鬱病になったんですが、氷室京介にハマりました。

鬱病になった原因は仕事のせいなんですが、細かい話は書けるようになったら書きたいと思います。とにかく最初は何か体の調子が悪いなぁ、何かやる気が出ないなぁ、気の迷いかなぁ……と思っていたのですが、3日間くらい一切眠れないわ、体は動かないわ、突然に失神するわ、街を歩いていたら急に号泣しちゃうわで、もう精神的にも肉体的にも弱りに弱ったわけです。で、家でテイラー・スウィフトの「ロミオとジュリエット」を題材にしたヒット曲「Love Story」を聴いたときに、「ロミオが迎えに来てくれて本当に良かった」とオイオイ泣いてしまいまして、これは本当にヤバいと思って病院に行ったんですよ。そこでちゃんと診断をされて、薬を処方されて、最近はようやく落ち着いてきたんです。折り合いをつけられるレベルになってきたというか。もう本当に病院最高という感じです。ちょっとでもヤバいと思ったら、とりあえず病院に相談に行きましょう。

話を氷室京介に戻します。そんな人生のドン底状態だった私を救ってくれたのが氷室京介なワケですよ。なぜ氷室京介なのか?と言いますと、そのキッカケは自分でもよく分からないんですね。別に昔から聴いていたわけではないんです。病気になってから流れ着いたと言いますか。

「流れ着 いた」というのは、精神的に凹み切った時に、それまで好きだったはずの音楽や映画が受け付けなくなってしまったんですね。それまで映画は「殺してやるぞ!」的なやつ、歌だと「教会を燃やせ!」「闘え!」みたいな歌が好きだったんですが、そういうのが聴けなくなってしまったんです。「殺せ!」にしろ「燃やせ!」にしろ、つまりは「頑張れ!」と鼓舞する系統のモノなんですよ。そういうのが凄くキツくなったんです。あとは「僕は君の友達だよ。一緒に頑張ろう」とか「ボチボチ頑張ろう」とか「俺はダメ人間だぁ!」系のヤツもキツかった。とにかくもう何もしたくない。前も後ろも見たくない……そんな気分だったんです。

で、そんなときに偶然にも氷室京介の歌を聴いたんですね。すると ポカリスエットのようにスッと心に入ってきたんです。それからは氷室京介をドンドン聴くようになっていきました。なんで氷室京介だけは入ってきたのか?今になって思えば、これは氷室京介のやっている音楽の特殊性にあるんじゃないかなと。

個人的に氷室京介の音楽というのは、社会に物申すぜ!とか人間かくあるべし!みたいな感じじゃなく(そういう要素が皆無だとは言いませんが)、主軸は「いかに氷室京介がカッコいいか?」だと思うんです。ラブソングにしたって「愛とは何か?」みたいなのじゃなくて、「ラブソングを歌う氷室京介がいかにカッコいいか?」を表現してるんじゃないかと(※あくまで個人の感想です)。ある意味で、AKBやジャニーズなどのアイドルたちの活動が、「この子たちを一番魅力的に見せる」の1点に集約されているのに近いんじゃないかなと。ただ、アイドルは それを事務所とかが主導でやってるわけですが、氷室京介の場合は氷室京介自身がやってるわけです。つまり氷室京介は氷室京介という存在その物をひたすら高めているんです。ロスに行ったり、いろんな作詞家と組んだりして、あらゆる手を使って自分のカッコよさを徹底的に追及していく。ひたすら高いところへ昇って行く感じです。

一方の私は地面にいるわけですよ。で、空へドンドン昇っていく氷室京介を見上げるしかない。ここが重要なんです。前述のように、前も後ろも見たくないという気分になっていた私に「上を見上げる」という新たな視点を教えてくれたわけです。「カッコイイ……」と、星を見上げるように呆然と 見てしまう。まさにスターなんだなと。氷室京介はひたすらカッコよ く、そのカッコいい氷室京介を見上げるだけなんです。説教をしてくるわけではなく、松岡修造的に何かを押し付けてくるわけでもない。ただただカッコイイ氷室京介を見せてくれる。カッコイイ場所にいてくれる。こっちはそれを見上げる。その距離感が心地よかったんですね。

で、そうやって氷室京介の音楽を聴いている内に、少しずつ音楽の門が開けてくると言いますか、普通に音楽が聴けるようになっていったんです。最近は以前のように「殺してやる!」系の曲も聴けるようになってきました。本当に良かったと思います。

つらつらと書いてまいりました。これは完全に私の個人的な話です。途中で挟んだ氷室京介論も、氷室京介や、他の氷室京介ファンの方に知られたら「テメー何を言ってる んだよ 」とボコボコにされるかもしれません。しかし、とりあえず人生に絶望していた時に、そこに一筋の光となって現れてくれたこと。そして、そこから少しずつ回復してきて、今では「頑張ろう」という気持ちになったのは、氷室京介のおかげです。そのことは何処かに書いておきたかった。

氷室京介は耳の不調などを理由に、近々引退するということです。寂しいですが、一ファンとしては、「お体だけはどうぞ大事に」と思うばかりです。ありがとうございました。