2010年09月21日

『エンジェルカップ』大会概要

 『若き天使たちの祭典 エンジェルカップ』は瑞々しい若き力のぶつかり合い、団体を越えた若手たちが競い合う大会です。
 『エンジェルカップ』ではシングルリーグ、タッグリーグ、ジュニアトーナメントの三つのイベントが平行して行われ、それぞれのリーグやトーナメントで優勝者を決定します。

■参加団体

月の王国女子プロレス
龍刃道場
闘京女子プロレス
Total Nonstop Angels
百鬼夜行

リーグ/トーナメント表・イベントルール

大会日程・対戦カード
 ※最終戦までのすべての試合と幕間SS、受賞セレモニーを公開中!

全大会結果
 ※すべての試合の勝敗が記載されています。大会記事を閲覧後にご覧ください。

■参加選手一覧続きを読む

HIGE at 06:57|│Comments(0)││エンジェルカップ 

2010年09月20日

百鬼夜行 〜夢は終わらない〜

以下のSSはレッスルエンジェルスの世界観や、サイト連動イベント参加者による設定、キャラクターを参考に描かれていますが、内容についてはHIGE個人の創作となります。必ずしも公式設定や各参加サイトの設定、ファンの皆様一人一人の世界観に沿う内容ではない場合がありますことを予めご了承願います。

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 どさり、と重い音を立てて紙の束を机に投げ出した。
 『エンジェルカップ』関連の契約について諸々まとめたものだ。
 最近ではノートパソコンがひとつあれば何でも事足りる。オフィスにはファイル棚ひとつさえない。
 とはいえ招待状や契約書など紙媒体の比重は大きいので、進行形の書面は机の上に放り出され、終わった案件はダンボールに詰めてビルの空き部屋に放り込まれるのが常だ。

 この最後の束を『エンジェルカップ』と書き殴られたダンボールに放り込めば、プロモーターHにとっての大会はようやく終わりを迎える。

 Hは両手を頭の後ろに組んで椅子の背もたれにもたれかかると、薄汚れたコンクリの天井を見上げた。
 今思っても無謀なイベントだった。勝算こそあったが、それも所詮は机の上の計算でしかない。
 誰か一人でも欠ければ酷く形が壊れていただろう砂上の楼閣は、満身創痍ながら崩れることなく力強い勇姿を最後まで見せてくれた。

 熱戦を繰り広げた選手一人一人の顔を思い浮かべる。
 コストパフォーマンスに優れる若手だけを集めた大会を開く。そんな企図に沿って集められた選手たちは、若手と呼ぶには憚られる実力を遺憾なく発揮してくれた。
 各々が大会を通じて悩み、苦しみ、敗北し、背負った痛みを糧に大きく成長した。
 次に彼女らを呼ぶ時には“若手”というレッテルを貼って安く契約することはできまい。
 書類を軽くトンと叩いて、Hはニヤリと笑った。続きを読む

HIGE at 20:56|│Comments(1)││エンジェルカップ 

2010年09月15日

『エンジェルカップ』受賞セレモニー

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 メインイベントの熱狂冷めやらぬ中、ステージ上に選手たちが姿を見せた。
 団体や階級、今日出場していたか否かを問わず、ずらりとリングを目指して花道を進んでいく。
 その先ではディアナと楠木を称えた多くの者たちが、二人に声をかけながらリング下へと降りていく。

 赤と青のレーザーが走る花道を渡って、大観衆の声援を受けた若き選手たちが続々とリングにたどり着いた。

 長きに渡った戦いが終わりを迎える。
 『エンジェルカップ』の総決算となる受賞セレモニーが開催されようとしていた。
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HIGE at 06:50|│Comments(0)││エンジェルカップ 

2010年09月07日

『エンジェルカップ』最終日 特別試合

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「これで終わりじゃ私たち納得いきません!」
「あいつらと決着つけさせてくれよ!」
 リングの上でマイクを握り、観客と実行委員席に向けて上戸と内田が訴える。
 制限時間一杯まで戦い抜いてタッグリーグ優勝の栄誉を手に入れた二人がマイクを取ったのは、優勝した喜びではなく悔しさを伝えるためだった。

 せめて最後の試合できっちり勝てれば割り切れたのかもしれない。
 たとえ優勝しても誰かに借りが残る。リーグ戦とはそう言うものだ。

 とはいえ優勝の2文字を2チームが背負い、どちらも相手チームとの試合に納得していないとなると話が違ってくる。

 ステージの方から歓声が上がり、越後と永原がエントランスに姿を現した。
 歓声を受けながら、治療のあとも生々しい二人がリングへと花道を進んでいく。

 実行委員席から男が一人立ち上がると、マイクを片手に花道によじ登った。
 リング近くまで来た越後と永原に向けて掌を突きつけ、
「タッグリーグは同点、直接対決の結果に差がないので2チームとも優勝。どっちも賞金と副賞をゲットできる。こっちのチームはこの裁定に不満があるみたいだけど、そちらはどうかな?」
 つらつらと現状を告げて越後にマイクを向けた。
「裁定にも優勝の栄誉にも不満はありません」
 越後の答えに賛否の声が上がる。
「ですが、優勝チームは一つでいいと思います」
 おお! と歓声を呼ぶ一言に頷いた男は、一歩下がっていた永原の方にマイクを向ける。
 振ってこられると思っていなかった永原は、大観衆の期待に満ちた視線を受けてひとしきりキョドると、
「ジャ、ジャ、ジャーマンが勝ちますっ!」
 よくわからないがやってやるという気迫だけは伝わる一言で笑いと拍手を引き出した。

 男は上戸と内田の方を見る。二人はそれぞれ、
「越後さんに同感です。本当の優勝チームは私たちだけでいい」
「フフン、教えてやるぜ。アタシらの方がツエーってことをよ!」
 戦いへの意思を示した台詞を告げて歓声を浴びた。

「そういうことになりました! みなさーん、彼女たちの決着を見たいですかー!」
 わあっと大きな声が上がり、男はニヤリと笑って頷く。
「どっちもボロボロだけど、10分間の休憩をとってから、恨みっこなしの30分1本勝負。負けたら潔く優勝を譲る。異存は?」
 四人が頷いて異存のないことを伝えた。
「それでは今から10分の休憩のあと、タッグリーグ優勝チーム決定戦を行います! トイレに行くなら今のうちだよ!」

 まさに青天の霹靂。
 メインイベントを前にしたタイミングで、タッグリーグの総決算となる試合が行われることになった。


『エンジェルカップ』最終戦 特別試合:タッグリーグ優勝チーム決定戦
越後しのぶ(龍刃道場)vsマッキー上戸(闘京女子プロレス)
永原ちづる(龍刃道場)  ラッキー内田(闘京女子プロレス)

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HIGE at 06:55|│Comments(0)││エンジェルカップ 

2010年09月06日

『エンジェルカップ』最終日 第一試合

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 大阪を代表する大舞台は、第一試合を前にして期待に満ちた熱気を帯びていた。
 ディアナ・ライアルがテーマ曲に乗ってステージ上に姿を現すと、大歓声が湧き起こった。
 レーザー光線が煌き、褐色の美しい姿を照らし出す。
 セコンドのソニックキャットとメイデン桜崎を後ろに従え、情熱的なメロディに乗って軽やかな足取りで花道を進んでゆく。

 ディアナの名を呼ぶ歓声に、どよめきとブーイングが混じった。
 その理由は、リング側の花道にライラが登って来たことですぐに知れた。手にはパイプ椅子が握られている。
「ミカサん」
「うきゅ。ディアナ、思いっきり飛んでくるんらお!」
「はい! 行ってきまス!」
 ディアナは一陣の風となってライラに向かって駆け出した。

 ライラは口の両端を吊り上げて牙を剥き出すと、獲物に向かって花道をひた走る。
 みるみる近づく距離。二人がぶつかる寸前、
「砕けろォッ!」
 飛んで来たとしても叩き落すべく、目の前を薙ぎ払うような一撃を打ち振るった。
 ディアナはそれを前転で回避すると、そのままリングまで駆け抜ける。

「コールをお願いシまス!」
 リングアナに声をかけながらトップロープを飛び越えたディアナは、赤コーナーのトップへと登る。
「赤コーナー、天翔ける“不屈の黒豹”ディアナ、ライアルーッ!」
 選手コールを受けながら両手を広げてアピールすると、大歓声がディアナを包み込んだ。

 狂気を孕んだ笑みを浮かべ、ライラがリングまで戻って来た。
 椅子を花道下に放り投げてロープをくぐるタイミングで、
「青コーナー、血みどろの“狂った死神”ライラ、神威ーッ!」
 ライラのコールが行われて大歓声を大ブーイングへと変えた。

 レフェリーが手を交差し、試合開始のゴングが鳴る。
 因縁深き二人、ディアナ・ライアルとライラ神威が再びリング上で相まみえた。


『エンジェルカップ』最終日 第一試合:シングルリーグ4位決定戦
ディアナ・ライアル(月の王国女子プロレス)vsライラ神威(百鬼夜行)

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HIGE at 00:25|│Comments(0)││エンジェルカップ 

2010年09月03日

百鬼夜行 〜天をもつかむ〜

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 カラリと渇いた音を立てて扉を開く。
 陽も落ちて薄暗い“悪党どもの吹き溜まり”に足を踏み入れた朝比奈は、カウンターに並んで座る双子へと歩み寄った。

「よう。ライラと姐御って来てないか?」
 二人はそろって振り向き、同じように右手のグラスを上げて挨拶した。
「おう朝比奈。お前、何日か寝込んでたんだってな。鍛え方が足りねえんじゃねえか」
「それとも負けて泣きべそかいてたのか? ライラならほら、奥の方で飲んでるぜ」
 からかいに肩をすくめて応えた朝比奈は、アゴで示された辺りに人影を見つけた。

「姐御も来てたけどな。SA-KIとかいうヤツがコッチに来るってんで迎えに行っちまったよ」
「今日はもうココには来ねえと思うぜ。おのぼりさんのお守りも大変だな」
 千春と千秋はくつくつと笑いあってグラスを傾ける。

「そうか。ありがとよ」
 村上姉妹に右手を上げ、朝比奈は奥のブースへと足を向けた。続きを読む

HIGE at 23:14|│Comments(0)││エンジェルカップ 

2010年09月02日

『エンジェルカップ』最終戦前記者会見

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 『エンジェルカップ』最終戦への特別対応に関する記者会見は、大阪なんばにあるホテルメトロンの一室を借りて行われた。
 “実行委員”の腕章をつけた青年を先導に、二昔前の業界人のような風体の男が年齢を悟らせない飄々とした足取りで現れると、椅子に座るなり記者会見の開始を告げた。

「え〜まずは若手の祭典『エンジェルカップ』への多大なご声援誠にありがとうございます……っとまあ堅苦しい挨拶はこのくらいにして本題に入りましょーか」
 このくらいも何もアッサリな挨拶だったが、本題に入るのは多忙な記者たちもやぶさかではない。
「もうすぐ最終戦を迎えるわけですが、選手たちはホントーに頑張ってくれました。頑張りすぎて、シングルリーグの決勝トーナメント進出者が5人になっちゃうくらい」
 おどけた調子で男は言う。記者陣からも笑いが漏れる。
 同点4位の選手は怪我を乗り越えてここまでたどり着いた“不屈の黒豹”ディアナ・ライアルと、その怪我の原因である血みどろの手を決勝トーナメント進出に伸ばす“狂った死神”ライラ神威。直接対決の結果も引き分けで、まったく差がない状態になっていた。

「だけどもトーナメントの枠は4つっきゃない。参加団体のフロントを含めた実行委員会議で話し合った結果、4位タイとなった選手には決勝トーナメント進出者決定戦で決着をつけてもらうことになりました」
 起こったどよめきの中、銀縁眼鏡の若い記者が手を上げるなり鋭い調子で質問した。
「最終戦開催まではもう間がありませんが、それはいつ?」
 一試合だけ行うような会場を押さえるのは難しいだろう。となると――
「まあそう焦らずに。ここにね、最終日のトーナメント表を持って来たんで見てくださいな」
 男が手を振ってうながすと、青年がテーブルの下から筒状に丸めた大判の紙を取り出した。
 紐解かれてくるくると広げられたそれは、以下のようなものだった。
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HIGE at 02:13|│Comments(0)││エンジェルカップ 

2010年09月01日

百鬼夜行 〜五人目の勝者〜

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 ついに最終戦を目前にした『エンジェルカップ』。
 盛り上がりも最高潮に達し、何もかも順調……と言いたいところだったが、ひとつ問題が持ち上がっていた。
 シングルリーグの1位から3位の3人はいいとして、同率4位が2人出てしまったのだ。
 最終戦のトーナメントに出場できるのは4人だけ。5人いてはまずいことになってしまう。
 どのような裁定を行うか、各団体のトップ同士で決めねばならなかった。

「あーうん、そうそう。そりゃもう当然でしょ〜。ほんじゃま、よろしく〜」
 携帯電話を切ったHは、両腕を上にぎゅーっと伸びをした。
「ん〜。やっぱ記者会見することになっちったよ。リリースしてくれっかなー」

 書類の仕分けにかかりきりだった事務員が顔を上げて答える。
「あ、はい。わかりました。プレスリリースのリストでいいんですよね。どこか追加ってあります?」
 ただの電話番だったはずの事務員は、いつの間にか秘書のような役回りをやらされていた。
 人手が足りないハッタリの人数合わせという理由で“大会実行委員”の肩書きまでつけられ、 「大会を間近で見られる」 という謳い文句に釣られてみたら選手が飛んで来て全治2週間の怪我を負ってしまった。
 どこまでも不幸に思えるが、
(……でも柔らかかったな……)
 とっさに受け止めた小縞聡美の感触を思い出して鼻の下を伸ばしているのだから十分幸せものである。

「それで、結局どういう判断になったんですか?」
「ん? まーそれは記者会見を見てのお楽しみってことで〜」
 頭の後ろで手を組んだプロモーターHは楽しげにくすくすと笑った。

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 そんなわけでシングルリーグにて同率4位が出てしまったというお話。
 はたして実行委員会からどのような判断が下されるのでしょうか?
 記者会見の模様は明日の夜に開催予定です。

 拍手ありがとうございます! いつも励みになっておりますっ

HIGE at 00:04|│Comments(0)││エンジェルカップ 

2010年08月31日

『エンジェルカップ』十三日目 第四試合

以下のSSはレッスルエンジェルスの世界観や、サイト連動イベント参加者による設定、キャラクターを参考に描かれていますが、内容についてはHIGE個人の創作となります。必ずしも公式設定や各参加サイトの設定、ファンの皆様一人一人の世界観に沿う内容ではない場合がありますことを予めご了承願います。

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 自分たちの足音を聞きながら、鬼と死神は並んで狭い廊下を歩く。
 どちらも何も話さない。
 相手の気持ちは言わずともわかっていた。
 “テメエをぶっ潰してやる”。

 鬼は全身全霊をぶつけられる喜びで、死神は狂おしい血の猛りで口の端を歪めていた。

 歓声がかすかに聞こえはじめる。
 赤コーナー側の通路と青コーナー側の通路の分かれ道に差しかかる。
 一度たりとも視線を合せることなく道を違え、
 オーガ朝比奈とライラ神威は自らの信じる道へと歩を進めていった。


『エンジェルカップ』十三日目 第四試合:シングルリーグ公式戦
オーガ朝比奈(百鬼夜行)vsライラ神威(百鬼夜行)

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HIGE at 01:13|│Comments(0)││エンジェルカップ 

2010年08月30日

『エンジェルカップ』十三日目 第五試合

以下のSSはレッスルエンジェルスの世界観や、サイト連動イベント参加者による設定、キャラクターを参考に描かれていますが、内容についてはHIGE個人の創作となります。必ずしも公式設定や各参加サイトの設定、ファンの皆様一人一人の世界観に沿う内容ではない場合がありますことを予めご了承願います。

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 朝比奈が引きずるような足取りで控え室にたどり着いたとき、クーラーが効き過ぎている室内で珍しいものを見た。
 村上姉妹がストレッチをしている。休憩時間を使って試合前のアップをするつもりらしい。

「……ヘッ、こりゃ雨が降りそうだな」
 扉を閉める間もなく椅子に倒れ込むように座った朝比奈が言うと、
「フン、ふざけろよ。雨なんぞですますもんか」
「ああ。今から降んのは血の雨だからなあ」
 双子は口々に物騒な言葉をたれた。

「あっちにゃ優勝の目はもうないが、こちとら無敗のタッグチーム様だ」
「ここで勝って4点になりゃ、颯爽と優勝候補筆頭ってな寸法よ」
「向こうは消化試合だからやる気ねえだろうが、知ったことじゃねえ」
「クック、本気でヤって観客どもに格の違いってのを見せてやるよ」
 背中を反らせ合いながら、自信に満ちた声で双子は言う。

 机に突っ伏した朝比奈は、遠くで嘲笑う声を聞いた。
「……そんなタマじゃねえだろうよ。むしろ、気合いが入ってんじゃねえか……」
 そう呟いた声が届いたかどうか。
 確かめることなく、朝比奈の意識は薄れていった。


『エンジェルカップ』十三日目 第五試合:タッグリーグ公式戦
村上千春(百鬼夜行)vs近藤真琴(月の王国女子プロレス)
村上千秋(百鬼夜行)  杉浦美月(月の王国女子プロレス)

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HIGE at 23:03|│Comments(0)││エンジェルカップ