問題解決型不動産コンサルタント 伊藤英昭の事件簿|キャリア20年の独立系「問題解決型」不動産コンサルタントが仕事を通じて日々思うこと、感じた事を綴ります。

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2009年11月

賃貸経営があまり儲からない理由

 昨日、賃貸経営は「損はしないけれども長い目で見てあまり儲からない」というお話をしました。その理由についてちょっとだけ触れておこうとおもいます。


例えばこんな賃貸物件があったとします。

・新築時

年間家賃収入 1000万円
諸経費      200万円
借入金の返済  300万円

お金の収支   1000万円-(200万円+300万円)=500万円

めでたしめでたし。と見えますが、税金のことをみんな忘れています。税金の計算は通常の収支と若干異なり、同じ資金支出でも経費になるものとならないものがあります。

税金=(収入-経費)×税率 です。

この経費がみそで、借入金の返済のうち、金利部分は経費になりますが、元金は経費になりません。また借入金は通常、元利均等返済となり、同じ返済額でも当初は金利部分が大部分を占め、時間経過とともに金利部分が減少し、元金部分が増えてきます。

この例でわかりやすく表現すると、借入金返済額300万円のうち、金利部分は250万円、元金部分は50万円 というイメージでしょうか。

また家賃収入は総合課税といって、他の所得と合算した上で、超過累進税率となります。んー難しいですね。要は所得が高い人ほど高い税率を支払うということで低い人は10%高い人は最高50%にもなります。

このようなケースで仮に税率20%とすると、この場合の税金は

1000万円(家賃)-(諸経費200万円+金利250万円)=550万円
550万円×20%=110万円(税金)

となります。この税金を加味した上での収支は

家賃1000万円-(諸経費200万円+税金110万円+借入金返済300万円)=390万円

これが気の利いた本当の答え、シミュレーションです。

仕組みをあるていど理解頂いたうえで20年後全く同じ収支ということで考えて見ましょう。

・20年後

年間家賃収入 1000万円
諸経費      200万円
借入金の返済  300万円(内訳:金利50万円、元金250万円)

税金は

1000万円(家賃)-(諸経費200万円+金利50万円)=750万円
750万円×20%=150万円(税金)

この税金を加味した上での収支は

家賃1000万円-(諸経費200万円+税金150万円+借入金返済300万円)=350万円

さて、わかりました?全く収入と支出が変わらないのに、手取りが40万円も減ってます。

現実はというと、20年経つと家賃は下落し、空室が目立ち、修繕費もかかります。実際はもっと悲惨なものです。やっと借入金の返済が終わったかと思えば次は大規模修繕や建替えが待ってます。んー

私は20年来、多くの地主さん家主さんを見てきましたが実感として「損はしないけど、あまり儲からない」というのが真実です。

なにより供給が多すぎますんでね。

しかし地主さんにとっては相続税の評価が引き下げられたり、固定資産税が軽減されたり間接的な効果があったので結果的にはプラスの人も多いのでしょうが・・・


賃貸経営は長期で考えましょう。


賃貸経営を始めて、たかだか数年の人の夢の話は夢として参考程度にしといたほうが焼けどしないとおもいます。現実を直視しないと、ですね。

決して賃貸経営を否定しているわけではありませんので、誤解のないよう。

続きはまた。


アペオス




高齢化

先日、東京都福祉保険局とNPO法人日本地主家主協会共催の「賃貸経営セミナー」の講師をさせていただきました。来場者は約170人

テーマは「賃貸経営の問題解決 今後の高齢化社会を見据えた安心安定経営」でした。

1ヶ月ほど前に講師の依頼とテーマを受け、今まで話をした事のない難しいテーマなので、セミナーの内容構成に悩みました。しかも東京都、特に23区ではグループホームの数が足りず、グループホームを建築する地主さん家主さんには時限的に3000万円から6000万円助成金を出してくれるのだそうで、「東京在住の地主さんにグループホームの建築を促したい」というのが狙いだそうです。

んー悩みましたね。

東京都区内でなぜグループホームが普及していないか。それは、グループホームを建築するほどの大きな土地が少ない、それと、グループホームをやらなくても賃貸ビル、アパート、マンション経営で充分経営が成り立つ、しかもそっちのほうが今のところ収支がよい。

そりゃそうです。

グループホーム経営は決して儲かる賃貸事業ではありません。

しかし、賃貸住宅経営も長い目で見ると(振り返ると)決して儲かる事業ではないんです。それは供給過剰による空室、賃料下落、修繕費および税金の仕組みがそうさせています。

23区内でも同様です。

したがって私の結論。

賃貸経営は、需給バランスが崩れている、修繕コストがかかる、同じ収入でも税金の仕組み上、年月が経つほどに手取りは少なくなる。したがって損はしないけれども決して儲かる事業ではありません。今後はその傾向がより顕著になるでしょう。

しかも、今後は、好むと好まざるとにかかわらず、賃貸経営には高齢者の対応が必要不可欠となってきます。(既に5人に1人が高齢者)また高齢者対応の施設はまだまだ数が足りない(特に東京)そうです。

ということは、どうせあまり儲からない賃貸経営をするのであれば、社会に求められている、地域に求められている、歓ばれる高齢者施設の経営を考えてみてはどうでしょうか。

ということです。

確かに、通常の賃貸住宅は社会に求められていませんし、歓ばれてもいませんね。

というお話をさせていただきました。

ぼくも今年から介護保険払ってます。



では、アディオス。

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