法曹界

May 17, 2009

最高裁判事人事

昨日(16日)の日経新聞が最高裁人事について書いていますね。

欧米の制度の表面的な理解を超え、思い切ってそれぞれの国の企業社会の本質をとらえた新しい法律学の創造を目指す際に、大事なのは最高裁のあり方の根本的な見直しだろう。


その後、最高裁判事の地位は司法行政畑にとっての出世階段という色彩が強まっている。時代にふさわしい判事を大胆に抜擢するという発想は見られない。


企業法制、金融・資本市場法制が大転換を迎えている今、最高裁にはこの分野の専門家がいないとの指摘もある。


いいこと書いてますね。現在の最高裁判事を批判するつもりはまったくありませんが(先日の痴漢無罪判決とか)、こういう発想は必要だと思います。

あと、米国に留学している若い判事補は、訴訟法とか基本法ばかり選択せずに、日本と法制は異なっていたとしても著作権法や独占禁止法など実体法を積極的に履修して米国の考え方も見て欲しい。この2つの法律はとても参考になります、米国の判例。コーポレート・ファイナンスや証券取引法もいいんじゃないでしょうか。


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November 23, 2007

セカンドオピニオン

オーマイニュースにこんな記事が。
弁護方針にも、セカンドオピニオン制度を

友人は別の弁護士にも意見を聞いてみようとしたのだが、「弁護士を立てている訴訟中の案件について、ほかの弁護士が、意見を挟むことは、原則としてできない」と言われ、断られたそうだ。


これってたまたまこの取材した事件の弁護士がそうであっただけで、これを一般化するのはどうかなと思います。セカンドオピニオンを受ける弁護士なんていくらでもいるでしょう。もしかすると、地方の狭い法曹界ではその受任している弁護士に気を使ってコメントは避けるのかもしれませんが、東京ではどうなんでしょうか。

少なくとも企業法務の世界では、意見書に関して複数取得することは珍しくないんじゃないですかね。

でも以前調べものをしていたときに、(うろ覚えですが)確か会計士の場合はセカンドオピニオンは原則禁止と規則で定められていることを知って驚いた記憶があります。今は変わったのでしょうか?

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November 11, 2007

サブプライム問題の影響がこんなところにも

クリフォードチャンスのNYオフィスでレイオフがあったそうですね。
http://blogs.wsj.com/law/2007/11/06/clifford-chance-lays-off-six-lawyers/

久々に外資系ローファームの怖さを知らされた気がします。それにしても330人弁護士がいて6人しかレイオフしなくていいのであればやらなくてもいい気がしますが、この迅速な対応っぷりが恐ろしい。。

格付機関の仕事をしていた人たちが対象になったみたいですが、能力を問わずたまたまその仕事をしていたからという話だと、専門化しすぎるのも怖いなぁと思ったり。



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May 05, 2007

事務所維持コストと弁護士報酬

4月はこちらで確定申告なるものをやりました。大枠を理解するために米国公認会計士の若菜雅幸さんのサイトを参考にさせてもらいました。この確定申告、実に複雑で面倒でしたが、どのフォームで提出するのかさえ決定すれば、あとはそのフォームのインストラクションを読めば何とかなります。私の場合Moving Expenseの控除が大きい。

さて、ご存知の方も多いと思いますが、ここテキサス州は州の所得税はありません。これってどれくらいお徳感があるのだろうと思ってちょっとWikepediaで調べてみました。

これによれば連邦所得税は最高35%のようです。ダラスには富豪がゴロゴロいますが、彼らは何億稼いでも35%の税金を払えばそれで終わりです。これに対して、他の州では最高9.3%、カリフォルニアなんかはさらに1%のMental Health Taxなるものが加わるようです。でも、さらに恐ろしいのは、NYは州税は最高税率7.7%までなのに、別途最高5.82%までのNYCのCity Income Taxが課されるそうな。すべて最高税率が課せられるとすると、48.52%もの所得税。日本と変わりませんな。

さて、こうしてみてみると、ダラスで弁護士をするのと、NYCで弁護士をするのとでは、実に税率にして13.52%も違ってくるのです。最高税率が適用されるだけの所得ですから、13.52%って破壊力ありますよね。

私がよく案件を手伝っているファイナンス部門のとあるパートナーはNYCの金融機関の仕事ばかりしていて、そしてとても忙しく夜1人で仕事しているので、「何故NYオフィスにいかないのですか?NYCなら夜一緒に残業してくれるアソシエイトもいるのでは?」と聞いたら、「NYCだとリビングコストと税金を考えると年俸が倍近くにならないと割りに合わない」との回答が。確かに。

ところでアメリカの事務所はコスト意識が高いというか、うちの事務所でも、各弁護士のアワリーレートはオフィス毎に異なっているようで、NYCに勤務している弁護士のレートはダラスその他のテキサス州のオフィスの弁護士のレートより高めに設定されています。下手すると年次の若いシニアアソシエイトやジュニアパートナーのレートがシニアパートナーのレートを上回っていることも。これはオフィス賃料の差が反映されているということなのでしょう。

これを考えると、日本でも丸の内などの一等地で見た目ゴージャスなオフィスを持って高い賃料を払うよりは、賃料を抑えてその分アワリーレートを抑える方が合理的かと。アワリーレートを安くすると同業者からは「あそこは廉価販売で客を取っている」と陰口たたかれるかもしれませんが(笑)、一定の利益率が確保されればレートを高く設定する必要はないし、そのほうがクライアントもハッピーですよね。

で、ここダラスでは対面の会議まったくなしで、電話会議とメールのみでNYCのクライアントと仕事できてますので、そういったことを日本でもできないかと。そうですね、一応週に1度はクライアントと集中的に会議を持つ日をもうけるとして、東京にアクセスしやすい場所がいいですね。例えば、静岡とか浜松あたりはどうでしょうか。

東京に比べればオフィス賃料は圧倒的に安いでしょうし、自分の家も東京では夢のまた夢である、一戸建てを海の見える高台なんかに持っちゃったりして、個人の生活環境も東京よりいいことは間違いなし。

契約書のドキュメンテーションやメモの作成をしっかりやってもらえれば対面の会議はそれほど必要ないという企業のニーズを想定しているのですが、どんなものでしょう?

まあ独立開業なんて今のところ全然考えてないのですが、ダラスでゆとりのある生活をしていると、そういうのもありかなと考えさせられるのです。


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March 09, 2007

白い巨塔と弁護士業務

数年前にフジテレビ系で放送された白い巨塔に以下のような場面があります。以下、里見は内科助教授で江口洋介、財前は外科助教授で唐沢俊明です。

里見:なぜオペをすれば大丈夫と断言した、転移が分からない段階で無責任じゃないか。
財前:転移の可能性は極めて低い、そもそも直せないかもしれないなんて言ってる医者に自分の命を預ける患者がいるのか?
   現に彼女は僕の言葉によって癌を受け入れた、そして手術を受ける勇気を持てたじゃないか。
   インフォームドコンセントだなんだと専門的な言葉を並べて患者に媚を売るより、絶対に大丈夫という強い一言の方が患者は安心するものだ。じゃ。
里見:医者は神様じゃない、患者と同じ人間だ。
財前:青臭い議論はやめよう、それより治療を急いだ方がいい、違うか。オペルームを確保して連絡するよ。

まあ、あり得るリスクや取りうる選択肢を全く説明しないのはどうかと思いますが、「絶対に大丈夫という強い一言の方が安心する」というところは、紛争解決型の弁護士業務(紛争ないし法律問題=病気と見れば類似のシチュエーション)では同じことがいえる気がします。「いやー、これは厳しいですね。うーん…」なんて言っている弁護士を見ると依頼者は皆不安になってしまうでしょう。それよりは「分かりました。任せてください。何とかやってみましょう」と言ってくれる弁護士のほうがどれだけ心強いことか。

困って助けを求めてきた依頼者を一安心させるということも弁護士の役割の1つかと思います。周りを見ていると、やはり自信満々な、あるいはどんなときも前向きな弁護士の方が圧倒的に売れている気がします。これは依頼者が企業であっても同様。やはり担当者をある程度安心させてあげられる弁護士が人気となるのは、人間の心理上当然でしょうか。


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February 23, 2007

新司法試験に関するヒアリング

第32回司法試験委員会第32回会議における法科大学院協会のヒアリングを読みました。

ロースクールの実態については全然知らないので、基本的にはコメントできるポジションにはないのですが、以下の点は気になりました。

短答式試験について、「私自身が刑事系の短答問題を解答してみたが、制限時間内には終われなかった。じっくり考える受験者が振り落とされてしまうことは適切ではないのではないか」(3頁)

これはそもそも短答式試験において受験者にどのような能力を求めているかということと関連するわけですが、論文式が別途あってそちらで考える能力、応用力が問われているのですから、短答式においても十分な時間を与える必要はないのではないでしょうか。このヒアリングの後のほうに出てくるコメントにもありますが、実務家になる試験である以上、事務処理能力を問うのは当然かと思います。

そもそも考える力というのはロースクールで養われていることが大前提であって、考える力が身についていない人はロースクールを修了させないという考え方もあるわけです。これはNY Bar Examで思ったことですが、NY Bar Examにおいては短答式も論文式も考える力は一切問われていないです。短答式において一番問われているのは問題文を読むスピードです。問題文の一部でも2度読み返す余裕はないのです。そのうえで反射で回答して正答できるくらいしっかり知識が身についていることが求められている。

論文式もじっくり考えることなどおよそ不可能でした。問題を読んでIssueを素早く抽出して、素早く書き始める。「えっと、あの構成要件は何だったっけ」なんて思い出している暇もなければ、「あの場合はこうだから、この場合はこうなるはずだ」と考えている暇もないのです。基本的にはIssueを的確に述べることが一番重要な試験。

と、このように米国では、司法試験は完全に実務家になるための試験として割り切られています。考える力は3年間のロースクールの勉強でついているという前提なのでしょう。

日本とアメリカでは司法試験の合格率が異なりますし、日本では受験回数に制限が設けられている以上、司法試験ではロースクールで鍛えられた能力以外のことが問われると安易に司法試験対策に走ってしまうという懸念があるのは分かります。しかし、あくまでも実務家になるための試験である以上、最低限の事務処理能力は問われるのは当然であって、ここを見失ってはいけないと思います。「考える法曹」ばかりが強調されていますが、考える力は論文式で問えばいいのですしね。学者になるための試験ではないのだから、事務処理能力と考える力・応用力の2点を問うべきでしょう。



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February 03, 2007

何がいけなかった?裁判員フォーラム

今日はちょいと前にゼミの友達に意見交換したこの件。

産経新聞が不適切な募集 最高裁と共催「裁判員制度フォーラム」(Sankei)

「最高裁判所は29日、1月20日に大阪市内で行われた『裁判員制度全国フォーラム in 大阪』で、参加者募集に際して現金支給を伴う不適切な行為があったことを明らかにした。募集業務を担当した産経新聞社の根岸昭正・専務取締役大阪代表は30日未明、大阪本社で会見し、『不適切な募集行為を行ったことは、フォーラムの意義と目的をゆがめるものです。関係の皆様に大変ご迷惑をおかけしました』と陳謝したうえ、再発防止に全力を傾ける考えを示した。(中略)
 参加者募集などフォーラムの実施運営については、産経新聞大阪本社が電通を経て委託されたが、募集が順調でなかったことから、担当の営業部員が人材派遣会社に1人5000円で70人を参加させるよう依頼し、同人数がフォーラムに参加した。」

ネットで見る限りではタウンミーティングのやらせと絡めての報道が目立ちましたが、当初は何が問題なのかが全く理解できませんでした。問題点を具体的に指摘している記事ってありました?

最高裁のコメント
「金銭を支払って参加を募るなどということは、裁判員制度の内容や意義に対する国民の理解を深め、参加に向けた意欲を持っていただくという本フォーラムの趣旨、目的に沿わない不適切な行為である。本フォーラムを共催した新聞社によってこのような不適切な募集行為が行われたことは、主催者としてまことに申し訳なく、今後、このようなことが行われることのないよう、厳に注意してまいりたい。」

産経新聞の謝罪
「裁判員制度に関するフォーラムで、不適切な募集活動があり、国民の皆様、最高裁判所ならびに関係各位に多大なご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び致します。言論・報道機関として社会の質の維持・向上という重い役割を担うべき新聞社で、国民の不信を招くような事態を起こしたことを深刻に受け止め、責任を痛感しております。今後、二度とこのような不祥事が発生しないよう、原点に立ち返り、新聞人としての自覚、社会的責務を再確認するとともに、再発防止策を早急に策定し、周知徹底を図ってまいりたいと思います。」

最高裁のコメントはなんかきれいごとを言ってきれいにまとめちゃっている印象。なのでスルーしそうになりますが、よくよく考えるとそうか?と。

私の第一印象は、産経は自腹切ってまで国民に裁判員制度の理解を深めさせようとして、これはむしろ美談か?というもの。現段階で多くの国民が裁判員制度ってよく分からないと言っているのだし、あまり関心もなさそうなのだから、人が集まらない場合には金を払ってでもフォーラムに参加させて裁判員制度についての議論を聞いてもらうというのはむしろいいことのような気もするのですが。フォーラムを聞いた結果、裁判員制度に意欲を持つこともあるだろうし、理解も深まるでしょう。そうすると関心のない人に、不純な動機付けであるとはいえそもそものきっかけを与える行為自体はそこまで批判されることはないんじゃない?って。

なので最高裁のコメントは本件にむしろ妥当していない気がしますね。産経も「不適切な募集活動」と言っていることからすると、参加者に金を払ったこと自体が問題であると認識している模様だけど、それも同様に筋違いかなと。

そうすると何が問題なのでしょうか。本件では、タウンミーティングのように役所が容易した質問をさせたわけじゃないですから、これと同列に論じるわけにはいかないですし。

これはひょっとすると、こんな参加するだけでお金がもらえる美味しいバイトを一部の人間だけに付与するなんて不平等じゃないかという批判かとまで勘繰って、2ちゃんねるまでチェックしちゃいました(さすがにそんな批判はなかった模様)。おお、そうすると頭いい人がずばり回答しておりました。曰く、この場合、新聞としてはサクラなんぞ使わずに参加者が少ない状況を報道して、参加者が少なくまだ世間の関心が少ない状況にあり今後の広報活動が課題と報じるべきなのだそうです。

なるほど。報道機関としてはそうだったのかもしれませんね。中には裁判員制度について国民的関心が高いとみせかけてひいては世論操作をしようとしているからダメなのだという過激な意見もありました(さすがにそこまでの意図はないと思うけど)。

でも他方でフォーラムの共催者だし、やるからには一人でも多くの人に裁判員制度を理解してもらいたいという立場も理解できるわけです。そうすると金払って募集したこと自体はOKとしたうえで、そのことをディスクローズしなかったことが問題になるんでしょうかね。それとも今回の最高裁や産経のコメントからすると、金払ったこと自体が不適切と捉えているので、ディスクローズしてもダメなんでしょうか。「金で安易に募集せずにもっとお願いしてきてもらわないとダメよ、金はダーティーなイメージがつきまとうから」ということで(涙)。

最近は色んなことに注意しなければ叩かれまくるという、兎角生きにくい世の中になってしまいましたねぇ(涙)。

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February 02, 2007

マネーロンダリングについての弁護士の届出義務

マネロン防止法 弁護士ら除外へ 「犯罪疑われる取引」届け出(Sankei)

 「犯罪に絡む収益のマネーロンダリング(資金洗浄)の防止を目的とした『犯罪収益移転防止法案』(仮称)をめぐり、警察庁は1日、『犯罪との関連が疑われる取引』の届け出を弁護士にも求めるとする規定を除外する方針を固めた。
 同法案をめぐっては警察庁が、マネーロンダリング防止の世界的な枠組みへの参加を目指して策定を進めていたが、『弁護士制度の根幹である依頼者との信頼関係にかかわる』として日弁連が猛反発。自民党からも日弁連との調整が必要との意見が出て、方針転換を余儀なくされた。」

朗報!!! この問題は弁護士の存続基盤に関わるもので、日弁連も精力的に反対運動をしてきました。詳細はこちら

弁護士が密かに「この依頼者は疑わしい」として警察ないし(修正案では)日弁連等の組織に届出をしているかもしれないとすれば、依頼者は安心して弁護士に相談できませんからね。しかも、国民の人権を守るべき弁護士が、本来相対するはずの捜査機関に捜査の端緒を提供するというのはちょっと違うかと。こういった弁護士業務の根幹を覆しかねない法律が阻止されたのは非常に大きいと思います。

日弁連がどんなに頑張っても今までは押し切られてしまうというイメージがありましたが、共謀罪でもかなり健闘していますし、素晴らしい成果。尽力された関係者の皆さんには本当に頭が下がります。

今までは自分の仕事をこなすだけで精一杯でしたが、最近それだけではいけないなぁと思いつつあります。やはり司法の一翼を担い、法律に精通する者として、社会に対しておかしいものはおかしいと訴えていかないといけないのかと。共謀罪の創設にしても国民が気付いてない問題点を指摘して認識を広めるなどの活動をすることは弁護士の社会的使命なんだろうと今さらながらに思います。

少しずつ頑張ろう、と今日は前向き。

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January 23, 2007

NY Law Firmの初年度年俸

Wall Street JournalのLaw Blogに本日こんなエントリーが。
Simpson Thacher Raises the Bar

シンプソン・サッチャーとは、いわずと知れた全米トップテンに入る法律事務所の1つですが(詳しくは、こちら)、どうやら新人弁護士の年俸を160,000ドルにすると発表したらしいです。去年サリバン&クロムウェルが145,000ドルにすると発表して多くの事務所が追随したとのことですが、2年連続の大幅アップ。

むー、1年目の弁護士なんて日米問わずとても仕事を任せられるものでもないのにそこまで大金払いますか。景気いいんですねぇアメリカ。

確かに、プライベートエクイティによる買収の記事をみない日はないですし、多くの金融機関を代理しているうちのファイナンス部隊もプライベートエクイティ向けのファイナンス案件でとても忙しそう。うちの事務所もベースサラリーアップのメモが今日回ってましたし、今年もその傾向は続きそうだということ。

アメリカのLaw Firmはこんなに景気がいいのに、Foreign Associateというポジションの私には一切関係ないのが悲しい(涙)。そのあたりがシビアなのがアメリカなんでしょうけど。

<1/23追記>
The Simpson Bump: Everybody’s Doin’ It!(WSJ Law Blog)

サリバン&クロムウェル、ポール・ワイス、クリアリーなどがシンプソン・サッチャーに追随すると発表したようです。なお、サリバンは98年入所の弁護士には310,000ドル支払うようで(シンプソン・サッチャーは290,000ドル)。基本年俸でそんなに払ってペイするというのがすごい。

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January 19, 2007

司法修習卒業試験(通称「二回試験」)

司法修習卒業試験:落第者向けの追試を廃止 最高裁(毎日新聞)

「司法試験合格者が専門知識を学ぶ『司法修習』の卒業試験で落第者が急増しているが、最高裁の「司法修習生考試委員会」は落第者を救済するための『追試』を廃止することを決めた。法曹関係者の間に『司法試験合格者数が増加して質が低下しているのでは』と懸念する声があり、委員会も『最低水準に達していない修習生を追試で救済するのはふさわしくない』と判断した。」

じゃあ今まで追試を実施していたのはどうして?と突っ込まれそうな理由ですね(笑)。まあ、これまでは司法修習生には国から給与が支払われておりいわば税金で勉強をさせていたわけですから、たまたま二回試験に落ちたとしても、それは病気などによる試験当日の体調不良のせいかもしれないしもう一度チャンスを与えないと2年間ないし1年半の間にかけたコストが水の泡になっちゃって返って国民の皆様に申し訳が立たないということだったんでしょう。

Wikepediaの「司法修習」の説明によれば、この司法修習生への給与が貸与性に切り替わるのは2010年度からのようなので、その意味ではまだ追試を続ける必要性があるのではないかという気もしますが、近時は二回試験受験時の体調不良やうっかりミスをたまたましてしまったというパターンではなく、教官が日常の起案を見ていて「これは救いようがない」と思うことが多くなってきて、その結果「最低水準に達していない修習生を追試で救済するのはふさわしくない」という判断に至ったのでしょうか。

司法修習終了試験、過去最多の16人不合格(Nikkei Net)

「司法試験の合格者が法曹(裁判官、検事、弁護士)となるために義務付けられている司法修習の2006年度(59期)修了試験で、16人が不合格となったことが18日、分かった。過去最多で、不合格者が2けたに上ったのも初めて。
 (中略)
 06年度の修了試験は昨年9月に実施され、まず受験者1493人のうち10人が不合格、97人が合否留保となった。合格留保者は追試を受け、91人は合格したものの、残る6人は不合格が確定した。
 不合格者は修習生が700人台だった1997年度(49期)から2000年度(52期、53期)まではゼロで、修習生が約1200人に増えた04年度(57期)が5人、05年度(58期)は2人だった。」

確かに、私の時代(52期)のときは合格留保になった人も3名程度で追試に落ちた人に至っては聞いたことがないくらいだったので、合格留保が107人にものぼったというのは驚きです。59期の前も、57期、58期とそれぞれ50人、30人程度の合格留保者が出て追試を受けている。確か昨秋の最高裁のコメントだと二回試験の合否基準は変えてないということなので、これらの数字をみて「司法修習生の質の低下」と一般的に評価されてしまうのも仕方ないかもしれません。

でも、それは司法試験の合格者人数を増やしているのだから当たり前の話かと。合格者数は、52期が750人、53期が800人、54期〜56期が1000人、57・58期が1200人、59期が1500人。

司法試験は人数による相対評価である一方で、二回試験は絶対評価(しかも合格者拡大にかかわらず基準変えず)。こうしてみると合格者1200人あたりからは1年半に亘る修習教育による実力の底上げもむなしく、こぼれ落ちる人が大量に出てきてしまうというなのでしょう。

ちなみに、民法の司法試験委員をしていた私の大学時代のゼミの教授によれば、私の時代でも「到底合格できる基準に達していないと思ったけど、合格者人数が決まっていたから仕方なく合格させていた」ということらしいです(手厳しい!)。

誰かが「資格試験というのは絶対基準であるべきで、相対基準を採っている日本の司法試験は資格試験ではない」と言っていたのですが、日本の司法試験に関しては、むしろ相対基準にしているがために絶対基準にするより多くの合格者を輩出していたというのが実態だったのかもしれません。

話がそれましたが、司法修習は、類をみないほど丁寧かつ質の高い教育システムだと思いますが、それでもここまで合格者の底辺層が拡大してしまった今、1年半という期間では限界なのかもしれませんね。せめて修習期間が52期までのときのように2年あれば、合格留保者もこれほど大量には出ないだろうにと思います。修習期間の6ヶ月の差は非常に大きいし、二回試験の試験範囲も膨大であることを考えると修習の後期日程が4ヶ月か3ヶ月かでは準備にも大きな差が生まれますし。

それを考えると、今後旧司法試験合格者については1年4ヶ月、新司法試験合格者(ロースクール組)についてはたった1年の修習期間になってほんとに大丈夫なのかと不安になります。ロースクール教育が研修所機能の一部を代替するということらしいですが、あの司法研修所ほど丁寧かつ質の高い教育をできる機関は他にないだろうと思うのです…。

まあ、フタを開けてみないと分かりませんので、ここはロースクール教育に期待しましょう。これで不合格者(追試はないから今の合格留保者=即不合格者ということになるのでしょう)が恒常的に大量に出るようだったら、3000人体制は再考して司法試験合格者を適正な数まで絞るべきなんでしょうけど、そんなことは文科省の顔に泥を塗るようなものなのでできないでしょう。そうすると現実的には不合格者が大量に出ない程度に二回試験の合否基準を下げることになるんでしょうか。最高裁はそういうところについて政治的に対応してくれるところなのか見所であります。

と書いてて今思ったのですが、新司法修習制度に移行する段階で二回試験の合否基準をあっさり見直してそうですね。ロースクール制度の失敗は許されないでしょうから関係各所からそこまでの根回しが行われていそうな気がしてきました。

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February 15, 2006

弁護士の専門化

先日の「これから先」というエントリーに対し、様々なコメントをいただきどうもありがとうございました。

私自身は、専門化といったときにアメリカやイギリスの弁護士のように自分が受け持っている分野(しかもめちゃくちゃ狭い)以外の分野については「え、こんな基本的なところ(いかにもクライアントから質問されそうなところ)も即答できないくらい何も知らないの?」という状態になるのは嫌ですね。

他方で、弁護士数が激増する今後については専門分野を持たない限り、新規顧客を開拓する際に売り文句がなくてつらい思いをするかもしれませんね。ジェネラリストでありたい、というのは既存クライアントとの関係を念頭においた発言であって、新規顧客を開拓する場合には、やはり「この分野なら負けません」というものを持っていないといけないのでしょう。

なので好ましいのは幅広い分野について土地勘を養っておきつつ、1つや2つの専門分野をつくることなのかなぁと思ってます。勿論、専門分野によってはクライアントの専門性が高いために、それと同程度の知識をキープするだけで大変で他の分野の勉強をするのは難しいかもしれません。この点は仕事のベースがコーポレートなのかファイナンスなのかで極端に違ってくるところかもしれないですね。neon98さんも仕事はコーポレート系が多いのではないですか???

それにしても、「私は訴訟が専門分野です」なんて言ったところで、おそらく日本の8割方の弁護士は訴訟が専門というでしょうから、あんまり有効じゃないかもしれませんね(涙)。そうすると峻別化できるポイントは、普段からM&Aや証券化等のTransactionに関わっていて(=その分野に土地勘あり)、なおかつ、訴訟技術も持ってますよ、というところでしょうか。

そうすると、訴訟はそれ自体が専門というよりはむしろそれができることを当然の前提としたうえで、さらに何か特定の分野について専門性を持つということが重要かもしれないですね。

さて、訴訟以外に何を専門にしていくべきか・・・。

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February 03, 2006

イタリアの法曹事情

超久々にアップしてみます。

今日はLLMの同僚であるアルゼンチン人のBirthday Partyに参加してきました。LLMのおよそ半分が参加していたみたいで彼は人気者です。これまであまりLLM全体の飲み会には参加しなかったのですが、やはり交流は大事ということで、サッカー日本代表VSアメリカ代表の親善試合のTV放送もブッチして行ってきました。

で、今日はイタリア人友達にイタリアの弁護士事情について聞いてきました(酒の席で聞いたこともあり、以下、不正確な部分もあるかもしれません)。イタリアではロースクール(法学部)で4年勉強して卒業した後、2年間法律事務所でインターンしなければ弁護士試験を受けられないみたいです。弁護士試験の合格率は平均で17%くらいの模様。もっとも弁護士試験は全国統一ではなく各Region毎に区分されていて、やさしいところだと合格率は25%くらい、難しいところでは15%くらいのようです。どのRegionで受験しても合格後は全国で業務ができるとか。

ところで、あえて「弁護士試験」と呼ぶからには理由があるわけで、イタリアでは裁判官及び検察官の試験は別途あるそうです。こちらは弁護士試験より難しく、合格後に裁判官になるか検察官になるかを選ぶとのこと。

イタリアも日本と同じように弁護士はまだそれほど専門領域を持っていないとのこと。また、最も大きい法律事務所で弁護士200人くらいを抱えているということなので、日本と同じような感じですね。イタリアの弁護士総数を聞いたら「分からない」ということでした。今度他のイタリア人に聞いてみよう。

ちなみに、主賓のアルゼンチンの彼にアルゼンチンの弁護士総数を聞いてみたら、これまた「分からない」とのこと。でも、その後に冗談なのか、「アルゼンチンでは成りたいものがなければとりあえず弁護士を目指せと言われている。そうすれば政治家なり色んな方面に進めるから。だからいっぱいいるぜ。」なんて言ってました。色んな国の法曹事情を聞くのは面白そうなので、今更ながら機会があったら他の国の人にも聞いてみようと思った次第です。

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November 29, 2005

裁判官罷免請求

Corporationの予習をしている合間にNIKKEI NETみてたら面白い記事発見。
「判決短すぎる」と減点の判事、上司の所長罷免を請求

裁判所の人事については何にも知らないですが、そもそも上司が如何様に部下を評価したかについて部下は知らされるような制度になっていたということでしょうか?

それにしても、「罷免請求」ってすごい手段ですね。辞めろってことですからね。裁判所というとなかなか上に向かって意見がいいづらい社会を想像しますが、上司に対するこの盾突き方は並大抵のものではないですね。法的手段がこれしかなかったということでしょうか。ある意味、裁判所の革命児。まあ、浅生裁判官って長らく東京高裁の部総括を務めていた裁判官だったと思いますが、結構個性が強いという話を聞いたこともあるので、それ以外にも伏線が色々とある気がしないでもないです・・・。

この罷免請求が認められるかどうかは知る由もないですが、それより裁判所の井上裁判官の取扱いという意味で、井上裁判官の今後の異動先に注目ですね。

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