>内容(「BOOK」データベースより)
>岡田斗司夫が10年以上かけて作り上げたノート術、「スマートノート」のシステム。
>始め方、続け方を伝授!簡単に始められ、続けられる。楽になる。面白い人になる。「わかる」瞬間が来る。そしてあなたはいつしか「天才」に。


★以下は自分用の抜き書き★


現在の、パソコンやスマートフォンで使えるノートやシステム手帳のソフトはどうでしょうか?
さすがに紙のシステム手帳時代のような転記のムダはなくなりました。しかし面倒なことには、かわりがない。
なにより、IT系のツールというのは基本的に欧米エグゼクティブ向けの「とんでもなく忙しく案件の多いビジネスマン向け」のツールです。「人の10倍働く人のための情報管理ツール」なんですよ。
私たちが望んでいる「雑事が楽になればいい」程度の動機で使いこなそうとするのは、大げさで無駄が多すぎる。
(17頁)
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「天才」とはなんでしょうか?
「天才」とは、以下の3つの能力を兼ね備えた人です。
1.発想力
2.表現力
3.論理力
このそれぞれに関して高い能力を持ち、それが強い主体性によって1つの人格の中にまとまっている状態。
これを「天才」といいます。
(20頁)
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3つの能力のうち、2つでも兼ね備えた人は、人生の成功者になれます。
たとえば発想力と論理力を兼ね備えた人は、「改革者」「やり手」になれます。
ソフトバンクの孫正義社長や、ホリエモン、勝間和代など、ビジネス界の成功者に、このタイプをよく見かけます。
他人の気付かない意外な視点、すなわち発想力で捕まえたビジネスチャンスを、強烈な論理の力で実現化していきます。
他人から見れば彼らは「意志と上昇志向の塊」に見えますが、彼らにしてみれば「論理的に考えて当たり前のこと」をしてるだけなんですよね。

表現力と論理力を兼ね備えた人は、「頭のよい人」にあれます。
ハーバード大学の政治哲学者で、大ブームになったマイケル・サンデル教授やニュース解説者の池上彰、意外なところでは島田紳助が、このタイプです。
彼らの特徴は、その圧倒的なプレゼン能力。・・・

発想力と表現力を兼ね備えた人。それは、「面白い人」です。
ダウンタウンの松本人志など、お笑い界で活躍する人は大部分、このタイプです。・・・

では、3つの能力を兼ね備えた「天才」とは、どんな人でしょうか?
ビジネス界ならアップル社のスティーブ・ジョブズ。日本の芸能界なら北野武。・・・
単に1つの能力が高いだけではない。圧倒的な才能を感じさせる存在。専門分野の枠を超えたカリスマ。それが「天才」です。
(23頁)

発想力と論理力を併せ持つ「改革者」「やり手」。
彼らが、専門分野を超えて歴史に名前を残さないのは、「本人から話を聞いても面白くない」「本を読んでも、楽しくない」からです。・・・
勝間和代さんは個人的に友人で魅力的な人ですが、やはり「しゃべりがヘタ」です。ビジネスパーソンとしては充分以上に上手いのですが、得意分野以外の話をしても人が聞き入ってしまう能力がありません。それさえあれば、日本初の女性宰相にふさわしい人物なのになぁ。(25頁)
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スマートノートは、

1.5行日記(行動記録) ・・・基礎
2.今日はどんな日?(行動採点)・・・基礎
3.毎日いち見開き(論理訓練) ・・・論理力・表現力
4.見せてお話(表現訓練) ・・・表現力
5.臨界突破(脳内リンク開始) ・・・発想力
6.知識→教養→見識(統合) ・・・統合的人格
7.世に出る(私によれば世界は)・・・自覚と覚悟

という7つの段階(フェーズ)からなっています。
各フェーズをクリアするごとに、次のフェーズに進みます。(35頁)
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そもそも、およそダイエット法と名のつくものなら、どんなものでも1年続ければ、必ず痩せるに決まってます。・・・
ダイエットで考えるべきは、「どうやって痩せるか?」ではありません。
「どうやってモチベーション(やる気)を保ち続けるか?」だったのです。(39頁)
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1.5行日記

最初のフェーズ「5行日記」のルールは簡単。
『毎日5行、やったことを各』
たった、それだけです。

毎週月曜日か日曜、新しい週に変わるたびに真っ白な2ページを開いてください。右ページに毎日5行ずつ、日記を書きます。・・・
〇〇が〇〇した。
〇〇が〇〇だった。
という感じで、名詞と動詞を使って(具体的に)短く書きます。

1日の出来事で印象に残っていること、5つを選んで書いてください。(41頁)
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コラム
私は大学の時からメモをつけていました。
そのころは、数字とか人の名前を書いているだけでしたが、それでも効果は大きいのです。
議論の際はポケットからメモを取りだして、書きながら話をしていました。
SF研究会に入ったときは1年生だったので周りには先輩しかいません。当然のように先輩たちがすべてを決定して、私たち下級生はそれに対して唯々諾々として従うしかありませんでした。・・・
イベントが進み出して情報が錯綜し始めると、すべてを正確に覚えていられる人など、いなくなってきます。
最初、「お前はメモを取らないと覚えられないのか」と見下すような態度だった先輩たちも、最終的には、私のようにメモを取る人間に確認しないと仕事ができなくなってきたのです。
そうすると、いきなり自分中心に仕事が回りだしました。
メモは最終的に強力な武器になる。そう実感した瞬間でもありました。(52頁)
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パソコンでテキストとして打ち込むと、あとでデータベースとして使える、という意見もありますが、私は賛成できません。
自分の日記やノートをデータベースにしても、大した意味はありません。書いて忘れることの方が重要です。
・・・ノートによる思考法は基本的に『農業』です。
「効率よく知的なアウトプットを増やす」という工業的な発想ではありません。そんなやり方では一時的にアウトプットが増えたように見えても、あなたの脳内はやせ細り枯渇してしまいます。(56頁)
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カード破産する人は、全員必ず、自分の借金の総額を知らない。・・・
借金状況など簡単にわかる。具体的な数字を書き出して、足してみるだけだ。が、そんな単純なことが出来ない。
「やったら、怖い結果が出そうだから」・・・
同じく、ひょっとしたら私はすでに「体重的に破産」しているのかもしれない。そう考えてみた。だっていま、自分の体重を知らないし、「なぜ太っているのか」について自分でもわからない。(66頁)
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2.今日はどんな日?(行動採点)

1週間続けてノートが埋まるようになったら、次のフェーズです。・・・
やることは超簡単。
今日の行動記録に、図のように右側に0~5点の間で点数をつけてください。(59頁)

大事なことはマイナスの点数をつけないこと。・・・
良くも悪くもなかった普通のことなら2~3点、面白かったことに4点をつけます。
ポイントは0点や5点を乱発しないこと。・・・
0点や5点はそれぞれ、1週間に数回程度。多くても1日1回程度。(60頁)

スケジュール術や仕事術などの本で「時間の節約をしよう!」という呼びかけをよく見かけます。
でも、そうやって時間を節約する努力なんかより、自分で評価した「採点の低かった行動は繰り返さない」という方が、毎日楽しくなるし、結果として時間も節約できます。
自分では楽しいと思ってやっていたことでも意外と点数が低かったり、逆に無駄に思えていることでもやりがいを感じている場合もあります。
まず、ひたすら行動記録。(73頁)
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3.毎日いち見開き(論理訓練)

毎日(見開きで)2ページ、使います。・・・
(右ページの上に日付を入れたら)右ページから使いはじめます。(100頁)

まず、「感じたこと」「思いついたこと」を書く。
書いてみましたか?
では、それが今日のあなたの「お題」です。・・・
自分の中から出てきた「お題」に対して、まる2ページ使ってあれこれ考えること。
これがスマートノートの第3フェーズです。(104頁)

まず下方向に「なぜ?」と原因を掘り下げる。
次に上方向に「ということは?」と推理を積み上げてみる。
「どうする?」という解決策を考えてみる。
左方向、すなわち時間軸を過去にさかのぼって、「昔はどうだったか?」を考える。
右方向に、「同じような事例はなかったか?」と類似や連想を広げる。
最後に「私はいま、高考える」という自分事として結論を出します。
これを繰り返すことで論理力は充分に身につきます。(107頁)

必要なのは、自分はどうするのか? というところまで考えること。
それまで無責任に考えていたことに責任感が加わり、他人とは違う意見になります。
考える、ということは「間違っててもかまわないから、自分なりの結論を持つ」ということです。
(114頁)
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毎日は無理としても、週に3回ぐらい、以上の5段階で右ページを真っ黒に書き込みできれば、1年程度で人には負けない論理力がつくでしょう。(115頁)

でたらめな論理、間違った論理は大歓迎。
間違ってるけど魅力的な理屈。
それを人は「面白い」と呼びます。(117頁)
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左ページの書き方は大きく分けて4種類あります。・・・
考案者である私が思いつかなかった使用法でも全然かまいません。
A:右ページの続きを書く(左ページの上から)・・・
B:図解や要点をまとめたり箇条書きとして抜き出す。つまり「まとめページ」にする。
C:「面白いこと」を書く(クリエイティブなこと、極端なこと、ムチャなこと、単なるギャグ)
D:ホワイトボードとして使う(後述)
(117頁)
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面白い要素とは何か?
6つに分類してみました。

1.具体的な体験談(失敗談)
2.的確な「たとえば」話
3.「要するに」抽象化
4.無茶なギャグ、ダジャレ
5.ムリくりイラスト化、替え歌
6.キャラ化
(キャラが2人だと単に説明的な会話になってしまう。キャラは3人作ると、うまく廻るようです)
(121頁)
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4.見せてお話(表現訓練)

第4フェーズは・・・「他人にノートの中身を話す」という段階です。(136頁)

ノートの中身は誰彼かまわず話しましょう。
ブログは、読んでくれるかどうかわからない。
だから「読んでもらえる場(SNSなど)」に参加して、そのコミュニティで発言するようにしましょう。(138頁)

ノートをいつも持ち歩いている人は、「スマートノートがコミュニケーションツールである」ということに気がついています。
実際にノート術を続けていると実感できるでしょう。
というのは、自分の中だけで考えているより、人と話した時の方が、新しい発見や気付きが生まれやすい。私の経験上でも、面白いアイデアや新しい概念が生まれる場合、人との対話がきっかけになることがほとんどです。
(140頁)

コミュニケーションツールとしてのスマートノートの使い方は、相手と自分の間にノートを広げて、目の前でメモを取るという方法がいいでしょう。見開きの左ページを、互いが書き込める共用ページとして使ってみるのです。
教室や会議で使っているホワイトボードのかわりにする、というイメージです。(142頁)

相談された時の使い方。
まず相手の話を右ページに箇条書きします。・・・
次に右ページに箇条書きした内容を一緒に見ながら、左ページに相手が言いたかった要点をまとめたり、図解を描いたりしてみます。
そうすると、相手も感情だけにとらわれずに、冷静に状況を見ることができるようになります。・・・
右ページと左ページを行ったり来たりしてください。・・・
話し合いが終わると、右ページには相手の言い分や事実関係、左ページにはお互いに同意した内容やこれからの対策が残っていることになります。
(144頁)
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5.臨界突破(脳内リンク開始)

第5フェーズへの移行は、・・・第3、第4フェーズをずっと繰り返していると、ある日急にやってくる状態です。
脳内でこれまでノートに書いた断片的な論理や小ネタ、個人的なエピソードやたとえ話。あるいは人に見せながら書いた相談内容などがひと塊になり、ある日急に「わかる」瞬間が来ます。
それは小さな「わかる」かもしれません。
1日に何度も「わかる」かもしれないし、1週間連続で毎日いろんなことが「わかる」かもしれない。(161頁)
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6.知識→教養→見識(統合)

第6フェーズは、いよいよ「統合」の段階です。
これまでずっと、右ページに論理的なことを書き、左ページに面白いことを書いてきました。・・・
こうしたことを何ヶ月もずっと続ける。
そして、時々は人に話してみる。・・・
気になっているテーマやアイデア、考えから「何でだろう?」とか「じゃあどうしよう?」と考えて書いていると、それが自分の意見や仮説になりはじめます。
意見や仮説。
これこそが財産です。(197頁)

そういう「意見や仮説」が集まって、最終的に「見識」と呼ばれるものに成長します。(200頁)
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(たとえば誰かの本を研究する時)
一番いいのは、まずそれを全部写すこと。
いいなと思った本は半分写すくらいのつもりで各ページごとに1~3行のまとめを作らないとわからない。自分でメモを作って構造化してみる。「あっ、だから作者はこの段落の後にこの文章を入れたんだ、この章の後にこの段落を入れたんだ」
「言葉が足りないと私が感じたのは、何が原因だろう、もう1年経ったら考えてみよう、もう2年経ったら考えてみよう」
こうすると、ものすごく学べます。(222頁)
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7.世に出る(私によれば世界は)

実はブログやネットデビューするのに最適な時期は、この第7フェーズか、または第6からです。(228頁)

ノートの中で熟成させて、いろいろ考えて、これが面白いと思ったものを「じゃあ今日はこれを見せよう、あれを見せよう」と、加工して出す場がブログなんですね。(231頁)

せっかく「天才」になったんだから、デビューしましょうよ。・・・
天才の特徴は「強い主体性」です。
それは「この世界に対する責任感」「関わろうとする意思」という意味です。
強い主体性、すなわち「この世のことで自分に関係ないことなんかない」という、途方もない自我は、あなたに告げるはずです。(246頁)

(fin)