こんにちはお久しぶりです。「半沢直樹」大人気ですね。池井戸潤の本は大体読んでますが「正義は勝つ、悪い人、ずるい人はやっつけられる」というパターンが痛快ですよね。特に私のような零細自営業者にとっては励みになる本です。

さて、その半沢の決め台詞「倍返し!」が巷では流行していますが、不動産取引においても「倍返し」という言葉が当たり前のように登場します。 

不動産売買契約は通常、売買契約を締結し、その一定期間後に不動産の引渡しと売買代金の支払がなされ、売買が完了します。 売買契約時には通常、手付金という売買代金の一部を買主から売主に支払い、引渡しのときに売買代金の総額から手付金を差引いた金額を支払います。

順調に取引が進めば問題ありませんが、中には売買契約締結後、何らかの事情で契約を中止せざるを得ない事態も生じます。しかし契約を締結したのに一方的に「契約を辞めます。」では相手方に不利益を与えることになります。

そこで不動産取引では契約締結後一定の期間は「買主は支払った手付金を放棄することにより」「売主は受領済みの手付金を返還するとともに手付金と同等の金額を買主に支払うこと」によって売買契約を解除することができるという条項が入ります。要するに売主、買主いずれも手付金相当額を契約解除のペナルティにするということです。

これが不動産取引において俗に言われる「手付け放棄」「手付け倍返し」です。

この手付金によって解除することを「手付け解除」とよび、この手付け解除できる権利を行使できるのは契約締結から一定期間です。契約書には「相手方が履行に着手するまでは手付け解除ができる」と記載されることもありますが、この場合、何を持って「履行に着手したか」が問題になります。人によっては「引越しの準備を始めた」とか「手続きに必要な印鑑証明書を取得した」とか、あいまいな定義をめぐって別の争いが生じかねません。

したがってこのような無用なトラブルを避けるために手付け解除可能な期日を明確にすることが実務では大事なポイントとなります。「平成○年○月○日までは手付け解除できる」あるいは「契約締結後2週間は手付け解除できる」などです。

手付け解除の期日を過ぎてから契約解除するとどうなるかと申しますと、違約金という別の名目の金銭(ペナルティ)が発生します。通常、違約金は売買代金の10%〜20%と定められることが多いのに対して手付金は売買代金の5%〜10%前後となりますので、解約する場合は手付け解除のほうが経済的損失は少なくて済みます。(手付金の額も違約金の額も当事者間で決めて問題ありません)

以上が不動産取引における「倍返し」です。

さすがに10倍返しはありません。。。

私も約20年不動産の実務を行っておりますが、実際、手付け「倍返し」というのは一度もありません。逆に「手付け放棄」による解除というのは経験しましたね。

いずれも当事者の意思がしっかり固まっていないと売買契約を締結してはいけないということです。

ちなみにバブルの頃は「手付け倍返し」もあったようです。その頃は日に日に不動産価格が上がっていたため、手付金を倍返ししても、十分損しないような高い金額の買主が現れた場合に、このようなことが起きたようです。私はバブルを経験しておりませんので、夢のような話ですが。

ま、契約を締結したらきちんと約束は守ること守れないようであれば契約は締結しないこと、契約に不安な要素がある場合は停止条件を付すことなどによってリスクを軽減することなどが大事ですね。半沢次長。

さて、今日は花の金曜、呑み過ぎて呑み代を倍支払わされないように、ほどほどにしますかね。

では、倍ブームにちなんで、ばいなら。

おあとがよろしいようで。






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