2010年05月18日

あきめくら

c4afc389.jpg寒さが緩んで参りますと、頑なでございました我が心にも余裕ができ、道端の風物や人の心にも目が行くものでございます。

誰も彼もが哀しいくらいに優しく直向きに健気に生きているのに、上手く往かない事ばかり。

私は元来、対人恐怖症でございますから、人を避けて生きております。
私のようなつまらぬ人間と時間を浪費させてしまっては相手に申し訳なく思います故。

時に人の真心に触れた時には己の愚かさに落ち込み、自己嫌悪に地中深く沈んでしまいたくもなるのでございます。

大好きな人達と交わる事のできる強さと優しさを持つことができますように。


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2010年05月09日

子守唄

dc556d20.jpg母様

生まれた時から貴女様とは、怒ったり笑ったり泣いたりどつき合ったり、本当に忙しい日々でございます。今もなお。

故郷離れ幾年
今日までには貴女様を恨んだこともなじった事も、多々ありましたのに今思い出すのは一緒に行ったお祭りの事や一緒に食べたお好み焼きの事や作ってもらった酢の物の味や夜遅くまで話した事や、羽衣あられ、養老漬け、塩っぺ、二重焼き、甘酒アイス、…。
楽しかった事と貴女様の好きな食べ物のことばかりでございます。
喧嘩した事の方が多かったくらいですのに忘れてしまいました。

いつもあれほど二人きりでしたのに旅立ってしまった私でございます。

母は哀し…

泣かせ、悲しませ、重ねた不幸の数々を懺悔の気持ちを込めて今年もまた赤い花を贈ります。


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2010年04月11日

無常

2a272449.jpg私が連続公演に夢中になっている間に、近所の古い小さな漬物屋さんが廃業閉店しておりました。

いつも店主の老人が椅子に腰掛けていた、樽の並んだ店先はシャッターが閉まり、別れを告げる貼り紙だけが哀しく残されておりました。

明治32年よりこの地で営んで来た○澤商店よ、さらば。何度か奈良漬けやらっきょうを買いました。
伝統や歴史というのは人を納得させるのだと確認させるお味でございました。

そんなに懇意にすることもなく、貴店の廃業を嘆く私の身勝手を御許しください。

跡地に、今後何ができるのでせうか。
まだ貴店の姿があるうちは、通りがけにはせめて敬意を表し黙祷することにいたしませう。


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2010年04月09日

香に迷う

db235ecc.jpg生々しく背に大滅亡の傷痕が消え残るせいか、まだ私の阿部定が愛し恋しの吉さんに抱かれたいと哭きますので…

世間のことは虚ろなまんまで生きております。

今少しだけ、御容赦ください。

君が情けを
仮寝の床の
枕片敷く
夜もすがら


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2010年04月08日

永訣の花

19020ace.jpg人も桜も

散るために咲く

人生は残酷物語でございます。


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2010年04月06日

a45e0963.jpg 時の流れを止めて 変わらない夢を見たがるものたちと闘うため

幕が開くのを待つ間、流れる中島みゆきの歌声に胸かま詰まってなりませんでした。

思えば初めて会った時、まだ子供だった白永歩美ちゃんが、気遣いのできる素敵な女の子になり、時には大人にさえ見えるのを、嬉しいような淋しいような気持ちで見ておりました。
あと何年、今のみんなとこんな素敵な時を過ごせるのでせうか。
どうかどうか、いつまでも続いてください。みんな大好き。私の血をあげる。

大切な大切な月蝕歌劇団。


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2010年03月30日

牡丹

febebb46.jpg魔物、妖怪、もののけ
そんなもの達が愛しくてたまりませぬ

暗闇の方が真実の姿がよく見えるものでございます。

妖女・鶴原ツル子

安らかに眠れ

私だけは永遠に貴女の味方でございます故…


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2010年03月17日

梅にも春

fe35a9a3.jpg日本古来の物達を私は愛し崇拝しておりますが、あの順番だけは合点が行きませぬ!

絶対に

絶対に

梅竹松

でございましょう!

見た目も色香も語感も、圧倒的に梅竹松!

絶対に梅竹松

寒さに耐えるかの如く、強く品良く控え目な香りを漂わせ忍び咲く。
そんな花に私もなりとうございます。
不老長寿よりも、節目正しさよりも、冬に咲く花の方が粋ではございませんか。

だから絶対

梅竹松!


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2010年03月14日

金平糖

75d8aed5.jpg母様
覚えていますか?

あれは五歳か六歳か、お風呂場で遊んでいて中耳炎になり、泣く私の口に母様が白い指から与えへ給ひし赤白黄色の金平糖。

泣きながらじゃりじゃり食べた甘くて優しい金平糖は私の母の味でございます。
涙で潤んで見えた母様の笑顔の美しさよ…。


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2010年03月03日

春の弥生のこの善き日

1a3121ee.jpg七段飾りに憧れ続けて何度目の雛祭り…。

五人囃子も三人官女も、御所車も鏡台も、ぼんぼりさえもなかったけれど、母様と二人で小さなお雛様を飾り、甘酒とあられでお祝いした雛祭りはとても楽しいものでございました。

今ではあのお内裏様とお雛様だけの簡素な雛人形が、私には丁度良いような気がいたしております。


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