December 17, 2009

東京地裁に新たな特別部を

最近仕事をしていて東京地裁にあったらいいなと思う特別部。

それは・・・、

英語専門部!!

外国企業との契約交渉で紛争解決条項として東京地裁の合意管轄を勝ち取るのって苦労しませんか?外資系の100%子会社である日本法人との日本国内の取引に関する契約でも、契約書自体英語だし、紛争解決はなぜかニューヨークでの仲裁などと主張してきます。

まあNYのヘッドクォーターの法務部からすると、日本の裁判所など得体の知れないところで裁判などできないという考えなのでしょうが、それ以上に英語が通じないというところが実務的には大きい気がします。

準拠法を日本法にせざるを得ない契約については、やはり日本の裁判所が紛争解決には適していると私は思っています。仲裁の方が迅速かというと実はそうでもないし、仲裁人のコストはばかになりません。

しかし、日本の裁判所では、すべての訴訟書類を日本語に訳さなければならない。これはかなり負担です。すべての書類提出が英語でOKなら、もちろん日本の弁護士を訴訟代理人として選任しなくてはなりませんが、英語の契約書を日本語に訳して証拠提出する必要はないし、訴状や準備書面なども英語でドラフトして英語で米国の法務部や米国のカウンセルと電話会議などもできて非常に使い勝手がいいのです。

そうすると判決も英語か?というとさすがに支障があるんでしょうから、判決については日本語でもいいみたいなアバウトな制度でどうでしょうか。


hibiya_attorney at 01:06│Comments(3)TrackBack(0)clip!企業法務 | 裁判

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この記事へのコメント

1. Posted by mikoto   December 21, 2009 13:40
どうでしょう。
英語の日本語訳も立証責任の範囲かとも。
日本の裁判所なのに,英文の証拠を基に事実認定がされたばあい,その判決の射程距離の基準に「英文の契約書」なんてことにならないでしょうか?

英語ができないので8割ねたみデス。
2. Posted by ブラクリ   January 03, 2010 15:36
どこに自国の公用語以外の言葉で裁判する国があるんでしょうか。アメリカかぶれもいい加減にしてください。それとも、日本はアメリカの植民地でいいんでしょうか。それより、契約書が日本語でも相手方が受け入れざるを得ないくらいに日本を強い国にして下さい。
3. Posted by 窓際法曹   February 26, 2010 17:48
おっしゃる意味、大変よく分かります。

上のコメントの方は少し(というか激しく?)誤解しているようですが、紛争当事者がいずれも日本企業の場合でも、英文マターにした方が楽、ということは、実務的には非常によくあることです。

加えて、英文の書類が証拠になることに至っては、純粋な国内紛争でも(しかも当事者が個人の場合ですら)頻繁に見受けられることです。

後者の場合(たとえば特許無効の抗弁の際の引用例が米国特許であるとか)、あえて自己に有利に捻じ曲げた誤訳を平気で出してくる弁護士いますからね(特許紛争の場合、言葉が非常に重要になってきますので、悪意の誤訳は本気で許しがたいです)。

こちらの書面・証拠だけでなく、相手方の書面・証拠も、ダブルチェックしなくてはいけない、大変さは筆舌に尽くしがたいです。クライアントが全てのタイムチャージを払って下さっても、徒労感が漂います。

渉外案件にいたっては、仲裁すら流暢な英語で行えない日本が、シンガポールなどに仲裁場所を取られて、結局、日本企業に不利な結果となり、国益を害している現実から目を背けるべきではないと思います。

これは「植民地」などという次元の話ではありません。

実務的には、まず、建築などの専門委員の制度を充実させて、英文に関する専門委員をおくことが実際的かもしれませんね。

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