091024
本部の宿での朝。
外は、けっこうな雨風。
せっかくここまで来たけど、
島に渡っても何もできないかもしれない。
どうしようかなあ。

ひとまず、朝の連ドラなど見ながら、友人達に
「暴風雨だから、島は諦めて水族館に行こうと思う。」
とメールする。

すぐに集まってきたメールでのアドバイスを元に考えていると、
せっかくそこまで来たから、
ちゅら海水族館に行くのもいいかもしれない、と思い始めた。
あそこの水族館は、ちゅら海水族館になる前には
過去2回行ったことがあって、
イルカショーのイルカの名前が「オキちゃん」だということも知っているし
ジュゴンのオスメスの見分け方も知っているのだけど、
ちゅら海水族館はすごいらしいし
それに、潜って見てきた魚とか、「オジサン」という名の魚の謎などについて
いろいろ勉強してくるのもよいかもしれない。

もう水族館に行って、おとなしく那覇に戻ろう・・。
と、荷物をまとめて宿を出ると、
なんと、雨があがって晴れ間が少し出てきていた。

「いけるかもしれない!」
急に自信が出てきて、やっぱり港へ向かった。
伊江島行きの船は通常通り出ているようだし、
民宿に電話してみたら部屋もとれたし、
やっぱり伊江島に渡ることに決めた。

しかし本当に、台風に左右されつつの、
1時間ごとに予定がくるくる変わる、いきあたりばったり旅だなあ。

11時発のフェリーに乗る。
なんと船は超満員で、立ってる人もいるという混雑具合。
どうやら今夜、有名人も来るようなコンサートが伊江島で行われるらしい。

荒波に揺れつつ、30分の航海で伊江島に到着。
港までの
移動は大変だったけど、そこからはけっこう近い。

宿は港から歩いてスグのところにある「民宿渚」にした。
なんと、私が予約の電話したときは最後の一部屋で、満員だそうだ。
コンサート効果か。

島に来たら、本当はゆっくりと歩いてまわるか、
広ければ自転車程度でまわりたいのだけど、
この暴風雨の中、ちょっと探索しようと数十メートル歩いただけで
へこたれてきた。
うーむ。このままでは何もできないなあ。

フェリーターミナルの上の食堂で野菜そばを食べつつ
どうしようか考えていると、
食堂の壁にレンタカーの張り紙が。
4時間3500円。
うーん、もうこうなったらレンタカーを借りよう。不覚だけど。
そうしないと、何も出来ない。

ということで、レンタカーに乗って島をめぐってみる。
さすがに車は早い。一通りの島の見所はまわることができた。
がしかし、やっぱりどうしても車で観光スポットを押さえて回ると、
どうしても「観光」になってしまって、味気ない。
本来私が島に対して求めているのはこれじゃないんだけどなあ
と、ちょっとむずがゆい思いで、観光スポットを回る。
それを思うと、先日まだ嵐の先っちょだけ来ていた頃の
渡嘉敷なんかは、良かった。
全部、ふらふら歩いて回るかんじで、特に観光スポット的なものはないけど
だからこそオリジナルで何かを感じられるから
ただ歩いているだけで、飽きなかった。

まあしかし、伊江島の特徴といえば、
まったいらな島の中にいきなり山がぽこっと出ているという不思議な形。
山ってものは普通はだんだんと隆起していくものなのに
なぜかこの島のタッチューと呼ばれる山は、
山の部分からいきなりどかん、と山になっているのだ。
だから島中の平野から山が見える。

この山の頂上まで登ることに関しては、
宿に泊まっていたおじさんも、レンタカー屋のおねえさんも
「今日は登ったら滑ると思うから・・」
と登ることはオススメされなかったので、
私も登るつもりはなかったのだけど、
登山道からのぞくと、ずっと舗装された階段で登るようだったので、
なんか平気そうじゃん、とずかずか登っているうちに頂上まで着いてしまった。
階段とはいえ、さすがいきなり隆起している山だけあって
けっこう急勾配で、登るのは疲れた。
山頂から見ると、この島の平坦具合がよくわかる。
島の形も海岸線でわかりやすい。

4時間でひととおり観光を追え、レンタカーを返却。
夕食をつけなかったので、夜はお店に食べに行く。
が、近くにはなぜかあまりお店がなくて、
夜に食べられそうなのは15分ほど歩いていった方にお店があるようなのだ。
普通ならなんてことない距離なのだけど、
夜には更に雨風が強くなってきて、
まさに台風の中を出歩いているという状態。
そして街頭が少なくて意外と暗い。
懐中電灯を持ってくればよかったなあという暗さ。
そんな中を居酒屋めざして歩いている私ってバカみたい。。
と思いながら、小さな折り畳み傘で雨をしのぎながら
嵐の中を歩いていく。

途中であきらめかけそうになりつつ、やっと居酒屋の明かりが見えてきた。
店は吟味して決めようかと思っていたのだけど
もうこれ以上歩いていくのが嫌になってきたので、
一番手前にあった「居酒屋めとろ」に入る。
中は広くて団体客が多くて、けっこう混んでいた。

カウンターに座って、オリオン生を飲みつつ、
本日のオススメのボードを見ると、
伊江牛が食べられるようだ。
これは是非ためしてみよう。
ということで、伊江牛のレバ刺しを注文。
これがかなり当たりで、濃厚なレバーは臭みが無いけど味はしっかりあって
かなりおいしい。ゴマ油につけて食べると更においしかった。

ビールの後は、泡盛をもらう。
並んでいるビンの中から「残波ください」と言うと
「黒?白?」というので、「ブラック」をと言うと
「ザンクロね」と言われた。
おお。残波ブラックは、「ザンクロ」って言うんだー。
かっこいい。

レバ刺しと、ゴーヤチャンプルを食べ終わってしまって
まだザンクロが残っていたので、お供に
「とうふよう」を注文。
このとうふようって、お土産に買ってきて家で食べたりすると
どーもあんまりおいしくなくてなかなか消費しないんだけど、
沖縄で泡盛飲みながらお店で食べると、ものすごく美味しい。
不思議だなあ、と思う。

帰りはまたまた、更に強まった暴風雨の中をびちょぬれになりながら
宿まで帰る。
せっかくの酔いも覚めてしまう嵐であった。