2011年02月15日

中国が侵略した内モンゴル、ウイグル、チベットからの警告

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2011年3月号記事
http://www.the-liberty.com/


国が滅ぶ理由2011.01.29


「外交の鉄則」を固めよ

内モンゴル、ウイグル、チベットからの警告



●理由④ 目先の利益のために中国を招き入れた
中国民族問題研究会代表  殿岡昭郎

(とのおか・てるお) 1941年栃木県生まれ。慶応大学大学院法学研究科博士課程修了。駒沢大学講師、東京学芸大学助教授などを歴任。その後、約20年にわたりタイに居住し、インドシナ難民支援活動に従事。著書に『尖閣諸島灯台物語』(高木書房)などがある。


 私は中国に侵略された3民族の支援活動を行っていますが、日本人に警鐘を鳴らす意味で、あえて「侵略を許した理由」を分析してみます。
 
 まず内モンゴルですが、ある時期から王族・貴族が、満州族や漢族に遊牧地を切り売りして金儲けを始めました。目先の利益のために、彼らを招き入れた結果、民族の生業である牧畜業が成り立たなくなった。
 ウイグルは、シルクロードに代表されるように民族間の交流が激しい地域で、近代以降も国家意識の形成が十分に成熟しないまま、国際政治に翻弄されたと言えます。

 チベットは、ダライ・ラマ13世が、近代的な官僚機構や軍隊の整備、国際連盟への加入などを目指しましたが、既成勢力である貴族や僧侶が反対した。連盟に加入して国家として広く認知されていたら、人民解放軍の侵入はなかったかもしれません 

 もちろん、周辺国が国際会議で勝手に物事を決めたことなど、同情すべき点はたくさんあります。でも、国際社会は厳しいもので、一度決まったことを変更するには、当事国は気が遠くなるほどの努力や時間を費やさなければいけません。



難民キャンプでは強奪や人身売買が横行 私は40代の頃、タイ国境の難民キャンプを訪れました。そこには、ベトナム戦争で共産主義勢力に国を追われたベトナムやラオス、カンボジアなどの人々がたくさんいました。

 キャンプは、国連や地元の軍隊が警護し、食料や物資などの人道支援もありましたが、それは日中の話。夜には、公然と食料や金品の強奪、物資の横流し、麻薬、人身売買、強姦が行われ、かつての王族や政府・軍の高官など、老若男女が無差別に被害に遭う。驚くことに、加害者の多くが昼間は警護をしている警察や軍隊でした。 

「国が滅びることは、どれだけつらいか。国民はどれだけ苦しむか」ということを嫌というほど思い知らされました

 今、多くの日本人は、国家の大切さを認識せず、「ボーダレス経済」と言って、商売さえ上手くいけば国家なんて関係ないという風潮があります。

 でも、現実は国家単位で政治が行われ、国家がなければ政治に参加することも、自分たちの意思を反映することもできません。3民族の人々が、声を枯らして「自分たちの国がほしい」と叫ぶ意味を理解すべきです。



国家は主張し、議論し、ときには対立する
 尖閣事件をはじめ、最近の民主党政権の外交姿勢を見ていると、「日本は本当に独立国家か?」と感じます。すべての物事を中国の顔色をうかがいながら決めている。外国に対して何も言えない政府は、独立国の政府として資格を欠いています。

 もちろん、日中友好は大事ですが、国として譲れないことがあれば、主張し、議論し、ときには対立しなければいけない。それが独立国家の姿です。

 それは個人も同じ。友人と仲良くしたいけど、意見の食い違いや利害の対立がある。そのとき、自分の主張を通すか、相手の意見に同調するか。

 尖閣事件でも、民主党政権は中国に対し、堂々と「国際司法裁判所に提訴しよう」と言えばいい。中国は彼らの領土であることを示す証拠がないので絶対に乗ってきません。しかし、そのやり取りをオープンにすれば、世界に日本の正しさを示せる。それが外交というものです。 

 厳しい話になりましたが、私は日本の未来を悲観していません。日本にもまだまだ人材がいるはずです。幕末の人口や情報伝達手段と比べたら、現在、坂本龍馬のような人物が100人出てもおかしくない。国民一人ひとりが、「国を支えるのは自分だ」という気概を持って、それぞれの立場で国難に立ち向かえば日本は大丈夫です。(談)




hermes1230 at 08:58コメント(0)トラックバック(0) 

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