事務所の向かいにあるKEIOビル最上階の左側壁面が朱色に輝き、右側壁面の切れるところから遥か彼方夜明けの朝霞の中に富士山が見える。さらに右の方に目を転じると少しづつかけ始めたお月さんがあった。
暫くパソコンに向かった後、再度ベランダの向こうを眺めると月が消えていた。慌ててベランダに出てみると、かなり右手に移動しあと少しで山の端の向こうに姿を隠すところだった。富士山はデーンとして動かないが地球は回っているのだ。妙に感じ入った。

正月休みは帰省せず事務所に止まりこみで、雑務を片付けた後購入したまま読まずにいたITの教材をマスターしてしまうつもりでいた。
3日の日、オーナーから連絡が入り、僕の家族も一緒に京都で食事をすることになった。「俺が仕事をさせていると思われたら適わんからな。」とオーナーは笑っておられたが、夜自宅で「今年は休みもきちんと考えてね」と家内に怒られチャイました。

東京はビジネスの街です。起きている間はずっと仕事をすることに違和感を感じない。遊んでいる時間がもったいない気すらする。しかも出会いの町です。
3日の早朝マンションの展望風呂に入ってたら、顔見知りのアメリカ人が入ってきたので世間的な話をした。ところが、段々話が飛躍してきて3時間近く湯船で話しこんでしまった。脱衣場で彼はへたり込み、僕はピヨピヨと星が飛ぶ始末。しかし、新年早々またとない有意義な話が出来て本当に嬉しかった。
彼は前夜ハワイから帰京し、4日には中国に向けて飛ぶと言う事だった。
別れ際の握手にお互い力がこもった。意気投合とはこの事だ。
正直アメリカ人のビジネスマンに彼のようなタイプの人間がいるとは夢にも思わなかった。
ただ、経済、特に金融システムの細かな話になってくると、何度もParden?」
「Excuse me? 」、「Sorry?」と聞き返さねばならず、しかもやっと意味を理解し意見を言おうとすると今度は英語が出てこない場面が何度もあり我流英語の力不足を痛感した。しかし彼の日本語よりはましだろう。
彼となんで意気投合したか、それは結局人間性である。何のためにビジネスをするか、必死になるかと言うところで全く同じ考えを持っている事が分かったからである。彼は心を開き彼の生い立ちから話してくれ、僕は少林寺で学んだ信条を伝えた。
僕は10年来共に戦っている戦友の様な感情を彼に感じた。彼も恐らくそれに近いものを感じたに違いない。
貴重な出会いである。