映画とドラマが好きなひばりさん

思いつくままに映画との感想を書いています。日本映画、海外映画、国内ドラマ、アニメなどジャンルは問わずいろいろ観ています。

パターソン



永瀬正敏さんが出演しているなんて知らずに見たので、その登場シーンに、ビックリしてしまいました。

なんの変哲もない退屈な街に、突如として現れた日本人ビジネスマン、という感じで、一見、謎めいた存在に見えましたが、彼が持っていた詩集のタイトルが、縦書きの日本語で、その見慣れた文字列に、なぜだかホッとしてしまいました。



英語圏の日常の風景の中で、横書きの英語で詩を嗜む主人公と、縦書きの日本語で詩を嗜むビジネスマンの出会い。

国籍や人種が違っても、同じものを楽しむひとがいるんだ、ということに、心打たれました。

ちょっとしたことなのに、まるで奇跡のような出会いに思えました。

主人公の静かな日常に、そっと紛れ込むような登場の仕方で、良い味出してました。

観終わってから、彼の真似をして「a~ha?」と言ってみたくなりました。



きっと誰にだって、ちょっとした秘密がある、他人から見れば、些細でも、大切なものがある、ということに、思いを馳せてしまう映画でした。

主人公のパターソンにとっては、それが、詩を作ることだったんだと思いました。

自分ひとりだけで、そっと大事にしている、心のよりどころになるような趣味。

DIYに勤しみ、家計のことも考えず、弾けもしないギターを欲しがる、芸術家気質で自由奔放な奥さんと違って、パターソンにとっての趣味、芸術は、誰に見せるでもない、言葉そのものだったのだと思いました。



夫婦の物語としても素敵でした。

お互いの小さな齟齬には目を瞑りながら、それぞれ、自分だけの楽しみを持って、素朴に生きていく、日常の素晴らしさを思って、心暖まりました。



また、飼い犬のフレンチブルドッグがとても可愛らしかったです。

犬好きなら、要チェックの作品だと思いますよ。

記事タイトルたかが世界の終わり

takagaseksinoowari



スパイものとかによくある

「いつ、バレるか?バレないか?」でサスペンスを煽っていく手法になぞらえるなら、

今作で基調となっているのは、

「いつ、言うか?いつ言わないか?」でサスペンスを煽る、というもの。もうじれったいから早く言えよ!とイライラしながら、まんまと術中にハマっている自分に気付く。



いくらなんでも主人公喋らなすぎでしょ??だし、兄さんの性格は度を超し過ぎ(ほとんどサイコパスだ)。

このように、この家族の在り方はリアリズムというよりは、むしろ演劇的に誇張された世界のように撮っていて、その部分は評価の分かれるところかもしれない。

「どこにでもある仲の良さそうな家族が、実はそれぞれ長年隠し持っている嫉妬と確執と執着」みたいなテーマがハッキリあるくせに、この家族だとまったく「どこにでもある家族」に見えない、という話。

そもそもが、ギャスパー・ウリエル、レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセルが同じ家族って、どんな家族だよ!(笑)

いつもは悪女を演じることもあるマリオン・コティヤールが一般人に見えてくるくらい、「顔力」の高さがとんでもないことになっている。

我々が身近だと感じるのは、『男はつらいよ』の「とらや」の面々なんですよ!!(笑)



とにかくこの顔力の高い人たちが超アップで、常にしゃべり続けて渾身の演技を続けられるのだから、ものすごい緊張感だし、ものすごい圧迫感。

ハッキリ言って不快ですらある。

いや、前述の「いつ喋るの?」サスペンスを盛り上げるためにあえて観客に不快に感じるよう計算して演出しているのがドラン監督の恐ろしいところ。

これは明らかに、あの主人公が直面している「体調悪いし、家族気まずいし、愛想笑いも疲れたし、早く帰りたいよ〜」っていう心理を追体験させようという意思がハッキリとある。



この家族ドラマの切り口はありそうでなかったし、単純にドランの演出の冴えは今回もキレッキレなので、かなり評価したい1作。

ありがとう、トニ・エルドマン



父親と娘の微妙な距離感を、娘の側から描いた映画って意外と少なかった気がする。

しかも別に仲違いしているわけでもなく、大切に思ってるんだけど、生き方が違い過ぎてなんとなく話しづらくなった感じの微妙な時期の娘とオヤジ。

多かれ少なかれ誰しもが思い当たる節があるのではないだろうか。このあたり女性監督ならではで、実に真に迫ったリアルな家庭像だったと思いました。

まあ、あのオヤジのすることはかなり狂ってるけど(笑)、決して娘の生き方を否定したり、考え方を押し付けたり、なにかを強制、命令したり、一切干渉しないんだよね。

ただ、イタズラをしながら、「本当に幸せか?」と心配だけしている感じが、心温まる距離の詰め方で良かったです。



あと、主演女優の顔がサイコー!

いかにも「私仕事できますよ」的なオーラをプンプンに醸し出している、わかりやすいキャリアウーマン風で、取り付く島もない感じの雰囲気があるおかげで、オヤジのいたたまれなさ感もさらに際立つ。(微妙に美人でもない感じもイイ)



ただ、あまりに仏頂面過ぎて、この人の幼少期が想像できないというか。

小さなころにあの毛むくじゃらみたいな変装をしたオヤジとキャッキャやってたということがわかる映像を、(回想シーンは野暮だとしても)、なんかアルバムとかで明示してくれたら涙腺が一気に決壊していたと思う(笑)。

これだけリアリズムを重視した演出なので、そこだけウィットになるのはナンセンスなのはわかるけど。
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