厚生労働省は、40〜64歳の末期がん患者に対する介護保険の適用範囲について、すべてのがんを対象にするとともに、「末期」かどうかの判断は、医師が「治癒困難・不可能」と診断した場合とする方針を決めた。
余命期間や、がん告知の有無などは問わない。
医師ら専門家による研究班の検討結果を受けたもので、関係政省令を改正し、2006年4月から給付対象に付け加える。
現行制度では、介護保険を利用できるのは原則65歳以上。40〜64歳は、初老期の認知症=痴呆(ちほう)など、加齢に伴う15種類の特定疾病に限定され、この中にがんは含まれていない。しかし、在宅の末期がん患者の間からは介護保険の適用を望む声が強く、政府・与党は今年2月に、末期がんを特定疾病に加える方針を決定。がんの種類や末期の定義をどうするかが懸案事項となっていた。
同省では、がんを一つの疾患としてとらえた場合に、発症の状況などから、乳がんや子宮がんなども、「加齢に伴う疾病」と考えられると判断。
また、余命期間を正確に予測することは困難であることから、進行性のがんで、医師が総合的に治癒が困難あるいは不可能と診断すれば、給付対象とすることが適当とした。
(読売新聞) - 11月12日15時44分更新
厚生労働省は9日の中央社会保険医療協議会(中医協)で、医師による禁煙指導を公的医療保険の対象とする方針を示した。2006年度の実施を目指す。
厚労省はこれまで、禁煙は個人の意思の問題と位置づけてきたため、禁煙指導は全額が自己負担だった。しかし、喫煙による体調不良や肺がんなどが医療費増加の一因となっているとみて、医療費抑制のため、禁煙指導を積極的に促すこととした。「ニコチンの禁断症状」を一種の病気ととらえ、公的医療保険の対象とする。
初診でニコチンへの依存度を医師が評価、一定期間後に禁煙状況の確認や、ニコチン摂取量の測定などを行う。
財団法人医療経済研究機構の調査では、喫煙による超過医療費(1999年度現在)は1・3兆円、労働力の損失(同)を5・8兆円と推計している。
(読売新聞) - 11月10日0時18分更新