エンドユーザー、直訳すると最終消費者ということでしょうか。

昨年夏休み以降、不動産会社から沢山の物件情報を頂き、現在もいただいています。その多くは不動産会社が転売目的で保有している収益物件(賃貸用不動産)であり、利回りは4%台〜6%台といったところですかね。

紹介と同時に出てくる言葉は皆々「エンド向けです。不動産投資をするエンドはいませんか?」です。

何がエンド向けなんだろうか?そう、それは価格であり利回りのことです。当然、エンド向けは、エンド(最終消費者)だけあって転売をしてきた何社もの不動産会社の利益が乗って、価格は高くなり、利回りは低くなっています。

そんな皆さんに失礼を承知でひとこと

「残念ながらエンドユーザーはいません」

そう、どこを見渡しても「その金額で購入する(購入できる)エンドユーザーはいません」それが現実です。



■超短編小説「エンドーさん」    作:伊藤英昭

不動産業者ABCが、物件情報片手に集まって何やら話をしている。

A「どうやら不動産を高く買ってくれるエンドーさんという凄い人がいるらしい、知ってるか?」

B「知らなかったよ、でもそれは凄いな、で、どれくらいで買ってくれるの?」

A「利回り3%〜4%もあれば十分らしいよ、「高値買いのエンドー」と呼ばれ、ある筋では有名らしい、何でも長期保有目的で、相当物件買ってるらしいよ」

C「それは凄いね、だったらエンドーさんに買ってもらう前に、ぼくら業者仲間で転売して、みんなで儲けようよ」

ABC「そりゃいいね、順番どうする?」

C「AさんからBさん、ぼくは最後でいいから・・その後でエンドーさんに買ってもらうよ」

AB「そうだね、エンドーさん気前いいからね・・思った以上に高く買ってくれるかもよ・・・」

さて、最後に物件を購入したCさん、エンドーさんに物件を買ってもらおうと連絡をとりますが、エンドーさんは出張やら会合やらで忙しいらしくなかなかアポイントがとれません。

C「エンドーさんは相当な資産家だからな、忙しいんだろうな、今回の取引がまとまったら、またエンドーさんに物件買って貰おう。楽しみだなぁ、なんか自分だけ儲かるようで、ABには申し訳ないな・・・ま、とりあえず黙っておこうか」


その後、エンドーさんに何度かアポイントを試みますが、今度はシンガポール出張、帰国は1週間後、その後直ぐにドバイに向けて出張だそうです。

C「すごいすごいとは聞いてたけど、本当に凄そうだな・・・そうだ、エンドーさんに気に入ってもらえるよう、エンドーさん用にもっとたくさん物件買っておこう。」

C「それにしてもエンドーさん、どんな人なんだろうなぁ・・・・そうだエンドーさんが帰国したタイミングで挨拶方々エンドーさんの自宅に行ってみよう、きちんと挨拶だけはしておいたほうが今後のためにもいいからな・・・・エンドーさん用に沢山物件も買ったから、そろそろお金に換えたいしなぁ」

エンドーさん帰国予定の日

C「えーっと、あったあった確かこの家のはず、、立派な門構えだなぁ流石エンドーさん」

そこには一枚の張り紙が・・・「なんだなんだ。。。」


「エンドーはここにはおりません、いえ、もう、この世に存在しません、あなたが探していたエンドーさんは、そう・・・・最後に不動産を買ったCさん、あなた自身のことですよ・・・」


C「なんてこった・・・・・」

その後Cさんを見かけた人はいないそうです・・・・


そう、みんなが夢見たエンドーさんは実在しない「おばけ」だったのです。

本当に怖い話ですね。


*これは不動産のエンドユーザーを「エンドーさん」という架空の人物に置き換えたフィクションです。



世にも奇妙な「エンドーさん」でした。




さて、いよいよ3月、不動産業界も一区切りをつける時期ですね。
ぼくもがんばります。