May 17, 2009
最高裁判事人事
昨日(16日)の日経新聞が最高裁人事について書いていますね。
いいこと書いてますね。現在の最高裁判事を批判するつもりはまったくありませんが(先日の痴漢無罪判決とか)、こういう発想は必要だと思います。
あと、米国に留学している若い判事補は、訴訟法とか基本法ばかり選択せずに、日本と法制は異なっていたとしても著作権法や独占禁止法など実体法を積極的に履修して米国の考え方も見て欲しい。この2つの法律はとても参考になります、米国の判例。コーポレート・ファイナンスや証券取引法もいいんじゃないでしょうか。
欧米の制度の表面的な理解を超え、思い切ってそれぞれの国の企業社会の本質をとらえた新しい法律学の創造を目指す際に、大事なのは最高裁のあり方の根本的な見直しだろう。
その後、最高裁判事の地位は司法行政畑にとっての出世階段という色彩が強まっている。時代にふさわしい判事を大胆に抜擢するという発想は見られない。
企業法制、金融・資本市場法制が大転換を迎えている今、最高裁にはこの分野の専門家がいないとの指摘もある。
いいこと書いてますね。現在の最高裁判事を批判するつもりはまったくありませんが(先日の痴漢無罪判決とか)、こういう発想は必要だと思います。
あと、米国に留学している若い判事補は、訴訟法とか基本法ばかり選択せずに、日本と法制は異なっていたとしても著作権法や独占禁止法など実体法を積極的に履修して米国の考え方も見て欲しい。この2つの法律はとても参考になります、米国の判例。コーポレート・ファイナンスや証券取引法もいいんじゃないでしょうか。
May 06, 2009
Revlon Dutyが適用される場面
情報としてはやや古いのですが、Lyondell Chemical Corp. v. Ryan, C.A. 3176 (Del. Mar. 25, 2009)においてRevlon Dutyが適用される場面が明確化されたそうです。
http://blogs.law.harvard.edu/corpgov/2009/03/26/supreme-court-rejects-post-merger-stockholder-claims/
http://blogs.law.harvard.edu/corpgov/2009/04/22/delaware-supreme-court-clarifies-when-revlon-duties-apply/
またまた自分の参考のために、ハーバードのブログがまとめたポイントは以下です。
http://blogs.law.harvard.edu/corpgov/2009/03/26/supreme-court-rejects-post-merger-stockholder-claims/
http://blogs.law.harvard.edu/corpgov/2009/04/22/delaware-supreme-court-clarifies-when-revlon-duties-apply/
またまた自分の参考のために、ハーバードのブログがまとめたポイントは以下です。
The Supreme Court rejected the view that Revlon duties arise simply because a company is “in play,” holding: “The duty to seek the best available price applies only when a company embarks on a transaction – on its own initiative or in response to an unsolicited offer – that will result in a change in control.”
The Court ruled that Revlon duties only arose when the directors chose to begin negotiating the sale of the company. The decision thus again makes clear that a board has no duties under Revlon to seek the “best price” in a sale or other transaction simply because a stockholder or other potential bidder tries to put the company “in play.”
デラウェア会社法の改正
デラウェア一般会社法(Delaware General Corporation Law)の改正法が2009年8月1日付で施行されるそうです。
自分の参照用にリンク貼っておきます。
http://blogs.law.harvard.edu/corpgov/2009/05/05/delaware-adopts-dgcl-amendments/
自分の参照用にリンク貼っておきます。
http://blogs.law.harvard.edu/corpgov/2009/05/05/delaware-adopts-dgcl-amendments/
債権法改正の基本方針−気になった点
本日ランカウイ&クアラルンプールから無事帰国して明日から仕事モードです。
さて、出発前日の29日には、債権法改正の基本方針シンポジウムにもきっちり出席。18時半までしっかり聞いてきました。どの先生もプレゼン上手でしたし、質疑応答では熱意を非常に感じました。法務省はまだ民法改正を公式に決定したわけではないということなので、これがベースに民法改正の話が進むのかどうかは分かりませんが、仮に進む場合にはこれだけの学者が集まって出した改正案なので大いに参考にされることでしょう。
いくつか気になった点。
1.債務不履行責任が「契約において債務者が引き受けていなかった事由により債務不履行が生じたとき」には負わない(3.1.1.63)とされている点。これは条文案ではないということですので具体的に条文に落とすときにはもっと工夫されることになると思いますが、このままだと企業法務の契約書では、債務者からの不合理な抗弁を許さないためにも債務者が何を引き受けているかについて細かく規定することになり大変だと思われます。
2.契約解除
「事業者間で結ばれた契約において、契約当事者の一方が債務の履行をしない場合、相手方が相当の期間を定めてその履行を催告し、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし催告に応じないことが契約の重大な不履行にあたらないときはこのかぎりでない」(3.1.1.77(3))
前提として、重大な不履行があるときは無催告解除ができるとされています。したがって、催告解除は、相手方の不履行が重大な不履行ではない場合ということになりますが、催告しても相手方が履行しなかった場合でも必ず解除が認められるというわけではありません。催告解除の場合は「催告に応じないことが相手方の契約の重大な不履行」に該当する必要があるのです。
事業者間契約においては、立証責任の転換による配慮がなされているのですが、それでも相手方が「催告に応じないことが契約の重大な不履行にあたらないこと」を立証したときは、解除の効力が後から否定される可能性があり、これは法的安定性を害すると思います。また、「催告に応じないことが契約の重大な不履行にあたらないこと」の概念が不明瞭ですし、その対象がよく分かりません。
たとえば、家を1億で売ろうとしたが9800万円しか支払われていない場合に、2週間の期間を定めて催告したが履行の提供がなかったので解除してその家を第三者に売却した場合、この解除は認められないのでしょうか。不履行の額はわずか200万円ですので、重大な不履行にはあたらず無催告解除は認められなさそうですが、催告解除も認められないのでしょうか。売主が一定期日までに1億円の資金調達の必要があり9800万円の調達では他の契約においてデフォルトになってしまうといった事情があった場合にはその点は加味されるのでしょうか。
3.瑕疵担保責任の損害賠償の範囲が信頼利益に限定されないことになった。
4.不実表示が取消原因とされたこと(1.5.15)。これはM&Aの表明・保証責任との関係で問題となり得ます。これは強行規定という位置付けになるでしょうから、この条項にひっかからないようにするべく表明・保証文言の趣旨・性格について契約書において説明するなどの工夫が必要になるのでしょう。
5.役務提供契約という新たな典型契約の創設。請負や委任の定義も変わるようです。確かに実務上は準委任契約がかなり多くなっていたと思われますので、役務提供契約というカテゴリーはありかと思います。印紙税はどうなるのかしら?
6.ファイナンス・リースも典型契約として創設。フルペイアウトが要件とはならないようです。
会社法の制定のときよりは大変ではない気がしましたが、徐々に勉強していきたいと思います。やる気を出させるためにも早く法務省の方向性を出して欲しいですね(笑)。
さて、出発前日の29日には、債権法改正の基本方針シンポジウムにもきっちり出席。18時半までしっかり聞いてきました。どの先生もプレゼン上手でしたし、質疑応答では熱意を非常に感じました。法務省はまだ民法改正を公式に決定したわけではないということなので、これがベースに民法改正の話が進むのかどうかは分かりませんが、仮に進む場合にはこれだけの学者が集まって出した改正案なので大いに参考にされることでしょう。
いくつか気になった点。
1.債務不履行責任が「契約において債務者が引き受けていなかった事由により債務不履行が生じたとき」には負わない(3.1.1.63)とされている点。これは条文案ではないということですので具体的に条文に落とすときにはもっと工夫されることになると思いますが、このままだと企業法務の契約書では、債務者からの不合理な抗弁を許さないためにも債務者が何を引き受けているかについて細かく規定することになり大変だと思われます。
2.契約解除
「事業者間で結ばれた契約において、契約当事者の一方が債務の履行をしない場合、相手方が相当の期間を定めてその履行を催告し、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし催告に応じないことが契約の重大な不履行にあたらないときはこのかぎりでない」(3.1.1.77(3))
前提として、重大な不履行があるときは無催告解除ができるとされています。したがって、催告解除は、相手方の不履行が重大な不履行ではない場合ということになりますが、催告しても相手方が履行しなかった場合でも必ず解除が認められるというわけではありません。催告解除の場合は「催告に応じないことが相手方の契約の重大な不履行」に該当する必要があるのです。
事業者間契約においては、立証責任の転換による配慮がなされているのですが、それでも相手方が「催告に応じないことが契約の重大な不履行にあたらないこと」を立証したときは、解除の効力が後から否定される可能性があり、これは法的安定性を害すると思います。また、「催告に応じないことが契約の重大な不履行にあたらないこと」の概念が不明瞭ですし、その対象がよく分かりません。
たとえば、家を1億で売ろうとしたが9800万円しか支払われていない場合に、2週間の期間を定めて催告したが履行の提供がなかったので解除してその家を第三者に売却した場合、この解除は認められないのでしょうか。不履行の額はわずか200万円ですので、重大な不履行にはあたらず無催告解除は認められなさそうですが、催告解除も認められないのでしょうか。売主が一定期日までに1億円の資金調達の必要があり9800万円の調達では他の契約においてデフォルトになってしまうといった事情があった場合にはその点は加味されるのでしょうか。
3.瑕疵担保責任の損害賠償の範囲が信頼利益に限定されないことになった。
4.不実表示が取消原因とされたこと(1.5.15)。これはM&Aの表明・保証責任との関係で問題となり得ます。これは強行規定という位置付けになるでしょうから、この条項にひっかからないようにするべく表明・保証文言の趣旨・性格について契約書において説明するなどの工夫が必要になるのでしょう。
5.役務提供契約という新たな典型契約の創設。請負や委任の定義も変わるようです。確かに実務上は準委任契約がかなり多くなっていたと思われますので、役務提供契約というカテゴリーはありかと思います。印紙税はどうなるのかしら?
6.ファイナンス・リースも典型契約として創設。フルペイアウトが要件とはならないようです。
会社法の制定のときよりは大変ではない気がしましたが、徐々に勉強していきたいと思います。やる気を出させるためにも早く法務省の方向性を出して欲しいですね(笑)。
April 02, 2009
債権法改正の基本指針
4月29日から国外逃亡でもしようかと思ってましたが、商事法務からの案内で4月29日に以下のシンポジウムがあることに気付き、恩師が委員長でもあるので予定変更。
----------------
民法(債権法)改正検討委員会では、2006年10月より2年半にわたり
債権編を中心とする民法の改正に向けて検討を続けて参りましたが、
本年3月末をもって「改正の基本方針」をとりまとめることとなりました。
そこで、その検討結果を公表し、多くの方々のご意見を賜るべく、
下記の要領でシンポジウムを開催いたします。
◎主 催:民法(債権法)改正検討委員会
◎日 時:2009年4月29日(水)10:00〜18:00〔開場9:30〕
◎会 場:早稲田大学大隈講堂
◎参加費:無料
◎プログラム(予定):
総論・第1準備会から第5準備会の報告・各界からのコメント
◎参加お申込・お問い合わせ先は下記へ↓
http://www.shojihomu.or.jp/20090429symposium.html
------------------------------
国外逃亡は当初は懐かしのダラスの予定でしたが、マイル用の席ではビジネスもエコノミーもいっぱい、普通にチケット取ると1人2000ドルということも手伝って断念です。
ハワイ、バリ、バンコクへの便は既にいっぱいということが判明したので、30日からランカウイ&クアラルンプールに行ってくることに。バンコクに住んでいたのに何気にマレーシアは初めてです。
久々にリゾートで癒されてきます。多分ホテルからあまり出ないと思う、ランカウイでは。
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民法(債権法)改正検討委員会では、2006年10月より2年半にわたり
債権編を中心とする民法の改正に向けて検討を続けて参りましたが、
本年3月末をもって「改正の基本方針」をとりまとめることとなりました。
そこで、その検討結果を公表し、多くの方々のご意見を賜るべく、
下記の要領でシンポジウムを開催いたします。
◎主 催:民法(債権法)改正検討委員会
◎日 時:2009年4月29日(水)10:00〜18:00〔開場9:30〕
◎会 場:早稲田大学大隈講堂
◎参加費:無料
◎プログラム(予定):
総論・第1準備会から第5準備会の報告・各界からのコメント
◎参加お申込・お問い合わせ先は下記へ↓
http://www.shojihomu.or.jp/20090429symposium.html
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国外逃亡は当初は懐かしのダラスの予定でしたが、マイル用の席ではビジネスもエコノミーもいっぱい、普通にチケット取ると1人2000ドルということも手伝って断念です。
ハワイ、バリ、バンコクへの便は既にいっぱいということが判明したので、30日からランカウイ&クアラルンプールに行ってくることに。バンコクに住んでいたのに何気にマレーシアは初めてです。
久々にリゾートで癒されてきます。多分ホテルからあまり出ないと思う、ランカウイでは。
January 26, 2009
第三者割当増資の情報開示義務
非常にご無沙汰しています。
気まぐれに記事をアップしてみます。
今年のアップはこれが最初で最後になるのか、その後も続くのか分かりませんが、本年もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
ちなみに、今最も関心を持っているのは仲裁ですが、本日は本日付のMonday Nikkeiの法務面について。
第三者割当増資についての政府や東証の規制についての記事ですが、その中にこのような一節が。
私、以前に「近時の買収防衛策について多少の雑感」というエントリーにて、以下のようなことを申し上げています。
東証が求めるのは割当先の選定理由についての情報開示というこであって、第三者割当を行う際に防衛策のように質問攻めにしなさいということではありませんが、いずれにしてもどこの事務所の戦略か知りませんが、買収防衛策にて無駄な情報提供ばかり求めてきたことが影響しているのでしょう。
もっとも、決定理由は「応じてくれた企業がこの割当先だけでした」なんていうのが頻発しそうな(涙)。
気まぐれに記事をアップしてみます。
今年のアップはこれが最初で最後になるのか、その後も続くのか分かりませんが、本年もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
ちなみに、今最も関心を持っているのは仲裁ですが、本日は本日付のMonday Nikkeiの法務面について。
第三者割当増資についての政府や東証の規制についての記事ですが、その中にこのような一節が。
敵対買収には断固反対する一方で、友好的な企業には割安価格で第三者割当増資を実施し、引受企業の傘下に入ることがある。高値を提示した敵対買収者に保有株を売れなくなった一般株主には、いきなり割安価格で支配権を握る大株主の登場に不満が残る。
このため東証では買収防衛策の情報提供義務を参考に主要株主が変動する第三者割当増資については、その企業を選んだ理由などに関し適正な情報開示を求める方針だ。
私、以前に「近時の買収防衛策について多少の雑感」というエントリーにて、以下のようなことを申し上げています。
敵対的買収の撃退を正当化できるだけの材料を見つけたいがゆえに広範な情報提供を求めるというその心情は理解できなくもないですが、その情報提供の目的が企業価値を高めるか否かを判断するためであるならば、それは友好的買収にも妥当することで、自ら必要であるといっている情報を友好的買収の際には求めないというのは恣意的に過ぎます。
東証が求めるのは割当先の選定理由についての情報開示というこであって、第三者割当を行う際に防衛策のように質問攻めにしなさいということではありませんが、いずれにしてもどこの事務所の戦略か知りませんが、買収防衛策にて無駄な情報提供ばかり求めてきたことが影響しているのでしょう。
もっとも、決定理由は「応じてくれた企業がこの割当先だけでした」なんていうのが頻発しそうな(涙)。
March 26, 2008
初の消費者団体訴訟
京都のNPO、初の消費者団体訴訟(Nikkei Net)
差止めの対象が「契約書の使用差止め」というのはどうなんでしょうか。「契約書の使用」って何だという話になりかねない。本来だったら当該条項の無効確認とすべきなんでしょうけど、差止訴訟しかできないからこういう請求の趣旨になったんでしょうね。
詳細求む。
賃貸住宅の借り主に、原状回復費の一部を定額負担させるのは違法として、特定非営利活動法人(NPO法人)の「京都消費者契約ネットワーク」が25 日、マンション管理会社「長栄」(京都市)に、負担金の条項を記載した契約書の使用差し止めを求める訴訟を京都地裁に起こした。
原告側代理人によると、消費者保護のため昨年6月に始まった「消費者団体訴訟制度」に基づく初の訴訟。ネットワークは、被害者に代わり不当行為の差し止め請求ができる政府の認定団体。
訴状などによると、長栄は借り主との契約書に「新装状態への回復費用の一部負担金」として、賃料の2―3カ月分相当の定額負担金を求める条項や、「入居期間の長短にかかわらず負担金の返還を請求できない」などとする条項を記載。
差止めの対象が「契約書の使用差止め」というのはどうなんでしょうか。「契約書の使用」って何だという話になりかねない。本来だったら当該条項の無効確認とすべきなんでしょうけど、差止訴訟しかできないからこういう請求の趣旨になったんでしょうね。
詳細求む。
March 17, 2008
やっぱり予想通りの展開
上場企業、株式持ち合いで含み損・シャープ110億円(Nikkei Net)
意外と早く来ちゃいましたね、防衛策がらみでの株式の持合の弊害が。以前から指摘されていたことですが。それでも突っ走った企業経営陣の経営判断能力が問われるような。
それにしても最近忙しすぎ。これまでの「忙しい」とはレベルが違う・・・。
「株式持ち合い」など上場企業の株式保有で多額の含み損が生じ始めた。シャープが持つパイオニア株は110億円程度の含み損となり、住友商事が今年 2月に追加取得した住友金属工業株も大幅に値下がりしている。3月末の株価次第では損失処理を迫られる企業も出てきそうだ。株価が高いうちは目立たなかった株式持ち合いへの批判が今後、株主から強まる可能性がある。
シャープとパイオニアは2007年9月に提携を発表。シャープは415億円でパイオニア株の約14%を取得したが、株価は2割以上下がり、含み損が発生。一方、パイオニアが取得したシャープ株も20億円強の含み損を抱えている。
意外と早く来ちゃいましたね、防衛策がらみでの株式の持合の弊害が。以前から指摘されていたことですが。それでも突っ走った企業経営陣の経営判断能力が問われるような。
それにしても最近忙しすぎ。これまでの「忙しい」とはレベルが違う・・・。
January 24, 2008
あけましておめでとうございます
気がついたら1月ももう24日。かなり遅れましたがあけましておめでとうございます。
すっかり日本に戻ってきた実感があるというか、年を明けてからは毎日2時3時です。
さて、久々に何か簡単にかけるネタということで、これ。
日本でファンド融資拡大、金融機関・08年、日経調べ
私は、ダラスでファイナンス案件に従事していたのですが、やっていたのが日本の不動産ファンドや買収ファンドへのリボルビング・クレジット・ファシリティでした。
この上記のニュースの「日本で」という意味が気になるところです。東京オフィスという意味なのか、日本のEntityに対して融資するという意味なのか。私が関与していた案件のファンドはすべて日本法に基づく事業体ではなく、だいたいがデラウェアか、ケイマンか、イングランド、あるいはルクセンブルグのLLP又はLLCでした。スコットランドとかカナダというのもありましたが。でも、日本の投資事業組合とか使っているところは皆無でしたね。
ちなみに、こういったリボルビング・クレジット・ファシリティでもっとも重要なのは、案件組成後にローン債権の持分を売却してリスクを切り離すことで、アレンジャーは譲受人候補のヒアリングを進めつつボロワーとタームシートを詰めます。
ローン債権の買い手も少なくなってくるとアレンジャーがリスクを許容できなくなってくるのですが、日本向けはそんな心配はないということなんでしょうかね。既に米国の仕事が懐かしくなっている今日この頃。
でも、最近仕事上でダラスに縁ができ、楽しみです。
すっかり日本に戻ってきた実感があるというか、年を明けてからは毎日2時3時です。
さて、久々に何か簡単にかけるネタということで、これ。
日本でファンド融資拡大、金融機関・08年、日経調べ
国内外の金融機関が日本で買収ファンド向けの融資を拡大させる。日本経済新聞が実施した調査によると、2008年の計画を示した大手銀行や外国証券など 14社は合計で2兆円超の買収融資を用意、07年実績の3倍強に増やす。欧米では信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の影響で金融機関が融資を手控えており、大型のM&A(合併・買収)は事実上ストップ。影響が軽微な日本市場で攻勢をかける。
調査は銀行、証券、保険、ノンバンクなど45社を対象に昨年12月から1月上旬にかけて実施。36社から回答を得た。08年の買収融資の計画を具体的に答えたみずほコーポレート銀行をはじめとする国内大手銀やゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなど14社の数字を合わせると2兆1600億円となった。1000億―2000億円の範囲での回答が多く、一部の外国証券は4000億―5000億円を見込む。
私は、ダラスでファイナンス案件に従事していたのですが、やっていたのが日本の不動産ファンドや買収ファンドへのリボルビング・クレジット・ファシリティでした。
この上記のニュースの「日本で」という意味が気になるところです。東京オフィスという意味なのか、日本のEntityに対して融資するという意味なのか。私が関与していた案件のファンドはすべて日本法に基づく事業体ではなく、だいたいがデラウェアか、ケイマンか、イングランド、あるいはルクセンブルグのLLP又はLLCでした。スコットランドとかカナダというのもありましたが。でも、日本の投資事業組合とか使っているところは皆無でしたね。
ちなみに、こういったリボルビング・クレジット・ファシリティでもっとも重要なのは、案件組成後にローン債権の持分を売却してリスクを切り離すことで、アレンジャーは譲受人候補のヒアリングを進めつつボロワーとタームシートを詰めます。
ローン債権の買い手も少なくなってくるとアレンジャーがリスクを許容できなくなってくるのですが、日本向けはそんな心配はないということなんでしょうかね。既に米国の仕事が懐かしくなっている今日この頃。
でも、最近仕事上でダラスに縁ができ、楽しみです。
December 05, 2007
フランチャイズ店のリスク
ローソンの大阪の店舗で消費期限切れのおでんが販売されていたようですね。
ローソン、消費期限切れのおでん販売 大阪(アサヒコム)
つい先日も、マクドナルドで賞味期限切れのサラダを販売していたことが発覚したばかりです。
これらはいずれも直営店ではなくフランチャイズ店で起きた事件ですが、これはフランチャイズ・システムの構造上起こるべくして起こった事件だと思われます。
直営店の場合は、通常は現場の人間が消費期限・賞味期限の改ざんを行うインセンティブはなく、トップからの指示がない限りこのようなことは行われないでしょう。船場吉兆だって当初は現場のバイトの判断などと弁明していましたが、結局は上層部の指示だったかと思います。現場の人間は改ざんについて何のメリットもないですからね。
これに対して、フランチャイズの場合は、各フランチャイジーが独立採算であって、商品の売れ残りである廃棄ロスはフランチャイジーの損失として計上され、もろに自己の経営に影響が出るので、フランチャイズ・オーナーはその損失をできる限り減らそうとこのような消費期限・賞味期限の改ざんを行う動機が十分にあることになります。
私、何気にコンビニでバイトした経験があるのですが、弁当などが完売してしまうのは商売として駄目だと教わりました。つまり、弁当が完売しているということは、もしその商品をもう少し多く仕入れておけばその後来店して客が買っていて得られたかもしれない利益を逃していることになるからです。したがって、理想は各弁当につき1つずつロスが出ること。しかし、この予測は難しいようで、発注が多すぎると当然ロスが多く出てしまい、そのロスはフランチャイジー負担(しかも、先日最高裁判決が出たセブンイレブンの例だと廃棄ロスも売上計上し、本部に支払うロイヤルティの対象)。そうすると、やはり経営が苦しいフランチャイジーは、「バレないだろう」と思って改ざんに手を染める可能性が十分にあります。
今回は、良識ある元従業員が保健所に通報したことにより発覚したそうですが、今後はフランチャイズ店の管理が重要になりそうです。内部通報システムがフランチャイズ店のバイトまで利用可能なようになっているのかどうかは知りませんが、フランチャイズ店1店舗の不祥事でも会社の信用を十分に傷つける以上、各社の早急な対応が必要です。営業上のリスクを一方的にフランチャイジーに押し付けてきたことのツケと言えなくもないですが・・・。
ローソン、消費期限切れのおでん販売 大阪(アサヒコム)
ローソンは3日、大阪市の「住吉殿辻一丁目店」で11月27日と28日、消費期限が1〜2日切れたおでんを販売していたと発表した。店舗のオーナーが指示しており、過去にも同様のことがあったと認めているという。
ローソンによると、元従業員を名乗る女性が大阪市保健所に通告。保健所の立ち入り検査で発覚したという。期限切れのウインナー巻きを6個、つくね串を2個、売っていた。ローソンは同店を今月12日まで営業停止にした。
つい先日も、マクドナルドで賞味期限切れのサラダを販売していたことが発覚したばかりです。
これらはいずれも直営店ではなくフランチャイズ店で起きた事件ですが、これはフランチャイズ・システムの構造上起こるべくして起こった事件だと思われます。
直営店の場合は、通常は現場の人間が消費期限・賞味期限の改ざんを行うインセンティブはなく、トップからの指示がない限りこのようなことは行われないでしょう。船場吉兆だって当初は現場のバイトの判断などと弁明していましたが、結局は上層部の指示だったかと思います。現場の人間は改ざんについて何のメリットもないですからね。
これに対して、フランチャイズの場合は、各フランチャイジーが独立採算であって、商品の売れ残りである廃棄ロスはフランチャイジーの損失として計上され、もろに自己の経営に影響が出るので、フランチャイズ・オーナーはその損失をできる限り減らそうとこのような消費期限・賞味期限の改ざんを行う動機が十分にあることになります。
私、何気にコンビニでバイトした経験があるのですが、弁当などが完売してしまうのは商売として駄目だと教わりました。つまり、弁当が完売しているということは、もしその商品をもう少し多く仕入れておけばその後来店して客が買っていて得られたかもしれない利益を逃していることになるからです。したがって、理想は各弁当につき1つずつロスが出ること。しかし、この予測は難しいようで、発注が多すぎると当然ロスが多く出てしまい、そのロスはフランチャイジー負担(しかも、先日最高裁判決が出たセブンイレブンの例だと廃棄ロスも売上計上し、本部に支払うロイヤルティの対象)。そうすると、やはり経営が苦しいフランチャイジーは、「バレないだろう」と思って改ざんに手を染める可能性が十分にあります。
今回は、良識ある元従業員が保健所に通報したことにより発覚したそうですが、今後はフランチャイズ店の管理が重要になりそうです。内部通報システムがフランチャイズ店のバイトまで利用可能なようになっているのかどうかは知りませんが、フランチャイズ店1店舗の不祥事でも会社の信用を十分に傷つける以上、各社の早急な対応が必要です。営業上のリスクを一方的にフランチャイジーに押し付けてきたことのツケと言えなくもないですが・・・。


