ピンクサイドを歩け

ピンク映画やストリップ・レビュー等、R-18系の文章を書いて行きます。

2017.6.24 北川れん@渋谷道頓堀劇場

今年、僕がストリップを見たのはこれが31回目。今回のお目当ては、北川れん渚あおいJUNである。
開演の40分前に入って二回目まで見た。進行は、一回目がソロでフィナーレ・カット、二回目がトリプル・トリプル。
なお、二回目終演後に平野ももか一周年イベントが開催された。


当日の香盤は、以下の通り。

1 園田しほり(バースデー)
2 真由美
3 JUN
4 渚あおい
5 北川れん
6 平野ももか
(アニバーサリー)

一回目

1 園田しほり
(6.25生,T158,B81,W60,H82,1996.6.1Debut,杉プロダクション)
6中の池袋ミカド劇場一回目でも出していた演目。
ダンスのスキルに関してもはやあれこれ言うこともない実力派のベテランだが、この日のステージではどこか力みが見えるというか動作がかっちりし過ぎているように感じた。ダンス・ショーというよりも、ダンスの教則本的テキストを見ている印象なのだ。
ベッド二曲の動きは柔らかでこの人らしいパフォーマンスだったが、総じてもう一つサムシングを欠いたステージだった。

2 真由美(5.22生,2016.1.11Debut,DX東寺)
去年8結の大和ミュージック劇場でも出していたスイカ尽くしの夏演目。
スイカのコスチュームや水着でのダンス二曲は、衣装や振付のポップさに比してダンス自体の動きが粗くステージが弾けない。
薄紫色のベッド着にチェンジしてのベッドも、仕草の端々が雑な印象でポージングも身のこなしが重いと思う。
全体的に、もう少しダンスのブラッシュ・アップが望まれるステージだった。

3 JUN(9.3生,2014.3.21Debut,西川口テアトルミュージック)
演目は「ララランド」。
小さな帽子の髪飾り、ピンク・セパレートのドレス、シルバー・スパンコールの手袋、銀色のパンプスで盆からスタートするダンス一曲目。キラキラ光るダークブルーの肩出しドレスに白い髪飾りでダンスする二曲目。冒頭のダンス二曲は、天井の低さゆえ踊りを抑制している印象でダイナミズムやスピード感に物足りなさもあるが悪くない。
赤いホルターネックのベッド着に黒のTバック、小さなぬいぐるみ二つを手に再登場すると、盆へ移動するベッド入り。シリアスな表情をキープして、アダルトなたたずまいで見せるベッド中は、派手さこそないものの出色の素晴らしさ。そこから、一気に視界が開ける印象のシャープなポーズを決める立ち上がり。
ラストにもう一工夫ほしい気もするが、見応え十分のノー・ギミックな王道ステージである。見ていて、とても高揚してしまった。

4 渚あおい(1.11生,B87,W62,H85,2011.11.11Debut,東洋ショー劇場)
盆の梁から吊るされたブランコ。セーラー服の夏服にショートヘア、赤い小ぶりのレプリカ・ストラトキャスターをかけてロックンロールに踊る一曲目は、もう少しパンチ力があれば。ギターを外してダンスする二曲目も、この人の踊りとしては弾けるようなキラキラ感やハッピーな笑顔がやや後退気味の印象である。
エア彼氏とのデートをイメージした芝居がかったセンチメンタルなベッド入りは、センス抜群で見ていて頬が緩んでしまう。そこから展開するエアセックスのベッド中は、なかなかリアルなエロティシズムを見せる。ただ、三曲目からの流れからすると野外プレイというのはちょっとワイルド過ぎるかな…と思わなくもない。
この演目の白眉は、ラストのパート。いったん暗転した後、茶色いカーディガンにセーラー服の冬服姿、黒のセルフレームをかけてやや沈んだ表情で、ブランコに座った彼女の抗しがたいほどの可愛さはどうだろう。あえてポーズを決めることも肌も見せることもなく、ビーターな青春の思い出として締めくくるあまりに見事な演出に息を飲む。選曲もいい。
キュートな彼女を堪能するには、これ以上ない演目のひとつだろう。

5 北川れん(12.15生,T162,B84,W58,H85,2011.3.1Debut,道頓堀劇場)
演目は、夏の北川スタンダードともいうべき「believe」。僕が見るのは、去年8中のライブ・シアター栗橋以来である。ちなみに、冬のスタンダードは「ARIA」だと思う。
カラフルで溌剌としたまぶしいダンス一曲目。二曲目は、小さな衣装トラブルが原因で、煽ってくるようなアッパーさとパワフルなポジティヴさが今一つだったのが残念である。
この日のステージの見どころは、ベッド・パート。繊細でエレガントな身のこなし、髪を掻き上げる時のセクシーなたたずまい、包容感のある穏やかで美しい表情に見惚れる。立ち上がりで見せるシャープで華やかなポーズも、この踊り子らしい素晴らしさだった。

6 平野ももか(1990.6.6生,T153,B81,W59,H78,2016.6.21Debut,道頓堀劇場)
祝一周年。僕は、彼女のデビュー週も見ている。
ブルーのリボンで束ねた髪、イエローとホワイトのゴージャスなドレスの上にダークブルーの大きなマントをまとい、素足でダンスする一曲目。マントを外してひまわりの花をデコレートしたイエローのドレスで踊る二曲目。この人にしては、明るくニコニコした表情がいい。
衣装の作りがボリューミーで裾が長いせいもあり、とかくダンス中に足を取られて思うように踊れないのが難点だが、華やかな雰囲気は周年ステージに相応しいと思う。
胸元にひまわりの花をあしらった黄色のベッド着にチェンジして、しっとり見せるベッド入り。衣装をはだけてシンプルにポーズする立ち上がり。
本人にしてみれば色々と不本意なところもあるだろうし、まだまだ改良すべき個所も多々あるパフォーマンスだが、個人的にはこれまでの彼女のステージでは一番よかった。何といっても、これまでのステージではあまり感じることのなかった踊りの体温がしっかり伝わって来たからだ。これから、彼女が踊り子としてどう前進していくのか楽しみである。

二回目

1 園田しほり

6中のミカド劇場二回目でも出していた演目。
前週に見た時も素晴らしいステージだったが、今回もやはりよかった。僕はこの人のことをしばしばダンシング・マシーンと表現するのだが、この演目はダンスの時に見せる表情が柔和だし、ステージにホットなフィジカルさがあるのがとてもいい。
二曲目の洗練された美しさも素晴らしいし、ダンサーとしての技量が炸裂するメカニカルで複雑な動きをものともしない圧倒的なベッドに興奮してしまった。

2 真由美
4頭の横浜ロック座一回目でも出していた演目。この演目を見ると、森かんなのことを思い出す。
踊り自体は粗いが、アッパーで楽しいダンス二曲。ベッド二曲は、展開が乏しく単調に感じる。ポーズの時に取る姿勢ももう少し美しいといいのだが。

3 JUN
6中のミカド劇場二回目でも出していた演目。
しっとりした雰囲気と清楚なしとやかさを感じさせるダンス一曲目は、身のこなしも綺麗だし動きがリズミカルで無駄がない。
ゆっくりした動作で丁寧に帯を解く二曲目から浴衣をはだけて袖にはける三曲目は、一瞬見せる白い肌が実に色っぽい。ベッド着にチェンジして再登場すると、色香を漂わせてシックに踊り、美しいポーズを披露する立ち上がり。
とにかく、絶妙のセンチメンタリズムとエロティシズムである。

4 渚あおい
金色と水色の生地がアクセントになった白い衣装に黒いロングブーツ、凛々しい表情で優雅に舞う一曲目。スピーディに脱衣して白と赤のセパレートにチェンジすると、クールでカッコいいキレ味抜群のダンスを披露する二曲目。
薄い生地の水色ガウン風ベッド着をまとい、白い布付きの扇子も操ってのダイナミックなベッド入りのダンス。脱衣すると、照明に浮かび上がる自縛したオレンジとイエローの縄が視覚効果抜群のベッド中は、グリーンの縄を使ったポーズがエモーショナルで鮮烈。グリーンの縄を使っての幻想的な空中パフォーマンスを見せてから、ドラマチックな踊りで終演。
色彩感覚に富み、畳みかけるように展開する高密度で圧倒的なステージだった。

5 北川れん
演目は二周年作「青い鳥」。僕が見るのは、2015年5頭の渋谷道頓堀劇場以来二年ぶりのことである。
照明を落とした暗がりの中、フード付きのコートをまとい青い羽根を落とす記号的なイントロから、ウエストを絞ったピンクと白のドレスに白い花飾り、赤いバレエシューズというフレンチロリータなファッションで踊る二曲目。芝居がかった仕草、小道具の絵本、カラフルに変化する表情。ドリーミーな表情を浮かべて、絵本のページを繰ると、青い羽根を拾い上げる三曲目。
青い鳥をイメージさせるセクシーなベッド着にチェンジすると、青い羽根を咥えて踊るベッド入り。妖艶さとスタイリッシュさ、妖精の如き幻想的な美麗さ、透明感をたたえた表情は、まさしくソフィスティケーションの極み。神々しささえ感じさせるイマジネイティヴな立ち上がりから、叙情的な余韻を残すあまりに詩的でシアトリカルなエンディング。
凝りに凝った複雑な構成と選曲、効果的な小道具の数々、そして何といっても深遠で豊穣な表現力。彼女の美的センスが結晶したパーフェクトなステージに舌を巻く。このステージを鑑賞できたことが、心底幸せだ。

6 平野ももかは同演目

6結の渋谷道劇は、充実したステージぞろいの素晴らしい香盤。なかでも、北川れんの「青い鳥」は見逃し厳禁の圧倒的クオリティである。
平野ももかさん、一周年おめでとうございます!益々の飛躍を祈念しています。

2017.6.17 北川れん@池袋ミカド劇場

今年、僕がストリップを観たのはこれが30回目。今回のお目当ては、北川れんJUNである。
開演の40分前に入って三回目のJUNまで見た。何でも、諸事情あって終演は23:00厳守ということで、各ステージ時間は15分間になった。ショート・バージョンやダンス一曲カットという踊る側にとっても見る側にとっても極めてストレスフルな公演となった。本当に、食べたものが口から食道を通さず胃に入ってくるような中途半端さ。こんなことなら、5人香盤にしてちゃんとしたステージを見せてもらいたいと僕は思ってしまう。
進行は、一回目がソロ、二回目がトリプル・ダブル・ソロ、三回目はトリプル×3。色々と困ったものである。


当日の香盤は、以下の通り。

1 JUN
2 玉
3 園田しほり
4 坂上友香
5 北川れん
6 KAERA(アニバーサリー)

一回目

1 JUN
(9.3生,2014.3.21Debut,西川口テアトルミュージック)
白い髪飾りに瀟洒なレインボーカラーの衣装、孔雀の羽根扇を手に、素足で気品高く優雅に踊る一曲目。薄茶色のボアのセパレートにツインテールで、コケティッシュにダンスする二曲目は、ステップも軽快だ。
白い大きな花の髪飾りに清楚な白いベッド着で、デカダンスを振りまくベッド入り。脱衣すると、官能と躍動が交錯する立ち上がりはもう少しポーズにバリエーションがあれば。
場面転換中の衣装チェンジ尺が長いのはやや気になるものの、ステージには力みがなく表情もいいし、余裕すら感じたほど。彼女のステージを見るのは半年ぶりだが、とてもよくなっていてちょっと感動してしまった。

2 (3.19生,2017.3.11Debut,TSミュージック)
演目は「キヨシロー」。
ピンク水玉模様にフリルの白いドレス、同じ柄の小さなハットの髪飾り、銀色のパンプスというアイドルチックなコスチュームで踊る一曲目。二曲目は途中でいったん袖にはけると、黒のブラにピンクフリルのミニスカートになって踊る。デビューからまだ三か月ということもあるが、動きが雑に過ぎる。
銀色のシルキーな布を巻いてのベッド入り。はだけて挑発するベッド中は、豊かで美しい胸のフォルムに目が釘付け。きつめの表情で、シンプルにポーズする立ち上がり。
演出的に色々計算しているのは分かるが、如何せん踊りのスキルが追い付いていない。ポーズもシャープさを欠いているのだが、ベッドでの見せ方にはこの踊り子の魅力がよく出ていると思う。

3 園田しほり(6.25生,T158,B81,W60,H82,1996.6.1Debut,杉プロダクション)
白い花の髪飾り、白い大きな花柄の浴衣、素足でダンスする一曲目。二曲目の途中では、浴衣を脱いで水色のビキニに。アップテンポでも精緻を極めたキレキレのダンスはこの人ならでは。
オレンジ色のベッド着にチェンジして、バラードでゆったり踊るベッド入りからポーズを決める立ち上がり。
クールなくらいに無表情で踊るのはいつもの通りだが、とにかく安定感抜群でダンシング・マシーンの如き踊り子である。

4 坂上友香(8.31生,T160,B90,W59,H87,2009.4.1Debut,東洋ショー劇場)
演目は「ワンダーランド」で、僕が見るのは去年10結のミカド劇場以来。ただし、冒頭で書いたようにこの日はダンス二曲目がカットされた短縮版だった。
青く縁取りした銀色のコートを着てブライトなムードでダンスする一曲目から、フード付きの白いベッド着にチェンジしてセンチメンタルに踊ってから衣装をはだけるベッド入り。柔らかな笑みを浮かべて、イノセンスを漂わせての立ち上がり。
好きな演目だけに、二曲目のカットが返す返すも残念である。

5 北川れん(12.15生,T162,B84,W58,H85,2011.3.1Debut,道頓堀劇場)
演目は「チャイナ」で、僕が見るのは去年7中のシアター上野以来である。
北川的クールネスを見せつつ、エレガントな身のこなしで踊る一曲目。どこか中国拳法を思わせる動きで無駄なく踊る二曲目は、大きな羽根扇さばきも見事。
ステージに背を向けて脱衣するベッド入りは、美しい肩甲骨とシャープなボディラインにハッとする。もう少し官能が欲しいものの、魅力的な表情で見せるベッド中。羽根扇を使って、ダイナミックなスケール感でポーズを決める立ち上がりの鮮烈さ。
とにかく、洗練の極みというべきステージ。弛緩する部分が皆無で、まさにクール・ビューティな彼女の本領発揮という感じである。作品の醸し出す雰囲気もこの劇場にジャストだった。

6 KAERA(9.8生,T162,B86,W60,H88,2005.6.11Debut,TSミュージック)
カラフルな花の髪飾り、レインボーカラーのドレス、蝶の羽をデザインしたマントに素足。大きな赤い花を手にして登場すると、蝶の羽を翻して飛翔するように踊る一曲目。徐々に脱衣すると、すみれ色のセパレートにチェンジして流麗な動きで踊る二曲目。
衣装をはだけて、幻想的なパフォーマンスを見せるベッド入り。トランス系の音楽でポーズする立ち上がり。
淀みない動きでハイクオリティなパフォーマンスを見せる踊り子だが、憮然とした表情が何とももどかしく感じてしまう。

二回目

1 JUN

アップにした髪、赤と紫の花の髪飾り、赤い花柄の白い浴衣、白いうちわに素足。夏祭りを思わせる情緒あふれるたたずまい、清潔な雰囲気とシャープな踊りが目を引く一曲目。帯を解いてしっとりと脱衣すると、繊細な仕草で踊る二曲目の色っぽさ。
白いつば広の帽子、赤い花柄の黒いベッド着にチェンジすると、セレブリティな雰囲気で盆に出てはだけるベッド入り。広がりを感じさせるポーズで、エモーショナルに決める立ち上がり。
一回目ステージもよかったが、このステージも豊かな表現力と隙のない踊りで惚れ惚れするような素晴らしさだった。

2
演目は「ベリーダンス」。
赤い花の髪飾りにピンクのセパレート、素足で笑みを浮かべつつゆったりセクシーに踊る一曲目は、悪くはないのだがもう少しダイナミズムが欲しいところだ。ゴールド・スパンコールのトップに、ゴールドのヒップスカーフで踊ってからトップレスになる二曲目も、もっとベリーダンス的に挑発できれば。
赤から紫へとグラデーションのかかった布を身にまとい、シリアスな表情でウォーキングするベッド入り。おもむろに脱衣して、淡々と見せるベッド中。形のいい胸を揉みしだきつつ、煽情的に見せる立ち上がり。
やや動きにぎこちなさがあるものの、ベッド・パフォーマンスのインパクトはなかなか見せる。本当に、この人の胸の美しさはアートの域だと思う。

3 園田しほり
肩を出したピンクの華やかなドレスに髪飾り、素足で、この人としては柔らかな表情で美しく踊る一曲目。赤いホルターネックのベッド着で、シックに見せるベッド入り。タイトな動きで、キレ味抜群のポーズを披露する立ち上がりのカタルシスに震える。
ブリッジの一曲を除くと三曲で構成されたステージだが、各曲の尺をたっぷり取ってダンスをじっくり堪能できるショー構成。特に、三曲目のパフォーマンスは鳥肌物。「これぞ、ダンサー園田しほり!」と唸ってしまうような、圧倒的クオリティのステージだった。

4 坂上友香
演目は「ネズミーシー」。
ピンクのドレスの上に黒いフード付きのポンチョ姿で登場すると、すぐにポンチョを脱いで明るい表情でファンタジックなダンスを披露する一曲目。白い髪飾り、ウェスト部分が白いピンクのベッド着にチェンジすると、ドリーミーに踊るベッド入り。ベッド着をはだけると、ゆっくりした身のこなしで踊るベッド中。派手さはないが、ポジティヴなムードがいい立ち上がり。
そつなくまとまったステージだが、やはりフルバージョンで見たいところである。

5 北川れん
演目は「夏うた」で、僕が見るのは6頭の渋谷道頓堀劇場に続いてである。
エネルギッシュに躍動する一曲目は、パワーと切れ味が絶妙のバランス。適度にクールさを見せる表情もいい。生き生きした表情でスポーティなダンスを披露する二曲目も、指鉄砲のポーズが実にチャーミング。
繊細な身のこなしを見せて脱衣するベッド入りから、シックなベッド中。アッパーな明るさが眩しい立ち上がり。
衣装もダンスも表情もカラフルで、最高に楽しくグルーヴィーなステージ。まさしく、OUT OF THE COOL…INTO THE HOTなパフォーマンスである。

6 KAERAは同演目
ポラの時に、ファンから花束とプレゼントが贈呈された。

三回目

1 JUN

演目は「CHICAGO」で、僕が見るのは去年12結のライブ・シアター栗橋以来である。
芝居がかったキュートなダンスを見せる一曲目。二曲目のダンスは、やや動きが硬く感じる。もう少し、レイジーでセクシーなしなやかさを表現したいところである。
ベッド入りも同じように硬質。けだるいムードで官能的に見せるベッド中は、なかなかに魅力的。エンターテインメントど真ん中の華やかさで、颯爽とポーズする立ち上がりもいい。
さらに踊り込むことで、ミュージカル的な厚みを増していく作品だろう。


6中のミカド劇場は、バラエティに富んだ充実ステージが並ぶ魅力的な香盤。それだけに、各ステージを本来の尺で見ることができないもどかしさがハンパない。
一番の驚きは、JUNが踊り子として明らかにワンランク・ステップアップしていたことである。まさに、一皮むけた印象だった。
KAERAさん、周年おめでとうございます!

じゃあね~今日までそして明日からの石原さゆみ

2017年6月10日、ホーム渋谷道頓堀劇場でのステージを最後に道劇きっての人気アイドル石原さゆみが引退した。デビューから2年5か月20日間という、文字通り駆け抜けていくような踊り子生活だった。

石原 さゆみ(いしはら さゆみ)
11月15日生、T162・B85・W60・H91、道頓堀劇場所属
活動期間:2014年12月21日~2017年6月10日

踊り子・石原さゆみに対して僕が抱いていたイメージは、以前に書いた私的踊り子論「アイドル・パンクスな踊り子~異端児としての石原さゆみ」の通りである。
その文章の最後に、「石原さゆみは、パン職人の専門学校に通う学費を貯めるという目的もあってストリップをしているから、ある日気が付いたら引退していた的なこともありそう」みたいなことを書いた。
その時は、まさかこんなに早く彼女がスパッと引退するとはさすがに予想してなかったけれど、常にマイペースであまり周囲のことを気にすることなく自分のやりたいことを貫く彼女らしいな…と思う。

2月10日発売の『俺の旅』(ミリオン出版)3月号誌上に掲載された「平成舞姫伝説(レジェンド・オブ・ストリッパー)」第1回インタビューに詳しいが、紫りょうの周年ステージを観たことがきっかけで面接を受けた彼女は、レッスン期間を経て2か月後に石原さゆみとして渋谷道頓堀劇場のステージでデビューを果たした。ダンスの経験もなければ体力もないという彼女は、まさしくステージの上で踊り子としてのスキルを自己流に会得していったのだろう。
あらゆる意味で経験値ゼロだから、もちろん目を見張るようなダンス・スキルは望むべくもないのだが、彼女には「どう見せれば、自分の魅力を観客にアピールすることができるのか」ということに関して天性のセルフ・プロデュース能力があったと思う。
加えて、客あしらいがとても上手く、ファンに対するサービス的な部分においても雑さと丁寧さが混在する絶妙な匙加減だった。

だが、何といっても石原さゆみ最大のセールス・ポイントが踊り子の中でも突出した可愛いルックスと健康的なボディにあることは、異論の余地がないところだろう。メディアへの顔出しはNGで通した彼女だが、劇場で彼女のステージを見て「えっ!こんなに可愛い娘が裸で踊ってくれるの?」と驚き、彼女のファンになった人も多いことと思う。まさしく、正真正銘のアイドル・ストリッパーである。僕の個人的見解を言わせていただくと、彼女のヒップラインは業界の宝だと思っていた。
ただ、改めて引退記念に発売された写真集「新たなる出発 Sayumi Ishihara 2014.12.21~2017.06.10」を見てみると、垢抜けずいささかふくよかに過ぎるデビュー当時のステージ写真に驚く。踊り子としての所作同様、女性としての外見的な魅力や洗練についても彼女はステージを重ねることで磨いていったことが実感できる。
そして、まさしく人気の絶頂期に如何にも石原さゆみ的な潔さをもって人生のネクスト・ステージへと旅立って行った訳である。

一週でもデビューが早ければ年齢に関係なく姐さんというストリップ業界は、言うまでもなく伝統的な芸事の世界という側面がある。その中にあって、しきたりや社交辞令的なことにあまり頓着しない彼女のスタイルはある種の異分子的な受け止め方もされるだろうから、熱狂的なファンが多い半面、それ相応のアンチが存在したこともまた事実である。
また、あまり同業者とりわけ先輩の踊り子との交流が見受けられないというのも、象徴的だった。
考えてみれば、「パン屋さんになりたくて、その資金をつくるのも動機のひとつ」「貯金のために衣装にもダンスレッスンにもお金かけられないステージだったけど」と躊躇なく言ってしまう身も蓋もなさだって明け透けに過ぎるけれど、そのフリーダムさも含めての石原さゆみらしさなんだろうな…と僕は思ったりする訳だ。良くも悪くも。
大人の自由解放区的なところにストリップの魅力のひとつがあると僕は考えているのだけれど、石原さゆみの持っている自由さというのは(本人にその自覚があったのかどうかは置いておいて)業界を俯瞰してもいささか先鋭的でニュー・ウェーヴだったなと改めて思う。
キュートなルックスももちろん大好きだけれど、彼女の何物にもとらわれないちょっと過激な自由奔放さにこそ僕は惹かれていたのだ。

石原さゆみのステージに関しては、それなりにしっかり向き合うことができたように思う。僕が見た彼女の71ステージを、ささやかな個人的記録として以下に書いておく。

2015年8月20日渋谷道頓堀劇場 三回目「デビュー作」
2015年10月11日DX歌舞伎町 一回目「ウエディング」、二回目「セーラー服」
2015年11月27日渋谷道頓堀劇場 三回目「ウエディング」、四回目「クリスマス」
2015年12月27日渋谷道頓堀劇場 一回目「一周年作」、二回目「一周年作」
2016年1月10日大和ミュージック劇場 一回目「セーラー服」、二回目「ウエディング」
2016年1月24日渋谷道頓堀劇場 一回目「さくらんぼ」、二回目「こたつの正月演目」
2016年2月11日TSミュージック 一回目「ウエディング」、二回目「さくらんぼ」
2016年2月27日シアター上野 一回目「さくらんぼ」、二回目「夏の日の2015」
2016年3月19日渋谷道頓堀劇場 一回目「くノ一」、二回目「さくらんぼ」
2016年4月15日渋谷道頓堀劇場 一回目「くノ一」、二回目「モーターサイクルダイアリーズ」
2016年5月14日大和ミュージック劇場 一回目「セーラー服」、二回目「くノ一」
2016年5月28日TSミュージック 一回目「さくらんぼ」、二回目「ウエディング」
2016年6月5日渋谷道頓堀劇場 一回目「モーターサイクルダイアリーズ」、二回目「眩しさの中に君がいた」
2016年7月17日TSミュージック 一回目「夏の日の2015」、二回目「くノ一」
2016年8月14日渋谷道頓堀劇場 一回目「モーターサイクルダイアリーズ」、二回目「あの花」
2016年8月31日大和ミュージック劇場 一回目「ウエディング」、二回目「ウエディング」
2016年9月24日シアター上野 一回目「アニメドレー」、二回目「アニメドレー」
2016年10月7日渋谷道頓堀劇場 二回目「アニメドレー」、三回目「くノ一」
2016年10月28日池袋ミカド劇場 二回目「眩しさの中に君がいた」、三回目「さくらんぼ」、四回目「セーラー服」
2016年11月6日ライブ・シアター栗橋 一回目「モーターサイクルダイアリーズ」、二回目「ウエディング」
2016年11月25日渋谷道頓堀劇場 三回目「空飛ぶさゆみん」、四回目「空飛ぶさゆみん」
2016年12月10日TSミュージック 一回目「さくらんぼ」、二回目「クリスマス」
2016年12月26日渋谷道頓堀劇場 二回目「空飛ぶさゆみん」、三回目「二周年作」、四回目「空飛ぶさゆみん」
2017年1月3日渋谷道頓堀劇場 一回目「モーターサイクルダイアリーズ」、二回目「空飛ぶさゆみん」、三回目「モーターサイクルダイアリーズ」
2017年2月4日蕨ミニ劇場 一回目「セーラー服」、二回目「眩しさの中に君がいた」
2017年2月18日DX歌舞伎町 一回目「ウエディング」、二回目「アニメドレー」
2017年3月25日大和ミュージック劇場 一回目「夏の日の2015」、二回目「さゆbakery演目」
2017年4月2日池袋ミカド劇場 一回目「くノ一」、三回目「クリスマス」
2017年5月3日渋谷道頓堀劇場 一回目「モーターサイクルダイアリーズ」、二回目「パートタイムラバー」
2016年5月26日シアター上野 三回目「アニメドレー」、四回目「デビュー作」
2017年6月3日渋谷道頓堀劇場 一回目「ウエディング」、二回目「二周年作」、三回目「パートタイムラバー」、四回目「モーターサイクルダイアリーズ」
2017年6月10日渋谷道頓堀劇場 ゼロ回目「ウエディング」、一回目「一周年作」、二回目「パートタイムラバー」、三回目「引退作」、四回目「モーターサイクルダイアリーズ」

前述した『俺の旅』インタビューでは5頭で引退と語っていた彼女だが、後日ブログ上で6月頭をもって引退すると発表した。まだ出したい新作があり、千穐楽が土曜日と重なるからというのが引退を延ばした理由だった。
その言葉の通り、彼女は引退週に「天使」ともう一つ引退作を出した。

そして、2017年6月10日引退興行千穐楽。通常営業とは異なり、「開館記念&石原さゆみ引退特別大興行」の6頭はいつもより30分早い11:30開演だったが、さらに6月9日と千穐楽は本人たっての希望で11:15からゼロ回目ステージが用意された。しかも、9日には四回目の後にアンコールがあり、彼女は6ステージを踊った。

楽日当日、僕は10:15に劇場に到着したが整理券番号はすでに54番だった。長く伸びた列の後方で開場を待っていると、そこにさゆみちゃんがやって来た。一足早い楽屋入りだ。一度楽屋へと消えた彼女は、買い物でもう一度外に出てきた。そのタイミングで、僕は書いてきた手紙を渡した。だって、ポラの時改めて渡すなんて、如何にも過ぎて照れ臭いじゃないか。
言うまでもなく、場内は終演まで立ち見も出る大入り満員。この日は、残念ながら浅葱アゲハさんが体調不良のため急きょ休演になった。

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今年、僕がストリップを観たのはこれが29回目。当日の香盤は、以下の通り。途中食事外出したので、三回目1~4番と四回目1~2番は見なかった。

1 虹歩
2 御幸奈々
3 北川れん
4 目黒あいら
5 石原さゆみ(ファイナルステージ)

この日ゼロ回目に踊った「ウエディング」は、さゆみんスタンダードであるばかりでなく、実はさゆみちゃん本人が一番好きだという演目。踊り子として今が一番スレンダーな体型の彼女が純白のウエディング・ドレスをまとう姿は、本当に眩しいほどである。
本編一回目ステージで踊った一周年作は、昭和レトロスペクティブな演目でその時代背景は奇しくも前回の東京オリンピックに沸いた高度経済成長期の日本である。
二回目ステージは、自分のフェイバリット曲でまとめたアダルト作「パートタイムラバー」。シックで大人な女性の石原さゆみが堪能できる新境地の逸品だろう。

そして、三回目ステージは彼女が大好きと公言するミュージシャンの曲だけで構成した引退作。そのベッド曲を聴いた瞬間、僕はちょっと感傷的な気分になってしまった。というのも、引退なんてまったく想定されていなかった一年以上も前に、さゆみちゃんが「いつかステージで使うのが夢なんだ♪」と言っていた曲だったからだ。
「あとワン・ステージ踊ったら、彼女は引退するんだな…」という確たる事実が、彼女の引退作を見ているとリアルに立ち上がってきた。そこには、もはや一切の留保事項などない。

ここまでの進行は、一回目がソロでフィナーレ・カット、二回目はダブル・ダブル・ソロでフィナーレ・カット、三回目はダブル・ダブル・ソロでさゆみちゃんセレクト曲でのフィナーレあり。
三回目終演後には、引退イベントを開催。ファンから花束が渡され、さゆみちゃんとはデビュー週でも一緒だった虹歩さんからのコメント、北川れんさんからはインタビュー形式のやり取り、さゆみちゃんからの挨拶。そして、記念撮影があった。

そして、四回目はオール・ソロ進行でポラなし。
四人が踊り終え、いよいよトリのステージを残すのみ。客席には、北川さんと多岐川美帆さんの姿があった。
彼女がラスト・ステージに選んだのは、引退興行用に作られたポスターでもステージ写真が使われていた「モーターサイクルダイアリーズ」。
そう、まさに石原さゆみの新たなる出発だ。

一曲目のダンス・パートでは最後にスケッチブックに字を書くのだが、この日彼女が書いた言葉は「さらば!!」だった。
セレブリティな二曲目から、黄昏気味なムードのベッド入り。そして、旅立つ開放感が全開となった立ち上がり。
OPでは、サイリウムが振られ、クラッカーが鳴り響き、チップが次々と差し出されてまさに有終の美的光景が展開した。
ブログでは「よく泣かなさそうって言われますけどめっちゃ涙もろいので明日はすごく泣くと思いますが見て見ぬ振りしてください(^^)」と書いていたけれど、彼女が涙を見せる場面はなかった。
それは、本人も含め場内にいるすべての人が、彼女の引退を「自分の夢を叶えるための新たなステージ」に踏み出すというポジティヴな選択として受け止めていたからだろう。
もちろん、ステージを見ることができなくなるのは寂しいけれど、前に向かって頑張ろうとしている彼女に対して湿っぽさなんて無用だ。

23:45。石原さゆみの引退興行週はすべてつつがなく終わった。彼女の踊り子生活は決して長いものではなかったけれど、全公演を終えた渋谷道頓堀劇場の場内はセンチメンタリズムなど欠片もなく、むしろある種の清々しさに包まれていた。
駆け抜けていった稀代の人気アイドル・ストリッパー石原さゆみ。彼女は、まるで一陣の風のように、僕らの前から消え去ったのである。爽やかな余韻だけを残して。

さゆみちゃん、お疲れ様でした。
君に会えたことを、僕はうれしく思う。素敵なパン屋さんになってね。Good Luck!!!

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