050427_0154~001.jpg感動した。
角田光代は私と同世代だ。まるで私の心を知っているよう、私と同じときを過ごしてきたような高校時代、そして大人になった今の女性像が描かれている。すごいのは、一方の心情に深く触れながら、一線を画したもう一方を深く描いている。しかしすべての別々の世界のものがひとつにつながるような心の普遍性も表現できている。
なんて、とっても抽象的な事しかかけないが、今の私は涙でまぶたが熱く、言葉にならない。
人を傷つけてしまうときは自分の傷を追っている時。幸せを感じるときは、傷を超えて人と出会えた時。それは自分を含めた出会いでもあるはず。そんなことを思った。

なんだか私自身の事を書かれているような気がして、この本を人に貸そうか、やめようか躊躇してしまう。読んでよかったと久々に思えた一冊だった。