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宮部みゆき

【宮部みゆき】ドリームバスター4 3

 『日暮らし』を読めば宮部作品コンプリート、と思っていたのだが、一つ忘れていた。長いこと忘れていた。何せ前巻を読んだのが1年と2ヶ月ほど前なので、ストーリーも忘れかけているような気がするが、奇しくも単行本が1年2ヶ月の時を置いて出されているので、リアルタイムで読んでいたとしても忘れていたかも知れない。

 それでも第二巻から第三巻までちょうど三年だったのに比べればまだ短いのだが、おいらのような読者のために、目次の後に4ページにわたって「キャラクター紹介」だの「用語集」だのがあるのは、嬉しいような悲しいような。

ドリームバスター〈4〉徳間書店 2007/5/31 初版

 シリーズ物ではなく続き物で、特に第四巻は前巻の「時間鉱山 Part1」の完全な続きである「時間鉱山 Part2」にページ数の95%が割かれている。つまり早い話が第四巻はほぼ丸々「時間鉱山 Part2」である。

 残りの5%、16ページと2行は「エピローグ――帰還――」。第一巻の最初が「プロローグ――JACK IN――」だったから、いやそうでなくとも「エピローグ」とくればこれでおしまいとなるのが普通なのだが、まったく完結していない。単に「時間鉱山」という一つのエピソードが完結しただけである。

 そもそもこの「時間鉱山」では、シェンやマエストロは本来の「ドリームバスター」としての仕事をこなしておらず、全体のストーリーの中でどういう位置づけにあるのか、現時点ではまったく見えない。失踪したリップはどうなったのか、「エピローグ」は単なる序章の終わりに過ぎないのか。

 宮部よ、生きているうちに最後まで読ませてくれるのか〜!?

【宮部みゆき】おそろし 三島屋変調百物語事始 4

 11月から読売新聞で続編の連載が始まるとのことで、何としてもそれまで読みたいと思い、自宅の方の図書館で借りた。普段利用している単身住まいの町では市内全館での蔵書数が30冊、今日現在で予約数290…ということはほぼ5ヶ月待ちだが、自宅の方はたったの1冊ながら何せ利用者の少ない田舎なもので、ひと月ほどで借りることができた。(^^

角川書店 2008/7/31 初版発行

 ある事件を境に心を閉ざし、川崎宿の生家を出て神田で叔父夫婦が営む三島屋に身を寄せることになった17歳のおちか。叔父の伊兵衛の言い付けで「変わり百物語」の聞き手となった彼女は、見ず知らずの人々の不思議な話を聞くことで、徐々に凍てついた心を溶かしていく…。

 基本的にホラーは嫌いだ。ホラー映画なぞお金をもらっても見たくない。だが宮部の作品はただ怖いだけのホラーではない。人情と風情による味付けがされているし、そもそも怖いモノ好きなのに怖がりだという彼女には、あまり怖い話を書けないのじゃなかろうか。たとえ恐ろしいタイトルの作品でも、安心して読めようというものである。

 本書は「曼珠沙華」、「凶宅」、「邪恋」、「魔境」、「家鳴り」の五話から成るが、あくまで「事始」。冒頭に書いたように来月から続編の連載が始まるが、以下に抜粋した『ダ・ヴィンチ』9月号のインタビューによれば、どうやらこのシリーズは彼女のライフワークになりそうである。
これから先も彼女は「変調百物語事始」を続けながら、恋愛をし、結婚をし、子供を持ち、だんだん年を取っていきます。このシリーズでは、百物語を積み重ねるだけでなく、おちかの一生を書いていきたいんです。
百話の前に私が死んじゃったら申し訳ないですけど。後半は「寿命との競争だ!」みたいなことになったりしそう(笑)。
 ということで、宮部とは同世代のおいらとしても長いお付き合いをさせて頂こうと思うのだが、さて最後まで読めることやら。なにせ女性の方が平均寿命が長いからなぁ。(^^;

【宮部みゆき】ICO―霧の城― 3

 先々月は『楽園』、先月は『孤宿の人』と、いずれも上下巻の長い作品を読んできたが、これまた一冊といはいえ長い。でも全然長さを感じませんでした〜…などというおためごかしは言うまい。はっきりいって長かった! 途中、完全にだれたぞ。

講談社ノベルス 2008/6/19 第一刷発行

 テレビゲームのノベライズだということだけは知っていた。もとになったゲームは、何せ年間360日ゲームをする(らしい)宮部がノベライズを引き受けるというからには、きっととても面白いのだろうけど、全然知らない。

 当然どんな物語かも知らなかったのだが、ノベライズということを除けばファンタジーである。それは良い。『ブレイブ・ストーリー』は子供から大人まで楽しめるファンダジーだし、『ドリームバスター』も大好きなシリーズである。

 だがノベライズとなれば、多少は独自の設定や展開があるとしても(だからゲームを知らずともそれなりに楽しめるだろうけど)、もとのゲームのストーリーからそう大きくは逸脱できないのではないだろうか。

 そういう先入観があるからかも知れないが、どうも「借り物」のストーリーという気がしてしまう。少なくとも本作の結末には、やり込んだゲームをクリアしてエンディングを見た時の達成感のようなものが感じられなかった。

 それから…しつこいけど長いな。『ブレイブ・ストーリー』や『ドリームバスター』に比べればはるかに短いけど。(^^;

【宮部みゆき】孤宿の人 5

 『ダ・ヴィンチ』9月号の特集「宮部みゆきを読みつくす!」のインタビューによると、「書き上げるまでにもっとも苦労した作品」なのだそうだ。
 宮部お得意の時代モノだが、これまでの江戸モノと違い、四国は讃岐の丸海(まるみ)という架空の藩が舞台。読む側からすれば「新境地」かも知れないが、本人曰く「無謀なことをやりはじめた」がゆえに何度も連載をやめたいと泣きを入れたらしい。

 読んだのは最近出た新書版の方。上下二巻だが、一冊ずつ見ればそう厚くはない。だがその薄さに騙されてはいけない。単行本は『楽園』よりも厚い。心して読むべし。しかし読み終えたその時、読んで良かった〜と思うだろう(多分)。
 カテゴリーの都合上、「時代/歴史小説」に分類したが、最後の15ページほどに限れば間違いなく「泣ける話」でもある。

新人物往来社 2008/5/25 第1刷発行

 「阿呆のほう」と名付けられた不幸な少女――いきなり話がそれるが、この「ほう」という名前が何とも心憎い最後の泣かせどころの一つとなる。
 ほうは江戸の生まれだが、訳あって今は丸海藩の藩医を勤める井上舷洲宅に奉公人として住み込み、人の子らしい暮らしを送っている。

 その丸海藩に「加賀様」、元勘定奉行の船井加賀守守利が流されてくることになる。加賀様は妻子や側近数名を殺め、江戸ではこの世のものじゃない、悪霊に憑かれていると噂されるようになっているのだという。そしてその加賀様の所業をなぞるように、不可解な毒死や怪異が井上家と丸海藩を襲う…。

 上巻の終盤に至るまではじれったい。「長い」という頭があるものだから、ここは5ページくらいカットしてもいいだろ〜とか、この段落は半分でいいじゃんとかツッコミつつも読み進めるが、なかなか話が進まない。

 でも大丈夫、絶対そのうちに面白くなるという安心と確信を抱きつつ、下巻になるとページを繰る手が止まらなくなる。そして最後は…既に書いたが、泣ける。(T^T)

 ちょいと人死にが多いのはやるせない。ではあるが、
 封建制度の江戸時代には、どんなに心の温かい庶民も権力に対しては無力であり、割を食ったり、犠牲にならなければならないことが多かった。そこを一度、しっかり書きたいと思い続けていました。
と新聞のインタビュー記事で語っている、なんてことを知ってしまうと、う〜んなるほどと、優柔不断にも納得してしまう。(^^;

 でも…やっぱり長いよね。冒頭に紹介した『ダ・ヴィンチ』のインタビューでは「最近はやたら長いものが多いですから、少し反省しています(笑)」と、本人も自覚はしているらしい。おかげでおいらの感想も長くなった。少しだけ反省しとこう(笑)。

【宮部みゆき】楽園 4

 宮部みゆきは希代のストーリーテラーである。という意見に異論を差しはさむ向きは、そう多くあるまい。だが、そんな宮部に物申す。もうちょいと短く書けんのかい!?

 数少ないお気に入り女性作家の一人で、ほとんどの作品を読んでいる宮部みゆきだが、どうも最近はやたらと厚い(長い)作品が多くて、つい尻込みしてしまうのである。

 1989年の『パーフェクト・ブルー』刊行以降の10年、上下巻に分かれている作品は『クロスファイア』(ノベルス)のみ。これに対してそれ以降は、2001年の『模倣犯』をはじめとして『ブレイブストーリー』、未だ完結しない『ドリームバスター』、『日暮し』、『孤宿の人』、そして本作。

 かつてはどちらかというと東野より宮部の方を好んで読んでいたのだが、今は断然東野だ。彼の作品はすべて一冊に収まっている。嗜好の変化ということもあろうが、同じ時間でニ作品読めるにしくはないと思うのである。

文藝春秋 2007/8/15 第2刷

 『模倣犯』の続編という触れ込みだが、前畑滋子が主役という以外、さほどのつながりは無い。
 ただそのつながりは細いが(滋子にとって)強いもので、やはり『模倣犯』は読んでおくべきだろう。

 滋子が知り合いの編集者から紹介されたある女性が語る奇妙な話から物語は始まる。そして最後に解決される一つの事件。この最初の女性の話と最後の事件には、直接的な関係が無い。それを長い時間をかけて丹念に綴っていくので、無駄も不自然さも感じさせない。

 本筋とどうからんでくるのか最初は予測できないエピソードを、「断章」という形で文字通り断片的に織り込んである辺りも小憎らしいほどにうまい。なので、物理的に長くとも心理的には長さを感じない。面白い。これでもう少し短ければ言うことはないのだが。

 と、なんだかんだ言ってはみても、未読作品が増えてくると、やはり読まねばと思ってしまう訳で、ちなみに現在『孤宿の人』(分厚いノベルス版の上下)を予約中である。

 ところで、雑誌「小説新潮」に連載中の『ソロモンの偽証』は、既に60回を超えている。いつ終わりいつ出るのかは分からないが、1回の枚数にもよるとしても1年から1年半の連載で1冊になると考えると…想像するだに恐ろしい。(^^;

 長い長いと書いていたら、今日は感想も長くなってしまったな…。最後にどうでも良い素朴な疑問なのだが、この表紙の写真は(特に上巻は)何なのかしらん??

【宮部みゆき】名もなき毒 4

 特に意識してのことではないのだが、ブログでこの本の感想を読んだ記憶が無い。なので、どんなジャンルのどんな話なのか、まったく知らずに読み始めた。

幻冬舎 2006/9/15 第 3 刷発行

 少し読み進み、主人公の杉村三郎の結婚の条件の一つが妻の父親の会社に入ること、というくだりで、同じような設定の話があったような…と思った。その数ページ後、勤め先が「新橋駅」の近くというところで思い出した! これって『誰か』の続編なんだね。

 『誰か』はタイトルの意味がいまいち分からなかった記憶があるんだけど、このタイトルは良いね。実に良い。

 思えば昨年の2月に『模倣犯』を読み、その後『ブレーブ・ストーリー』、年末には『あかんべえ』、今年は『ドリームバスター』3冊のみで、実に久しぶりに現代物の宮部ミスリーを堪能、読み応えも十分だった。ただ…ちょっと重いかなぁ。あくまで個人的好みだけど。

 今回の勝手にキャスティングは、杉村三郎=髪をオールバックにして丸眼鏡をかけた(さらに言えば髭をきれいに剃った)竹野内豊、その妻・菜穂子=井川遥、園田編集長=片平なぎさ。この辺でやめとこう。(^^;

【宮部みゆき】ドリームバスター2 & 3 4

 書かずもがなだが『ドリームバスター』の続編である。ぴったり3年の間をおいて出た2冊をまとめて借りてみた。

徳間書店 2003/3/31 初刷
徳間書店 2006/3/31 初刷
 シェンの友人リップの秘密がちょこっとだけ明かされたところで「To Be Continued」となった一作目だが、『2』ではいきなりそのリップが失踪して既に一ヶ月ということになっている。後半ある人物の助けを借りてリップの素性が少し明らかになるのだが、それ以外はリップとは関係の無い(と思われる)ミッションに関する中編が二つ。

目撃者――Eyewitness
 D・P(Dreaming Person)村野理恵子の 《場》(フィールド)に潜んでいたワッツはある理由で消滅してしまい、ミッション終了に思えたが、理恵子のその後に危惧を覚えたマエストロは、彼女にリストバンドを手渡す。それには彼女が危険を感じた際に作動する発信器 《錨》(アンカー)が埋め込まれているという…。
 この話以降、マエストロの古い友人の未亡人で元D・Bのエムリンが、シェンたちと同居することになる。

星の切れっ端し――Stardust
 親に虐待を受けているD・Pタカシ。過去に同じ境遇にあった脱獄犯モズミは、タカシを守りたいと強く思うあまり、彼の 《場》 から抜け出せない状態にあった。シェンとマエストロはモズミに助言を与え、ひとまず出直すことにする。

 一方、二人といっしょに出張ったもう一組のD・Bのうちの一人、新人のスピナーは、このミッションの後、謎の失踪をする。そして、スピナーとそっくりの人物を意外な場所で見かけたという、彼の妹に宛てられた手紙が紹介されて…今回も To be continued!

 そして『3』は、三話の短・中編。

赤いドレスの女――Woman in Red
 マエストロがくれたリストバンドを着けて以来、時々他人の心の声がするようになった理恵子は、一度ならず赤いドレスの女をみかけるが、まるで幽霊のごとく消えてしまう。理恵子の再登場は当然予想されたことだが、シェンとマエストロの出番は無く、今後どうつながっていくのか…。

モズミの決算――Mozumi's adjustment
 最近引退したD・Bの姪のカーリンという少女が登場。いろいろあって彼女もまたシェンたちの住まいに居候することになる。

 別なD・Bが経験した事件から、ある方法でタカシをテーラに連れ帰ろうと思い立つシェンだが、それを知って激怒したマエストロの膝蹴りで失神。その間にマエストロはエムリンとともにタカシの元へ。気が付いたシェンはカーリンからモズミとタカシの現況を聞くが…この話が今後にどうつながるのか、つながらないのか…。

時間鉱山 Part1――Time mine
 冒頭、28才になったばかりの神埼紀恵は自殺を決意、同じく自殺を考えていた伊藤行男と死出のドライブに出る。

 話変わって、シェンの友人のD・Bマッキーがミッションに出たきり 《場》 に居ついて帰らないという。シェンその 《場》 はD・Pのそれでなく、《時間鉱山》 という場所であることを突き止める。そこは時間が湧き出す源泉の近くにあって、時間が結晶化しているのだという。

 《時間鉱山》 を訪れたシェンたちは、そこで紀恵と行男とヒロムという少年に出会う。そこは地球人にとって、あの世でもこの世でもない場所らしい。そして三人のために地球への帰り道を探索に出たシェンは、赤いドレスの女を目撃する。彼女の正体は、テーラから脱獄した凶悪犯の一人であり、シェンの母親でもある血まみれローズだという…。

 今回はなぜか「To be continued」とはなっていないが、当然続く。まだまだ続く。一作目を読み始めた時は、てっきり今年出た『4』で完結と思い込んでいたのだが、5巻までだという話もあれば、いや7巻だという噂もある。

 リップはどこへ行ったのか、彼の正体は? スピナーは? マッキーは? 謎は深まるというよりどんどん広がっていく。十分面白いので長く続くのは結構だが、まさか、どういう結末にするかまだ決まってなかったりして?

【宮部みゆき選】スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎 002 3

 日本推理作家協会とサントリーは毎年「シングルモルト&ミステリー」というイベントを行い、そこで選ばれたブレンドのウイスキーを「謎」という名前で発売しているが、こちらはノン・アルコールのブレンド。ちなみに「ブレンダー」の宮部っちはお酒をたしなまないらしい。

講談社文庫 2007/9/14 第 1 刷発行

 昨年出た『スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎 001』(ブレンダーは圭吾りん)は1970年、1980年、1990年に発表された短編を選りすぐったものだったが、本作はそれより一年ずつ後に発表されたものから編まれたもの。少なくとも10年は続けたいということなのかな。

 「好きな作家の作品は面白い(正確には面白いから好きになる訳だが)。よって好きな作家が面白いと思う話は基本的に面白い」という論法は、基本的には正しいと思う。が、「基本的には」というのは裏を返せば「必ず例外はある」ということであり、残念ながらこのブレンドはおいらの口には合わなかった。『謎 001』は結構面白かった記憶があるんだけど。やっぱウイスキーよりビールの方が…。(^^;

 という訳で、今回は収録作を列挙するにとどめる。ついでに各年の出来事(これも本書に書かれていることで、こっちの方が懐かしくて面白かったりする)からちょっとだけ紹介。

1971年(昭和46年) ●カップヌードル発売●尾崎紀世彦「また逢う日まで」でレコード大賞獲得。ちなみにこの年みゆきちゃんは11歳。
 生島治郎「男一匹」、森村誠一「企業特訓殺人事件」、小松左京「闇の中の子供」

1981年(昭和56年) ●英国チャールズ皇太子がダイアナさんと結婚●レコ大は寺尾聰「ルビーの指輪」
 佐野洋「暗い窓」、都筑道夫「首くくりの木」

1981年(平成3年) ●NTT携帯電話発売●流行語はバツイチ、チャパツなど
 原リョウ「歩道橋の男」(『天使たちの探偵』収録)、夏樹静子「酷い天罰」

 なお、ブレンドのコンセプトは 《現代社会の世相や問題と、くっきりと太い線で結びついている作品》 とのことである。

【宮部みゆき】ドリームバスター 4

 宮部みゆきの本は、出版社の思惑なのか著者の意向なのか、概して文庫落ちまでの期間が長い、と感じる人は私だけでしょうか。

 この本も、いつになったら文庫になるんだ〜!? とずっと前から思っていたところ、古本屋で発見、即ゲットしたのものの、4ヶ月近く積読状態になっていたのだが、今月文庫落ちということで、せっかく(値段は文庫より安いけど)単行本を買ったのに文庫が出てから読むのはくやしいので、慌てて読み始めた。

(後日追記: 文庫落ちというのは完全に勘違いだったようです…。)

徳間書店 2001/11/30 初版

 シェン(表紙の左に描かれている主人公。ずっと女の子だと思ってました。(^^;)とマエストロの住む星 《テーラ》 で行われていた極秘実験 《プロジェクト・ナイトメア》、そこで開発された 《人間の意識を肉体から切り離し、自在に保管したり移動したりする装置》 が暴走し、大爆発を起こす。

 その爆発によって開けられた時間軸の 《抜け穴》 を通り、被験者の凶悪犯50人が《意識だけの存在になって》 地球へと脱走し、肉体を乗っ取れそうなか弱い人びとの夢を渡り歩くこととなる。

 そこでD・B(Dream Buster)の出番だ。50人の脱獄犯にかけられた賞金を目指して、自らも電気的信号化され 《抜け穴》 を通って地球へとやって来る。シェンとマエストロもD・Bであり、彼らの縄張りはニホンという国だった――!

 今まで読んだ宮部作品に無い語り口に最初はとまどいつつものめり込む。面白い! 『ブレイブ・ストーリー』は子供も楽しめるファンタジーなのに対して、大人向けのSFファンタジーというところ。

 この第一巻でシェンたちは二人の脱走犯を捕獲する。きっと最後に捕まえるのは××なんだろうけど、同じような調子で捕り物ばかりではシリーズとして成り立つまいと思っていたが…これは要らぬ心配だったようで、終盤は思わぬ展開を見せる。

 そして、おお!と思ったところで無情にも「To be continued ...」って、宮部さん、そらないぜ〜。(T^T)

あかんべえ 5

新潮文庫 2007/1/1 発行 宮部みゆき
 宮部みゆきは大好きな作家の一人。ブログを始めて以来、初の宮部作品だ。文庫・新書しか買わないこともあり、今年はほとんど読んでない気がしたが、『模倣犯』と『ブレイブ・ストーリー』で「ページ数」としてはかなり読んだことになるな。(^^;

 『ぼんくら』以来、久しぶりの宮部 《江戸物》 を堪能した。年の瀬でもあるので(換言するとめんどいので)あらすじなどは一切省略するが、帯に書かれた 《人情+ミステリ+ファンタジー》 というコピーが物語のテイストを良く表していると思う。

 ところでハードカバーは一冊なのに、文庫化の際、発売日は変えずに分冊する意図って何なんだろ?

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