問題解決型不動産コンサルタント 伊藤英昭の事件簿|キャリア20年の独立系「問題解決型」不動産コンサルタントが仕事を通じて日々思うこと、感じた事を綴ります。

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2011年04月

BIT

 お客様の依頼で不動産競売の入札のお手伝いをしました。本日、裁判所の開札に立ち会いましたが、残念ながら依頼を受けた物件を落札することができませんでした。

競売マーケットは物件の性質上、土地も建物も現状のまま売却に出され、債務者や賃借人などの占有者が存在するケースも多いため、一般的には不動産業者などのプロが落札するケースがほとんどです。また、裁判所が定める価格も競売価格補正といって、算出した時価の6割〜7割に設定されます。これは前述した現状有姿取引であり、瑕疵があっても責任は持たないということ、および不動産業者の仕入れ値という考え方が基本となっています。

参考までに競売で公表される「基準価格」とは裁判所が定めた売買の基準となる価格であり、それとは別に基準価格を2割下回った「買受可能価格」も併せて公表されます。したがって基準価格はあくまで目安であり、実際の落札可能なのはこの「買受可能価格」となります。(以前は「最低売却価格」ひとつだけでしたが、落札者がいない等、競売不調が多く、債務処理がすすまなかった為、この制度に変りました)

さて、今回お手伝いしたケースは競合するであろう不動産業者の価格決定プロセスを検討し、また、東北大震災後の入札でしたので、不動産マーケットはネガティブだろうと予測し、また出来れば安く落札したいという観点から基準価格プラスアルファで入札しました。

しかし、落札された価格は買受可能価格の約1.8倍もの値段です。しかも落札者はやはり不動産業者。開札会場で他の開札状況も聞いていましたが、落札価格は、おしなべて買受可能価格の1.5倍から2倍、高いものは3倍というものもありました。いずれも落札者は9割が不動産業者。

感じる限り、あまり震災の影響なく不動産マーケットおよび不動産業者は逞しく生きているんだなと思うとともに、自分のマーケットの読みの甘さを痛感した次第です。

事件は現場で起きていますね。何事も勉強です。

念のためBITとは入札のことです。決してチョコではありません。

でも・・・・開札会場にいた人たち、ま、私も含めて不動産関係者ですが、んー、顔つき、服装、雰囲気よくないですね・・・・ふつうでいいんですけどね。ふつうで。。。。。

では。

前略 巣鴨信用金庫 様

 お客様が所有するご自宅の任意売却に関するお手伝いをしておりましたが債権者の同意が得られず不調になりました。4月6日より入札開始です。私なりに、いろいろと感じること、憤ることがありますので、先方の担当者にお送りした文書を全文転記いたします。賛否両論あると思いますが、意見として声をあげることも大事だとおもい掲載することとしました。債権者であり、競売申立人の巣鴨信用金庫様にもブログに掲載した旨お伝えしております。


以下、本文です。

平成23年3月17日

巣鴨信用金庫 融資部 管理
調査役  ××○○ 様
課長代理 ○○××様

任意売却の相談に対するご回答について

東京都中央区築地6丁目4番5号
シティスクエア築地6階
ナレッジバンク株式会社
代表取締役 伊藤英昭

 大変お世話になっております。浦和のA氏、戸田のB氏、C氏の任意売却(事件番号(×)××号)のご相談の件ではご多忙のところお骨折りいただきまして大変ありがとうございました。
任意売却の対応が出来ない旨、ご回答いただき債務者一同、今後の生活基盤を失い、路頭に迷うかもしれない只ならぬ大きな不安を感じ落胆しているのが現状です。加えて東北関東大震災に端を発した言い知れぬ恐怖が更に不安を増幅させています。

念のため申し添えますが、この文書のご回答をいただきたい訳ではありません。事実は事実として貴庫は法律による強制換価手続きによる資金回収なされるという判断は微塵も狂っていない当然の判断であると債務者も弊社も理解しております。

今回の貴庫のご回答に対して、何かをお願いする、といより貴庫の対応、企業風土に関する素直な意見、感想を述べたいというのが本文書の主旨です。今後の運営に関しての参考意見として捕らえていただければ幸甚です。

貴庫は「ホスピタリティバンク」を標榜し「喜ばれることに喜びを」を経営理念とし地域金融として様々な立派な取り組みをなされており、この景況の中、金の切れ目は縁の切れ目ともとれる金融機関が多い中、すばらしいお客様本位の理念をもって取り組まれているのだと、共感いたしました。貴庫をメインバンクとされるお客様も、そのようなホスピタリティの高い貴庫に魅力を感じお取引されていると思います。

今回ご相談した債務者もその一人であり、他行との取引はしておりませんでした。会社の成長を願い、期日には返済し、経営が行き詰まった後も少しずつではありますが返済努力をしてまいりました。返済が滞りますと当然、担保提供した不動産が競売になることは覚悟しておりました。そのような窮状を知らされ、見かねた遠縁の方が、今回、担保提供している自宅不動産を適正時価で買い取る旨を申し出、「生活基盤が落ち着くまで当面の間は居住してください。」と願ってもいない話が浮上し、一同、一縷の望みを託し貴庫に相談に伺ったのは説明するまでもありません。

回収を優先するのは企業として当然です。法に基づき回収の手段を選択するのも債権者の判断です。しかし、同じ回収、回収額であれば、一人でも喜ぶ回収を選択するのが、貴庫のいうところの「ホスピタリティ」「喜ばれることに喜びを」ではないのでしょうか。
今回のケースを例に取りますと、「回収額が不透明であり、誰も喜ばない、逆に家を明け渡し路頭に迷う人を作り出すことが明らかとなる、事務的で機械的な回収である強制換価手続き」一方、われわれが相談し、期待した「回収額が明らかであり、人(これまでお付き合いしてきたクライアント)が喜ぶ、人道的な任意売却手続き」この2つの方法の中、前者を選択されたことは、非常に残念でなりません。当然、貴庫として競売の時期や回収の算段もあるでしょうし、競売の方が、仮に今回お願いした任意売却価格を下回ったとしても手続きとして簡単なのは理解しております。
今回の震災で国民一人ひとりが一丸となって被災者を一人でも救おうという中、あえて人為的に生活困窮者を作る必要が貴庫にはあるのでしょうか。これは貴庫が生み出す人災ではないでしょうか。やはり地域に根ざす、地域の為に根ざすホスピタリティバンクと言っても、所詮、業績のよい状態の貸出先企業や預金、金融商品を沢山購入していただけるお客様だけに対するホスピタリティと感じざるを得ません。当然、返せないのは客じゃない、ホスピタリティは必要ないということも企業として理解できなくもありません。おそらく担当された、鈴木様、山村様の及ぶところではなく、経営陣、経営幹部の価値観、職業倫理がもたらすものと思いますので今回の対応を責めるつもりは毛頭ございません。ご安心ください。

ただ貴庫の理念が、すばらしかっただけに今回の判断が残念でならない、ただその一点です。法律論では全くありませんし、苦情でもありません。それこそ企業の「ホスピタリティ」の話です。これにより何も変わることは無い、いえ、今回競売になり家を失う同居3世帯9人が路頭に迷う、貴庫にとって日常の些細な出来事の一つだと思いますが、このように感じる取引先等もあるという事を頭の片隅にいれていただければ幸甚です。

改めて、貴庫「お客様相談室」や経営陣に意見として本文をお送りするとともに、全国しんきん相談所や金融庁の相談窓口などに、あくまで事実と金融行政に対する「意見」としてお伝えする所存です。

以上、末筆ながら貴庫の益々のご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

(返答等不要です、ご多忙の折、長文お読み頂き感謝申し上げます)

以上、原文そのまま。

お客様相談室に考えを伺いたく本文書の写しを添えて郵送しましたが、10日経っても、文書受け取ったも何も一切返答がないので、どうなっているかメールをしたらお客様相談室より以下のメールが届きました。(案件の担当者からは既に「競売方針に変わりはない」旨の返事を頂いているので担当者からの回答は求めていません)

以下、原文そのまま。


ナレッジバンク株式会社
代表取締役 伊藤 英昭様


 「幣庫の対応に関するご意見」
確かに拝読させていただきました。
貴重なご意見として承りましたが、“返答等不要”とのご記載に
甘えてしまい、申し訳ありませんでした。
 ご意見を真摯に受けとめ、今後の経営の参考にさせていただきます。
ありがとうございました。


2011年3月31日
巣鴨信用金庫
お客様相談室

以上、

こちらからアクションするまで何のレスポンスもなく、担当の名も名乗らず、経済活動のインフラである地域金融として、企業として、大人として残念です。人間としての心が欲しいです。この回答の裏には「面倒くさい奴、うるさい奴はほっておけ」という責任者の判断、いわゆる企業姿勢が現れていると思います。ま、一言で言うと「一介の不動産屋が何を偉そうにほざいてるんだ、そんなもん放っておけ」と、舐められているんでしょうね。任意売却に関する結果云々ではなく対応が残念です。巣鴨信金さんは学生の就職人気もあるようですが、この対応を見るだけでは少なくとも誇れる仕事、対応ではないと思いますけどね。このような企業、仕事に就いている人は何か充実感、達成感はあるのでしょうか。

ハゲタカの鷲津には、まだ心がありました。


私の意見、考えは偏っているのでしょうか。奢っているのでしょうか。毎日、自問自答しています。ご意見があったらお聞かせください。

私は、もがき苦しみながらも「心」を大切にして仕事に取り組める人になりたいと思います。

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