朝は寝坊しちゃいかんという意気込みもあって
目覚ましをかけた5時20分(桃岩時間)よりも
早めに目が覚めてしまった。
というかいままでももっと早く起きてたし。
礼文島にはいくつかのトレッキングコースがあるのですが
その中でも一番長くて見所満載の
「愛とロマンの8時間コース」というものがあって
時間があるなら是非歩いてみるべしと言われている。
全長約30キロの礼文島を、最北のストコン岬から出発して、
南の端の方のまで歩くというコース。
通常の8時間コースに加えて、桃岩荘宿泊者は、
桃岩荘までの道のりも歩いて帰るため、
実際には10時間くらいかかるらしい。
食堂へ朝食を食べに行くと
すでにご飯を食べている人たちがいた。
話をしてみると、常連の人とか連泊数の多い人たちで、
そんなかんじのディープな人も多い桃岩荘なのであった。
当然みな8時間コースは経験済みで、
口をそろえて、良かったよー、という。
6時10分になったら1階に集合。
本日の参加者は、私ともう一人男性の2名だ。
その男性は、若く見えるけど実際には40代の、
桃屋の「ごはんですよ」のキャラクターにそっくりな
通称ぴーちゃん。
ぴーちゃんは、なんと25年前に桃岩荘に訪れていて、
25年ぶりに桃岩荘と8時間コースの様子を見てみようと思い
会社を数日休んでやってきたとのことだ。
ブルーサンダーエース号に乗ってフェリーターミナルまで送迎してもらう。
送迎してくれたヘルパーさんは、通称599と言い、
その数字はなんと、以前刑務所に入った時の番号だという、
前科1犯というすごい経歴を持つ男性だった。
本当に色々な人と出会えるところである。桃岩荘。
フェリーターミナル前のバス停から、バスに揺られて1時間、
出発地点のストコン岬へ到着。
最北端の島礼文島のはじっこ感満載のこの岬からスタートだ。
雨と言われていた天気予報も、幸いみごとに外れて、
太陽の日差しが眩しい晴れた青い空。すばらしい。
出だしはぴーちゃんと二人で歩いていたのだが、
前方に、一緒にバスに乗っていた一人のおじさんが歩いているのが見えたので、
途中の休憩ポイントで声をかけて、一緒に歩くことになった。
このおじさん、名前を聞きそびれたので、
後で勝手に「ミスターX」と呼ぶことになるのだが、
50代で会社を早期退職したのをきかっけに3年前から100名山制覇をはじめ、
昨日もその一つである利尻山を登ってきたのだという。
その翌日に8時間コースというのもなかなかタフであるが、
これがまた、この日の夕方17時のフェリーに乗って帰らなければいけないというので
相当のハイペースで歩くのだ。
しかも休みなし!
体育会系のような速さで必死についていく私たちであった。
だけど、このコースの眺めは物凄くすばらしい。
長く続く稜線から、広く広がる北の海が見渡せて、
今まで歩いてきた山道の中でも1,2を争う絶景と言ってもいい。
そんな景色を見ながら歩いているので、
そんなハイペースの辛さも何も全く気にならなかった。
途中の澄海岬などはバスでも下まで行けるため、
団体さんなども見に来ていた。
しかしここで思ったけれども、
やはりすばらしい絶景を見て「すばらしい」と思う感動の深さは、
自分の足で歩いて到達した挙句に見るのと、
バスで連れてこられて見るのとは、きっと違うんだろうな、
と思った。
途中に短いトイレ休憩をはさみつつも、
座って休むということはせずに超ハイペースで歩き続け、
お昼頃に、先を急ぐミスターX氏と別れる。
我らは、休むのに適当な場所を求めて歩き、
海沿いの岩に囲まれた風を防げるスペースに腰を下ろして
ようやくゆっくり休みながらの昼食をとる。
桃岩荘で500円注文しておいた「圧縮弁当」は、
その名の通り、大量のご飯がぎゅぎゅっと圧縮されて入っている
登山に持って行っても決して偏ることのないお弁当である。
その大量具合から、食べきれるのかな?
と思ったけれども、この長い距離を5時間くらいほぼ休み無く
ハイペースで歩いてきた後には、難なくぺろっと平らげてしまった。
乗っていたおかずの中の、こんぶがめちゃくちゃ美味しかった。
つかの間の休憩の後、後半戦に向かう。
だんだん風が強くなってきて、しかも後半の道のりは林道が多く、
視界があまりよくないので、景色が変わらなくて、飽きてくるので
少々辛かった。
山歩きって、景色の違いで疲労の感じ方が明らかに違うと思う。
今回、そんなにハードに登山をする気の装備でやってきていないのに
靴も普通のスニーカーだったので、
さすがに指とか足の裏も痛くなってきた。
まあそんなこんなではあるけど、山道も抜け、
ようやく車道に出て、桃岩荘への道を進む。
桃岩荘に到着したのは、出発から9時間ちょっとくらいという、快挙!。
途中2回も道に迷って時間をロスしたのにも関わらず
かなり良いタイムでの到達だ。
これも全て、ミスターXとの出会いが大きかったことでしょう。
桃岩荘では、みなが総出で出迎えてくれる。
山登りなんかの後って、個人的な達成感はあるけど、
こんな風に他の人たちに祝福してもらえるようなことって無いので
嬉しさは倍増だ。
遠くにいる時点から、姿が見えると大声で
「おかえりなさーい!」とで迎えてくれる。
「ああー、やっと戻ってきたー」と、完走感を味わうことができる。
出迎えてくれたみんなから、ねぎらいの言葉をもらい、
海に向かって「ぎんぎんぎらぎら夕陽が沈む」を踊る。
昨日の人たちは、到着時点でちょうど夕陽の沈む時だったけど
今日は少しまだ早いので、先にお風呂に入ったりしておこうと思う。
すぐにお風呂に入って夕食を食べているうちに
いつの間にか夕陽が沈んでしまって、見れなかった。。
ご飯食べてたら、7時10分ころになったら、
ヘルパーさんたちが太鼓を叩きながら食堂にわいわいとやって来て
「たーのしーい、ミーティング♪ミーティング♪」と歌いながら、
「ご飯食べちゃって下に来てね」
というようなゼスチャーをしながら誘ってくるので
早々にご飯を食べて、1階のミーティングルームへ行く。
今夜もミーティングは相変わらずのノリだ。
8時間コースの説明コーナーでは、
今日の参加者として、感想とか、迷いポイント紹介!
などを話して、恒例の「ぎんぎんぎらぎら夕陽が沈む」を
みんなの前で踊った。
これは、昨日の人たちがやっていたので、
今夜やることは覚悟していた。
歌は日替わりの歌もいくつもあるため相変わらず覚えられていないけど
踊りは2回目だけど、多少わかっていて、できた。
ミーティング参加はたった2回目だけど、
なんだか多少慣れてきたかんじもした。
桃岩荘に泊まってその醍醐味を味わうのであれば、
2泊以上して8時間コースに参加するのが良いかもしれない。
1泊だけだと慣れる前の違和感だけで終わってしまいそうだけど、
8時間コースを経験することで、
桃岩荘および礼文島のメインイベントを本日の主役的に経験できるし
色んな人とも急速に親しく話をすることができるし。
濃密な時間を過ごすことができたような気がする。
ミーティングは桃岩時間の21時半ころまで、約2時間続き、
終わった後は22時半の消灯まで、お喋りなどして過ごす。
消灯10分前にはオルゴールが鳴って、完全消灯になるので
急いで歯磨きなどを済まして、寝る。
今夜の部屋は移動して、2段ベッドに囲まれた「とど1」。
連泊の女の人と私の2人だった。
もう人が少なくなってきているようだ。
だってもうすぐ寒くなる礼文島のこの桃岩荘の今期の営業は、
9月一杯までなのだ。
早くも冬がやってくるのねえ。
「愛とロマンの8時間コース」の様子は
こちらの写真つきブログも併せてどうぞ。
↓
酒ぶろーぐ
愛とロマンの8時間コース(前篇)
愛とロマンの8時間コース(後篇)
その中でも一番長くて見所満載の
「愛とロマンの8時間コース」というものがあって
時間があるなら是非歩いてみるべしと言われている。
全長約30キロの礼文島を、最北のストコン岬から出発して、
南の端の方のまで歩くというコース。
通常の8時間コースに加えて、桃岩荘宿泊者は、
桃岩荘までの道のりも歩いて帰るため、
実際には10時間くらいかかるらしい。
食堂へ朝食を食べに行くと
すでにご飯を食べている人たちがいた。
話をしてみると、常連の人とか連泊数の多い人たちで、
そんなかんじのディープな人も多い桃岩荘なのであった。
当然みな8時間コースは経験済みで、
口をそろえて、良かったよー、という。
6時10分になったら1階に集合。
本日の参加者は、私ともう一人男性の2名だ。
その男性は、若く見えるけど実際には40代の、
桃屋の「ごはんですよ」のキャラクターにそっくりな
通称ぴーちゃん。
ぴーちゃんは、なんと25年前に桃岩荘に訪れていて、
25年ぶりに桃岩荘と8時間コースの様子を見てみようと思い
会社を数日休んでやってきたとのことだ。
ブルーサンダーエース号に乗ってフェリーターミナルまで送迎してもらう。
送迎してくれたヘルパーさんは、通称599と言い、
その数字はなんと、以前刑務所に入った時の番号だという、
前科1犯というすごい経歴を持つ男性だった。
本当に色々な人と出会えるところである。桃岩荘。
フェリーターミナル前のバス停から、バスに揺られて1時間、
出発地点のストコン岬へ到着。
最北端の島礼文島のはじっこ感満載のこの岬からスタートだ。
雨と言われていた天気予報も、幸いみごとに外れて、
太陽の日差しが眩しい晴れた青い空。すばらしい。
出だしはぴーちゃんと二人で歩いていたのだが、
前方に、一緒にバスに乗っていた一人のおじさんが歩いているのが見えたので、
途中の休憩ポイントで声をかけて、一緒に歩くことになった。
このおじさん、名前を聞きそびれたので、
後で勝手に「ミスターX」と呼ぶことになるのだが、
50代で会社を早期退職したのをきかっけに3年前から100名山制覇をはじめ、
昨日もその一つである利尻山を登ってきたのだという。
その翌日に8時間コースというのもなかなかタフであるが、
これがまた、この日の夕方17時のフェリーに乗って帰らなければいけないというので
相当のハイペースで歩くのだ。
しかも休みなし!
体育会系のような速さで必死についていく私たちであった。
だけど、このコースの眺めは物凄くすばらしい。
長く続く稜線から、広く広がる北の海が見渡せて、
今まで歩いてきた山道の中でも1,2を争う絶景と言ってもいい。
そんな景色を見ながら歩いているので、
そんなハイペースの辛さも何も全く気にならなかった。
途中の澄海岬などはバスでも下まで行けるため、
団体さんなども見に来ていた。
しかしここで思ったけれども、
やはりすばらしい絶景を見て「すばらしい」と思う感動の深さは、
自分の足で歩いて到達した挙句に見るのと、
バスで連れてこられて見るのとは、きっと違うんだろうな、
と思った。
途中に短いトイレ休憩をはさみつつも、
座って休むということはせずに超ハイペースで歩き続け、
お昼頃に、先を急ぐミスターX氏と別れる。
我らは、休むのに適当な場所を求めて歩き、
海沿いの岩に囲まれた風を防げるスペースに腰を下ろして
ようやくゆっくり休みながらの昼食をとる。
桃岩荘で500円注文しておいた「圧縮弁当」は、
その名の通り、大量のご飯がぎゅぎゅっと圧縮されて入っている
登山に持って行っても決して偏ることのないお弁当である。
その大量具合から、食べきれるのかな?
と思ったけれども、この長い距離を5時間くらいほぼ休み無く
ハイペースで歩いてきた後には、難なくぺろっと平らげてしまった。
乗っていたおかずの中の、こんぶがめちゃくちゃ美味しかった。
つかの間の休憩の後、後半戦に向かう。
だんだん風が強くなってきて、しかも後半の道のりは林道が多く、
視界があまりよくないので、景色が変わらなくて、飽きてくるので
少々辛かった。
山歩きって、景色の違いで疲労の感じ方が明らかに違うと思う。
今回、そんなにハードに登山をする気の装備でやってきていないのに
靴も普通のスニーカーだったので、
さすがに指とか足の裏も痛くなってきた。
まあそんなこんなではあるけど、山道も抜け、
ようやく車道に出て、桃岩荘への道を進む。
桃岩荘に到着したのは、出発から9時間ちょっとくらいという、快挙!。
途中2回も道に迷って時間をロスしたのにも関わらず
かなり良いタイムでの到達だ。
これも全て、ミスターXとの出会いが大きかったことでしょう。
桃岩荘では、みなが総出で出迎えてくれる。
山登りなんかの後って、個人的な達成感はあるけど、
こんな風に他の人たちに祝福してもらえるようなことって無いので
嬉しさは倍増だ。
遠くにいる時点から、姿が見えると大声で
「おかえりなさーい!」とで迎えてくれる。
「ああー、やっと戻ってきたー」と、完走感を味わうことができる。
出迎えてくれたみんなから、ねぎらいの言葉をもらい、
海に向かって「ぎんぎんぎらぎら夕陽が沈む」を踊る。
昨日の人たちは、到着時点でちょうど夕陽の沈む時だったけど
今日は少しまだ早いので、先にお風呂に入ったりしておこうと思う。
すぐにお風呂に入って夕食を食べているうちに
いつの間にか夕陽が沈んでしまって、見れなかった。。
ご飯食べてたら、7時10分ころになったら、
ヘルパーさんたちが太鼓を叩きながら食堂にわいわいとやって来て
「たーのしーい、ミーティング♪ミーティング♪」と歌いながら、
「ご飯食べちゃって下に来てね」
というようなゼスチャーをしながら誘ってくるので
早々にご飯を食べて、1階のミーティングルームへ行く。
今夜もミーティングは相変わらずのノリだ。
8時間コースの説明コーナーでは、
今日の参加者として、感想とか、迷いポイント紹介!
などを話して、恒例の「ぎんぎんぎらぎら夕陽が沈む」を
みんなの前で踊った。
これは、昨日の人たちがやっていたので、
今夜やることは覚悟していた。
歌は日替わりの歌もいくつもあるため相変わらず覚えられていないけど
踊りは2回目だけど、多少わかっていて、できた。
ミーティング参加はたった2回目だけど、
なんだか多少慣れてきたかんじもした。
桃岩荘に泊まってその醍醐味を味わうのであれば、
2泊以上して8時間コースに参加するのが良いかもしれない。
1泊だけだと慣れる前の違和感だけで終わってしまいそうだけど、
8時間コースを経験することで、
桃岩荘および礼文島のメインイベントを本日の主役的に経験できるし
色んな人とも急速に親しく話をすることができるし。
濃密な時間を過ごすことができたような気がする。
ミーティングは桃岩時間の21時半ころまで、約2時間続き、
終わった後は22時半の消灯まで、お喋りなどして過ごす。
消灯10分前にはオルゴールが鳴って、完全消灯になるので
急いで歯磨きなどを済まして、寝る。
今夜の部屋は移動して、2段ベッドに囲まれた「とど1」。
連泊の女の人と私の2人だった。
もう人が少なくなってきているようだ。
だってもうすぐ寒くなる礼文島のこの桃岩荘の今期の営業は、
9月一杯までなのだ。
早くも冬がやってくるのねえ。
「愛とロマンの8時間コース」の様子は
こちらの写真つきブログも併せてどうぞ。
↓
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愛とロマンの8時間コース(後篇)
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