地面師による詐欺事件が明らかになった。これまで度々事件としてニュースになることはあったが今回は巨額であり、相手方が大手ハウスメーカーであることから注目度が高い。

「地面師」と聞くと、その字面から、なんとなく「妖怪ぬらりひょん」のような風貌をイメージするが、他人の土地を所有者になりすまして売却し、その売却代金を搾取する詐欺集団のことである。

完璧な実印、印鑑証明書、身分証明書。権利証(登記識別情報)などを用意されると、一見その書類だけを見て、なかなかそれが地面師によるものかどうかは正直難しいだろう。

やはり怪しい取引は、そこに至るまで、怪しい臭いが必ずあり、我々プロは、その臭いを嗅ぎ取るのが仕事といえる。登場人物、取引背景、取引理由、顔つき、話ぶり、そこかしこに何か嫌な臭いがただよっているものである。

もちろん地面師被害に会ったことはないが、この業界、怪しい話、怪しい人たちは沢山いる、破談になった怪しい話など、この業界に25年もいるといろいろとあるもので、それなりに嗅覚は鋭くなっている。と、自分では思っている。

地面師までいかなくても、この業界では、売り物じゃないものまでも勝手に売り物として持ち歩いているブローカーもいるので、悲しいことに、もともと魑魅魍魎が多く住まう世界ではあるね。

怪しい臭いとは例えば、、、

1.話が大きい
  
一等地が内緒で売りに出ている、相場より安い、など、そもそもそんな大きな話、美味しい話が自分のもとに舞い込んでくることに疑問を感じなければいけない。話が舞い込むには舞い込むなりの理由、関係がある。

「そんな大きな美味しい話、なんで自分なの?しかも貴方とはそんなに親しいわけじゃないのに・・」



2.登場人物が怪しい
  
その話を持ち込んできた人、売主との関係、往々にして所有者の親戚筋だったり、政治家、銀行OB、顧問税理士、弁護士など、もっともらしい登場人物の名前がでてくる。政治家の名前なんか出たら100%怪しいよ。だいたい、怪しい人は、顔つき、目つき、話しっぷりで臭ってくる。しかも話が上手なんだろうけど、しゃべりすぎる、話が長い。話の信憑性を補完する為なのだろうが、聞いてもいないことを上手に話す。また、妙に日焼けしている(笑)など。

「ずいぶん本当っぽい話だなぁ、しかしこの人よくしゃべるなぁ・・・」



3.もっともらしい取引背景、取引条件に少し違和感がある

借入金の返済、納税資金、遺産分割、買換え資金、事業資金、決算などの都合で今月末までに売却しなければならない、と、今月末決済ができれば価格はもっと安くてもいい、など取引を急かす。もっともらしいが、冷静に考えれば、どれをとっても今月末に間に合わなければ不測の事態になることは考えづらい。また、様々な理由から、手付金を多めに要求、中間金を要求など、特に中間金が必要になる事態は、まずもって無いと言える。また、司法書士は売主指定、だとか、取引が現在の所有者から別のところに移転し、その後の決済になる、とか、中間省略登記をするとか、海外のSPCを活用するとか、それらしい専門用語を駆使しながら小難しい話をする。など、このような場合は臭いが少しきつくなる。

「急ぎの事情があるんだな、仕方がないか、でも少し通常の取引とは違うんだなぁ・・・・」

*ちなみに私は中間省略登記は中間の鞘を抜く業者の為ではあっても、消費者の安全取引の手続きとは言えないので、あまり良くは思ってませんがね。




と、こんな時は少し疑ってみたほうがいいと思う。しかし、免許証も権利証も印鑑証明書も実印も偽造され、免許の写真と顔、登記の内容が一致してたら、なかなか難しいのかな?

売主の家に会いに行くとか、細かい留意点もあるかもしれませんが、とにかく一番は信頼される仲間、仲間の紹介など、信頼できるブレインを持つことが一番なんですかね。あとは一人だけでなく、数人の目で、その人、その話を聞いてみる。人によって感じ方は違うので、1人が大丈夫、といっても別の一人が少し怪しい、ということもありますね。

それと、怪しい話を持ち込まれない人になる。ことかな、相手はひっかりそうな人を狙ってくるので、引っかかりそうな人、(人の話をすぐ信じる、美味しい話には目がない)に見られない、行動、言動が必要ですかね。

ま、私は長年の嗅覚から怪しい話を見破る自信があります。(という人ほど、おれおれ詐欺に引っかかるそうですが、笑)

ゲゲゲの鬼太郎よろしく「かかってこい地面師、妖怪ぬらりひょん!」といいたいところですが、かかってこられても商売にならないし、時間の無駄ですので、地面師退治は鬼太郎に任せましょう。

世の中美味しい話はありませんな。

ばいなら。





Suuhi_Nurarihyon