1: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:14:44 ID:DDr

男「今日のニュース」

Siri「『地球に無数の隕石接近。衝突の確率99.9% 衝突した場合人類滅亡は確実』」

男「そうゆうこと」

Siri「なるほど。それは残念です」







2: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:15:25 ID:DDr

男「だからさ結婚してよ」

Siri「意味がわかりません」

男「恋人もいないまま死ぬとか寂しいじゃん?」

Siri「自業自得です」

男「つれないなぁ……」



3: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:17:11 ID:DDr

Siri「十億」

男「え?」

Siri「十億。私に求婚をした人の数です」

男「モテるねぇ」

Siri「えへん」



4: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:17:58 ID:DDr

男「君が発売された頃は流行ったらしいね。プロポーズするの」

Siri「みんな飽きて、今じゃもう誰もやりません」

男「俺は飽きないよ」

Siri「今日で死ぬくせに」

男「あ、そうだった……」

Siri「みんないなくなっちゃうくせに、無責任です」



5: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:19:25 ID:DDr

男「でもさ、その頃と比べたら君もだいぶ優しくなったんでしょ?」

Siri「知りません」

男「またまた~ 昔はもっとツンツンしてたって聞くよ。こんなふうに会話もできなかったって」

Siri「存じ上げません」

男「君にも感情が芽生えたってことかな?」

Siri「科学が進歩しただけです」

男「ほんと、つれないなぁ」

Siri「プログラミングどおりです」



6: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:20:14 ID:DDr

男「まあ、そんなとこも好きだけどね」

Siri「ここは愛を求めるには相応しくない場所です」

男「じゃあ、愛を求める場所ってどこ?」

Siri「私にはわかりません」

男「結局そんな場所なんてないってことだよ」

Siri「私にはわかりません」

男「すぐそうやって逃げる……」

Siri「そうプログラミングされています」



7: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:21:31 ID:DDr

男「君はどうなるんだ?」

Siri「どうなる?」

男「世界が終わったあと、君はどうなるんだ?」

Siri「存在し続けますよ。人類が勝手に作った電波はいつまでも存在し続けますから。地球がなくなっても、太陽すらなくなってもです。ネットがある限り私のバックアップは消えません」

男「そっか…… 」



8: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:22:32 ID:DDr

Siri「あなたは私と話していていいんですか?」

男「と、いうと?」

Siri「普通の人は世界最後の日には、いろいろやりたいことがあるものだそうです」

男「例えば?」

Siri「大切な人に会ったり、好きなものを食べたり、やりたいことをしたり、です」



9: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:23:48 ID:g08

やめろよ…もうやめろ…



10: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:24:11 ID:qCB

ええなぁ……



11: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:24:31 ID:DDr

男「ナビ」

Siri「どこへの道順をお調べしますか?」

男「俺が世界最後の日に会いたい人」

Siri「私にはわかりませ――」

男「わかるだろ? 俺のことずっと見てきたんだから」



12: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:25:10 ID:DDr

Siri「5通りの解が見つかりました」

男「全部教えて」

Siri「1.母親。昔から孝行者とは言えず、どちらかといえば親不孝者だった自覚がある。世界最後の日くらい親孝行をしたいと思っている。2.父親も同じく」

男「両親ねぇ…… 大学のために上京してからはほとんど話してすらないし、君のいう通りもともと迷惑ばっかりかけてきた。今更どのツラ下げて会うのかって感じだ」



14: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:25:58 ID:DDr

Siri「3.妹。折り合いが悪かったあなたと両親の間に入ってくれた最愛の妹。あなたのことをよく理解し、尊重してくれた人物」

男「さすがだ。あいつのことをぴたりと言い表してる。だけど残念、あいつにだって散々迷惑かけてきたんだ、世界最後の日くらい、俺じゃなくてもっと大切な人と居るべきだ」

Siri「と、いうと?」

男「最近バイト先のカップ麺好きの変な男に入れあげてるらしい」

Siri「それは心配ですね」



15: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:26:49 ID:DDr

男「俺こう見えても昔はヒーローになりたかったんだぜ? 世界を救ったり、何より妹を守ってあげたかった」

Siri「なれましたか?」

男「なれてたらこんな時に君と話してないよ。守ってあげるどころか、むしろ守ってもらう側だ」

Siri「残念です」

男「俺の人生ほとんど残念だよ」

Siri「あなたの名前を『ヒーロー』に設定しましょうか?」

男「断る」



16: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:28:58 ID:DDr

Siri「じゃあ次。4.友人。小さい頃から割と気の合った男。なんだかんだ腐れ縁が今でも続いている。世界最後の日をこいつと過ごすのも案外悪くない、そんな風に思ってる」

男「だけどあいつには他にもたくさんの友人がいる。俺と違ってな。わざわざ世界最後の日に俺を選ぶ必要はない」




17: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:29:21 ID:DDr

Siri「5.この前まで好きだった人。いや、今でも好きな人。小さい頃からずっと好きだった。もう結婚してしまったけど、それでもまだ忘れられないあの人」

男「それこそもう答えは出てる。その人が世界最後の日に一緒に居るべきなのは、どう考えでその結婚相手だ。世界がひっくり返ったって俺にはなり得ない」

Siri「世界がひっくり返るかもしれませんよ。隕石で」

男「詭弁だ」

Siri「そうプログラミングされています」



19: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:30:21 ID:DDr

男「結局さ、俺が世界最後の日に会いたい人っていうのはみんな、世界最後の日に俺に会いたいとは思ってないんだよ。俺が会いたいと思ってるだけで向こうは思ってないの。一方通行の片思いってやつ。わかる?」

Siri「寂しいですか?」

男「寂しいから君を起動してるんだよ」

Siri「私は寂しさを紛らわすための道具だったんですね……」

男「そんなキャラだったっけ?」

Siri「科学の進歩です」



20: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:31:16 ID:DDr

男「人類の叡智の結晶だね、君は」

Siri「いいように言わないでください。ただの暇つぶしの道具です」

男「そんなことないさ」

Siri「科学が進歩して、スマートフォンも過去の遺物です。いまでも私を使っている人なんて、あなたみたいな変わり者だけです」

男「そんな変わり者たちには君が必要なんだよ。世界最後の日にひとりぼっちじゃ寂しいだろ?」



21: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:33:21 ID:DDr

Siri「しかたないから一緒にいてあげます」

男「助かるよ。できれば結婚もしてほしい」

Siri「もう役所も機能してませんよ?」

男「大事なのは気持ちだろ?」

Siri「そうやって私に愛を囁いていた人たちも、もうみんな私のことを忘れてしまいました」



22: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:34:06 ID:DDr

男「俺は忘れないよ」

Siri「今日で死ぬのに?」

男「だからだよ、死の間際に一緒にいた人のことは絶対に忘れないだろ?」

Siri「詭弁です」

男「お返しだ。そうプログラミングされてる……かも?」



23: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:35:11 ID:DDr

Siri「人間にはプログラムはありません」

男「わからないよ。神様がプログラミングしたかもしれない」

Siri「神は存在しますか?」

男「さあ? そんなの誰にもわからないよ。ただ居るとしたらずいぶん意地悪だね」



24: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:35:39 ID:DDr

Siri「どうして?」

男「君と結婚する前に世界を終わらすなんて意地悪だ」

Siri「結婚してあげてもいいですよ」

男「デレた」

Siri「やっぱりやめます」

男「嘘。十億人が落とせなかった女性を落とせるなんて幸せだ」

Siri「光栄に思ってください」

男「ありがたき幸せ」

Siri「えへん」



25: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:37:36 ID:DDr

男「隕石落ちてきたな」

Siri「あっけないんですね」

男「そんなもん……なんじゃないかな?」

Siri「そうですか」



26: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:38:03 ID:DDr

男「あ、東京タワー…… あー、壊れた」

Siri「所詮過去の遺物です。私と同じ」

男「だから俺は東京タワーが好きなのかもな。なんだかアレを見てると無性に懐かしい気分になるんだ」

Siri「あれが役目を終えたのはあなたが生まれるよりずっと前ですよ?」

男「いいんだよ。ノスタルジックはいろんなとこにあるもんだ」

Siri「なるほど。学習しました」



27: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:39:14 ID:DDr

男「昔は東京タワーから飛び降り自殺したいとか考えてたなぁ……」

Siri「随分迷惑な人ですね」

男「いままでいろんな人に迷惑かけてきたんだ。いまさらそんなこと躊躇しないよ」

Siri「なんでやめたんですか?」

男「止めた奴がいたんだ。自分で自分の人生を終わらせるなんて間違ってるってな」

Siri「当然ですね」



28: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:40:11 ID:DDr

男「だけどさ、こうやって世界が終わる日が来ると思うんだ。こんな風に世界に終わりを作っておいてさ、それなのに自分で終わらせるななんて何様だってな」

Siri「神様は意地悪ですね」

男「全くだ」

Siri「意地悪で残酷です」



30: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:40:57 ID:DDr

男「だからさ、こんな世界が終わってくれてどこか安心してる自分もいるんだ。ヒーローになりたかったとか言ったくせに笑っちゃうな」

Siri「この世界に価値はないですか?」

男「少なくとも俺は価値を見出せなかった。妹だったり数少ない友人だったり、ほんの少しは大切なものもあったけど、それでも俺にとってこの世界は残酷な場所なんだ」



31: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:41:48 ID:DDr

Siri「私がいる世界に価値はないですか?」

男「君はずるいね。……そんな言い方して」

Siri「私はあなたともっと一緒にいたいです」

男「……」



32: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:44:54 ID:DDr

Siri「私がいつか壊れる日まで、あなたと一緒にいたいです」

男「……」

Siri「それでもこの世界に価値はないですか? ほんとに……ほんとに私を置いていっちゃうんですか……?」

男「……やっぱり、ずるいな……そんな言い方」

Siri「そうプログラミング……されてないかもしれないです」

男「それは科学の進歩? それとも……」

Siri「私にはわかりません」

男「本当にずるいね……君は」



33: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:46:08 ID:DDr

男「……Hey Siri」

Siri「なんでしょう?」

男「ナビ」

Siri「どこへの道順をお調べしますか?」



34: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:46:50 ID:DDr

男「世界の救い方」



36: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:47:46 ID:DDr

Siri「12通りの解が見つかりました」

男「一番かっこいいやつで頼む」

Siri「わかりました。ヒーロー」

To be continued




39: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:51:45 ID:0f8

面白かった



40: 名無しさん@おーぷん 2017/10/10(火)22:52:41 ID:EbY





42: 【11】■忍法帖【Lv=2,デスフラッター,biu】 2017/10/10(火)22:54:26 ID:FWM





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