Q:DQN(ドキュン)とは?
A:タチの悪いヤンキーくらいに解釈して下さい。ここが詳しいです。

全国的に梅雨も明け、夏ですね。夏ですか。
そんな訳で某所花火大会に行った時のお話。素晴らしかったです。
勿論、花火も素敵だったのですが、それ以上に素晴らしかった事。
それは花火終了後に遭遇した「DQNグループと、会場近辺でコンビニを営んでいるおばちゃんの攻防戦」。
お互いの持ち味を発揮したナイスファイトでしたですです。
以下、その場の記述。

花火大会も終了し暫く、帰路につく人々も減り閑散とした会場そばのコンビニ。
会場への通り道という事もあり、道にはゴミが溢れ、自分の店(コンビニ)前の道路を掃除しているオバチャンがいました。
コンビニの周辺を次々と掃除していくものの、地べたに座って未だ花火の余韻を楽しんでいる若者グループも多数。
まずはオバチャンの先制攻撃。

オバチャン「ごめんねぇ、ちょっとゴミ片付けるから立ってもらえないかなぁ」

要は「どけ」と柔らかく言っているのですね。
大抵は、このオバチャンの一言で移動していく訳です。
が、1組のDQNグループ(構成:男3、女2)は違いました。
そしてバトルがスタート。

DQN男「あー、オバチャン、あのコンビニの人?ならさ、ビール持ってきてよw

DQN男(リーダー格?)がナイスな反撃。
上記のセリフだけで「俺らはどかない」・「関わると面倒よ?」というメッセージが、端的かつ明瞭に伝わってきます。
無理難題でイニシアチブを取る戦法。かなりの使い手です。
しかし、相手が悪かった。何せ相手はオバチャンです。
ゴーイングマイウェイっぷりでは1枚も2枚も上手なオバチャンなのです。
こんなジャブに怯む訳がありません。

オバチャン:
「ごめんねぇ、もうここらも静かになってきたでしょ?だから、今ここで酒盛りが始まっちゃうと、オバチャン近所の人に怒られちゃうの。」

熟練した受け流しです。ここでのポイントとして「DQNのお願いを”自分としては”断らない」。
しかし「責任転嫁でサラリと拒絶」、軽やかにシカトしています。
そして追撃。

オバチャン:
「ほらほら、あなた女の子なんだから、地面に座らないで。みっともないわよ?」

確かにDQNリーダーを落としてしまえば、一気に解決ですが、なかなか骨が折れるもの。
そこで同じグループの女の子へと話を振りました。まずは外堀を埋める作戦です。
が、DQNリーダーも危険を察知し、神の一手を打ってきます。

DQN男「あー、コイツが女?wいや男なんだよねwwwなぁ?
DQN女「そーそーwアタシ、男なのーwww

素晴らしい!こんなやりとりを生で拝めるとは!
世の中の理不尽さ・人生の空しさが、DQNを通じて俺の心に染み込みます。
なんでオバチャンこんな馬鹿の相手しなきゃいけないのか、と。
しかし少年マガジンのヤンキー漫画ですら禁じ手にしかねない一手ですよこれは!
そして瞬時に呼応したDQN女もまた見事。
正直、俺は感動しました。

これ程までに、DQNがDQNの持ち味を前面に押し出す力技があるでしょうか。
いや、ありません。
これは詰んだと言っても過言ではないでしょう。
まぁ正確に言えば匙を投げる、て感じですけれど。
しかし繰り返させて頂きます。相手はオバチャンです。
そう、オバチャンなのですよ!

オバチャン:
またまたー(笑顔)!こんなに可愛らしいのに、男の子な訳ないじゃない!
「知っている?こういうのを掃き溜めに鶴って言うのよ?(笑顔)」
「こんなゴミの散らばった地面に座っていたらホント勿体無いわよ(笑顔)」

これまた非常に良い一手です。サラリとかわして褒めて押す
この手が打てるのはオバチャンだけです。
というのも、もしも野郎が「可愛らしいのに」と褒めたならDQNリーダーが
「ナニ色目使ってんだゴラ?」と強気に出る事も可能ですし、若い女性が言ったなら嫌味に取られかねません。
オバチャンだからこそ繰り出せる大技。
さらにポイントなのが「掃き溜めに鶴」。
「どうせ、こんな諺も知らないでしょ?」という皮肉は勿論、ここでの「掃き溜め」とはDQNを指しているというダブル攻撃
ただしそれだと「誰が掃き溜めだアアン?」と来る可能性もある為
後付で「ゴミの散らばる地面」なんて言い訳を用意し、そこへの言及をさせない訳です。
さすが毎年毎年こういったDQNとのやりとりを繰り返しているだろうオバチャン、年季が違います。
ここで空気が変わりました。

DQN男「ヘッwwwコイツがカワイイ?www全然可愛いく無いっスよwww
DQN女「ちょっとーwwwそれひどくなーい!?www



お前ら分かり易いくらい丸め込まれたな!

なんというか抱きしめてあげたくなるくらいの馬鹿ップリ。
可愛いと言われたDQN女も、そしてツレが褒められてDQN男も満更じゃない様子。
オバチャンとの綱引きを忘れたのか、仲間内で「アタシかわいいもーんw」「はいはいそーですねーw」というやり取りが続いています。

先ほどまでの敵対関係はどこへいってしまったのか?
戦闘体制が解除されてきたのが良く分かります。
そして、そんなやりとりをするDQNにオバチャンが最後の一手を打ちました。



オバチャン「ね。」(笑顔)



四次元殺法とは正にコレ。
何が「ね。」なのか。
結局どうしたいのか、オバチャンは何も語りません。
そして黙々と掃除を続行。
つまりは、

この話はこれで終了。もうお前らとは会話しませんよ。はやくどけ。

という事なのでしょう。
自分達がさっきまでオバチャンと何を言い合っていたのか忘れたらしくDQNは沈黙。
いやまぁ確かに「ね。」って発言から会話続けるのも大変でしょうけれど。
で、当のオバチャン、自分から絡んでおきながら、ここからDQNを完全無視。
道路の一部とでも認識したかのように、DQNグループ周辺の掃除をしていきます。
そのブン投げっぷりを傍目に流石のDQNも、会話が続かず、しかし先程の敵対意識も喪失しており居心地の悪さを感じ始めてきました。
そして最後の一言。

DQN男「んじゃ行くかー!」

論理的整合性とかどうでもいいんです。
とりあえず「俺は自分の意思で移動するんだぜ?」っていうアピールが大事なんでしょう。彼らには。
命令されればされるほど、頑なになるDQN。
しかし、こうも流されては太刀打ち不可能。
オバチャン見事、(色んな意味で)掃除完了。

北風と太陽みたいだな、と思いましたですです。


あ、ちなみに上記は毎年毎年このようなDQN溢れる花火大会をこなしてきたオバチャンだからこその手管だと思います。
内心は別として、表向きオバチャンは終始ホノボノオーラで対応していましたし。
もし似たような対応をする事になったら、無難に「自店の周辺に水を撒く」という戦法を取るのが良いかと。

で、一番凄いのはDQNもオバチャンも、頭で計算なんてせず、本能でやりとりしているという点。
勝てないっす。まじで。