February 15, 2006

弁護士の専門化

先日の「これから先」というエントリーに対し、様々なコメントをいただきどうもありがとうございました。

私自身は、専門化といったときにアメリカやイギリスの弁護士のように自分が受け持っている分野(しかもめちゃくちゃ狭い)以外の分野については「え、こんな基本的なところ(いかにもクライアントから質問されそうなところ)も即答できないくらい何も知らないの?」という状態になるのは嫌ですね。

他方で、弁護士数が激増する今後については専門分野を持たない限り、新規顧客を開拓する際に売り文句がなくてつらい思いをするかもしれませんね。ジェネラリストでありたい、というのは既存クライアントとの関係を念頭においた発言であって、新規顧客を開拓する場合には、やはり「この分野なら負けません」というものを持っていないといけないのでしょう。

なので好ましいのは幅広い分野について土地勘を養っておきつつ、1つや2つの専門分野をつくることなのかなぁと思ってます。勿論、専門分野によってはクライアントの専門性が高いために、それと同程度の知識をキープするだけで大変で他の分野の勉強をするのは難しいかもしれません。この点は仕事のベースがコーポレートなのかファイナンスなのかで極端に違ってくるところかもしれないですね。neon98さんも仕事はコーポレート系が多いのではないですか???

それにしても、「私は訴訟が専門分野です」なんて言ったところで、おそらく日本の8割方の弁護士は訴訟が専門というでしょうから、あんまり有効じゃないかもしれませんね(涙)。そうすると峻別化できるポイントは、普段からM&Aや証券化等のTransactionに関わっていて(=その分野に土地勘あり)、なおかつ、訴訟技術も持ってますよ、というところでしょうか。

そうすると、訴訟はそれ自体が専門というよりはむしろそれができることを当然の前提としたうえで、さらに何か特定の分野について専門性を持つということが重要かもしれないですね。

さて、訴訟以外に何を専門にしていくべきか・・・。

hibiya_attorney at 07:39│Comments(5)TrackBack(0)clip!法曹界 

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この記事へのコメント

1. Posted by NYlawyer   February 16, 2006 10:01
先のエントリーに対するコメントや今回のエントリーを見ていて、個人のスタンスという面と(いうよりも)、事務所のスタンスも結構反映しているのではないかと思いました。
2. Posted by hibiya_attorney   February 16, 2006 13:46
>NY Lawyerさま
コメントありがとうございます。
私の考え方に所属事務所の規模というものが考慮されているのは間違いないですが、事務所のスタンスはむしろ反映されていないのではないかと思います(笑)。また、ゆっくり飲んでその辺の話でもできればいいですね。
3. Posted by みーる   February 16, 2006 17:02
事務所のスタンスというのも絡む問題ではあるでしょうね。その事務所のスタンスに、個人として乗り続けるかどうかというのが次の問題なんですが。たとえば、事務所の期待に応じてあまりにニッチな分野で専門化を目指したら、その事務所と一生添い遂げるを覚悟しなければならなくなるという場面とか。ところで、先のエントリー、neon98さんのコメントはヒットでしたね。NYlawyerさんやneon98さんと飲むときは是非呼んでください。次こそ、アリゾナから駆けつけます(笑)。
4. Posted by neon98   February 18, 2006 11:52
そんなつもりじゃなかったんですが、ヒット頂いた方もおられるようでうれしい限りです(笑)。Hibiya Attorneyさんと同じようにほぼあらゆる分野をこなしてきたと自負する私には「コーポレートかファイナンスか」という分類すら無意味かもしれません。まあこれ以上はオフラインで。また飲みながらでもお話できるといいですね。
5. Posted by hibiya_attorney   February 28, 2006 14:36
みなさま、コメントありがとうございます。返事が遅れてすみません。。。今後どのようにしてクライアントを獲得していくかというのはどういう事務所に所属しているかによってかなり違ってくるのでしょうね。独自の営業活動を必要としないところもあるかもしれませんし。

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