カサンドラ獄中記

カサンドラ陥落

カサンドラ脱獄のご挨拶

今晩は。加藤ヨシキです。

唐突ですが、【カサンドラ獄中記】の更新を今日をもって停止します。

お盆の間もずーと考えていたのですが、今の私のスキルではネット上での活動とリアルでの活動を両立するのが難しいという結論に至りました。最近私事が忙しく、色々と余裕が無くなっているので、ここで一区切りをつけようと思います。また、今回の私事と言う名の戦いはいつ決着がつくか分かりません。戻ってこれるかどうかは前回以上に微妙なので、もう正式に止めてしまおうと思います。このブログ自体は適当なタイミングで削除しますので、リンクをしている方は、お手数ですが削除をお願いします。またtwitterの方も同じく適当なタイミングでアカウントを削除します。

最後になりましたが、今までお世話になった全ての方に感謝します。本当にありがとうございました。お疲れ様でした。

それでは、お元気で!

ショーシャンク


<8/26 追記>
コメント、ありがとうございました。突然の事で本当に申し訳ありません。
ブログの過去の記事についてですが、残しておく事にします。

それでは、失礼します。

映画の感想【プロメテウス】

以下、ネタバレあり。続きを読む

映画の感想【ダークナイト・ライジング】

以下、ネタバレあり。続きを読む

映画の短文感想【アメイジング・スパイダーマン】【タッカー&デイル 史上最強にツイてないヤツら】

アメイジング・スパイダーマン】…★★★☆☆

あらすじ
イマイチ冴えない高校生活を送る青年ピーター・パーカーは、バイオテクノロジーを利用して作られた特殊なクモに噛まれてしまい、その影響で超人スパイダーマンになってしまう。

ド直球
サム・ライミ版は人情映画だった。主人公ピーター・パーカーのドラマと同じくらい、彼を取り巻く人々のドラマに重きが置かれていた。ピーターはスーパーヒーローとして苦悩するが、それ以上に周囲も苦悩していた。彼らの苦悩の原因は、友人関係や進路、あるいは会社で上手くいかないとか、何とも身近で親近感の湧く理由ばかりだった。そんな等身大の人々を描いたせいか、「スパイダーマン」という超非日常的なテーマを取り扱っていながら、異様な程に地に足の着いた映画になっていた。
誰もが覚えのある苦悩を描く事で、誰もが何処かで感情移入できる、それこそが旧「スパイダーマン」の強さであり、個性だった。あれから何本もスーパーヒーロー映画が作られているが、未だにライミ版の「スパイダーマン」を超える「地に足のついたスーパーヒーロー映画」は出ていない。「ダークナイト」とは違った意味での、「リアリティの追求」の結果が旧「スパイダーマン」三部作だった。いかにもド直球の「ヒーローもの」のように見えたが、実際は変化球だ。
そんな旧三部作対して、「アメイジング・スパイダーマン」はピーターのスーパーヒーローとしての活躍に重きを置いている。その為、旧三部作に比べると人間ドラマ部分では多少劣る。敵のドラマはカットし過ぎた感もあるし、ヒロインとの恋愛ももう少しジックリ書いて欲しかった。あとアンドリュー・ガーフィールドが「冴えない高校生」を演じるのも若干無理があった。
しかし、全体的手堅く作っているし、特にアクションは前作よりも良かった。また、公開前はダークな映画になっていると噂されていたが、実際は旧三部作より明るく感じた。学園モノ的な空気もある。
多くのキャラの思惑が交錯した旧三部作に比べると、人情ドラマ的な部分は弱い。しかし、その代わりにヒーローの苦悩と活躍を描く直球のヒーロー映画としてはキッチリ完成している。リブート第一弾としては充分なスタートを切ったと言えるのではないだろうか。

アメイジング・スパイダーマン



タッカー&デール 史上最強にツイてないヤツら】…★★★★☆

あらすじ
殺人鬼と勘違いされたオッサンらをティーンエイジャーが襲う!

ショーン・オブ・ザ・デッドへのカナダからの回答
ゾンビ映画を元ネタに、冴えない男たちのサバイバルと成長を描いた快作「ショーン・オブ・ザ・デッド」。それの殺人鬼版である。一言で言うとそういう映画だ。ただし、大学生達が勘違いで次々と凄惨な死を遂げる、というギャグが連続するので、「ショーン〜」よりもドタバタ喜劇的な笑いに溢れている(ブラックなのは共通しているが)。間違えて鋭い物で串刺しになるとか、偶発的に殺人が起きるのだが、日本人的には作り手が元ネタとして意識したであろう「ファイナル・デスティネーション」より、大場つぐみ先生の「ラッキーマン」を思い出すのではないだろうか。とりあえずヒロインを演じるカトリーナ・ボウデンが凄く可愛いので、それだけでもこの映画は成功していると言える。
ただ、個人的には最初のアレは蛇足だったと思う(日本語が少しおかしいが…)。アレはホラー映画のパロイディとしては必要なのだろうが。

タッカー&デイル


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クロウ/飛翔しっぱなし伝説

今年は戦争である。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、各々が一枚看板を張れるマーベルコミックのヒーロー達が共演する「アベンジャーズ」、そして最早説明不要、アメコミ映画の金字塔「ダークナイト」の続編「ダークナイト・ライジング」が控えている。その他にもシリーズの仕切り直しとなる「アメイジング・スパイダーマン」が既に公開されているし、みんな忘れているが「ゴーストライダー」の続編も控えている。また、来年以降にはかねてから噂があった「シン・シティ2」やスーパーマンのリブート「Man of steel」もある。更に2013年にはウェズリー・スナイプスが出所、そうなれば「ブレイド」シリーズが復活する可能性もある。これからますます盛り上がっていくであろうアメコミ映画界。正に世はアメコミ/スーパーヒーロー映画の全盛期だと言えるだろう。
しかし、そんな素晴らしい時代に生を授かっていながら、私は時折虚ろな目で空を見上げてしまう。そして、ある一本のアメコミ映画シリーズ…、いや、ある一人のアメコミヒーローに思いを馳せる。
「こんな時にアイツがいてくれたら、もっと楽しいんだろなぁ」
虚空を見上げ、私は一人のヒーローに思いを馳せる。スーパーヒーロー映画が全盛期の今こそ、アイツに復活してほしい。再びアイツが銀幕で躍動する姿を見たい。そう願うのは私だけではない筈だ。バットマン、スーパーマン、Xメン、スパイダーマン、ハルク、シン・シティの皆さん、パニッシャー、ゴーストライダー、ヘルボーイ…カッコいいヒーローは一杯いる。しかし、「アメコミ映画で一番カッコいいヒーローは?」と問われたら、私は彼の名を上げるだろう。
彼の名は、「クロウ」。かつて、世界で最もクールだったヒーローだ。
白塗りにピエロのメイク、黒のロングコートに日本刀、戦いとなれば二丁拳銃をキメキメでブッ放す…。今現在「中二病」と呼ばれる要素を凝縮したような格好をしたダークヒーロー、それがクロウである。と言うか、そういうイメージの先駆者がクロウだ。「ブレイド」や「マトリックス」以前にこのイメージを提示したのだ。しかし今、「クロウ」と聞いて頭を捻った人もいるだろう。これは仕方が無い事だ。クロウが映画の成功により世界的にブレイクしたのは94年の話である。もう何だかんだで十数年前だ。クロウが忘れ去られているのも無理はない。そんなエポックメイキングな存在が何故、若干忘れられつつあるのか?
今回の記事では90年代に高らかに飛翔し、その後は物凄い低空飛行で時代を駆けぬいたダークヒーロー、クロウについて書いていきたい。この記事を通じて、クロウのカッコ良さを多くの人に知ってもらえれば幸いである。
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映画の短文感想【愛と誠】

愛と誠】…★★★☆☆

あらすじ
超絶お嬢様である早乙女愛は街でキャンプ・ファイヤーをやっている時に超絶ド不良である太賀誠と出会う。千の言葉より一つの暴力、ケンカにケンカにまたケンカ、暴力と共に刹那的に生きる太賀誠。早乙女愛はそんな太賀誠を何とか更生させようと奮闘する。下宿を用意して、少年院から超絶優等生学校に編入させた。しかし、太賀誠は止まらない。学校では教師を殴り、早乙女愛の両親から金をタカり、遂にはド不良高校に転校してしまう。だが、早乙女愛も止まらない。太賀誠を追って自身もド不良高校に転校する。実は2人の間には他人の知らない“因縁”があった…。

思い込みの天才
「愛と誠」を実写化すると聞いた時、絶対にダメだと思った。おまけに主演が妻夫木と武井咲である。しかもミュージカルだと言う。これはもうダメだと思った。だが、そこは梶原好きなので、一応劇場に行った。すると、これがちゃんと「愛と誠」だった。
「愛と誠」は無茶苦茶なマンガである。題材は高校生同士の恋愛だ。しかし、果たしてこれを恋愛漫画と読んでいいのか?登場人物が墓石を引っこ抜いてブン投げたり、切腹する恋愛漫画が他にあるだろうか?予想できないと言えば聞こえは良いが、つまりは行き当たりバッタリで、主人公の太賀誠は何を考えているのかサッパリ分からない。しかし、そんな無茶苦茶な話なのに、「愛と誠」は間違いなく「恋愛漫画」である。それは登場人物の行動原理が「恋愛」だからだ。何考えてるかサッパリ分からん上に次々と無茶をする誠、その誠を一心に慕い続ける愛、その愛を慕い続ける岩清水…、これが「愛と誠」だ。何考えてるかサッパリ分からん暴走野郎太賀誠と、異常な程に相手を思い続ける早乙女愛、この二つを外さなければ良いのだ。
映画は前半こそ「純愛」をギャグっぽく処理していたが、次第に笑い抜きのシリアスなトーンになっていく。その為、前半は何とも緩い感じだったが、笑いも歌も無くなる後半パートは良かった。何かと飛び道具的な演出で知られる三池監督だが、本来こういうベタな物をベタにやる力もあるのだ。
役者陣も全員輝いていた。妻夫木は相変わらずの妻夫木演技だったが、何を考えているかサッパリ分からん誠役にはハマっていたし、武井咲も良かった。そして三池映画の定石通り、脇役が異常に目立っていた。斉藤工はテニミュ仕込みのオーバー・アクトで石清水を見事に演じていたし、安藤サクラは劇中MVPと言って良い大活躍。ちなみに一番魅力的に撮られていたのは武井咲でも大野いとでもなく、安藤サクラだと断言しよう。
ミュージカルや伊原剛志の高校生など、トリッキーな演出で虚を突きつつ、最後はキッチリと梶原的な「純愛」を真面目に描いている。ネコだましから背負い投げを喰らったような気分になる一本だ。たぶん「アンドロメディア」とかはこういう風にしたかったんだろうなぁ。フィ‐リン・グー♪
全く別物になっているようで、実際は「愛と誠」の中核となる部分はキッチリと残っている。「愛と誠」のファンなら、とりあえずは必見であろう。

愛と誠


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映画の短文感想【MIB3】【密告・者】【スーパーチューズデー/正義を売った日】

MIB3】…★★★☆☆

あらすじ
地球にいるエイリアンを取り締まる秘密組織“メン・イン・ブラック”の敏腕捜査官KとJの活躍を描く。ウィル・スミス主演のヒット・シリーズ第三弾。

ウィル・スミスIN…
最早説明不要のヒット・シリーズ第三弾である。と言うか、まさか第三弾まで出来るとは思っていなかった。そもそも一作目が物凄く綺麗に終わっているので、二作目を作るのも無茶だったと思う。二作目は滅茶苦茶だが「今度は戦争だ!」と言わんばかりの勢いがあったので好きだが、三作目はそれこそ「エイリアン3」みたいなテンションになるのではないか?と不安だった。更に撮影に入るや「脚本の完成を待たずに撮影に入った」とか、現場の混乱が次々と伝えられた。これは負け戦だろうと思った。
しかし、それは杞憂に終わった。確かにシリーズでは一番地味である。前半は‐恐らく脚本が無かった頃に撮ったのだろう‐アドリブのみで突き進んでいる感もあったし、全体を通して圧倒的資金力を感じる様なシーンも少ない。その代わりにシリーズで一番ドラマ性が豊かだ。JとK、シリーズお馴染みの二人に物語の焦点は絞られている。正反対な二人が何故コンビを組む事になったのか?本作は「ドラえもん」的なタイム・パラドックスを絡めつつ、2人の全てが必然であった事を描く。勿論全ては後付だろう。一作目の段階でこの設定が在ったとは思えない。しかし、最後にレストランで交わされる二人のやり取りは感動的だ。派手さは無く、あくまでもアッサリと描かれるが、それ故に印象的だ。二人の表情も味わい深い。昨今ブロマンスが流行している影響だろうが、まさかこのシリーズでこんなに素敵な友情が描かれるとは思っていなかった。
「ヤツらはノリで地球を救う」これは「MIB2」のキャッチコピーである。実際、1作目と2作目は、そのテンポの良さで最後まで引っ張るタイプの映画だった。しかし、「MIB3」は今までと一味違う。今までのような派手さはない。しかしキャラクターとシリーズへの愛に満ちた、愛すべき小品に仕上がっている。シリーズのファンなら必見であると言えよう。恐らくこれでシリーズも打ち止めだろう。最後の最後でお金をかけずに、このような良心的な作品を作ってくれたスタッフに感謝…と思ったら、「アベンジャーズより金がかかっていると聞いて愕然とした。特殊効果にスゲェ凝っていたらしい。あんまりそうは思わなかったが…見えないトコに拘っていたのだろう。江戸っ子みたいな映画だな。恐ろしい。
メンインブラック3


密告・者】…★★★★☆

あらすじ
借金のカタで売られた妹を助ける為に、強盗団に潜入して情報を流す「密告者」となった男ニコラス・ツェー。密告者ニコラスを“飼う”刑事ニック・チョン。二人の人生がドン底で交差する。

極東ドン底ノワールシリーズ
ダンテ・ラム。彼がここまで出世すると予想した人はどれくらいいただろうか?彼は平凡な、何処にでもいる職人監督としてキャリアを積んでいくと思っていた。スタンリー・トンとかゴードン・チャンとかと同じ立ち位置に行けたら御の字…くらいに思っていた。しかし、今やダンテは香港アクション映画界の旗手である。
考えてみれば、ダンテ・ラムのスタイルは「重装警察」の頃から一貫していた。彼の映画は香港映画っぽくないのである。トニー・スコット/マイケル・ベイ系の、カットが切り替わる度にシャキーン・ズギャーンという音が入るような、ハリウッド的なスタイリッシュ演出を良くも悪くもそのまんま導入していた。「重装警察」とかの頃は、そう言ったハリウッドのビッグバジェット的な演出と、香港資本の限界がズレていたせいで、木に竹を繋いだような違和感でしかなかった。ハリウッドはハリウッド、香港は香港である。ハリウッド的な演出をそのまんま香港でやるのは無理がある。しかし、ダンテは諦めなかった。と言うか香港の資本が拡大したのも幸運だった。その路線を更に推し進めたのだ。本作ではマイケル・ベイ/トニー・スコット的な極彩色のギラギラした画面まで完全再現している。ただし、そのハリウッド的な文法で調理されるのは香港的な題材だ。そしてハリウッドでは不可能な、香港的なドン底人生模様が炸裂する。
本作は「友は風の彼方に」の頃からの香港映画の鉄板ジャンル「潜入捜査もの」である。だが、本作が新しいのは潜入させる側のニック・チョンが安全圏にいる事だ。そして、それ故にニック・チョンは苦悩する。かつて密告者に使った男は組織の報復で発狂してしまった。平静を装っているが、彼は良心の呵責に苦しんでいた。そんなニックの苦悩も知らずに、同僚たちはニックの昇進パーティーを開く。ニックはますます苦悩し、行きずりの女を抱く。それがまた悲劇を…。潜入する側であるニコラスも妹が売られたりしてドン底だが、ニックもドン底である。と言うかドン底の人間しか出てこない。
かくして香港映画の鉄板「より良い明日を求める蠢く者達のドン底サバイバル」が進行する。カーアクション、銃撃戦、男の友情、裏切り、恋…香港映画的な要素がこれでもかとブチ込まれているが、更にそれをハリウッド的なスタイリッシュな演出が描き出す。このゴッタ煮感こそ香港映画だ。決してスッキリ爽やかな映画ではないが、今やハリウッドに匹敵すると言っても過言ではない香港映画の“今”を知れる一本だと言えよう(2010年の映画だが)。必見である。
密告・者


スーパーチューズデー/正義を売った日】…★★★★☆

あらすじ
選挙参謀のライアン・ゴズリングは、清廉潔白な知事ジョージ・クルーニーを大統領にせんと頑張るが…。

エレクション 表社会
恐ろしい映画である。何が恐ろしいかってライアン・ゴズリングとジョージ・クルニーとフィリップ・シーモア・ホフマンとポール・ジアマッティが腹の探り合いをするのである。それだけでも恐ろしい。フィリップ・シーモア・ホフマンが上司だったら、俺は速攻で退職する。フィリップに怒られたら二度と立ち直れない自信がある。ポール・ジアマッティを相手にして、嘘をつける自信が無い。ポール・ジアマッティが上司だったら、俺は速攻で退職する。ジョージ・クルーニーを相手にして、目を見て話せる自信が無い。ジョージ・クルーニーが上司だったら、俺は速攻で退職する。ついでに何故俺はこんなに手足が短いのかと苦悩し、引きこもるだろう。そんな一癖も二癖もある面子を相手に心理戦を繰り広げるのはライアン・ゴズリング。この4人の演技合戦だけでも見応えがある。
話の方はと言うと、これがまた血も涙も無い選挙の裏側である。あらゆる手段を用いて勝とうとする両陣営、陰謀、裏切り、復讐、そして大義を失っていく男たち…。実録ヤクザ映画さながらの権力闘争が描かれる。そしてクライマックス、ド腐れ人間模様を通過したライアン・ゴズリングの綾波レイもかくやと言った感情を無くした顔が絶品。
本作は政治的な「仁義なき戦い」である。ドスや銃撃戦の代わりにスキャンダルや心理戦があるのだ。「エレクション・黒社会」という裏社会の地獄の様な選挙を描いた傑作があるが、表社会の選挙も中々エゲつない。政治を題材にしたヤヤコシイ映画と思われがちだが、大学生レベルのスキャンダルに振り回され、ヤクザばりの野心でぶつかり合う大人気無い人達の物語なので、多くの人が楽しめるだろう。暴力の無い「仁義なき戦い」が観たい方、必見である。
スーパーチューズデー


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映画の感想【捜査官X】

ネタバレがあるので一応注意。続きを読む

映画の短文感想【第7鉱区】【母なる証明】

第7鉱区】…★★★★☆

あらすじ
石油採掘をしていたら地下から化け物が!

炸裂!アン・ソンギ
劇場で見てから一年くらい経つが、感想を書くのを忘れていた。ちょうどDVD化されたので、これを機会にちゃんと書いておきたいと思う。
まず最初に断わっておくが、この映画に新しい事は何も無い。タイトルが若干似ている「第9地区」のような捻りの効いた演出や脚本も無いし、同じく韓国産のモンスター映画「グエムル 漢江の怪物」のようなユーモアや悲哀を感じさせる絶妙な「セオリーからの逸脱」も無い。ただただモンスター映画の基本に忠実に作っている。この類のジャンルに関心が無ければ、これは「ちょっと面白いB級映画」にしか見えないだろう。だが、そういう映画に関心がある人なら、恐らく気に入る一本だ。むしろ、これほど真摯に「モンスター映画」というジャンルに向き合っている映画は貴重だ。スシ・タイフーン系の映画を見かけると暗い気持ちになる人は必見だろう。怪物はちゃんと怖い感じで演出されているし、兎に角しぶといのが良い。登場人物もアグレッシブなキャラが多く、各々にちゃんと見せ場が用意されているのも好印象だ。魅力的なキャラがボロボロになりながら男気を発揮して化け物と闘う…やはり化け物とのバトルはこうでなくては。あとヒロインがタンクトップなのも良かった。やはり女優はどんな映画でもタンクトップになるべきだ。日本でも芦田愛菜から八千草薫まで、全ての女優は劇中でのタンクトップの着用を義務付けるべきである。
そして本作の最大の見どころは、アン・ソンギの大活躍である。アン・ソンギというのは韓国のベテラン俳優だ。韓国俳優界の長老的な立ち位置にいる人物で、今日でも様々な映画で存在感を発揮している。そんな国民的なベテラン俳優が化け物と闘う映画に出ているのも凄い話だが、更に主役が霞むほどの大活躍をしているのが凄い。そもそも本作の監督キム・ジフンは、軍が市民を虐殺した歴史的な悲劇「光州事件」を描いた真面目な映画「光州5・18」で、何故かアン・ソンギを元特殊部隊の隊長というアクション映画全開の設定でブッ込み、アン・ソンギが機関銃を乱射して軍隊を蹴散らすと言う快シーンを撮った男だ。アン・ソンギに何か特別な思い入れがあるのだろう。化け物に一歩も臆する事なく、男気を発揮して大活躍するアン・ソンギは異様にカッコいい。これだけでも本作は成功していると断言しよう。渋いオッサンが凄まじい男気を発揮し、その傍らでタンクトップの女性がボロボロになりながら化け物と闘う映画が好きな人、必見である。
アン・ソンギ


母なる証明】…★★★★☆

あらすじ
ウォンビンのオカンが大暴走。

マザーズボーイ
韓国映画界の鬼才ポン・ジュノの一本である。殺人の容疑をかけられて逮捕された息子を救うべく、母はあの手この手で事件の裏に潜む闇を探ろうとするが…という一本。主演はキム・ヘジャという人で、これで初めて知ったのだが、向こうでは大変有名な女優さんらしく、『国民の母』と呼ばれているらしい。狂気に近い愛情を炸裂させる母を好演しており、冒頭のダンスシーンから圧倒的な存在感で映画を牽引する。殺人の容疑をかけられる息子役は、「アジョシ」の17人瞬殺シーンで男を上げたウォンビン。フォレストガンプ状態の青年を見事に演じている。狂気に満ちた物語ながら、随所にユーモアが散りばめられており、。真犯人探しのサスペンスと「親子の絆」、そして人間の哀しみ、そう言った要素がキッチリと描かれている。色んな意味で「巧い」という言葉が一番シックリ来る一本だ。もう薄々気が付いている人もいると思うが、もう特に思い付く事が無い。「普通に面白い」という以外に特に書く事が無い。「普通に面白い」以外に言う事が無いレベルで面白いので、普通に必見である。
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映画の感想【ドライヴ】【ゾンビランド】

ゾンビランド】…★★★★☆

あらすじ
ゾンビによって崩壊したアメリカ。生き残っていた引きこもりの少年(ジェシー・アイゼンバーグ)は道中でゾンビハンターのタフガイ(ウディ・ハレルソン)、美人詐欺師姉妹と出会う。

Free School Of The Dead
青春ゾンビ映画である。しかし、ちゃんとハラハラさせるように作ってあるのが偉い。登場人物全員が良い奴らで、観客に「こいつらに死んでほしくないなぁ」と思わせる事でサスペンスとホラーを成立させている。ギャグも良い感じだ。無人のお土産屋でバカ騒ぎをする辺りも良い。やはり終末映画はこういうのが良い。倫理観や思想がケツを拭く紙にもならない世界に放り出され、特にやる事が無くなってしまい、グズグズとやるから良いのだ。哀しみとユーモアとアクションがちゃんと同居しているという点でも、これは紛れも無いゾンビ映画である。
そして、「ソーシャルネットワーク」でアメリカ最強の文化系男子俳優として確固たる地位を築いたジェシー・アイゼンバーグと、「スーパーバッド 童貞ウォーズ」で文化系男子のミューズとなったエマ・ストーンが共演していると言うのも見どころだ。猪木VSアリに匹敵する頂上対決と言って良いだろう。そんな二人を見守るのは親父がマフィアの殺し屋というハリウッド最強のナチョラル・ボーン・無頼派俳優ウディ・ハレルソン。そして人気子役アビゲイル・ブレスリンと本人役のビル・マレーが脇を固める。ハリウッドの中でも一癖も二癖もある連中が集った、ヘンテコでささやかな愛すべき一本である。ド直球のブロックバスターからこういった小さな作品まで、振り幅の広さがあるのがハリウッドの良い所である。ゾンビものであるが、そんなにエグいシーンも無いので(そこら辺はレイティングがあるので直接的な描写を控えて上手く処理してある。このしたたかさ!)、爽やかなゾンビ映画が観たいと言う無茶な希望がある方は必見である。

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ドライヴ】…★★★☆☆

あらすじ
その卓越した運転技術を武器に、ロスの黒社会で“逃がし屋”として活躍する男(ライアン・ゴズリング)。ある時、彼はアパートの隣人である女と知り合う。男と女は良い感じに打ち解けていくが、その女には服役中の旦那がいた。しかも出所した旦那はム所で知り合った連中から脅迫を受けていた。このままでは女にも危害が及ぶ。とにもかくにも金が必要だ。男は旦那の立てた強盗計画に加担する事にするが、その時想定外の事態が…。

REAL HUMAN REAL HERO
前半は恐ろしく退屈だった。ひたすら静かな…、「抑制の効いた」と言えば聞こえは良いが、とにかく淡々と時間が過ぎていく。確かにロスの夜景や、そこに被る80年代風のエレクトロ風BGMは決まっている。だが、それ以外はとにかく退屈だった。基本的に話は殆ど動かず、主人公とヒロインの何気ないやり取りが静かに描かれるだけだ。正直に言うと寝かけた。
しかし、この「退屈さ」が、後半になると効果を発揮してくる。
後半になると話が急激に動き出す。とは言えこの映画の物語自体は、これまで何百回も描かれてきた様な有り触れた話だ。しかし、この映画はそんな何百回も観ている物語に緊張感を付加している。これは、それまで普通のアクション映画ならばカットされるような描写が続いたせいだ。前半部分が普通のアクション映画なら絶対にカットするような、どうでも良い日常に費やされている為だ。アクション映画のセオリーを無視した前半のせいで、後半からアクション映画的な展開になった時に「この映画にはアクション映画のセオリーが通じない」という緊張感を付加する事に成功している。「ひょっとしたら、あの銃弾がいきなり当たるかもしれない」「いきなり家族がブチ殺されているかもしれない」そんなセオリーを無視した事が起きるのではと、ついつい考えてしまう。
これは主人公のキャラクターにも言える。アクション映画の主人公は超人である。本作の主人公“ドライバー”も、超絶テクニックを持つタフガイであり、アクション映画的なヒーローだ。しかし、前半部分で彼が「人間」である事、それに加えて基本的に良い人である事が執拗に描かれている。確かに“ドライバー”は寡黙で謎が多く、おまけに変なスカジャンを着ている奇妙な男だが、人と触れ合えば笑うし、普通の仕事もしている。普通の人間としての一面もあるのだ。そんな普通の人間である彼がアクション映画的な状況に巻き込まれると、例えばセガール映画でセガール先生の動向を見守るような安心感は皆無だ。しかし、では変なリアル路線に行くかと言うと、そういうわけではない。この映画は「アクション映画のタフ・ガイ」を一度地に足を着けさせた後に、再びタフ・ガイとして飛翔させる。危機が迫った時、ドライバーは圧倒的な暴力と、失禁物のドライビング・テクニックを駆使して悪党共をシバキ倒す。それまでの退屈に思えた前半部分が無ければ、後半の緊張感とカタルシスは生まれなかっただろう。
何ともヘンテコな映画ではあるし、前半部分は本当にキツいと思う人も多いだろう。私もレッドブルを飲んで翼を授かっていなかったら多分寝ていた。しかし、映画が終わる時にはそれらには全て意味があったと思えるし、納得も出来る。そしてサソリ柄のスカジャンという難易度の高すぎる服を完璧に着こなす、ハリウッドの台風の目となりつつある男、ライアン・ゴズリングの異常なカッコよさを目撃する為だけでも必見だと言えよう。

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