October 2006

October 30, 2006

三角合併の決議要件

「三角合併」ルール決定難航・経団連、米産業界と綱引き(NIKKEI NETより)

「日本経団連など経済界は外資による買収攻勢を懸念し、三角合併を株主が承認する際の条件を厳しくするよう主張。」だそうです。

三角合併も合併である以上、合併契約を取締役会で承認しないといけないと思うのですが。そうすると三角合併を敵対的買収の手法に用いることはできないわけで。

株主総会に付議する場合というのは取締役会で承認した後の話ですから、会社としては是非進めたい合併の成立をむしろ困難にしてしまうだけのような気がします。

<11/18追記>

アメリカで敵対的買収を行う場合の手法としては、まず51%まで公開買付を実施した後に、親会社株式(あるいは現金との混合)を対価とした三角合併を行うという所謂2段階合併が一般です。51%まで公開買付とするのはデラウェア州法上合併の決議も過半数(但し出席議決権ではなく総議決権)で良いからです。そうすると、確かに、三角合併の決議要件を厳しくすればするほど、最初の公開買付で買い占める株式割合が高くなり必要なキャッシュが多くなるでしょうから、三角合併の決議要件を厳しくすることにより、最初の公開買付自体に踏み切る外国企業は少なくなるかもしれませんね。つまり抑止力としては機能するかと。

hibiya_attorney at 12:21|PermalinkComments(0)clip!企業法務 

October 25, 2006

移転価格税制

「移転価格税制」で国税指摘、申告漏れ額が最高に(Nikkei Netより)

移転価格税制というのは、国内の会社の海外の子会社・関連会社との資産購入又は役務提供契約の価格が、いわゆるアームズ・レングスな取引における価格(独立企業間価格)に比して、海外子会社・関連会社に有利なように価格設定がなされると、国内会社が得ていたはずの利益が海外子会社に付け変えられることになり、その結果、日本での課税所得が減ることになることから、このような取引が行われたときは実際の取引価格を無視して、独立企業間価格というものを算定して当該価格をベースに課税所得を算定し直すという制度です。

関連会社との取引は取引条件を如何様にでも設定できるので税率が低い海外子会社の所得を大きくすることによって容易に課税逃れをすることができることから、移転価格税制は各国で採用されている制度で、私もロースクールのInternational Taxationの授業でアメリカの移転価格税制について学びました。

この移転価格税制の運用上の問題点は何と言っても独立企業間価格の算定方法には様々な方法があり(一応どの方法がどういうタイプの取引に適しているとかいうのはあるのですが)、算定方法について国税局と企業間で争いが生じやすいという点でしょう。そのためM&Aにおいてもこの点は大きな潜在リスクになりやすいところかと。

しかも、結構取引規模が大きいことが多いため追徴課税額も大きくなりがち。記事にもあるように武田薬品の更正所得金額は1223億円で、追徴額は570億円にも上るとのこと。今年は他にもソニーが280億円の追徴を受けており、両者とも異議の申立てをして争っているとのこと。

これだけのインパクトがあれば、そりゃ争うでしょうね。この移転価格については今後も争う企業が増加するでしょうし金額も大きいので、弁護士としては税理士任せにしてないで処分取消訴訟の前段階である異議申し立て段階から積極的に取り組んでいくべき分野でしょう。実はそれも見込んでInternational Taxation学んでおいたんだけど(笑)、今後それがどう生きるか。新規参入障壁が極めて高い分野ですけど、税務処分取消訴訟等の経験はあるので食らいついていきたいところです。

hibiya_attorney at 12:35|PermalinkComments(0)clip!企業法務 

ストックオプション課税訴訟

ストックオプション「加算税は違法」・最高裁(Nikkei Netより)

本件、ストックオプションの行使益の課税区分自体は給与所得ということでとっくに最高裁でケリがついていましたが、加算税の違法性について触れたのは初めてじゃないでしょうか。

この種の訴訟を以前やっていたからというわけではありませんが、国税当局が昔一時所得で申告するよう指導していたことに鑑みればこれは当然の判断であって、適法としていた東京高裁の方が異常です。
これで、これに限らず超保守的で極端に行政よりの東京高裁の姿勢が変化すればと思います。



hibiya_attorney at 11:58|PermalinkComments(0)clip!裁判 

October 24, 2006

ANAとインター・コンチネンタルの提携と合同会社の利用

朝起きて、朝食を摂りながら日課のNikkei Netチェックをしていたら以下の記事が。

全日空、インターコンチと提携

「提携するのは、ANAホテルズ&リゾーツ(AHR、東京・港)とAHRホールディングス(同・同)で、ANAが保有する2社の株式の一部をインターコンチに売却する。」「ANAは、インターコンチの出資に先立ちAHRの増資を引き受ける。AHRは5月に施行した新会社法で認められた合同会社(日本版LLC)に組織変更し、その上でANAはAHRの発行済み株式のうち74%をインターコンチに売却する。AHRホールディングスについては、ANAが保有する全発行済み株式のうち66%をインターコンチに譲渡し、社名を「IHG・ANA・ホテルズホールディングス」に変更する。」とのこと。

その後の報道によれば、「全日空が日本国内で展開する31ホテルを運営する共同出資の合同会社(LLC)を立ち上げ、12月に営業を始める。持分比率はIHGが74%となり事実上、全日空ホテルチェーンの経営権を握る。全日空は世界最大の客室数を持つ外資系の高級ホテルグループのノウハウを導入し、ホテル事業で生き残りを図る。」

ちょっと他の報道もチェックしてみると、アサヒコムによれば「全日空は、運営子会社「ANAホテルズ&リゾーツ」の株の74%をIHGに約6億円で売却し、この会社を合同会社(LLC)に転換する。LLCは株主総会などが不要で、運営費が安いのが利点という。」

合同会社の構成員課税(パススルー課税)が見送られたことで、国内合弁事業で合同会社が使用される頻度はそれほど多くないのではないかと思っていたのですが、本件では既存の株式会社を組織変更してまで合同会社を使用するようです。

私の(不勉強ながらも)これまでの理解ですと、新会社法の下では、株式会社についても公開会社でなければ、利益配当や総会議決権について持分比率ではなく株主毎に異なる取扱いをすることができるので(109条2項)、これらに関する自由な制度設計が売りとされていた合同会社も構成員課税が見送られた今、使うメリットはそれほどないはずです。

上記アサヒコムの説明の中の「株主総会などが不要で運営費が安い」というのはたいした利点ではないような気がします。確かに、株式会社であれば年1回は株主総会を開かなくてはいけませんが、いまや書面決議が認められ会議を実際に開催する必要はないので(法319条)、この点はわざわざ組織変更をしてまで合同会社にするほどのメリットとは言えないでしょう(組織変更に関連する諸問題の検討などのリーガルコスト、債権者保護手続等を考えれば)。

合同会社の数少ないメリットとしては、
(1)決算公告が不要
(2)現物出資について検査役の検査が不要
(3)大会社となっても会計監査人の設置が不要
(4)同様に内部統制システム構築の義務がない
(5)各社員が業務を執行するので、取締役等の機関を設置する必要がない
くらいでしょうか。

今回の合同会社の資本は8億3000万円らしいのですが、そうすると、(3)、(4)あたりはコスト面にインパクトがありそうな話なので、むしろこれが主たる理由ではないかと思いますが、実際のところどうなんでしょうか。


hibiya_attorney at 00:03|PermalinkComments(4)clip!企業法務 

October 16, 2006

National Boss Day

今朝事務所に行くと、事務所のあちこちに張り紙が。
僕のブースに入り口にも、なにやらカラフルな張り紙が。

「Happy National Boss Day!」と大きく書かれて、カラフルなペンで秘書10人分くらいのサインがされている。
「なんじゃ、これ?」と思って秘書に聞くと、なんでも10月16日はNational Boss Dayということで上司のお祝いをする日らしい。

ということで、朝から秘書が用意してくらたCheesecake Factoryのイタリアン・クリーム・チーズケーキやらを食べる羽目に…。美味しいんだけど甘すぎてとても食べ切れん。何故午後じゃないんだろうか・・・。

ちなみに、張り紙の下のほうには、小さく「According to the Internet」という脚注がついていて、National Boss Dayの説明が(親切だ!笑)。

これによると、1958年にパトリシア・ベイズ・ハロスキーというState Firm Insurance Companyの従業員がアメリカの商工会議所に休日を登録したことに始まる。なんでも10月16日は彼女の父の誕生日という特別な日だったからその日を指定し、その目的は一応上司への感謝を示すためらしい。

うーん、父親の誕生日と上司をお祝いする日が一体どう関係するのか全然わからん(笑)。

アメリカで働いている他の皆さんもお祝いしてもらったのでしょうか。アメリカにこんな慣習があるなんて全然知らなかった。。。


hibiya_attorney at 18:33|PermalinkComments(2)clip!ダラス/アメリカ生活 

October 15, 2006

海外在住者に対する日本のTV視聴サービス−録画ネット事件−

<録画ネット事件>

前回はまねきTV事件について述べましたが、それよりも1年以上も前にちょっと話題になったのが録画ネット事件。この種のサービスについての最初の司法判断だと思います。

こちらも、同様に、債務者は海外在留邦人が日本のテレビ番組を見ることができるサービスを提供していたのですが(ただし、ソニーのロケーションフリーテレビを利用していたわけではない)、1点違うところは、こちらは利用者が自由にテレビ番組を録画予約し、後で好きなときに録画を見ることができるようにしていたという点です。

仮処分決定(東京地裁平成16年10月7日決定/平成16年(ヨ)第22093号著作隣接権侵害差止請求仮処分命令申立事件)
異議審決定(東京地裁平成17年5月31日決定/平成16年(モ)第15793号仮処分異議申立事件)
抗告審決定(知財高裁平成17年11月15日決定/平成17年第10007号著作隣接権侵害差止仮処分決定認可決定に対する保全抗告事件)(三村裁判長)

続きを読む

hibiya_attorney at 08:19|PermalinkComments(0)clip!企業法務 | 裁判

October 10, 2006

海外在住者に対する日本のTV視聴サービス−まねきTV事件−

<まねきTV事件>

もう2ヶ月ほども前になりますが、まねきTVというサービスについてNHKその他の民放業者5社が求めた差止仮処分の申立てについて却下する旨の決定がありました(東京地方裁判所民事第47部平成18年8月4日決定(高部裁判長)/平成18年(ヨ)第22022号著作隣接権仮処分命令申立事件)。決定はこちらから見ることができます。昨年、本件と似たようなサービスである録画ネットについてはテレビ局側の差止めが認められていたので今回の決定はテレビ業界に相当衝撃を与えたようです。

ということで、両決定の差はどこから生まれたのか、まねきTV事件と録画ネット事件の両決定について読み込んでおこうというのが今回(から数回)のエントリーの趣旨です。

まずはまねきTV事件から。

続きを読む

hibiya_attorney at 05:46|PermalinkComments(0)clip!企業法務 | 裁判

October 05, 2006

Barneys New York登場!

この間のエントリーのように、ダラスはこの季節はまだリゾート地のような感じなのですが、さすがに職場にはスーツでいかないといけません。アメリカ南部とかテキサスとか聞くと、仕事の服装も比較的ラフなのではないかとイメージしたりもしますが、私が勤務している職場はしっかりとドレスコードがあって、スーツにタイ着用は当然のようです。私の前任者なんかは5時を過ぎて自分のブースでタイを外していただけで注意されたそうな。イメージと違ってかなり厳しいですね。ローファームの厳格なイメージ維持のためなんでしょうね。

ということで、完全な学生生活だった去年とうってかわって今年はしっかりとシャツ、ネクタイ、スーツを揃える必要があります。スーツを着ると身が引き締まるというかやる気がでるので、スーツは元々好きです。

しかし、シャツやスーツなどどこのブランドで揃えたらいいのかなぁというのも悩みどころ。と思っていたら、つい先日、うちから車で5分ほどのところにあるNorth Park CenterというショッピングモールにBarneys New Yorkオープン!

日本ではよくお世話になっていたので、早速行ってみました。

Barneys New York なんか日本やNYにあるBarneysとはつくりが違いますね・・・。

店の中も他のBarneysよりややカジュアルかなと思う部分もありましたが、やはりシャツ売り場などは他店と同じで安心感はあります。なので今後は困ったらここで買物をするでしょう。

今回は、オープニングセールをしていると思っていたのにしてなかったので買物なし(笑)。そういえば銀座店のオープニングセールには行ったなぁ。

それにしてもBarneysが進出してくれるなんて、ダラス、意外とやるねー。
どこかで聞いた話だと、ダラスは何でもNYに次いで全米で2番目に衣服に費やすお金が大きいんだとか。州の所得税がないのが大きいのかな。

そういえば、ダラスは走っている車もベンツやらBMWやら高級車がやたら多くて、アパートの駐車場に車を止めるときも、いつも自分の車と他の車を比較して悲しくなります。何故か若い女の子でベンツを乗り回している子が多いのも不思議だ。。。

hibiya_attorney at 12:49|PermalinkComments(2)clip!ダラス/アメリカ生活 

October 01, 2006

週末はこんな感じ

ダラスでの週末は、だいたいどちらか1日はアパートのプールサイドで本でも読みながらぼぉーっとしてます。
これ、うちのアパートのプール。

Pool
















朝晩はだいぶ涼しくなってきたとはいえ、昼間はまだ30度以上まであがり、この週末なんかは35度くらいになりました。ということでまだこの気候が続くうちに目一杯楽しむぞということで週末ごとにせっせとプールサイドに通っているのです(笑)。他の住人もビール片手にプールサイドによく集結してますね。アメリカ人、ほんとに焼くのが好きです。


sky いやー、それにしてもあおむけになって真っ青の空に流れ行く白い雲の動きを眺めていると、人生にはこういう時間も大切なんだなぁとしみじみ感じます。時の流れがとてもゆっくりだ。何をするでもなく。うーん、素晴らしい。

ちなみに近くにDFWとは違うLove Fieldという空港があるので飛行機がバンバン上空を通っていきます。飛行機好きのわたくしには、これまたいとうれし。飛行機って海外へ行くイメージというか「非日常」のイメージがあってワクワクしません?フィラデルフィアではうちのアパートの窓からフィラデルフィア空港へ着陸していく飛行機を見るのも好きでしたが、このプールサイドで寝そべりながら真上を通っていく飛行機を見るのも好きです。

ということで今の季節は週末はこうやって贅沢な時間の使い方をしています。暑さよ、できるだけ続いておくれ。



hibiya_attorney at 16:23|PermalinkComments(6)clip!ダラス/アメリカ生活