最近輸出の問い合わせが多く、
この前朝日新聞にも載りましたし
次は別の新聞に出るみたいですし
政府のぶっとい冊子も読んだら即寝てしまいそうですがちらちらと読んでいますし
こないだ政治家の飲んでまして、生糸の事例を教えてもらい、おもしろいな、と思ったので
普段とはちょっと違う視点で農産品の輸出を考えてみましょう。

1800年代後半から1900年代前半の生糸の輸出から
どうすれば日本の農産物の輸出がうまくいくか考察してみます。

参考
「生糸輸出と日本の経済発展」
山澤逸平
一橋大学研究年報.経済学研究、19:57−76
1975−5−26


日本の農産品の輸出がうまくいくには
生糸のように、国内の農業基盤を「輸出志向工業化」できるかどうか
ということみたいです。

生糸輸出が成功したポイントとしては5点あります。

1、強い需要があるか
生糸はアメリカに強い需要がありました、養蚕の病気が広がりヨーロッパから供給がとまりました、そこで日本の登場です

現状、農産品は伸びるアジアとそこで増える需要がターゲットでしょう。


2、関税構造
アメリカへの生糸には関税がかかりませんでした、しかし加工度を高めた絹糸には30%の関税が、絹織物には50%の関税かかけられていました、アメリカが絹織物加工業を国内に残したかったのがわかりますね

現状、TPPによりほぼ関税なしの11億人のマーケットがアジア太平洋に広がることでしょう
ただ今のままでは発効するかどうかまったく読めませんが。


3、低賃金コスト、労働生産性、機械化
生糸は
日本の農村の賃金は安かった
そして勤勉である
外国から輸入した機械を日本仕様に低コスト化や使いやすくすることに秀でていた

現状、日本のパートさんの賃金は世界的に見ても低いようです
外国人の技能実習生名目で労働力も入ってきています
日本の賃金は安いんです。
そして100年前と比べて全く変わらないように勤勉なんです。
それに機械の現地仕様化は上手なんです。
日本の農産品イケる可能性あるね。


4、競争
イタリアと中国とで激烈な競争をしていた
価格でいうと、イタリア>日本>中国
中国は勤勉さがなく機械化に失敗したようだ、今も昔も一緒だね

現状、アジアの市場では
アメリカ、オーストラリアといった先進国からの農産品と競合し
韓国、中国といった中進国との農産品とも競合している
競争することが知恵を生み、行動につながる。
霞が関や永田町で文句ばかり言っていても何もはじまらない。

今日電話でとある行政の子と話をしていて
特定の農家さんへの肩入れは行政職としてできない
と言われた
情けない


5、為替相場
銀本位制から金本位制に移行した時期とかぶり、三割ほど為替が安くなった

現状、アベノミクスで札束いっぱい印刷して円安にふったが、三年で円高に戻った。
アベさんはそろそろ三本目の矢ということで、本気で日本の構造改革に取り組んでほしいね。
マネーを供給してももうなにも感じないよ。
今後円安方向に振れればと私は期待しているので、日本の輸出はガンガンいけてバラ色でしょう。


以上こうやって考えてみると
けっこうおもしろいでしょ。


次のトピックスとして
誰が生糸をアメリカに売ってもうけたのか、
その利益構造について考察しよう。

私の仮説では以下である。

仲買人と貿易をやった財閥が半分以上の利益をもっていており
養蚕農家や製糸工場には半分以下の利益分配構造であった

だから、今後の日本の農産品の輸出においては
我々農家や農協組織が率先して
海外の現場まで売りに行って利益を確定させ
仲買人や大企業に利益を渡さない
それこそが農家の所得向上にある
決して生糸のように女工哀史のようなことにはならないぞ