January 18, 2006

ライブドアの強制捜査(続報)

毎日新聞の記事に本件の事実関係が詳細に記載されています。

これによれば、
1.バリュークリック社とマネーライフ社との間で株式交換は実施されている。
2.株式交換後にバリュークリック社は株式分割を実施。
3.これによりバリュークリック社の株価が高騰。
4.マネーライフ社の株主たるVMLA2号投資事業組合は株式交換により取得したバリュークリック社株式を海外ファンドに8億円余で売却。
5.VMLA2号投資事業組合が上記売却により得た収益約6億円がライブドアに還流。
ということのようです。

記事の途中で「4カ月後の同年10月25日、ライブドアの関連会社「ライブドアマーケティング」(LDM、当時バリュークリックジャパン)が、既に実質ライブドアの傘下だったマネーライフを「子会社化する」と虚偽の発表をした。」と「虚偽の発表」という言葉が出てきますが、記事全体からすると株式交換は実施されているのだから虚偽ではないと思います。

そもそもちょっと前から気になっていたのですが、プレスリリースの主体はバリュークリック社であってライブドアではありません。そうすると、マネーライフ社はバリュークリック社の親会社たるライブドアの実質的支配下にあったとしても、バリュークリック社の子会社ではないのだから、「株式交換により完全子会社化する」というプレスリリースは何ら虚偽ではないのではないでしょうか。このあたりの「虚偽」という言葉をどういう意図で使っているのかを説明して欲しいものです。

いずれにしても記事によれば、特捜部は「既にマネーライフが実質ライブドア傘下だったことを隠してLDM側が「株式交換し、子会社化する」と発表したことが同法(注:証券取引法)違反の偽計に当たると判断している」とのことですが、そうすると、やはり論点は「偽計」の概念に積極的開示義務が含まれるかということになりそうですね。過去に判例があるのかどうかも知らないのですが、私の感覚からすると少なくとも本件では否定されるべきだと思うのですが、どうでしょう?

ただ、特捜部がこれだけ大々的に動くということは立件可能な証拠が集まっているはずなのですが、まさか、別で話題になっている粉飾決算のほうは立件確実だから、最悪そちらだけでも立件することにして、この偽計のほうはSEC・検察が新たな判例をつくって証券取引規制範囲を強化したいからトライしてみた、ということはないでしょうね?

あと、捜査の端緒が知りたいですねぇ。ライブドアが企業買収をてこに拡大しているのを気に入らない連中がいて、あら捜しをしていたのではないでしょうか。内部告発とも言われてますが、非公式に捜査官の方から接触したのではないかという気もします。オー怖い。

最後に、別の報道によれば堀江社長は宮内取締役の辞任を否定したそうですが、これはライブドアが顧問弁護士と相談して十分戦えると判断したからなのでしょうか。今後も要注目。本件が気になってロースクールの予習どころじゃありません。

hibiya_attorney at 16:44│Comments(0)TrackBack(1)clip!企業法務 

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1. ライブドア問題??風説の流布・偽計ですか???  [ LLM留学日誌??留学2年目NYLife ]   January 19, 2006 08:14
風邪に伴う発熱で体もだるいし、既に著名な方々が色々と書かれているところだし、マスコミ情報はよくわかんないし、無視を決めこもうと思っていたのですが、問題の重要性に鑑みてやはり書いておくことにします。 日本のマスコミ(海外の傾向は知りませんが、敢えてこうい...

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