2016年10月18日

BiSH Less than SEX TOUR FINAL'帝王切開' 日比谷野外音楽堂(下)

DSC_076018:00に開演。
熱狂的なファンばかりで、会場全体がすぐに総立ちとなりヒートアップした。

なにぶん初めてなので、独特のコールや拍手による合いの手、腕の動かし方等にはついていけないが、見よう見まねで従った。
日比谷野音に入るのは約25年ぶり。
座席が扇型にすり鉢状に配置されており、ステージが見やすい。
一番安い席で後ろの方とはいえ、日産スタジアムでいえばアリーナの真ん中あたりに相当する。
ステージはきらびやかにライティングされ、背景には日比谷の高層ビル群が見えて、国立競技場と比肩するのは行き過ぎだろうが、いい借景となっている。

セトリは最近の曲が多かったようで、ほとんどは知らない曲だった(ファーストアルバムの曲もあったが、”Is this call??”以外あまり聴いていないので記憶にない)。
しかし、ロック系、メタル系の楽曲が多く(パンク系も)、初見でも盛り上がる。
ボーカルはパート分けがされている(サビもユニゾンしない)が、やはり特筆すべきはアイナだ。
そのハスキーな声は空気を一変させるくらいの力を持ち、アイナが歌うだけでとにかく感動してしまう。
ここまで独自性のあるエモーショナルなボーカリストはアイドル界屈指だろう。
このボーカルにはすっかり惚れ込んでしまった。

とりわけ中盤の「Primitive」という曲。
サビのメロディーが秀逸で、そこにのっかるアイナの声が強く胸を打つ。
初めて聴く曲だが、一発で好きになった。
続いて念願の「Is this call??」。
CDのほうがAメロのラインがより繊細だった気もするが、生で聴けただけで満足だ。

「パフォーマンスが過激」という先入観があったが、そんなことはなかった。
スタッフをステージに上げてボコボコにする(ふり)とか、「Hey gate」という曲にあやかって客に「ハゲ」と叫ばせる、などはあった。

BiSHのもう一つの特徴は、アイナが一人で考えているという、振付だ。
全体で一つのフォーメーションを形作ることはなく、シンクロした動きが中心。
ときどき一人か二人が別のことをやっていたりする。
6人が横一列になっているときと、前後ろ2列になっているときがあり、頻繁にメンバーの立ち位置が入れ替わる。
その動きはなにか演劇的な要素を感じさせる。

アイナ以外メンバーの名前も覚えていない状態で臨んだが、もう一人のメンバーのことが途中から気になり始めた。
そのメンバーは、最初の自己紹介のとき、半べそをかいているように見え、大バコなので緊張しているのかなと思った。
そのあと「私が初めて作詞した曲です」と言って1曲やった(後に調べたところ、BiSHはほとんどの曲をメンバーが作詞している)。
そのメンバーは、振付がなんとなく慣れない様子で、少しぎこちなく、雰囲気も、どこにでもいる大人しそうな女の子のようで、ほかの海千山千(?)のメンバーとは異質だった。
メンバーの入れ替わりがあったことは知っていたので、新しく入ったメンバーなんだろうなと推測した。
スクリーンにアップになったのを見ると、至ってキュートな顔立ちで(公式サイトを覗いたときには、好みのタイプは一人もいないと感じたにもかかわらず)、その表情には、まるで肉食動物に睨まれた小動物のように、どことなく不安げで、何か心ここにあらずというようなところもあった。
頼りなげで、はかなげで、本当にこの”濃い”グループでやっていけるんだろうかと心配になった。
しかし、新人(この時点では推測だが)にもかかわらず、懸命に踊り、歌い、先輩たちについていこう、BiSHの一員として認められようという強い意思を感じ、いつの間にかその健気さに胸を鷲掴みにされた。
後半はほとんどこの子の姿ばかり追いかけていた。
後で調べたが、名前は「アユニ・D」(以下「アユニ」)、8月に加入したばかりの新メンバーだ(公式サイトでは、あまりかわいくない写真をわざと使っているとしか思えない)。

bish本編終了後、アンコールではオーケストラとの共演で、既述の名曲「オーケストラ」をやった。
3番のサビ、
「その手と手つないで笑いあった声 忘れはしないよ
こんなにも流してた涙も語る声もオーケストラ」
のところでアイナが突如涙ぐむ。
最後は静かめの曲で締めくくり、終演となった。
ツアーファイナルをやり遂げた安堵感からか、アユニが泣き出した。
ほかのメンバーがこれを取り囲んで、自分たちも泣きながら慰める。
このへんの流れには胸が熱くなる。

楽曲の質もパフォーマンス力も高く、充実した2時間だった
ダブルアンコールを求める声が止まらない。
メンバーとプロデューサーが出てきて、もう歌えないということで挨拶があって終了した。

日をおかずしてyoutubeにアップされたこの日の「オーケストラ」の動画を見ると、改めて、鬼気迫るほどのパフォーマンスだと思う。
アイナにばかり注目していたが、もう一人のメイン・ボーカリストであるセントチヒロ・チッチの歌声も力強く魅力的である。
現在は歌は「被せ」らしいが、生歌を徹底して、生バンドを入れたりすると、よりかっこよくなるに違いない。



hideki223 at 20:10コメント(0)トラックバック(0)BiSH | 音楽 

トラックバックURL

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 
最新コメント
Archives
記事検索
  • ライブドアブログ