ちそうで恐かった。
そしてブルーサンダーエース号の荷台に乗ったまま、
入り口にぴったりと荷台の出口?をくっつけられ、
「扉が開いたら、大声で、ただいまー!」と言ってください。
と言われる。
私は郷に入れば郷に従う主義だ。
扉が開かれて、大声で叫ぶ。
「ただいまー!」
「おかえりなさーい!!!」
どんどんどんどん。がしゃがしゃがしゃ。
宿のヘルパーさんもお客さんも総出で、
盛大に迎えてくれた。
そこへ、荷台から飛び込む。
一通りの説明のあと、部屋へ案内される。
ユースといえば相部屋だが、
この日は人も少なくなってきていて、
そして明日、8時間コースを歩く人用のお部屋「とど2」に通されたのだが、
それに参加する女子は私一人だったので、
一人で12畳くらいの部屋を貸切で使うことができた。
荷物を置いて、外に出てみると、
ちょうど8時間コースに参加していた人たちが帰ってきた。
帰ってきた人たちの姿が見えてくると、
屋根に人がわらわらと出てくる
「おかえりなさーい!」
ここでも盛大にお出迎えが行われた。
今夜は19時10分から「ミーティング」が行われるというので、
急いでお風呂と夕食を済ませに行く。
この宿はほんと、いろいろやることがあって、忙しいのだ。
二つあるお風呂は「女湯」と「混浴」と定義されていた。
うーむ。
お風呂はけっこう狭くて4人くらいで満杯なかんじ。
そこで、先ほど8時間コースから戻ってきた女の子たちと一緒になったので
どうだったか聞いたら、すごく良かったとのこと。
景色がものすごく良いから、疲れるとか大変とかは気にならないと絶賛だ。
他で聞いても、参加した人は必ずそう言うので、
少し迷っていたけど、やっぱり参加しようと思った。
夕食の時に一緒のテーブルで食べて話をした男の子たちは、
一人は会社を辞めて自転車で日本一周をしている最中で、
神奈川からここ北の端まで制覇したので、
これから南下して、今度は沖縄を目指すのだという。
もう一人は学生だけど休学して、いろいろ旅をしてまわっているところ。
ほんとはもう就職活動しなくちゃいけないんですけどね・・
と言っていた。
私もそんなに大層な旅はしていないけれども、
牧場バイトしつつ滞在していたというのは、こういう時の自己紹介としては
なかなか良いネタになるな、と思った。
桃岩時間19時10分頃より、ミーティングが始まった。
ここでは、礼文島の見所や、船で帰る人の荷物の出し方などの諸連絡
なども行われるのだけど、いちいちハイテンションな寸劇のようなものが
繰り広げられる奇妙なミーティングである。
そして、ギターにあわせて、歌をみんなで歌う。
歌詞の書いた布がそこらじゅうに貼られているし、ヘルパーさんが
歌詞を先導して叫んでくれるので歌詞はわかるけど
曲がわかならいのでついていくのが大変だけど、雰囲気で歌う。
全体的に70年代のフォークソングな曲なので
その世代の人にはツボのようだ。
そして、踊りがすごい。
懐かしいアニメソング中心のサビメドレーというかんじで
全てに歌詞に合わせた振りがついている。
これは全員で踊る。
といってももちろん初めて見る踊りなので、見ながら必死に合わせて踊る。
ここのすごいポイントは、禁酒で、ここまでのハイテンションなところである。
そして、経験者のブログなどで見た情報からして、
このいろいろ繰り広げられる方式は、過去から殆ど変わっていないようだ。
何度も何度も、同じようなことをずっと素面でこのテンションで繰り替えす。
だけど、やってみて思ったけど、
決まった型を、思い切り恥じらいを無くして思い切りやってみる、
ということは、けっこう気持ちが良いことなのかもしれない。
それはきっと、宗教なんかも一種そういう気持ちよさがあるんじゃないかなきっと
と思うのであった。
ミーティングは2時間ほど続けられ、
終わったあとは食堂で明日の8時間コースの説明を受ける。
朝は桃岩時間5時20分起きだー!
だけど、早起きはもうすっかり慣れてるので
全く問題ないもんね。
桃岩時間22時半の消灯で電気を消して寝るが、非常に寒い!
さすが最北端の島。9月初旬なのに、かなり寒い。
あまりにも寒くて寝られないので、
一人部屋なのをいいことに、羽毛布団をもう一枚かけて
ダブル羽毛布団掛けにして寝たら、ようやく温まって気持ちよく寝られた。
外で降りしきる雨の音が気になるが、天気は大丈夫だろうか。
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