コロナ禍によって在宅時間が増えたことに伴い、普段忙しくて、そのうち、と先送りにしていた家のことに手をつけた人も多い事でしょう。よく耳にするのは家財等不用品の整理です。不用品は廃棄処分が一般的ですが、最近ではインターネットを通じて個人間で売買するという方法も増えているようです。また、不要な貴金属などは専門業者が査定し、その場で買い取ってくれるサービスが主流です。

 
 「査定」とは、金額などを調査し決定する事、と辞書に書かれています。先ほどの貴金属もそうですが、車なども買取業者に「査定」を依頼し、査定額に納得すれば、査定額で買い取ってもらうことが可能です。もちろん
1社の査定だけでは適正かどうか検討がつきませんので、複数社に査定してもらい、一番条件のよいところに売却する方法も多く見られます。

 不動産においても「査定」という言葉をよく耳にしますが、前述した貴金属や車の査定、買取とはニュアンスが大きく異なります。一般的にいわれる不動産の査定とは、不動産仲介会社が、近隣の相場や事例などから、対象物件の個別的な事情を考慮して、これくらいで売却できるだろう、という売却予想価格です。売却予想価格ですので貴金属や車のように買い取ってもらえる価格ではありません。また、複数の不動産仲介会社に査定を依頼すると、当然ながら査定額もまちまちです。前述したように不動産の査定額はあくまで売却予想価格ですので査定額が高い会社が査定どおりの高い金額で売ってくれるとは限りません。不動産仲介会社の立場で考えると、査定の依頼は仲介の仕事を受注する、いわば仲介手数料を稼ぐ入口でありチャンスです。したがって査定の主眼はどうしたら売却の依頼を受けられるかに置かれています。わかりやすく、しかももっとも依頼者の興味を引くのは査定額です。査定が高い会社に興味をもつのは当然でしょうし、業者も興味を引いてもらえるよう査定額を少しでも高めに出す傾向にあります。しかし、繰り返しになりますが、査定額はあくまで予想であること、そして不動産物件情報は全国の不動産業者間のシステムで共有されることから、基本的にはどの仲介業者に売却の依頼をしても結果に変わりはありません。

また、ポストに投函される「このエリアでお医者さんが探しています、この学区限定で探している人がいます」というチラシを見た方も多いと思いますが、これも、依頼者の興味を引き、売却の依頼をうけることに主眼を置いている営業チラシですので、チラシに書かれている事の真意はあてにしないほうがいいでしょう。

査定額が高い、低い、お客さんがいる、いないというより、信頼できるか、安心できるかどうか、という視点で売却の依頼先を決めることが肝心です。

 今やネットで簡単に不動産の査定が依頼できますし、コロナ禍によってむしろその傾向が強くなっているようです。「人は見た目が9割、会えば良さが分かってもらえるのに・・・」というのは過去の話になるのでしょうか。少し寂しい気もします。






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