前回に引き続き、午前中に見た東京国際ファンタスティック映画祭のお話。

惚れた
今回の一番の目的はコレ。
自主制作でありながら2年半もの歳月をかけ、フルCGにより特撮映画を作っちゃった
粟津順監督による素敵特撮映画「惑星大怪獣ネガドン」。



「フルCGで特撮を描く」という大実験作、しかし完成度高し。
自主制作な作品ですから25分と短く、そこに肝である「特撮」を混ぜ合わせなければならなかった本作品。
少し話が薄いとは思いましたが、いいんです。
だって「フルCGによる特撮」が見たかったのですから。
何より監督が描く「昭和の特撮」は、きめ細かく濃密な作りになっており大満足。
それは冒頭のナレーションからも受け取れます。

このナレーションがイカス。
一言目からガッツンガッツンとツボを刺激してきます。
その一言とは・・・


「昭和百年」




これですよ、これ!
昭和の視点による特撮である事を証明するのに十分な一言。アツイ。
あくまでも古き良き時代の特撮へのリスペクトであり、愛情であり、
それを作りたいという監督のワガママがこれだけで伝わってきます。
俺が作りたいのはリアルな近未来じゃないんだ!
水爆の実験でゴジラが誕生し、金星人は地球を侵略し、なぜかバリバリと
放電しまくりなレーザー光線が大活躍な「あの頃の」SFを、特撮を、映画を作りたいという思いがひしひし。
これでシビれたのなら、この作品を見る為のピント合わせには大成功です。

ストーリーはいたってシンプル。
宇宙からやってきた大怪獣ネガドン。
それを倒す為、超巨大ロボットが立ち向かう!
押さえる点は押さえたシンプルな内容。
だけれど、一つ一つの映像が心をギュッと鷲掴んでしまう。

例えば雨が降る中で出撃する自衛隊機の場面。
前方に設置されたカメラをまたぐ形で自衛隊機が飛び出すシーンを想像して下さい。
そこで見せる描写が、、、

「接近し離陸する際、カメラに雨のしぶきが付着する。」

これ。
CG作品なんですから本来こんな事はありえない。カメラなんて存在しないのですから。
しかし間違えちゃいけません。これは「特撮映画」なのです。
実際にカメラを構えて撮影したのであるならばカメラに水滴がつく筈。
それを忠実に再現している事の素晴らしさ。

他にも、怪獣が移動する予想経路を台風の接近予想図風に説明する描写
武骨かつ機能性重視、流線型なフォルム皆無な地球側の超巨大ロボットなどなど
そういった細かい設定、シーンが至る所に散りばめられています。
今回開発したエフェクトフィルタが、映像にフィルムのような質感を再現。
”らしさ”を更に際立たせてくれている点にもヤられました。惚れる。

登場する超巨大ロボットだって”らしさ”炸裂。
武器は勿論ドリル!ギュルギュルと回転するドリルだ!
それは正に無敵の万能兵器。
光線だろうが何だろうがドリルの前には砕け散る。
その無駄の無い剛健なフォルムは、ただ破壊するが為の存在であるが故に非常に美しい。

そしてお約束なアレやコレやでエンディング。(詳細は内緒)
アッと言う間の25分でした。
触りな部分しか書きませんでしたが感想としては「すげぇよ!」と。
「俺はこれを長編で見たいよ!」と。

・・・とまぁ興奮気味に書いちゃいましたが、観客の内どれだけの方が感動したかは分かりません。
しかし、本作品が自主制作特撮モノの最高峰である事に間違いはないでしょう。
そして映画は、特撮は、一人(or少人数)でもここまで出来るのだ!という方向性をバッチリと導き出してくれた素晴らしい作品である事も間違いないでしょう。

ファンタスティック映画祭は終わっちゃいましたが、11月5日より1週間、テアトル池袋にてレイトショーが。
また11月12日から日本映画専門チャンネルでも放送が予定されています。
「昭和百年」、この言葉にピンときた人は是非見に行って損は無い作品ですよ。
今日はマジで良い作品に出会えてハピネス指数急上昇。

参考:
惑星大怪獣ネガドン公式サイト
予告編もここで見れます。
いとうせいこうさんもネガドンに触れております