2016年03月28日

EL HARU KUROI Japan Tour 大阪公演

EL HARU KUROI Japan Tour 大阪公演

5月6日(金) 19:00〜
会場:do with cafe【地下鉄東梅田駅東へ5分】
LIVE : EL HARU KUROI(from Los Angeles)/CONJUNTO“J”
MUSIC : 越後修一(MEME)/ナンバマン/吉本秀純(EL TOPO)
FOOD:CANTINA RIMA
メキシコ雑貨:TOMBOLA
料金:前売3,000円 当日3,500円(ドリンク代別途)
問い合わせ:06-6312-1778【do with cafe】
企画・制作:晴れ豆インターナショナル
※前売りは会場HPからメールにてご予約ください。

http://www.dowithcafe.sakura.ne.jp/

LAのラティーノ・コミュニティを拠点としながら、伝統的なメキシコ音楽、チカーノ・ロック、クンビアなどの南米音楽、前衛ジャズ、トロピカリア期のブラジル音楽などの多彩な要素を独自に融合させたサウンドを深化させてきた男女トリオのエル・ハル・クロイが初来日ツアーを実現。今年3月にリリースされた最新作『192192192』(MUSIC CAMP inc.)では、日本語詞の楽曲までも交えながら、美しい詩情とオルタナティヴな感覚が同居した境地をよりスタイリッシュかつシャープに響かせている。大阪公演では、テックス・メックスの本場テキサス州でも高い評価を集めているコンフント“J”をはじめ、DJやフードにもチカーノ・カルチャーに精通した面々の参加を得て、ラテン文化のお祭り=“シンコ・デ・マヨ”(スペイン語で5月5日の意)で盛り上がる時期にふさわしい金曜日の夜をお届けします。

●エル・ハル・クロイ(from Los Angeles)

イーストLA出身、魂の3人組、エル・ハル・クロイ。伝統のメキシコ音楽、南米のクンビア、チカーノ・ロック、前衛ジャズ、そしてブラジル・トロピカリアまで多様な要素を、紅一点エディカの可憐な歌声と美しいフォーキーな演奏で纏め上げた独創的なサウンド。歌とテクニカルなギターは、バリオの歌姫、エディカ・オルガニスタ。重厚なグルーヴを創るベースは、マイケル・イバーラ。そして、自由自在に変拍子を生み出すドミニク・ロドリゲスによるドラム。デビューは2007年のアルバム『サブン』。今年3月には待望の3作目『192192192』が発売されたばかり。バリオと呼ばれるラティーノ・コミュニティを拠点にしながら、多言語を駆使し広く開かれた世界観は、まさにアメリカ生まれの現在進行形ラテン・サウンド!世界一のコスモポリタン都市、LAで鍛え上げられたパフォーマンスは必見です!
http://www.m-camp.net/ehk.html

●CONJUNTO“J” 
1999年結成。本場テキサス州での演奏活動を中心にスタート。中核メンバーの急逝により一時活動を中断。新メンバーを迎え、担当楽器を変更して2006年より活動を再開。メキシカン・アメリカンの人たちの生活心情に共感し、ワーキングクラス音楽としてのコンフント音楽の日本国内に於ける普及をめざして、大阪を中心に活動中。テキサス州サンアントニオで毎年行われる有名なコンフント・フェスティヴァルに何度も出演している。
          
≪メンバー≫
ダイアトニック式ボタンアコーディオン& 歌 : "オノリオ" 今村典良
バホ・キント(複弦10弦ギター)&歌 : "スポック" 田中敬一
エレキ・ベースギター&歌:"パブロ" 内田慶                                  
ドラムス&グリート : "エル・ノルテ" 北田太一
http://blogs.yahoo.co.jp/conjuntooyaji


●越後修一(MEME)
DJは2005年からスタート。JazzyHiphopイベント「theater249」を2年間主催、より生音のjazzへ浸かる。その後大阪Noonにて「World standard」に出演し現在は大阪梅田 NOON+CAFE にて、latin,haiti,afro,colombia系の南半球音楽を中心としたイベント「Meme(ミーム)」が5年目突入!主催・兼DJ。
http://meme-osaka.me/

●【FOOD】CANTINA RIMA
http://www.cantina-rima.com/top.html


●【メキシコ雑貨】TOMBOLA
http://tombola11.com/?mode=f1

hidesumix at 15:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2014年10月09日

FM COCOLO“AFRO POP AIRLINE”9/28 O.A. LIST

FM COCOLO“AFRO POP AIRLINE”
「東アフリカ〜日本のアフリカ?編」(第4回)
9/28(SUN)24:00〜25:00 ON AIR LIST

※オープニングは、ケニヤのアフロ・レア・グルーヴから。
 70年代にJBやアフロ・ビートの影響を受けたファンキーなケニヤのバンド
 のレアな7インチ音源を集めたV.A.『ケニヤ・スペシャル』から1曲。
M1 THE RIFT VALLEY BROTHERS「MU AFRICA」(ケニヤ)

【前半は、再び活性化するエチオピアの新旧のサウンドを】

※まずはエチオピアの音楽家と欧米の音楽家の混成のバンドを2組。

M2 TRIO KAZANCHIS「NANU NANU NEY」(エチオピア/スイスetc)
M3 UKANDANZ「BELOMI BENNA」(エチオピア/フランス)

※続いてはイスラエル発の新鋭エチオR&Bと大御所のファンキーな名曲を。

M4 ESTER RADA「LIFE HAPPEN」(イスラエル/エチオピア)
M5 ALEMAYEHU ESHETE「TEY GEDYELESHEM」(エチオピア)

【後半は、ケニヤ→タンザニア→モザンビークと南へ】

※まずは、ルオの音楽で使われる弦楽器「ニャティティ」を、英国と日本から
 現代的に蘇生させる2組を。ラジオ上での師弟対決ということで。

M6 OWINY SIGOMA BAND「OWINY TECHNO」(ケニヤ/英国)
M7 ANYANGO「OGWANG」(日本/ケニヤ)

※続いて、タンザニア発のトランシーな太鼓+カシオトーンのお祭り集団、
 そしてモザンビークで活躍するホーンと女性コーラス入りの好バンドを。

M8 JAGWA MUSIC「DUNIA WATU」(タンザニア)
M9 SIGAUQUE PROJECT「ALERTOS DA VIDA」(モザンビーク)

※最後は、強引に関西に戻ってきて本でも執筆してくれたオオルタイチが
 参加した才人バンドの、アフロビートもクールに取り入れた名曲を。

M10 ウリチパン郡「ゼノン」(日本)

※ちなみに、全4回の選曲はすべて『アフロ・ポップ・ディスク・ガイド』に
 掲載したアルバム(または言及した作品)のみで構成しました。

●よりディープな楽曲などはDJでプレイします。
→近々では10/10(金)難波Night Wax、12(日)和歌山・匠町ギャラリー、
 13(祝)新宿Be-Wave、16(木)東梅田do with cafeでDJしています。
 よろしくどうぞ。10日と13日は第2回で紹介したVOODOO FUNKの日本ツアーです。

hidesumix at 13:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2014年09月23日

FM COCOLO“AFRO POP AIRLINE”9/21 O.A. LIST

FM COCOLO“AFRO POP AIRLINE”
「中央アフリカ〜南アフリカ編」(第3回)
9/21(SUN)24:00〜25:00 ON AIR LIST

※オープニングはデーモン・アルバーン率いる才人集団が
 コンゴの首都キンシャサで、現地のストリートで活動する音楽家たちと
 録音したDRCミュージック『キンシャサ・ワン・トゥー』より。
 ダン・ジ・オートメイターと現地ラッパーのベブソンとのコラボ曲。

M1 DRC MUSIC「K-TOWN feat.NIGOTSHIMA and BEBSON」(コンゴ/英国)

【前半は、コンゴ民主共和国のルンバを中心に新旧のサウンドを】

※まずはその歴史を語る上で外せない2人の巨匠をどうぞ。

M2 JOSEPH KABASSEELE ET L'AFRICAN JAZZ「INDEPENDANCE CHA-CHA」(コンゴ)
M3 FRANCO & LE TPOK JAZZ「TOKOMA BA CAMARADE PAMBA」(コンゴ)

※続いては夏に来日したジュピターら、最近のコンゴの注目株を2組。

M4 JUPITER & OKWESS INTERNATIONAL「MARGERITA」(コンゴ)
M5 BLACK BAZAR「BLACK BAZAR ROUND 2 feat. KARASHIKA」(コンゴ)

【後半はザンビアを経由して南アフリカへ】

※まずは、70年代のザンビアで異彩を放ったサイケ・ロック、
 続いて南アフリカで1965年に録音されていたジャジーなスカを。

M6 RIKKI ILILONGA & MUSI-O-TUNYA「DARK SUNRISE」(ザンビア)
M7 REGGIE MSOMI'S HOLLYWOOD JAZZ BAND「MIDNIGHT SKA」(南アフリカ)

※続いて、昔からモダンで粋な音楽性を示し続ける南アフリカから、
 インディ・ポップやエレクトロニカを通過した注目の新鋭2組を。

M8 JOHN WIZARDS「LUSAKA BY NIGHT」(南アフリカ)
M9 BONGEZIWE MABANDLA「NDIBONSIWE feat. NOSISI」(南アフリカ)

※最後は、ペンギン・カフェの来日に合わせて その元祖のPCOがジンバブエの
 古典的名作『ショナ族の〈ムビラ〉』の楽曲をカバーした美しい名曲を。

M10 PENGUIN CAFE ORCHESTRA「CUTTING BRANCHES FOR A TEMPORARY SHELTER」(英国/ジンバブエ)

次の9/28深夜0時からオンエアは、早いものでいよいよ最終回。
第4回は『東アフリカ〜日本編』でお送りします。

※ちなみに、選曲はすべて『アフロ・ポップ・ディスク・ガイド』に
 掲載したアルバム(または言及した作品)のみで行います。


hidesumix at 16:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2014年09月15日

FM COCOLO“AFRO POP AIRLINE”9/14 O.A. LIST

FM COCOLO“AFRO POP AIRLINE”
「西アフリカ〜北アフリカ編」(第2回)
9/14(SUN)24:00〜25:00 ON AIR LIST

※オープニングは、大西洋に浮かぶカーボ・ヴェルデ出身の女性シンガー
 による、洒脱で自然体でハイブリッドなフォーキー・ポップから。

M1 MAYRA ANDRADE「WE USED TO CALL IT LOVE」(カーボ・ヴェルデ)

※前半は西アフリカ各国の多彩なアフロ・ファンクな楽曲を中心に。
 まずはベニンを代表する大所帯バンドとセネガルの強烈なサイケ・ンバラを。

M2 ORCHESTRE POLY-RHTYMO 「NE TE FACHE PAS」(ベニン)
M3 ETOILE 2000「BOUBOU N'GARY」(セネガル)

【ここで10月に初来日するアフロ・ファンクDJの最高峰、
 VOODOO FUNKことフランク・ゴスナーを紹介。】

※続いては、そのフランクもフェイヴァリットに挙げる70年代ガーナの
 名バンド、そしてアフロ・ビートの末裔によるルーツ回帰的楽曲を。

M4 MARIJATA「NO CONDITION IS PERMANENT」(ガーナ)
M5 SEUN KUTI&EGYPT80「OHUN AIYE」(ナイジェリア)

※後半は内陸部へ。まずは近年のマリ音楽を代表する男女シンガーを。

M6 ISSA BAGAYOGO「DIARABI」(マリ)
M7 ROKIA TRAORE「MELANCOLIE」(マリ)

※そして、砂漠のブルース界隈で活躍する“砂漠のアレサ・フランクリン”、
 12年ぶりの強靭な新作を発表したモロッコ出身のグナワ・マスターを。

M8 KHAIRA ARBY「GOUMOU」(マリ)
M9 HASSAN HAKMOUN「SOUTINBI」(モロッコ/米国)

※最後は、ナイジェリアで70年代末から80年代にかけてシンセサイザーを
 多用したマジカルな楽曲を残した鬼才の、ポップでダンサブルな名曲を。

M 10 WILLIAM ONYEABOR「FANTASTIC MAN」(ナイジェリア)

次の、9/21深夜0時からオンエアの第3回は『中央〜南アフリカ編』です。
続いて最終回の28日が『東アフリカetc編』となります。

※ちなみに、選曲はすべて『アフロ・ポップ・ディスク・ガイド』に
 掲載したアルバム(または言及した作品)のみで行います。


hidesumix at 13:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2014年09月13日

FM COCOLO“AFRO POP AIRLINE”9/7 O.A. LIST

FM COCOLO“AFRO POP AIRLINE”
「アフリカ音楽に影響を受けた欧米の音楽編」(第1回)
9/7(SUN)24:00〜25:00 ON AIR LIST

※オープニングは、やはりアフリカらしい音をということで、
 欧米のオルタナ系音楽家も大きく触発したこのグループの最新作から。

M1 KASAI ALLSTARS「THE CHIEF'S ENTHRONEMENT」(コンゴ民主共和国)

※まずは、UKロックの両雄がアフリカに傾倒した象徴的な2曲を。

M2 TONY ALLEN「EVERY SEASON feat. Damon Albarn&TY」(ナイジェリア/英国)
M3 ATOMS FOR PEACE「BEFORE YOUR VERY EYES...」(英国/米国etc)

※続いては、ベルギーを拠点とするクラムド・ディスクの近作から。
 コンゴトロニクス・シリーズとはまた違った、
 このレーベルならではの折衷的なアプローチが見事な2曲を。

M4 OY「MARKET PLACE」(ガーナ/スイス)
M5 ZITA SWOON GROUP「SABABU」(ベルギー/ブルキナファソ)

※英国、欧州と来て、次はNYならではのハイブリッド感覚な2組を。

M6 SUPERHUMAN HAPPINESS「SEE ME ON MY WAY」(米国)
M7 JANKA NABEY AND THE BUBU GANG「FEBA」(シエラレオーネ/米国)

※近年に世界中から続出したエチオピアに傾倒した音楽家たちから、
 ヒップホップとオルタナ・ロックからの代表的なアプローチを続けて。

M8 NAS&DAMIAN MARLEY「AS WE ENTER」(米国/ジャマイカ/エチオピア)
M9 GETACHEW MEKURIA&THE EX&GUESTS「AYNAMAYE NESH」(エチオピア/オランダ)

※最後は、クラムドの主宰自らがカサイ・オールスターズの音源を再構築した
 美しいフォーキー・アフロ・エレクトロを。『コンゴトロニクス世界選手権』収録。

M 10 AKSAK MABOUL VS KASAI ALLSTARS「LAND DISPUTE」(ベルギー/コンゴ)

次の、9/14深夜0時からオンエアの第2回は『西アフリカ〜北アフリカ編』です。
続いて21日が『中央〜南アフリカ編』、28日が『東アフリカetc編』となります。

※ちなみに、選曲はすべて『アフロ・ポップ・ディスク・ガイド』に
 掲載したアルバム(または言及した作品)のみで行います。


hidesumix at 09:05|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!

2014年02月23日

Ricardo Gallo Cuarteto『Resistencias』未発表ライナー

●Ricardo Gallo Cuarteto『Resistencias』(La Distritofonica,2010)コロンビア

 アルゼンチン出身のガトー・バルビエリ、南アフリカ出身のダラー・ブランドあたりまで遡っていくと決して今に始まったことではないが、近年の先鋭的なジャズにおいて非西欧圏出身のミュージシャンの活躍が目立っているのは注目すべき動きだろう。NY育ちながら南インド移民の両親を持ち、今やグラミー賞のジャズ部門にまでもノミネートされるトップ・プレイヤーとなったヴィジェイ・アイヤー(p)を筆頭に、同じくインド系のルドレシュ・マハンサッパ(as)、イスラエル出身らしいエキゾな個性も放つオマー・アヴィタル(b)やアヴィシャイ・コーエン(tp)に、北欧からクラブやオルタナ系人脈とも接点を持ちつつ刺激的な活動を続けるブッゲ・ウェッセルトフト(key)やアトミックの面々など…。ジャズ・プレイヤーとして卓越したテクニックを持ちながらも、そこに出身国の伝統音楽や独自の感覚をしっかりと反映させ、ハイブリッドなジャズを奏でる才人たちが明らかにシーンを先導している。本作のリーダーであるコロンビア出身のリカルド・ガッリョもまた、NYと地元のボゴタを往復しながらその評価を着実にワールドワイドなものに高めつつある気鋭のピアニストだ。

 1978年にボゴタで生まれた彼は、地元の大学へ進学した後にジャズ学科で名高い米国のノース・テキサス大学に編入して2002年に卒業。現在もミュージシャン活動と並行して、奨学金を得ながらニューヨーク州立大学ストー二ーブルック校で作曲の博士課程に進んでおり、ジャズ学科では硬派のトロンボーン奏者として知られるレイ・アンダーソンの助手も務めている。そんな学究肌な顔を持つ一方で(もちろん我が国のそれとは大きく違うだろうが…)、ボゴタを拠点に04年に結成したのが本作でも聞くことのできるリカルド・ガッリョ・カルテット。結成以来メンバーは不動で、3月に日本盤リリースされたラ・レブエルタのリーダーでもある打楽器奏者のフアン・ダヴィッド・カスターニョをはじめ、フアン・マニュエル・トロ(b)とホルへ・セプルベダ(ds)の2人も他の様々なユニットを掛け持つ才人のよう。また、本作を含むカルテットの全3作品及び各メンバーが関わる作品の多くを発表しているレーベル“ラ・ディストリトフォニカ”は、ジャズ、ポスト・ロック、電子音楽、現代音楽などを通過した感覚/手法で新世代のコロンビア音楽を次々と発信し続けている音楽家集団であり、4人がその中心的存在となっていることも付記しておきたい。

 コロンビアの音楽といえば、1950年代から盛んに奏でられ続けるクンビアが今また世界的に新たな脚光を浴びているが、北部のカリブ海沿岸のアフリカ音楽色が強くファンキーなチャンぺータ、マリンバなどを使って奏でられる太平洋沿岸のアフロ系音楽=クルラオ、室内楽的な内陸部アンデス地域のバンブーコなど…地域ごとに多種多様な音楽が存在する。リカルド・ガッリョ・カルテットは、結成当初からそれらの豊かなコロンビアの伝統音楽に意識的なジャズを展開しており、05年に発表したデビュー作『LOS CERROS TESTIGOS』では、マリンバをフィーチャーした10分強に及ぶ即興や、クルラオのリズムを援用したと思われるポリリズミックな8分の6拍子のアフロ・ラテン・ジャズ、バンブーコをジャズ化したメロディの美しい楽曲などを収録。続く2作目の『URDIMBRES Y MARANAS』(07年)では、全体的により明快にラテン色を強め、変則的なタンゴ調やフェンダー・ローズ(電子ピアノ)を使ったグルーヴィーな楽曲なども聴かせながら、各メンバーのインプロもよりキレが良く大胆なものとなり、随所にコロンビア特有の打楽器やリズム、旋律などを盛り込みながら典型的なラテン・ジャズとは一線を画する境地を進化させてきた。そして、さらなる音楽的飛躍とダイナミズムの獲得に成功したと言えるのが2010年10月に発表された本作『RESISTENCIAS』で、このコロンビア発のカルテットの尽きないポテンシャルの高さをより鮮烈に示した最高傑作となっている。

 前作から本作に至るまでの間に、リカルドはNYのジャズ・シーンの中核で活躍する新旧のツワモノたちと刺激的な共演を重ねてきた。その成果は、昨年にポルトガルの先鋭的なジャズ・レーベルとして知られるclean feedから発表された2枚のアルバムで聴くことができる。1枚は『ミュージック・マガジン』誌の昨年のベスト・アルバムでジャズ部門の第1位に選出されたPETER EVANS QUARTET『LIVE IN LISBON』で、クラシックの首席トランペット奏者に最も過激だった頃の故ドン・チェリーが憑依したかのようなピーター・エヴァンスの猛烈なラッパのサイドでピアニストを務めていたのが彼であった。鬼気迫る演奏の連続でインプロヴァイザーとしての実力の高さが堪能できる新世代フリー・ジャズ屈指の傑作だが、さらに注目すべきは昨年末に続いて発表されたRICARDO GALLO'S TIERRA DE NADIE名義での『THE GREAT FINE LINE』である。こちらは07年から始動したNYにおけるリーダー・グループだが、参加メンバーには先にも挙げたレイ・アンダーソン(tb)、日本でも山下洋輔のニューヨーク・トリオなどで広く知られるフェーロン・アクラフ(ds)、数多くのフリー系作品に名を連ねてきたマーク・ヘリアス(b)、そしてコロンビア〜南米にも長期滞在歴があり、近年にジャズのみならずワールド・ミュージック寄りの作品でもボーダレスに活躍するドラマー/打楽器奏者の武石聡など。70年代以降のNYにおけるポスト・フリー〜ロフト・ジャズの流れを今に継承してきた指折りの名手たちが名を連ねており、英訳するとNO MAN'S LAND(無人地帯)という意味のユニット名通りに、即興スペースを随所に巧みに盛り込みながらフリー・ジャズ〜ラテン〜ニューオリンズ調と変幻自在な広がりをみせる作曲と演奏で、よりボーダーレスな才能を具現化している。また、09年にはNY在住のコロンビア出身の弦楽器奏者で、アンデス地域の伝統音楽をベースにギターやティプレ(3複弦4コースの12弦楽器)もマルチにこなすアレハンドロ・フローレスとのGALLO/FLORES名義で、ブラジルのエグベルト・ジスモンチ作品にも通じるようなメロウなデュオ作『MELEYOLAMENTE』も発表。これらの作品を併聴してみれば、本作に多大なフィードバックをもたらしているのがより立体的に聴取できるだろう。

 さて、そんな濃密なNYでの成果を地元に持ち帰って録音された本作だが、躍動感に満ちたアッパーなグルーヴで駆け抜ける冒頭のスリリングな「BAILEMESTA」から、前2作を凌駕するエナジー全開で聴く者を圧倒する。リカルドによれば、この曲で印象的なメタリックな打楽器は、太平洋岸で奏でられるアップ・テンポなストリート音楽で用いられるシンバルとのことで、本作でもコロンビアならではのジャズを追求するという姿勢に揺らぎはない。また、NYでの武者修行を経て強度を増したリカルドの成長に応えるかのように、地元組の3人も1曲ずつ自身のオリジナル曲を収録するなどでより個性を発揮しており(前2作ではほぼ全曲がリカルドの作曲だった)、グループ全体としてステップ・アップを図っている点もまた頼もしい。特に、3曲目ではブラジルの打楽器であるパンデイロを用いながらもアフロ・コロンビア的なリズムを巧妙に刻んでいるのをはじめ、曲ごとにクルラオの語源ともなっているクヌーノ、バジェナートで多用されるカジャ、ペルーのボンゴにアルゼンチンのフォルクローレで知られるボンボなどと、多種多様な打楽器を使い分けるフアン・ダヴィッド・カスターニョの汎南米的な感覚の面白さは特筆もの。リカルドもピアニカを用いて、まるでオーガスタス・パブロがボゴタに迷い込んだかのような5分の4拍子のファニーな変則クンビアを聴かせる6曲目を作曲しているのも彼であり、このカルテットのローカルな魅力を担う主軸として大きく貢献している。一方で、トロピカルなクルラオのリズムを導入しながらも曲調はへヴィで、11分以上に及ぶ曲後半には集団即興に突入してテンポを速めながら見事にテーマ部分に回帰してくる4曲目、その熱狂を保ちながらアフロ色が強かった時期のマッコイ・タイナーを連想させる雄大なグルーヴへと流れ込む5曲目など、中盤の長尺曲でもこれまでに聴かれなかったような重厚さを発揮。そして、ラストのバラード的な「VIEJO PRESAGIO」では、60年代後半のマイルスの名曲「ネフェルティティ」などに通じるような美しく幻想的な旋律で、リカルドのコンポーザーとしての才の高まりを再認識させてくれる。

 日本では流通の関係でどの作品も入手が難しく、現状ではほぼ無名の存在であるリカルドだが、すでにその才は南米ジャズの新たな地平を切り開く斬新さに満ちており、まだまだ底を見せそうにないポテンシャルを秘めている。冒頭に挙げた現在進行形のジャズを牽引する才人たちに南米サイドから並びかける存在として、今後さらにその注目度を高めてくるのは間違いないだろう。  2011年4月8日 吉本秀純

hidesumix at 00:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2013年08月04日

8/30(金)MEDVACANCES〜地中海ヴァカンス〜in Osaka

flyer0830表


MEDVACANCES〜地中海ヴァカンス〜REVIVAL
CD Release Party In Osaka

【日時】8/30(金) 19:00〜24:00
【会場】do with cafe〔大阪市北区兎我野町9-23 聚楽ビルB1〕

【出演】
DJ:シリル・コピーニ a.k.a. DJ CYCO/Marginaiman a.k.a. DJ TUTTLE/
   Junichiro Kubo/DJ LARD
FLAMENCO LIVE:松木匠(カンテ)/松井高嗣(ギター)/
        前岩里佳/大槻敏己/黒田心(以上バイレ)
Rajastan Dance:Nalika

【料金】2,500円/with flyer 2,000円(1d付)
    (※会場にメール予約でもwith flyerと同料金)

【予約/問合せ】06-6312-1778(do with cafe)
   mail/dowithcafe@comet.ocn.ne.jp

 ダンサブルで陽気なバルカン・ビーツから洒脱なマヌーシュ・スウィングに、南仏のトリップ・ホップやフラメンコ、アラブ音楽的な要素まで…。地中海を取り巻く多彩なサウンドをコンパイルしたCD『MEDVACANCES〜地中海ヴァカンス〜REVIVAL』の発売を記念して、東京の人気イベント“地中海ヴァカンス”の大阪版を開催! CDを選曲した南仏出身のシリル・コピーニはもちろん、関西の実力派たちによる貴重なフラメンコ・ライブ、こちらも関西ビート・ジャンキー筆頭=Marginaiman a.k.a. DJ TUTTLEによるサイケなスパニッシュ・ルンバを中心としたDJに、ジプシーの起源とされるインド北西部のラジャスタンのダンスまで。スパイシーな地中海サウンドで真夏の最後の金曜日の夜を!

flyer0830裏

●V.A.『MEDVACANCES〜地中海ヴァカンス〜REVIVAL』試聴はこちら↓

http://www.slowcurve.co.jp/frenchball/medvacances/

7月24日(水)ON SALE!
全国のCD SHOPにて
発売元:フレンチボールレコーズ

〜〜〜〜〜 FLAMENCO LIVE出演者のプロフィール〜〜〜〜〜

●松木 匠(カンテ)

1980年 石川県生まれ
幼少の頃より15年ピアノを通じて音楽を親しむ。
'00 大学在学中にフラメンコと出会い、唄い手として志す。
'06から渡西を重ね、地元のアーティスト達と交流しながらフラメンコを学ぶ。
'09 より Joze Mendez, Junquerita に師事。
現在、関西・東海を中心に精力的に活動。

●松井 高嗣 マツイ タカシ(ギター)

1972年生まれ、兵庫県出身。15歳よりエレキギターを始め、 Rock,R&Bをライブハウスなどで演奏する。
1995年に渡西しフラメンコギターをマドリッドでEl Entri,Ramon Jimenez,Jesus de RosarioにセビージャでDiego Franco に師事し 一年後帰国、 国内で演奏活動を開始。その後も渡西を重ね、 Fernando de la Rua, Basilio Garcia,Flavio Rodrigues,Manuel Cazas他多くのアーティストと交流を深める。現地にて La China,Manuel Reyes,Rafaela Carrasco,Manuel Li紡n,Inmaculada Ortega, Domingo Ortega,La Tacha と いった著名な舞踊家のもと舞踊伴奏活動を行う。
現在はフラメンコ演奏活動を関西を拠点に全国各地に活躍の幅を広げ Isabel Bayon,Jesus Torres,Miguel Ca紡s,Emilio Floridoをはじめ 国内外のアーティストと共に数多くの公演やライ ブに出演。また多く の舞台作品の楽曲制作を担当する。ポップス、ボサノバ、アラブ音楽 など他ジャ ンルのライ ブ 、レコーデ ィ ン グに参加するな ど幅広く活躍。
音楽ユニット'Nota Rosa'のギタリスト兼アレンジャーとしても関西 を中心に活動中。
伝統的なフラメンコのスタイルをベースに、より音楽的な現代のフラ メンコギターの担い手とした多くの支持を得ている。

●前岩里佳(バイレ)

1994年市川恵子氏に師事。同スタジオにて舞踊団に所属、講師も努める。
2002年日本フラメンコ協会新人公演バイレ・ソロ部門奨励賞受賞。
3度のスペイン留学を経て2005年帰国。
渡西中は主にイスラエル・ガルバン氏に師事。
2004年3月セビージャセントラル劇場において師と共に舞台に立つ。

●大槻 敏己(バイレ)
京都府出身。
大学在学中、東京の阿部悠美子氏の元でフラメンコと出会う。
卒業後京都に戻り、吉良典城氏の指導を受け、同舞踊団所属。
2005年フリーとなり、『FLAMENCO曽根崎心中』に群舞出演。
その後、向山口真哉氏に師事。
2012年、日本フラメンコ協会第21回新人公演・バイレソロ部門において、奨励賞受賞。
現在、関西を中心にレッスンやライブで活動中。

●黒田 心(バイレ)

大阪市出身。
パンクバンドや民族音楽に魅せられる中で、友人のフラメンコギターに感動し、
2004年より辻川輝氏のもとで指導を受ける。心理職に携わる傍ら、
2009年より大槻敏己氏に師事。同フラメンコ舞踊クラスに所属。

hidesumix at 11:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2013年07月19日

チェコ音楽講座:2012.6.21版プログラム

チェコ音楽講座/プログラム(2012.6.21、チェコセンター東京)

written by HIDESUMI YOSHIMOTO

[はじめに〜チェコ共和国の基礎知識]

 現在の人口は約1,050万人。中世から独自の文化を育み、首都のプラハは「北のローマ」とも称される古都。プラハを含む西部のボヘミア、東部のモラヴィア(中心都市はブルノ)、北東部のシレジアの3地方に大きく分かれる。大戦後は社会主義国に。68年に検閲が廃止されるなどで民主化の気運が高まったものの(「プラハの春」)、夏には旧ソ連が軍事介入。89年に「ビロード革命」によって社会主義体制が崩壊し、初代大統領には劇作家で反体制運動の指導者だったヴァーツラフ・ハヴェル(ちなみにフランク・ザッパとヴェルヴェット・アンダーグラウンドの大ファンだった)が就任した。現職大統領のヴァーツラフ・クラウスも大のジャズ愛好家で、大統領府のあるプラハ城で行われたジャズのライブ盤には、必ず冒頭にクラウス大統領による前説が収録されている。

■■■チェコ・ヌーヴェルヴァーグ映画の“音楽”に改めて注目を。

●日本でも60'sガーリー映画の名作として知られる『SEDMIKRASKY(ひなぎく)』(66年、監督:ヴェラ・ヒティロヴァー)、チェコ版の“人魚姫”な『MALA MORSKA VILA』(76年)、子供向けのサイケデリックな魔女映画『SAXANA』(72年)など。
 世界各国の知られざるヒップな音源を発掘し続けている英国のレーベル=FINDERS KEEPERSが、最近に当時には存在していなかったチェコの60〜70年代映画のサントラ盤を独自に制作し、音楽の素晴らしさにもスポットを当てている。その中でも特に注目すべきなのが、チェコ映画界で膨大な数の音楽を手掛けてきたズデニェク・リシュカ(Zdenek Liska、1922-1983)。作風も多彩で、日本で例えるなら山下毅雄のような存在。

●『MALA MORSKA VILA』(76年)→かなり幻惑度の高いサイケな人魚姫。
http://www.youtube.com/watch?v=OwN4GV7QnD0

●『Ikarie XB1』(63年)→SF映画。時期的に考えるとかなりヒップな電子音使い。
http://www.youtube.com/watch?v=jkmE8SCX2F4

●『30 pripadu majora Zemana』(72年)→70年代チェコのTV映画テーマ曲。
http://www.youtube.com/watch?v=n4j-6DIvT5E

●『ジャバウォッキー』(71年、監督:ヤン・シュヴァンクマイエル)
 →リシュカが音楽を担当したヤン・シュヴァンクマイエルの短編も多い。
http://www.youtube.com/watch?v=CjlO_UOCVPA

●『VALERIE AND HER WEEK OF WONDERS』(70年、監督:ヤロミール・イレシュ)
 →04年には『闇のバイブル 聖少女の詩』なる迷題で日本版DVDも発売された“ゴシック・ロリータ・ホラー”のカルト傑作。こちらもFinders Keepersがサントラ盤を発表。音楽はリシュカではなく、Lubos Fiser。英米のインディ・ロック系ミュージシャンの間でも人気が高かったようで、英国のBroadcastが03年に「Valerie」という曲を発表していたり、07年には米国のエスパーズのメンバーなどによってこの映画の世界を音楽で再現したTHE VALERIE PROJECTが、Drag Cityからアルバムを発表している。

・映画の一部分(本編の後半部分のようです)。
http://www.youtube.com/watch?v=r6L9Y5S07E4

・Broadcast「Valerie」(ほぼテーマ曲のカバー)
http://www.youtube.com/watch?v=as5ZdjYGdRY

※他ではBroadcastの先輩格Sci-fiバンドであるSTEREOLABも、05年にチェコ・アニメの巨匠=イジー・トルンカの62年作『Kyberneticka Babicka(電子頭脳おばあさん)』をタイトルにした曲を発表。また、日本でもEGO-WRAPPIN'が04年にアルバム『merry merry』を発表した当時には、メンバーがヤン・シュヴァンクマイエルの作品からかなり影響を受けたと語っており(許可が下りれば映画の中の台詞をサンプリングしたかったとも話していました)、CDのアートワークにはその影響がかなり強く垣間見えます。

■■■プラハの春〜ソ連侵攻(68年)以降のロックやジャズ。

【「プラハの春」前後のポップスやロック】

●映画『プラハ!(原題:REBELOVE)』→2001年にチェコで公開。プラハの春(68年)の女子高生たちを題材に“スウィンギン・プラハ”を描いて大ヒットした青春映画。サントラも60年代チェコの小粋なオールディーズ曲が多数収録されていて面白い。

●MARTA KUBISOVA(マルタ・クビショヴァー)→ブリジット・バルドー的なルックスと歌声で60年代に人気を集めた女性歌手。69年にビートルズ「HEY JUDE」に弾圧に屈しないことを呼びかけるオリジナルな歌詞を付けたカバーを発表して大ヒットするも、発禁処分となり、89年まで彼女は歌うことも禁じられた。

・MARTA KUBISOVA「HEY JUDE」
http://www.youtube.com/watch?v=g9QLFJKqaMw

●OLYMPIC→60年代後半からチェコで人気を集めたバンド。1st〜3rdはジャケットも秀逸。特にサージェント・ペパーズ・チルドレンなロックとしては世界的に見ても屈指の出来と言える傑作3rdアルバム『Jedeme Jedeme』(71年)収録のグルーヴィーな名曲「Brouk」は、05年に英国のDJ FORMATの「SEPARATED AT BIRTH」という曲にサンプリング使用されている。ちなみにこの曲でヒップなフルートを吹いているのは、後に紹介するチェコ・ジャズ界最高のサックス/フルート奏者のJIRI STIVIN。

・おそらく70年代前半に制作されたOLYMPICのドキュメンタリー映像。
http://www.youtube.com/watch?v=4zYjy-gs10g

【“正常化”時代の反体制アンダーグラウンド・ロック】

●THE PLASTIC PEOPLE OF THE UNIVERSE→68年結成。チェコ地下ロックの象徴的なバンドで、バンド名の“プラスチック人間”とはザッパの曲名から。76年にライブ中に逮捕されて以降、何度も勾留されながら活動を続け、のちに大統領となるハヴェルとも親交が深かった。2010年にスペインのMunster Recordsが発売した2枚組ベストが入手しやすい。

●DG307→上のPLASTIC PEOPLE〜のメンバーだった鬼才Milan Hlavsaを中心に活動していた、もうひとつの反体制ロックの雄。メッセージ色の強いポエトリーにノイジーな音を絡めたサウンドは、パンクの影響を受けるまでもなくパンクだった。近年も現役でダークかつコアな良作を発表し続けている。

・1974年のDG307のライブ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=RaNjmivU_-Y

【チェコ・ジャズを代表する名手たち】

●JANA KOUBKOVA(ヤナ・コブコヴァ)→60年代から現在まで活躍するチェコを代表するジャズ・スキャット歌手。03年に大阪のEMレコードから2枚組のベスト『VOCAL VIRTUOSO Collection 1977-1997』が出された。スタンダードからプログレや現代音楽風まで、あらゆるタイプの楽曲をスキャットのみで奔放に歌いこなす。

●JIRI STIVIN(イジー・スティヴィーン)→60年代からチェコのジャズ界で活動を続けるフルート/サックス奏者。端正なジャズから実験的なフリー寄り、クラシックの録音までこなしてしまう“東欧の白いローランド・カーク”とでも呼びたい才人で、76年発表の傑作『ZODIAK』やその続編的な94年の『ALCHYMIA MUSICAE』をはじめ、ジャズと中世音楽を融合したような摩訶不思議なソロ作品も数多く残している。

・どこかの広場での、JIRIが音楽で子供をあやすソロ・パフォーマンス。
http://www.youtube.com/watch?v=OonE8J_OOAQ

●EMIL VICLICKY(エミール・ヴィクリツキー)→70年代から活躍するチェコのNo.1ジャズ・ピアニスト。フュージョン時代のファンキー路線も良いが、90年代以降はモラヴィア民謡に意識的なジャズ作品も数多く残し、近年にはヤナーチェクの楽曲を取り上げたピアノ・トリオ・アルバムが日本でも村上春樹『IQ84』とリンクして話題に。

※また、初期のマハヴィシュヌ・オーケストラに参加し「マイアミ・バイス」のヒットでも知られるヤン・ハマー(key)や、初期ウェザー・リポートに参加したミロスラフ・ヴィトウス(b)が、プラハの春の前後に米国に移住したチェコ人であったことも重要。

■■■ビロード革命(89年)以降の多様化するチェコの音楽シーン。

【チェンバー/レコメン系】

●IVA BITTOVA(イヴァ・ビトヴァ)→世界的にも知られる天衣無縫なヴァイオリン奏者にしてヴォイス・パフォーマー。硬質なアヴァン・ロックからジャズ、現代音楽、クラシック作品まで。様々なスタイルのソロ作品やゲスト参加作を残している。新旧の多彩な映像を収めた集大成的DVD『Superchameleon』は、その魅力をダイレクトに知るに最適。

●TARA FUKI→女性チェロ奏者のAndrea Konstankiewiczと、近年はジャズ色の強い作品でも活躍するDorota Barovaが2000年に結成した、女性チェロ奏者2人による異色のチェンバー・ポップ・デュオ。曲によってはスティール・ドラムも演奏したりと音楽性は多彩。歌詞はポーランド語。

・3rdアルバム『Auris』(07年)収録のスパニッシュな「Lej,Lej,Lej」のPV。
http://www.youtube.com/watch?v=EPVsfwxYJqY

【ワールド/オルタナ】

●ワールド色の強いところでは、かつて日本盤も出たVERA BILA&KALEやジプシーCZなどといったロム(ジプシー)・ポップも盛んだが、個人的にはトラッド的な要素をより高次元に消化したバンドがより面白く、チェコならではと思います。その好例として、チェコ東部のブルノを拠点にする変則無国籍オルタナなKVETYの曲を。

・KVETY - PASACEK
http://www.youtube.com/watch?v=k2uCzwwh-VY

※また、チェコはパンクもかなり盛んなようで、基本は王道なUSパンク直系のメロコア〜スカパンクなのですが、チェコ発祥のポルカ色の強い曲をやるバンドもいたり、女性ボーカリストがフルートを吹くバンドや、ホーン・セクションにチューバが入っていたりするバンドなど…。意外とチェコらしい個性を発揮している存在も多く、侮れないです。

【ジャズ/AOR】

●DAN BARTA→スティングとリトル・クリーチャーズとプログレ上がりのAORフュージョンをミックスしたような音楽性で、独特の個性を放つチェコの才人ボーカリスト。 DAN BARTA&ILLUSTRATOSHPHERE名義で発表してきた3枚のアルバムは、ジャケットも秀逸な2000年発表のデビュー作『ILLUSTRATOSHPHERE』をはじめ、どれもポップだが中毒性の高い傑作ばかり。最新ソロ作では、ちょっと軽妙にジャミロクワイやビョークなどをカバー。

・数年前のライブ映像。最近はやや髪を短くして少しさわやかになってます…。
http://www.youtube.com/watch?v=L6HvTKJ4Uq4

・ジャミロクワイ「Too Young To Die」カバーのスタジオ・ライブ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=G2w41kc1rPc

●DAVID DRUZUKA,JAROMIR HONZAK→海外でも高い評価を得ている早熟の天才ジャズ・ギタリストと、かつてはイヴァのバンドにも在籍した豪腕ベーシスト。このあたりもチェコの国内レーベルからのリリースが主なのが仇とはなっていますが、世界的な水準で聞いても、かなりハイレベルで独自性の高いジャズ作品を常に発表しています。

【フォークトロニカ/トイ・ポップ】

●DVA→06年に結成されたフォークトロニカ男女デュオ。サックス、ギター、鳴りモノ系などあらゆる楽器をマルチにこなす、チェコらしい新世代の手作りポップ。つい最近にはチェコ・アニメにも通じるアート性の高い作風で、日本でもゲーム好きの間では広く知られるチェコのAmanita Designの最新作『Botanicula』の音楽を手掛け、サントラ盤もチェコのMINORITY RECORDSからLPと配信のみでリリースされている。

・1stアルバム『Fonok』収録の「France Trance」のユニークなPV。
http://www.youtube.com/watch?v=U32J8LBPftY

・Botanicula - Pre-release Trailer
http://www.youtube.com/watch?v=gxoxCxLdsNE

【シンガーソングライター】

●LENKA DUSILOVA(ETERNAL SEEKERS)→05年にはチェコのグラミーに相当する音楽賞も受賞した、女性シンガーソングライター。メジャーな人気を持つ存在だけど、TARA FUKIなどのアート性の高いインディ系音楽家と積極的に共演する、日本で例えるならばUAみたいな立ち位置かも。本人名義のソロ作も良いのですが、08年に若手女性ジャズ・ピアニストのBeata HlavenkovaとクラリネットのカルテットのClarinet Factoryと組んでETERNAL SEEKERS名義で発表した作品が特に素晴らしい。

※ETERNAL SEEKERSの唯一作は、ホームページで全曲フルで聞けます。
http://www.eternalseekers.cz/

・ETERNAL SEEKERSのスタジオ・ライブ映像。
http://www.youtube.com/watch?v=XnWWGdSDodQ

■■■お配りしたサンプラーCDRの収録曲リストです。

1.Eleisure Suite/Dan Barta
2.Komihani/Eternal Seekers
3.Gulls In Flight/Jana Koubkova
4.Tak Dej Se K Nam A Projdem Svet/Marta Kubisova
5.Nunov/DVA
6.Amenoyuki/Rale
7.Lej, lej, lej/Tara Fuki
8.Pasacek ovci/Kvety
9.Jezdim Bez Nehod (私は事故ったりしない)/Milan Chladil(from O.S.T.『プラハ!』)
10.The inspiration of the Renaissance~Echoes/Jiri Stivin
11.Maliri V Parizi/Iva Bittova With Bang On A Can All-Stars
12.Tatanc/DVA
13.Brouk/Olympic
14.Pulnocni Mys (Midnight Mouse)/Plastic People Of The Universe
15.Hi!(feat. Tara fuki)/Jaromir Honzak
16.Sens/Tara Fuki
17.Chin Glin Din/BraAgas
18.Brother And Sister/Lubos Fiser(from O.S.T."Valerie And Her Week Of Wonders")
19.Pilatuv Sen/Dan Barta
20.Litaci/Lenka Dusilova

hidesumix at 15:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!

2013年01月15日

MEMORY ROLL 2012 BEST 20 CLIPS

1●DVA - Nunovo Tango【チェコ】多彩な楽器を操りながらチェコらしいトイ・ポップ〜フォークトロニカ的な音を聞かせる男女2人組です。少し前に、坂口恭平さんがこのPVをツイートしていて驚きました。

2●Melina Moguilevsky - Imantas【アルゼンチン】朝日美穂のようなフェアリーな歌声で、近年のアルゼンチンらしい楽曲を歌いこなす才媛。父親も音楽家のサラブレッド的な人ですが、可憐なルックスも魅力ですね。

3●Maga Bo - No Balanco da Canoa feat. Rosangela Macedo and Marcelo Yuka【ブラジル】拠点とするブラジルらしい生演奏をふんだんに取り入れた音で、初期シコ・サイエンスを彷佛させたアルバムが秀逸でした。

4●UKANDANZ - Belomi Benna【フランス/エチオピア】これまでになくアッパーでオルタナ/ミクスチャーなエチオピア音楽を確立。今年の夏は、欧米の野外ロック・フェスなどでも活躍するんではないかと。

5●Debo Band - Ney Ney Weleba【米国/エチオピア】こちらはボストンを拠点とする大所帯エチオ・バンドです。日本人アコーディオン奏者の阿部万里江さんが参加。最新作はSub Pop傘下のレーベルから出ました。

6●Trio Kazanchis - Nanu Nanu Neye【エチオピア/スイス/フランス】天才クラール奏者を中心に、近年のエチオピア音楽界隈の才人が集ったトリオ。少し長いですが、徐々に現地ならではの盛り上がりをみせてきます。

7●SKIP&DIE - Love Jihad【オランダ/南アフリカ】ベルギーのCrammedから昨年にデビューした、南ア出身の女性voを中心とするポストM.I.A.的な新鋭ユニット。他の曲ではインド音楽やクンビアなども独自に消化。

8●Die Antwoord - Fatty Boom Boom【南アフリカ】そして、こちらは毎回強烈なPVと音で物議を醸す南アフリカ発の問題児たち。レディ・ガガを完全にコケにした、やりたい放題のPVでとにかくお楽しみ下さいませ。

9●Meridian Brothers - Salsa Caliente (en vivo)【コロンビア】初期ラテン・プレイボーイズ+オオルタイチ(?)な音楽性で以前から好きな人たちでしたが、昨年にはSoundwayに進出。洒脱なPVですがやはり変です。

10●Grimes - Genesis【カナダ】こちらはNMEでもピッチフォークでも大絶賛のお方ですが、やはり去年にとてもハマったので。サマソニでもほぼ最前列で拝ませて頂きました。

11●Yamagata Tweakster - My Sublime Onanie【韓国】1月末にはwedanceと共に初来日ツアーも行う、韓国のシンセ・ポップ奇才。この曲では障害者のオナニーのことを歌っていたり、社会的な視点の歌詞も面白い人です。

12●Evade - Seeking For Mr.Freud (尋找佛洛依シw的オ齧ウ飄渺)【マカオ】シューゲイザーやダブステップなどを高度に消化した音に中国語で歌われる幽玄な女性vo。音のみですが、彼らのアルバムは昨年最も気に入りました。

13●Balkan Beat Box - Political Fuck【米国/イスラエル】そしてこちらは、昨年に発表したアルバムで聞かせたソリッドな新境地も素晴らしかった多国籍サウンドの雄。風営法の過剰適用など、いろんなものに向けて。

14●The Apples - The Thang【イスラエル】続いて国つながりで、2人のターンテーブリストとエンジニアも擁する編成で、硬質なディープ・ファンクをイスラエルから放つ大所帯バンド。アルバムも面白かったです。

15●DJ Nu-Mark feat. Quantic - Tropicalifornia【米国/南米】アルバム収録曲をタイプ別に分けた10インチで知った、南米〜カリビアン調の心地よい楽曲。音のエレメントを巧みに表現したPVも秀逸な出来でした。

16●トンチ - ラニマノウ【日本】スティール・パン繋がりで、昨年に発表した初のフルアルバムも素晴らしかった女性パン奏者のナンバーを。ギューン須原さん主演の「イナズマドン!」のPVも必見です。

17●トクマルシューゴ - Decorate【日本】昨年の邦楽ではceroのアルバムなども素晴らしかったのですが、年末にリリースされたトクマル氏のマッドなまでに緻密に作り込まれた新作アルバムも圧巻でした。

18●DVA - Juchu (from Botanicula Soundtrack)【チェコ】終盤は再びチェコに戻って3曲連続で聞いてもらいます。まずは、1曲目で紹介したDVAがゲームの音楽を手掛けたサントラから。音のみですが。

19●Dan Barta & Robert Balzar Trio - Too Young To Die【チェコ】続いては、僕がチェコの現代ポップにハマっていくきっかけとなった男性ボーカリストが、ちょっと息抜き的に出した軽妙なカバー集の収録曲から。

20●Eternal Seekers - Studio Live【チェコ】ラストはLenka Dusilovaという女性シンガーが、女性ジャズ・ピアニストとクラリネット・カルテットと組んだユニットです。最高ながらCDが入手できず何度も見た映像です。

hidesumix at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!

2012年08月16日

9/26(wed)DJ Click in Osaka@do with cafe

dj_click01_omote


DJ Click
〜from Paris,Sevilla,Jaipur to Osaka!〜

Gypsy Electro,Spanish Rumba,Tarantella,Oriental Groove...and more!

[日時]2012年9月26日(水) 19:00〜24:00
[会場]太融寺・do with cafe
[出演]DJ Click/Marginalman a.k.a.DJ TUTTLE/
Cyril Coppini/DJ LARD/TZ(EL TOPO)
   【LIVE】Tarantella band Oderico
   【bellydance】きょんみ【Drag Queen】TBA
[料金]前売2,500円(1drink付) 当日3,000円
(※ベリーダンスのアイテム着用の方は500円OFF)
[問合せ]06-6125-5474【do with cafe】
[協賛]大阪日仏センター=アリアンス・フランセーズ

 近年に来日が相次ぐジプシー〜バルカン・ビート系DJの中でも、最も柔軟な音楽性とキャリアを誇る真打ち的な存在といえるDJクリック。ダンサブルな東欧〜バルカンものを軸にフラメンコ、アラブ音楽なども自在にミックスするDJの多彩さと巧みさは、昨年来日時のdommuneでのプレイでも実証済み。地元・大阪からも、南イタリアの舞踏音楽=タランテッラを演奏する日本で唯一のバンドに加えて、ルードなワールド系音源をスピンする新鋭イベント=EL TOPOの主要DJ陣、ベリーダンサーも登場。汎地中海なサウンドが入り乱れるボーダーレスな一夜をお見逃しなく。

●DJ Click
パリを拠点に、東欧のジプシー音楽のみならずモロッコのグナワやアラブ圏〜インド音楽まで視野に入れた音楽性で、数多くの秀逸なリミックスやソロ作を世に送り出してきた才人。最新作『DELHI TO SEVILLA』では、インド北西部からスペインのセビリアまで、ジプシーの軌跡を辿るようなサウンド・スケープで多彩な音を聴かせた。http://soundcloud.com/click-here


●Tarantella band Oderico
南イタリア発祥のアッパーな3拍子系のダンス音楽=タランテッラを演奏する日本唯一のバンドとして09年に結成。メンバーは金子鉄心(笛/サックス)、藤沢祥衣(アコーディオン)、田島隆(タンブレロ)。※今回は都合により藤沢+田島のデュオを中心とする編成で出演となります。http://fujisawasachie.sakura.ne.jp/tarantella/index.html


dj_click01_ura




hidesumix at 01:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!